ライコ&ハルコ

拝啓、ライ小麦さま、お元気ですか?お隣さんの”春よ恋”も大きくなってきたでしょうか。
ライコムギの写真
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ライコちゃん、はっきりいって、ごっついっす!種の大きさでガタいがきまるわけではないけれど、勢いの良い芝麦(雑草)のように、張り切って葉っぱを横に広げてますね~。オモロイじゃないですか。
文献によると、なになに。小麦よりも穂が最上部の葉(止め葉)から穂がでてくる(通常、出穂期)のが、約6日ほど早いとか。しかし、私のもつ文献は、きっと秋播きのライ小麦に違いない。春まきにまいたとなると、いつだべ?”春よ恋”よりもチョイ前・後?それとも全然、違う時期になったりして。
写真は左がライコムギで、右が”春よ恋”ですね。春よ恋はまだまだ線が細い。一粒の種から3本の茎に分けつしています。ライコも分けつはあまり変わらないみただいけど、何せ葉、いでたち、逞しく勇ましい感じ。どんな穂をつけるか楽しみだの~。
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ハルコも元気にしとります。
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予告:秋播き小麦のホクシン・キタノカオリはもうすぐ、穂が顔をだしますよ~。

で・で・出た~!スペルト小麦!

うちの庭先のスペルト君、出てきました。
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あんな鎧のような籾の中からも、立派に発芽してきました。”そりゃそうだよな、子孫残すのに殻が固すぎて出てこないなんてありえないよな”と一安心。
しかし、やっぱり作条にまいたほうが、発芽率は良いようで、ばら撒き(種が表土にでているようなもの)のほうは、発芽が難。特にもみのついたまんまだから余計、そのリスクはあると考察する。
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古代ムギといわれるだけあり、もしかしたら何世紀はいいすぎかもしれないけど、小麦を人類が食べ始めた原型に近いものだとすれば、相当な価値がある。気がするのは私だけだろうか。
何千年の時を繋ぎ、ついにスペルト小麦が、家の庭先で目覚め?たのです。
まづはパチパチ。

♪shape of my wheat

幼穂ってあまり見たことないのでしょうか?
小麦の穂の赤ん坊のことですが、この例年、5月10日前後から幼穂の発生がみられます。
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写真は5月23日にとったキタノカオリの幼穂。この時、すでに小麦の形、穂の段数が決定します。
これは9段。あとはどのくらい実の肥大と、横に何条(2条、6条大麦とかっていうじゃないですか)できるかで、一穂の量が変化します。土の力と太陽と雨も、実の太りには重要です。”さぁ、自然界よ力をかしておくれ~”と魔女のように呪文をとなえたりして。
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ライターの先ぐらい、1cmぐらいに育った穂。最初は5月上旬、小粒のタケノコのような状態だったものがここまで大きくなりました。
一方、春よ恋はというと・・・背丈はこんな感じ。左:キタノカオリ 右:春よ恋
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幼穂はできとるかな?と解剖してみると・・・あった?肉眼では確認できるような、できないようなそれらしき(タケノコ状のような穂)ものが見える。けど、まだはっきりしないな。
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ぐびぐび大きくなれよ~!
♪sha~pe~,shape of my whe~at♪ スティングの”shape of my heart”にのせてお送りします。ご自分で歌ってください。

今年の失敗 春まき小麦 初冬栽培

今年の失敗 ”春よ恋”の初冬栽培
初冬栽培って何?ですが
まず 普通栽培の仕方:
春まき小麦(ハルユタカ、春よ恋、ハルキラリ)は春に種をまくとされる。年が明けた春、4月上旬~中旬にかけて、種を播かれる。アメリカのハード・レッド・スプリングも文字通り硬質の赤色春小麦と言われ春先に播種される。ちなみに、ウインターがつけば、日本で言う秋播きのようだ。
一方、秋まき小麦(ホクシン・キタノカオリ)は収穫前年の9月中旬~10月上旬に播かれて越冬させたもの。北海道の9割は秋播き小麦である。
初冬栽培の仕方:
春まき小麦を秋播き小麦のように越冬させる。播く時期は雪のふる直前がよいとされる。なぜか?雪が布団かわりになり、種を零下で休眠させた状態にでき、春先の雪解けをまつ必要性がない。また、ハルユタカの最大の欠点でもあった、穂発芽やカビの問題を収穫時期、通常は10日から2週間程度収穫が早まることにより、8月中旬お盆あたりの収穫期に降る雨の被害を避けられることから、北海道でも雪深い札幌や旭川方面の道央地域で盛んな栽培方法。
初冬まきを十勝・本別でやったらどうなるか?適用できるのか、やってみた。
工程:
1.平成19年11月22日 会社横の圃場 7反 播種量19.5kg/反(通常1.5倍の播種量) 表土は少々凍結状態 パワーハローにて種が表土にでないよう、播種後に混和する。
2.同年11月28日ごろ、寝雪(雪が降って完全に大地を白く覆ってしまう雪のこと) 越冬開始
3.平成20年3月中旬 まだ種は発芽していない
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4.同年20年4月19日 発芽したがふぞろい。どうみても3割もでてきていない。
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同日の春小麦の断面:しかも発芽したやつも、表土3~4cmほどで、下の土からクラストが発生。下土と分離ているため、このままの成長が望めない状態。根が浮いている。
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ほとんどは、発芽した段階で凍害にあってしまい、硬い種子から春先の暖かさで発芽したところに、朝晩のマイナス気温が発生。芽がでたところに凍ってしまい。凍死状態になったと考察される。
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同日:やもなく廃耕にする、残念。播きなおし。
まとめ:
1.道央地帯のような寝雪と違い、十勝(特に本別町は雪が近年少ない)の寒さは越冬小麦には厳しい条件。特に春先の朝晩の凍結と日中の暖かさが、発芽した種子には厳しい条件下にある。よって、初冬栽培は不適と考える。
2.むしろ、雪が少ないことをメリットに、春先の早期は種に向けた圃場つくり(融雪散布、秋の排水対策など)を行い、生育日数の確保をしたほうが有利である。
試験場等では、品種格差もあるようだ。ハルユタカ>春よ恋で初冬まきに適するようだとの説明。しかし十勝の気候はいづれにしても寒すぎのようである。

スペルト小麦ってなんだ?!

妻がみつけてみた超レアもの小麦。スペルト小麦。って何ですか?
私もよく知りませんが、こういう偶然ってあるんですね~。その小麦の存在をしってから数日たって、種をある方からいただいたので庭先で鑑賞用と自家消費にむけてまいてみました。
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この品種初めて見たときは、”すげぇ、何だこれ?”と言わせるような姿。どこの国のものかもわかりませんが、古代麦ってこんなに”ゴツイ”のかと思いました。穂の長さもさることながら、驚愕なのは、その種をつつむ皮。”硬いし、ぶ厚い”。まるで、”鎧をつけた麦”みたいなイメージ。
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通常、小麦は乾燥麦だと手でもんだだけで、種がこぼれますが、スペルトはそうじゃない。手でもんでも、穂が小穂に分かれるだけ。種は全くでてこず、指でほぐすように小穂の殻をとってあげないとでてこない。”コイツ、なにもんだ?””さすが小麦の親分、簡単には一肌脱がないんだな”と思わせる。しかも、粒も大きい。ライコムギも雄々しいかんじだったけど、こっちはthe king of wheatみたいに君臨するような感じ。
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なにせ、一粒づつやっていたら日が暮れてしまう。ということで、小穂のまま、播いてみた。少々強引だが、エン麦なんかは皮つきで播いたりするし・・・。もっとも、古代から自然にあったもの。地球の変化に対応するために、殻を硬くして雑菌の進入を防ぎ、自然の流れで、地上に落下しながら子孫をのこしてきたんだから、なんともないのかな?
どうなる、スペルト?
お味は?なんですが、ここはプロに聞いてみよう!ということで
石釜パン工房”野の花”さまのHPをご参照ください。美味しそうです!!!
http://www.ishigama.com/

♪グリーン、グリーン丘の上にはララ・小麦が萌え~る~♪

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♪グリーン、グリーン青空には、小麦がゆれ~る♪みたいな心地の良い日。
一週間ほど前の写真ですけど、”美瑛の丘”だけが丘じゃない。そこらじゅう、北海道にはきれいなところ、感じるところがあるんですよ。うちの畑だって、俺からみたら負けてない!傾斜角度は完全敗北だけど・・・。
”雨のち晴れ”って気分もすがすがしぃ~!小麦も”キタ~~~!!!”と光合成を喜んでます.
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こちらは裏庭のプルーンの木の花。甘すっぱ~い香りがなんともグ~なんですよ。こりゃ果樹園なんかいったら最高。においだけで、ジャムになった気分がするだろうな~っと。しかしながら、毎年、防除をしないせいか、虫の発生によりプルーン自体はほとんどたべていません。7年経つけど、一回しかまともなの食べてないな~。今年はどうかな?

種明かし タネも仕掛けもあります?

平成20年度、前田農産の小麦の品種ラインナップでございます。
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上から
ホクシン:自社面積の約7割、北海道小麦の9割の主流品種、来年度より”キタホナミ”という品種へと徐々に代替わりしていく運命?にあります。
キタノカオリ:自社面積の約1割、秋播き小麦では現在のところ唯一の強力系(タンパク含量高い)。パンにすると黄色がかったものができる。登熟期の低温がアミロ値(粘性)を低下させるため、大量生産が難しい。しかも、2年前まで高い需要にもかかわらず、”粒の見た目”がごつごつして悪いという理由から、一等麦としての銘柄指定を受けていなかったため、栽培を敬遠する農家も多かった。現在は一等麦指定を受けています。
春よ恋:春播き小麦:幻の品種とささやかれている”ハルユタカ”の後継者。強力系でパンはふっくら、     モチモチ、5年前に十勝のパン屋さんにうちの春よ恋でひいたパンを食べて感動!美味しいの      で作ってます。キタノカオリ同様の栽培特性に加え、ハルユタカと同じ、穂発芽しやすいところ      がちょっといけてない?
はるきらり:”ハルユタカ⇒春よ恋⇒はるきらり”の流れ。上記、低アミロ、穂発芽、カビ(DON数値がありずらい)など、春小麦の集大成?と呼ばれる品種!今年、市場に実質デビュー。タンパクがやや低い(春よ恋比較)ということなので、栽培面でカバーできるか挑戦中。今年銘柄指定をうけ、実儒者の評価を待つ。”ハルキラリ、ほしい!!!!!”という実需の声がないと、農家は非常につくりづらくなり、”キラリ!”と輝かずになる運命も・・・。需要増=優良品種を産み=生産拡大=自給率の向上という構図。幻で終わらせてはならない品種です。応援よろしくお願いします!
スペルト小麦:通称、古代麦。小麦の原種とも言われ、普通小麦とは構造が違い、栄養上重要なふすまや胚芽が製粉工程の間で除去されることはないとのこと。鑑賞用にいただいたものを春まきか秋播きなのかもわからず庭に播いてあります。しかし、この皮半端でない、でかい、硬い、ぶ厚い。病気の進入も防げそう。でも皮から種を取るのはどうするんだろう?困ったな~。
ライ小麦:自社では栽培、品質、食味、価格?すべてが未知数。ライ麦*小麦を人工的に交雑させたもの。もちろん遺伝子組み換えのものじゃないです!文献によると、グルテン含量が少ない、ミネラル含量が高い、独特の甘い風味をもつということ。そうとうなモグリのかたでないと知らないと思うな。とにかく無事に収穫してみたい。種全部、撒いてしまってサンプルがありません。すみません。以下で確認してください。
https://co-mugi.jp/blog/wp-content/uploads/2008/04/post_25.html
    

水もしたたる、エエ小麦

朝露にぬれた小麦、ホクシン。
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今年は雨がなんせ少ない。本州の露時期のような”今日も雨かよ?”ってことは滅多にありませんが、冬の雪不足から始まり、春にもまとまった雨は5月20日の雨のみ、ふっ~やっと降ったかという感じ。ビートも豆播きも土埃が舞い立つくらいの中の作業でした。
秋小麦は一部の圃場で、乾燥から根元に近い下の葉が黄色くなったり、マダラ状態もチラホラ。春小麦は生育は、播種直後から順調に推移している感じがしてます。収穫まで2ヶ月ちょっと。天気はあせらず、騒がずでいくしか方法ありません。
秋小麦は幼穂形成期といって、小麦の穂の赤ちゃんが、茎の中にできています。直系まだ4,5mmぐらいでしょうか。この時点で小麦の穂の形は決まり、後はどれだけ実を大きくしていくか、どれだけ整粒が穂の中にできるかにかかってます。
こちらは、”春よ恋”成長著しい感じはこの頃も感じられます。背丈はホクシンやキタノカオリよりも大きくなるんです。
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♪ラ~イ・ラ~イ・ライコムギ!ラ・ラ・ラ・ライ!♪

5月7日、未知との遭遇”ライ小麦”が発芽です!しかも葉っぱ、1枚目から太!
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お隣の”春よ恋”が繊細な感じに見える。
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”ん~これは只ならぬヤツになるに違いない!”と確信はしてませんが、独り言、ブツブツっ。
種は過乾燥ぎみに感じていましたが、発芽率も良かったんじゃないかな。
あとはどうなるか?病気や品種特性は?お味は?”2008年未知との遭遇”を楽しみたい。
♪でっきるかな、でっきるかな?♪はてはてほほ~い!
エゾヤマザクラも応援してくれてます!!
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”春よ恋” 発芽!

春まき小麦 春よ恋が発芽してきました!4月27日の写真。
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4月15日にまいた最初の圃場は、その後、良いお湿り(雨)をもらい、春の陽気と共にいっせいに発芽してきました。天空に向かってピィ~ンと背筋をのばしているような感じかな。言いすぎか・・・。しかし気持ち良さそう。
ちなみに、同日にとった違う畑。ホクシンと春よ恋がお隣どうしです。
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まだ春よ恋は発芽してきてませんが、もうあと数ミリのとこです。しかし、同じ小麦なのにこれだけの違いがあったも、収穫時期が2週間ほどしか変わらないというのは、作っていても不思議。春まき小麦は成長スピードが速いし(ただそう感じるだけなのか?)、急激にドンっと大きくなるからな~。
隣接しているので、今年はうまく観察できそうです。