11月26日、午前中、地元本別中央小学校の校庭で、子供たちに搾乳(さくにゅう)体験をしてもらいました。この日は朝、マイナス10℃にもなり、このシーズン一番の寒さ。でしたが日差しはよく、きっと1度くらいはお昼までにはあったかと思います。
今年はJA本別青年部の本別支部のメンバーが、学び舎の小学校の3年生を対象に農業体験事業を行なってきました。今日はシーズン最終回。牛やさんからトラックで、校庭に親2頭、小2頭をつれてきました。
最初に、牛やさんのメンバーから、牛の体のこと、”牛乳は血にた成分、お母さん牛が身を削って、沢山の血液を生乳にかえてるんですよ””胃は4つあって、”反すうしながら”ほとんど時間食べていること”、”乳頭は4つあって、それぞれ独立しているので1つだけ絞っても駄目なこと””雄牛や牛乳がでなくなった牛は肉になって、食卓にあがっていること”など、”みんなは命を頂いているですよ”というお話をしてくれました。
子供達は”え~牛ってほとんど寝ないの~””かわいそ~肉になっちゃうの~””痛いわ~角切ったあとに焼印を”じゅ~”てされるの”とか、”あ~ウンチ、ウンチ””スゲェ(量)のオシッコ!”とか興奮しましたよ~。大盛況の大成功です。
子牛と仲よし。2頭のうちの一頭は先週金曜11月21日に産まれたばかり。牛って毎日、500gとか太って、成長期には1kg太るんですって。ヘ~
乳しぼり、これ大人がやっても楽しい。ペーターの気持ちもわかるな~。”あったか~イ”とおそるそろる、牛に近づく子も、実家が酪農家で、玄人なみに慣れている子も中には・・・。牛の体温は38度くらいで、人間よりも若干高いそうです。それをバルククーラーとよばれる、冷蔵タンクで5度まで冷すそうです。
なんで、殺菌するのか?それは、目に見えない雑菌がありお腹を壊したりすることがあるから。牛やさんも”搾りたてが一番うまいんだぞ!”とどの人も言います。
なお、牛の敷きわらは、小麦農家からきた”麦稈”ですよ~。畑農家もここでお手伝いです。
”良い牛乳は良い飼料から””良い飼料は良い畑から”ということで、”牛のご飯”を子供達にもってもらいました。ビートパルプ、デントコーン+大豆粕の圧ペン状のもの、コーンサイレージ、ミネラル+カルシウム、牧草だとかです。”サイレージ=漬物”みたいな保存食。子供達は”え~こんな臭いの食べてんの~”とかいってますけど、牛たちから言わせれば”え~そんなへんなもの食べてんの~”と言われかねません。
最後は牛やさんの機械絞りの様子を見学。皆興味深々です!機械によりバランスよく絞っていくようです。牛の乳はしぼってあげないと、乳房炎だとか他の病気にもなるそうです。
丁度給食の時間となり、朝しぼりたて(低温殺菌ずみ)のと、給食の一般牛乳と飲み比べてもらいました。”甘みとコク”は一味瞭然です。うちでもいただいた、生乳でプリンを作りました。生クリームなしでも、美味しいコクのあるプリンができましたよ。やっぱ搾りたてですね。
”みんな、牛乳すきですか?”との問いに
”大好き~~~!!!!!!”と手をあげた子供たち。
牛乳はお母さんの血液です。大切に飲みましょうよ、ね!お疲れ様でした~~。
月: 2008年11月
ビート(お砂糖)はやっぱり、”ほのぼの印”です。
しゃぶっ!しゃむいです!11月の上旬ともなると、朝は-4~6度。自然界は霜から凍結状態にはいります。当然、葉っぱも凍りついているわけですから、足で踏むだけで茎が折れたり、葉っぱもチリチリになります。大体、9~10時ころになると、葉っぱに水滴がつき、この時期になると葉っぱもしなびて、ナイフでも切りずらくなるのです。
だから6時から9時までの、土壌表面にうっすらと凍った土があるときが一番スムーズに収穫機が動くんです。”寒い”の言ってられません。時間との勝負。土場に集積するのに、ダンプやらショベルやら総動員しながらやるんです。
トラクターも”さび~なオイ”という感じ。20~30分ほど、暖気をしてから今日も発進です。写真は11月1日です。
葉っぱも朝のうちは、凍ってキラキラしてます。朝は爽快なシャキッとした空気。この空気をいっぱいにすったビート、甘くなっているはず。
ちなみに、マイナーなのかもしれませんが、十勝・本別町には北海道精糖株式会社(通称:北糖)の工場があります。グラニュウ糖のブランド名は”ほのぼの君”です。
ご使用よろしくお願いしま~す!
てん菜糖を掘る天才機械
砂糖の原料、ビートを掘る機械=ビート・ハーベスターなんです。
国内では、北海道でしか作付けされていないてん菜糖ですから、機械も特殊なものになってます。
手順は
1.ビートの葉っぱを切る(大根部分しか糖分がないから)
2.掘る(とにかく拾いあつめます)
3.土場にパイル。(掘ったビートを山のように集積します)
4.シートをかけて保存。(朝晩の凍結で、劣化が激しくなるのを防ぐため)
1.の葉っぱを切るですが、うちでは”タッパー”というナイフつきのはっぱを切る機械が収穫機についているものを使っています。トラクターは2本の畝をまたぐので、2列分処理が可能です。
1列は”タッパー”で葉っぱを切る。もう一列は葉っぱの切られたビートを収穫するようになっています。
写真の手前の鉄の車輪(フィラーホイール)+40cmくらいのナイフが下部にあって、葉っぱを押さえはさむようなかたちで、ナイフで葉っぱを切り落としていきます。それからもう一列を掘っていくことになります。写真は”口開け”という作業で、一番最初に機械が入るさいは、掘り取り口の前に”クリーナー”というゴムべらが高速で回っていて、これで葉っぱを叩き散らしながら収穫します。
左から掘り取られた列、タッパーで切られた列、無処理の列。
トラクターに牽引されるビートハーベスター。タンクに掘り取られたビートが入ります。一回におよそ6tほどのビートが詰まります。”ピタROW(うね)くん”とありますけど、掘り取り口にセンサーがついていて、ビートのうねをついづいしながら収穫できるんです。”ピタっとうねに合う”=”ビートがこぼれない”=”運転手は前を見て収穫するだけ”=”人間・疲れなくて、収穫・早い”といったところからついたネーミングだそうです。北海道のビート収穫機ではNo.1の信頼度、毎年機械の試験をさせてもらっていますが、ここの㈱日農機という会社”スゴイっ、気合はいった技術スタッフ!”150mはある畑を何度も何度もビデオを取りながら走り回っているんです。冬だというのに午前中には”汗だく”。この会社がなかったら、北海道のビートは衰退していたかもしれません。日本にはこういう熱い機械メーカーいっぱいありますよね!
あっ、うね(話)ズレマシタ。
それから、3の土場でビートの山(パイル)を集積をします。
最後に凍らないようにシートをかぶせて、風に飛ばされないよう重り(土のう、廃タイヤ)をのせます。この時期の北風や西風は半端でないときがあります。幅10m分のシートに覆われています。
近くによると、なんとも土に混じった甘~い匂い(香りという表現は難しい感じ)がしてきます。今年は、カッパン病という恐ろしい(収量・糖分ともに低下)病気はほとんど見られない感じ。どれだけ、甘くなりましたかね~。
ビートくん、甘くなったかな~?
ビートの収穫がありました。今年の収穫物は完了です、パチパチ。
今年は大きく二回に分けて出荷しています。
1回目は10月16日から24日までを1回目の掘り取り。2回目は11月4日から13日までかかりました。
ところで、ビートは何になるかご存知ですよね?Sugar beet(シュガービート)というだけあって、お砂糖(グラニュウ糖)になるんです。収穫どうしたかって、こうしたんです・・・↓
写真は10月24日の写真。ビートの大根部分が土から盛りあがっています。この品種は直根系の品種。分枝根みたいな品種もあります。まだこの頃、10月終わりくらいまでは、葉っぱも生き生きとしていて、立っています。11月にはいり、霜に何度もあたるようになると、段々葉っぱもしなびてきて、垂れた状態になっていきます。
27cmの靴と比較。計ったことはないですけど、きっと2~3kgくらいあります。葉っぱは砂糖にはなりません。ですので、畑の有機物として還元されます。
ビート収穫のポイント
掘り取り時期は?:”基準は甘くなってから?!”ということですが、精糖会社が事前にこの地区の畑はいつからいつまでと指定します。それに合わせて農家の人は収穫するんです。
甘さの秘訣は?:基本的には寒暖の差があるほうが甘くなる傾向があります。”寒くなる”といっても霜が降りるくらいですから3℃以下ぐらいになることでしょうか。10月中旬時点では、大体霜も降りてきています。
ビートの葉っぱをきった状態の写真。りんごのように、糖蜜が中心からにじみでています。この蜜自体が甘いと糖分もあり、重量もあるビートになります。舐めるともちろん、甘にがい感じがします。
甘さの目安は?:糖度~%とでるのですが、農家は出荷するまで自分のビートがどのくらいか、わかりません。ただ、大きいもの(人の顔くらい)でも、水ふくれしているようなビートは糖分があまりないビート。逆に同じ大きさでも糖分の高いものは重く、少々トラクターがふんずけても、割れたりしません。これを目安に”今年は糖分あるみたいだな~、ただの水(ふくれ)ビートだな~”とか思って収穫するんです。
次回、機械収穫の模様をお送りします。
お祝いの黒豆、収穫です!!
10月30~31に黒豆の祝黒(イワイクロ)も収穫を迎えました。パチパチ。
まづさかのぼって9月13日の写真ですけど、枝豆中盤の写真。枝豆は専用大豆もありますけど、まだ黒大豆での枝豆はこの祝黒大豆が代表格なんです。十勝黒という品種もありますが、祝黒のほうが皮が柔らかいんです。これが美味しさなんですけど逆に気をつけないと、収穫時に機械などで皮がむけやすい品種でもあります。
それから10月24日、すっかり葉っぱが役目を終えて枯れてきています。あれだけ青々していたのに・・・って残念がってる必要はありません。葉っぱが収穫時期を迎えても青々してしまうのは二次成長している可能性があり、青い粒が乾燥した正粒に混じることとなる可能性があるからです。
豆はこんな感じ。まだ青くやわらか~い、金時豆の黒がかったものみたいな状態のものがちらほら。下
それから小豆の収穫のように、地面に刈り倒します。
これは黒色の大豆だからできることです。白目や茶目の豆については汚粒といって、土の泥や茎自体のシブが豆についてとりづらいため、ピック式(拾い上げ)ではなく、立耗収穫といって枝がたった状態で収穫します。ですが問題があって、黒豆の場合、豆の乾燥が悪いので立耗でもなかなか水分が落ちてきません。しかもこの頃になると、朝晩2.3度日中も10度いけば良いくらいなので、2.3日刈り倒して乾燥させます。
それから小豆と同じコンバインで収穫します。しかしながら、粒の割れや機械による汚れが生じるので機械の調整や排出には気をつかってやらなければなりません。
収穫したての感じはこんな感じ。
水分は16%以下ということなので、収穫水分が17%だったため乾燥機にて風のみを通して乾燥します。よほど気をつけてやらないと急激な温風による乾燥は、中身が急激に乾燥してしまうので、皮の割れやシワがよったりする原因になります。
ふっ~あとはビートのみ、頑張るべし。