「ゆめちから」収穫!ガンガン行きますよ~!

ゆめちからの
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今年(H24)は7月29日~8月4日まで。
昨年(H23)は7月26日スタート。
一昨年(H22)は7月22日スタート。
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H22は受粉から登熟期までが暑く旱ばつ、H23もその傾向が強い。
今年はというと順調に生育が推移した感じがある。
根も痛んでいないようで、茎の水分が残った状態(青い)の茎での収穫が多かった。
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H24産ゆめちからは、約
背丈:穂首まで約76cm
穂長:9~11cm
段数:9段
平均収穫水分:20~25%
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ということで、去年にくらべるとそんなに条件的には変わらないのだが、粒の大きさは間違いなく今年のほうが大きかった。
背丈が去年よりも数センチ高い感じがみられるが、適度な雨がそうさせたのか、それとも6月下旬から、7月前半まで涼しげだったけ。とにかく早上がりにならないよう、追肥もNセンサーを利用して施した。
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とにかく無事に、しかもノゲをほぼ心配することなく「ゆめちから」は収穫された。
こりゃ成分結果も楽しみだ。超というほどタンパクが高まっていれば、努力が実った形だ。
それは10月にはわかるだろう!パン屋さんたちまっててね~!!
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もちろん深夜まで作業は続きます。去年と比べると、スタッフ1人へっただけ大変です。何とかはなりますが、体力が衰えてくるとと思うと心配だな~。これも人確保も課題のひとつ。
それでも途中に何人もの”ゆめちから刈り隊”がやってきた。
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源すしの若大将!後に日本一長い111mピザをやる羽目になるとは、この時知る由もなかったのである・・・続
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帯広市のはるこまベーカリーの栗原オーナー。ここのバケットは絶品。それにうちのキタノカオリのチャパタや春よ恋の角食パンなどもかなりの人気で美味しい。各小麦の特性に合わせて美味しいパンを創ろうとしている熱血パン屋さん。
「十勝パンを創る会」の会長でもある。念願のコンバインどうでした?
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それから、アレ?マジ?なんでスーツにネクタイ?
サラリーマンNEOみたくなってますけど、東京から本別にとついできた会計士の内田君。彼も町おこしや地域の行事に積極的にかかわり、良い提案をするアウトサイダー。うっちーのようなよそ者目線からの、この地のメリットを見る目が地域を変えてことになるかもしれない。どんな形でコラボできるか、私も楽しみだ。
ミステリーな仲間たちも大勢きてくれた。これも地域の産業や小麦を知ってもらうため。
出来る範囲でいいから農業の魅力を発信していくのも我々の役目かもしれない。
とにかく、収穫は順調、順調!

マスヤパン、クグロフの原料獲りに来ました!

十勝のローカルパン屋さんといえば、帯広市の”満寿屋(マスヤ)パンさん。
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うちの母も学生の頃から、ここの”ねじりドーナーツ”が好きで、私も大好物に。
原料が何処であれ、好きなものは好きというのが人間の癖なんでしょうけど、それが十勝の小麦にいつしか変身し、
しかも、数あるパンの中でもまた、うちの小麦からできてるとなると感激するわけです。
今の当農場の取組も、マスヤパンの杉山社長の熱き魂に触れなければなかったのかもしれません。
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そして、その遺伝子はこちらのスタッフさんに受け継がれています。
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しかも、きっと全国初じゃないのかな?地産地消部という超ローカルチックな部署があり、そこを仕切っているのが、天方シェフ。
東京や札幌で修行を積み、流れ流れて帯広へ。これも間違いなく縁でしょう!
うちには、4年前から毎年のように、コンバインに乗りに来て、毎年のように一緒にピザやいたり、ミステリーサークルベーグル作ってくれたり、トカチノクグロフを作ってみたり。職人や農家さんたちの橋渡し役として、また美味しいパンを創る一職人として、すっかり十勝人になっている天方シェフが、スタッフさんをつれて収穫体験に来ました。IMGP6723.JPG
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収穫・乾燥+調整ラインからの流れから、職人さんに毎年の成分変化の違いや傾向を説明して、
いざ、クグロフの原料の一部「きたほなみ」の収穫に。
初めて乗るコンバインは蛇行運転から始まっても当たり前。
皆上手くいったんじゃ我々の立場もない。
でもこの体験も重要。いつも触れている小麦粉の基になっていて、畑で植えられているものと感じられるから。
十勝全体でこういったことは可能だと思う。確かに、倒伏していたり、雨が降るとか言ってたらそんな時間はなくなるが、職人に美味しく作ってもらうには、粉だけだしてもダメだと思っている。お互いに人間だから。
ということで、トカチノクグロフは十勝素材100%の発酵菓子です。
お菓子ともパンともいえないこの触感。是非食べてみてください!!
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きたほなみ太ってました!

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お菓子でも大人気の「きたほなみ」は8月2,3日に収穫になりました。
水分は22%前後(2日⑦圃場)、3日目(⑤圃場)は18%。
去年が7月26日に収穫できてますから、約1週間ほど違う。
これは良い兆候のひとつ。登熟期が長~くとれてる。
登熟日数もそうだし、天気も25~26℃くらいで推移してきたと思うとホント小麦には最適。
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今年(H24産)の「きたほなみ」は、太ってました~!!
やせてる、太ってるは農家にとっては、”容積重”という品質区分に相当していて要は小麦粉になる部分の
胚乳部分の重さを見ることになります。もちろん高いほうが良い。
製粉歩留りもよく、またより菓子向きのタンパクの低いところをとるのも、より容易になるからです(製粉会社の仕事ですが・・・)。
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今年の収穫が過去2年(H22,23)との違いというか、私なりに気づいたこと何点かあげてみます。
1.”穂ちぎれ”がほぼ皆無→過去2年は猛暑と言われ、急激に穂が干上がり、病気発生も多かったため、根からの養分吸収が寸断されていたため、枯死しているような状態だった。
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2.①から判断すると、収穫した株がまだ青さを残している。最後まで養分吸収をしている感じ。
3.コンバインのタンク内に入る”穂ちぎれ”もしたがって少ない。しかし、意外に「ゆめちから」よりも、「きたほなみ」のほうが、穂の途中から切れ穂が目立つように感じた。したがって、タンク内に未脱穀の穂も多少はあった(回転数850rpm)。
4.倒れにくいとは言われているが、密度の濃さは致命的感じ。H24は倒伏ないが、秋の播種量と時期は重要。
5.その一粒の重さからなのか、株たて本数(少なさ)の割りに収量はある。
6.圃場⑤と⑦を比べると、理想的だったのは⑤の南側2ha。何年か寂しい感じの小麦だったので、今年ことリベンジしたいと春先から注視していたところ。密度的にはわからないけど、少なくともNセンサーで、幼穂形成期、止め葉期の数字を頭にいれておいて来年へとつなげたい。
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7.穂首までの丈は、76~80cm(結局意外と伸びた)。穂長9.5cm、段数は9~10段。でも最上段は規格にあたらない穂も結構ある。これなら8~9段でびっちり詰まった小麦のほうがよいだろう!でもどうやって?・・・
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といったところだどうか。
”粘りのある土つくり”として、堆肥量を増やしてきているのも、もしかしたら寄与してくれたのかもしれない。
収量があり、やっぱり小麦収穫はこうじゃなきゃ、楽しくない!
この後、掃除して、最後の圃場となる「ゆめちから」→掃除して、「キタノカオリ」が続く。

「ゆめちから」のミステリーサークルにファイターズのBB君が!!

ついに今年の小麦の収穫開始~!!
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予定では、ゆめちから⇒きたほなみ⇒キタノカオリ⇒春よ恋⇒はるきらりの順に収穫してきます。
トップバッターはゆめちから、それもスペシャルなやつ。
そうです!あのミステリーサークルアート2012の舞台?になった12番の畑の収穫から開始です。
まず、やってしまったのが後部のストローウォーカーのハッチが閉まっていて、藁がでずさっそく手作業で藁を取り除きどっと汗。
初歩的なミスをしてからガンガン開始に。
今年のコンバインの調整(TX66)変更点は大きく3つ。
①シリンダー回転850rpm⇒去年は約800rpm:高回転理由は穂ちぎれが少なく、ゆめちからのノゲ対策としても効果的なのかを知りたかった。また、穂の下側の揉みきれない未脱穀粒を極力ないようにしたい。
②風:800rpm⇒去年770rpm:容積重が高そうな(太りが良い)小麦が多く、軽いやつならとんでって構わないくらいの調整にしてみた。夾雑物<ゴミ)も少なく良くなった。 ③コーンケーブクリアランス10mm:昨年とほぼ変わりない。ちょっと湿気で渋くなると9mmに変更した。 という中で刈りとりスタート! とおや?! IMGP6577.JPG
なんでやねん!ファイターズのB・B君がミステリーサークルにいるべさっ!
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しかも、得意げにハンドル握って、「ゆめちから」を収穫!!
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こういうサプライズってあるんですね!なんだか各町村廻ってファイターズの試合の時に球場にその町を流すコーナーがあるらしく、役場通じてきたみたい。いや~でもあの31度もあった中、ジェスチャーだけで会話するのは辛かったわ~なんせ初日でテンぱッてたし。これで今年のパリーグ優勝まちがいないと確信しました。
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それから、それからスペシャルゲスト、デジタルグラフィックス社の河村さん家族。
ミステリーサークルアートを写真で本当にアートしてくれた方。十勝を応援してくれるその姿勢に感謝です。
こんなことしかできませんが、せめてもの恩返しとコンバインに乗りにきてくれました!
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それから、うちのボンズたちを乗せてガンガンゆめちからを収穫していきます。
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お姉ちゃんが「ゆめちから」を収穫し、
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長男が「ゆめちから」を同じく収穫。
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そしてこれで見おさめ。ミステリーサークルアートの看板の前でパチリ。
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アートにした部分もしっかり刈り取らせてもらいました。これもミステリーサークルアートに参加してくれた皆さんへの約束。
こういう状態でもコンバインの能力は凄いんですね~!
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そして、ミステリーサークルアートの首謀者たち”とかち夢宙人”を代表してバイトしにきていた二人にゆめちからを収穫してもらいましたよ~。こういった経験も学生達にしてみれば楽しく、辛い?思い出になっているでしょう。でも体験が一番よいのです。文字や写真じゃ面白くない。第一線が一番面白いし、感動があります。川本くんに・・・
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東京出身の清水君。今の学生はすれてると思いきやなかなか骨のある奴もおおいのです。カッコつけてる暇はない。ドロンコになって青春を謳歌してほしいですね!ここだとホントのドロンコばかりですが(笑)。
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「ゆめちから」とは次世代の若者たちです。もっともっと尖ってもいいと思う。元気に活動的に失敗を恐れず、若さで行動力で世の中を変えていく人達を、この小麦は応援します。是非、夢のパワーの凄さを胃袋から?感じたい人、いっぱいたべてください!夢も希望もパンもおなかも脹らむのがこの小麦の凄さだと勝手に私は信じ込んでますから~!!!

ミステリーサークルと保育園児たち

7月のある日。
南保育所の園児たちが、ゆめちからのミステリーサークルに遊びに来てくれた。
曇りのち晴れ曜日だったが、思いのほか晴れ間が早い。
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先生たちは園児達をつれ30度になる前に早速連れてきた。
愛の架け橋(南大橋)を渡ってすぐそこ。
といっても園児達の早さだ。
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ただこういう子供たちが畑に群がっている光景は、我ながら”間違ったことしてない!”という感覚になる。
私も行きたかったが、仕事でいけず社長に代役をお願いした。
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園児達には、その辺の池や水たまりとそんな違いはないのかもしれないけど、
この自分の背丈ほどの小麦。向こう側の見えない世界というのはとても面白いことなのかなと思う。
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まっとにかく、彼らや彼女らもまた、未来ほんべつの”ゆめちから”達だ。
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大きく育ってね!!
連れて来てくれた先生達も暑い中ありがとうございました!

十勝ベーカリーキャンプ2012inミステリーサークル?

今年も十勝ベーカリーキャンプ2012が開催された。
7月6日と例年よりも2週間ほど早くの開催だ。
このキャンプは今年で4年目になる。
帯広市役所の産業連携室が旗振り役となり、民間の農家、パン屋、流通業などが会を運営してきた。
私は正直、めちゃくちゃ気にいらないことがこのキャンプにはある。
それは小麦ツアーが”オプショナルツアー”という項目なのだ!
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実行委員をやっていて文句をいうのもなんだが、この地に来てパン屋のキャンプやる意味は正直ないと思う。
講習会なら札幌や東京、大阪でやればもっとレベルは高くなっていいと思う。
十勝産小麦を使おう!とかいってるんであれば、それは流通や製粉会社だけのことでないはず。
小麦畑に焦点をあてるべきで、なぜオプションなのか?むしろ本丸だと自負しているが、きっと過去3年の選定農場(うちだけど)が悪かったせい?もあるのかもしれない。ただ、もっと小麦粉の前の小麦に耳を傾けるべきじゃないかと思う。別に話を聞いてほしいわけでなく、実際の現場をみることの重要性を強調したいだけだ。
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ということで、毎年どおりバタバタ始まった。
過去のベーカリーキャンプで
私の紹介してきた畑の小麦たちは
一年目(H21) どっちが美味い? はるきらりVS春よ恋 
二年目(H22) 日本のパン用救世主 ゆめちから
三年目(H23) 忘れちゃや~よ!キタノカオリ (ゆめちからの片親)
四年目(H24) 春小麦新品種ってどれ?&ゆめちからでミステリーサークルアート2012 これであなたも夢宙人!?
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といった勝手なテーマにそってます。
まず、家前の春よ恋の畑の中の、奨励品種決定試験圃場へ参加者の皆さんを連れていきました。
ここでは4品種×2パターンで管理されてます。
春よ恋、はるきらり、北見春71号、HW5号と後ろ2品種は今後の北海道の奨励品種としてその日をまつことになります。
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ベーカリーキャンプに参加する方はいろんな業種や全く関係なく興味があってという方もいます。
ほとんどの方は、小麦なんかマジマジ見たことなんかありません。皆興味深々で聞いてくれるんです。
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それから、意味のないような悪ふざけに思われる「ゆめちから」のミステリーサークルへ。
いろんな想い、それがどう子供達に伝わるのか?楽しくなくては心に残りませんが、これも参加者の皆さんにとってはわけがわからない感じの中の、意味ありげなとかち夢宙人たちの挑戦と創造性に驚いた様子でした。
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今回の講師の、竹谷さん、山崎さん、栄徳さんにもきてもらい用意した高所作業車からの一望を楽しんでいただいたのでした。
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皆でこのミステリーを眺めながら、マスヤパンさんに来てもらい、うちの特性石窯でピザランチ!!
皆さんと懇親を深めながら食事になりました。
前田農産100%のきたほなみ&ゆめちからのブレンドでマスヤパンさんが作ってくれたものです。
「想いを形にする」というのが我々農業者のそして我々の仕事の一部になります。
もちろん小麦を生産することも含め、地域の役にたつことも、商品化することも。
是非参加した皆さんも、小麦畑を思い出しながらパンをやいていただければと思っています。
参加ありがとうございました。
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2012年 伊勢丹お中元にも登場しています。 by akiko

北海道もようやく初夏の陽気になってきました。
小麦たちもむくむくと穂が出て、小麦畑も白波が立っているように見えます。
さて、今年も伊勢丹様のお中元に登場させて頂いております!
共栄岡野様
本別町前田農産100%使用 小豆島手延べ麺「古今」
5,250円
こちらの手延べ麺にすっかり虜になっている私たち家族は、
入学、出産、などの返礼の際に、お世話になっている方々に送る
定番となりました。
小麦のみずみずしさが伝わってくる美味しさです。
そして、
我らが十勝勢の十勝菓子工房 菓音 甲賀静香さんの

スマイルクッキー・十勝すふれカステラセット

冷やすとしっとり、レンジで少し温めるとトロリと濃厚な味わいなのです。
スマイルクッキーは食べてしまうのが、もったいないほどのかわいさ。
そしてそして、
春のフェアで桜のミルフィユが好評だったそうなのですが、
横浜フランセ様のミルフィユ
とーっても美味しかったので、こちらもおすすめです。
フレーバーが本物の香り味がしました。
サクサクのパイ生地も手折りなんだそうです。手間がかかっていますね。
定番となっている
ゼフィール様アソートボックス
徳島県の金時芋とのコラボレーションです。
クローバー様のプチフィナンシェ
しっとりとした口当たりがとても美味しいです。
こちらの二点は定番となり、とてもうれしいです。
宜しければ、夏の贈り物にどうぞ宜しくお願い致します♪

農家は切っても育種は切るな!!

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今月の日本農業新聞の記事だ。
タイトルは”育種・防除に打撃 財源不足 揺らぐ継続性”という記事。
なんのことかというと、国の事業仕分けにより(財源がないからという理由で)、国の指定試験事業が1年前に廃止されたのだ。
これは未来に向けて重大な過ちを犯しているに違いない。
なぜか?何度も紹介しているとおり、小麦の品種選抜の何千から選びぬかれたエリート麦たちだ。
その基礎研究がなくなり、または短くなればその弊害はかならず現場で起きる。
収量性、生産性(耐病、耐寒、耐雪など)、製粉性、加工適正などありとあらゆる側面から、いいとこどりをしながら、選抜された小麦を人工交配で地道に生み出してきたのが今の品種たち。
畑では、高齢化や労働分配からも小麦の占める割合が今後も高くなる。同時に、病気や連作障害も付ものになりえる。
育種はその病気や天候変動、ニーズの多様性に応えるためにあるのだ。
正直、兼業農家にばら撒いている財源があるのなら、種を育てる機関と研究員に拝聞すべきだ。
日本の農業の将来に深くかかわっていくのは、この基礎研究部門だ。
さらに悪いのは、日本の小麦の等級制度だ。この制度は今や検査機器の整った現代では無用の産物でしかない。
一般には知られていないが、国策である小麦、米、大豆には穀物検定検査が行われている。
3つに共通するのは、見た目(外見)検査と成分検査だ。
小麦の場合は、粒度を検査委員の目視による等級検査と、成分はタンパク、灰分、FN(フォーリングナンバー)、容積重、DON検査がある。
重要なのは、もちろん成分。いくら外見がよくても、加工者側が困るような例えばFNの低い、低アミロの小麦では話にならない。
例えば、今北海道の小麦はジレンマに陥っている。自給率14%といわれているが、生産の9割を占めるうどん用中力粉は市場でダブついて価格が落ちている(もちろん外麦が安くなっている要因もある)。反対に、パン用中華麺用はいままでそう安定した品種がなかったのも手伝い生産量は少ない。
がしかし、それ以上に問題になりそうなのがこのパン用中華麺用小麦の外見の悪さだ。タンパク含量の高いパンや中華麺に使う強力小麦は硬質小麦ともよばれている。他方、ウドンのような中力粉は軟質小麦という。外見上は、軟質小麦のほうがよく、今後でてくる「ゆめちから」なんかは実は正直ブサイクなほうだ。
なぜ、粉々にする製粉してなんぼの小麦に外見検査が必要なのか?昔は検査機器もなかったので人間の目視は重要だったかもしれない。しかし、ほぼインスタントででてくる成分検査に対して、検査員の外見検査はなんの意味があるのか疑問だ。
そもそも誰もこの麦の等級制度は得をしない。生産者はもちろん製品率の低下⇒収量減=製粉会社への流通量限⇒価格高騰⇒消費者も買いずらい⇒市場がないとみなされ作付減。本当に自給率や農業を育てたいと思っているのであれば、この制度は撤廃すべきである。しかも全国少なくとも稲、大豆の作付があり、検査員が仕事を辞めることもない。痛みを伴わない構造改革なら早急にやるべきだ。外麦よりも検査基準は厳しいのだ。有事になったらきっと規格外の小麦も食用にまわるかもしれない。
とにかく、この制度も撤廃して育種に財源をあてるべきだ。問題は将来、必ず起きる。
育種に何十年もかかるのもわかる。でも等級検査を撤廃することにより、成分で勝負しようとする生産者も増え、地域での競争もはじまり、且つ消滅した小麦や品種改良中の小麦まで幅広い品種をつくれたら、今度は加工業者のなかでもオリジナル商品ができてくるはずだ。
”小は親を選べない”ように親の掛け合わせによっては、ブサイク麦になりかねない。
でも見た目なんか関係ない。問題は中身であり加工適正のマッチングなのに。人間だって同じ。
中身で勝負するのが本来である。
とにかく、育種をさらに発展させ、実用化をより充実させるには、柔軟性と多様性を認める麦政策にするべきだと切に思う。
気候変動やマーケットやニーズの変化は生き物だ。規制緩和とかそういう次元の話ではない。もともとの小麦の在り方を考えれば今の制度が間違っているのがよ~く理解できる。
俺の息子の代までには絶対に変えなきゃならない。
農家はきっても日本の種を創る切り札たちは絶対に残し発展させるべきである。

雨、雨、雨の5月上旬

ツツジも桜も、杏の花も咲く今日この頃。
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雨です。雨です。雨ばかり。
ここ3年はこのようにゴールデンウィークに限って雨という感じが続いてます。
うちもビートの移植作業は中断。
5月3日から進まず、まだ全体の4割ほどしか終わっていないスローペース。
でも、去年はこの時点で無理して植えたビートが途中でイカレテしまう失敗を起してしまった大反省点を振りかえると、
土が乾き適期に畑に入れるまで待つのも勝負のうちです。
まだ、予報では3日ほど曇り雨の天気。
週明け5月14日からフル稼働できていれば最高でしょう。
それまでに、出来る限りのことをと・・・。
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今年の雨も、平成21年の大雨も、平成23年の9月頭の極雨も降るのは天気の勝手。
我々ができるのはどう、それを畑からリリースできるかです。
2度あることは3度あって、その教訓を社長(父)はじめ、先人たちはやってきました。
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平らな畑に側溝を掘り、暗渠パイプを施工して水抜きをするのです。
今年はこの調子だと、そんな簡単に乾くわけもない感じの天気ですので、その昔の側溝の掃除。
ここ32番の畑は、下層土は湿性火山灰土、粘土けが強く暗渠なかせの土です。
道路横断している土管も、水位がギリギリの勾配。
下手すると逆流しそうです。
ユンボを使って、V字型に側溝を掘り下げ、水位を下げます。
途中で埋もれていた暗渠を見つけ、水はけの確認。
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今年の秋に良くなるのも、もしかしたら来年、再来年に結果がでるかもしれません。
でも、やらないよりはやったほうが絶対良いのです。科学性だけでなく、物理性も良くしないと総合的に根が張っていかないから。
こういう作業のできない沈滞ムードはその後一気に快晴に恵まれ、作業がぼわれます。
備えあればなんとかで、こういう努力が畑の基盤強化にはかかせないんです。

甘甘ビートを育ててみよう!移植編

今年のビートポットの移植作業は遅れた。
寒い+雨もあって結局4月29日スタート。
しかし、5月3日より天候不順で5月10日まで移植は先延ばし。
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5月3日時点でまだ全体の40%、9haくらいしか進んでいない。
作業の進め方は人それぞれだが、うちでは
Wソイラ(深耕爪)⇒ロータリー⇒全層肥料(約5割)⇒プランター(残りの肥料5割)⇒移植機の順で作業する。
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どの作業もMAXスピードでやりたいが、結局焦っても精度が上がってないとスピードや効率は意味がない。
苗供給や労働力の確保を考えると今後もこの作業体系でいいのか?
もしくはビート生産自体を見定める必要もあるのではないかいう錯覚?さえ芽生える。
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ということで、中休み中の5月9日にブログに書いている。
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いつもどうり、
①苗をコンテナに積み(水分調整は非常に重要)

②パレット(25冊)をトラックに載せる

③移植機に苗コンテナごと移す(ユニック使用)

④23~27cmくらいの株間で移植。(狭い方が株たて本数が確保され、収量の安定性はもとより、糖分アップへの
期待が多い。鎮圧輪も重要な役目を果たします。

⑤補植:欠株や苗の悪いものと、1本つづ交換していく。結構重労働。
雨がないのもこまるが、ふりすぎもまた困る。
こりゃ、5月20日ころまでかかるな~。
でも焦ってもいいことないですか。
ユックリ早く移植していきたいです。