”ライコムギ”って知ってますか?

ライ小麦って何?って私が聞くものどうかと思いますが、実は今年初めて播いてみました。
国産ライ麦が稀少性があるのはわかりますが、それよりもなじみのないライ小麦はどうなのか?
ライ小麦とは・・・
ライ麦+小麦(属間雑種)=ライ小麦=ベタベタやん!
1998年の文献によると、世界のライコムギの栽培面積は約291万haで、主要国はポーランド、ロシア、ドイツ、フランス、アメリカなど。栄養価の高いことから青刈りで飼料作物として、食用としても、生産されている様子。
食用加工の特徴
1.グルテン含量が少ない。
2.ミネラル含量が高い。
3.アミラーゼ活性が高い。
4。独特の風味を持つ。
食べてみなければわからいですが、帯広市のあるパン屋さんでは最近まで、この粉を使ってライコムギパンを出していたそうです。オーナー様によると、ライムギでもない、コムギでもない、独特な甘い風味、香ばしさ、モチモチ感のあるパンができるそうで、ファンも多いようでした。
まづは栽培してみないと、どうにもならないと、早速ではないのですが種を手配。4月17日にまいてみました。秋播きなのか、春まきなのかもわからないまま・・・。防除や肥培管理は麦類に準じてやろうと思います。
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ピンクに色づけされているのは、種子消毒(殺菌剤)がほどこされてます。検疫上の問題と健全種子の確保のためと思われます。
種の見た目は”春よ恋”よりも粒が一回り大きく、両端がとがったもの。”う~ん、いけるかも”と種の見栄えで判断して、”青田褒めるな”ということわざがありますが、少々期待してます。
あとはどんな味がするのか楽しみです。どうなるのかワクワクっ!

麦は踏まれて強くなる!

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小麦をローラーで鎮圧している作業です。
トラクターで牽引された鉄の輪がいっぱいついたものを引っ張り、小麦をおさえています。これは冬場、凍結して盛り上がった土が、春先の地温の上昇とともに下がり、根が地表から浮いた状況になるため、おさえてやることによって、養分の吸収をしやすくする効果があります。
土地が乾燥している時しか基本的にできませんが、今年は雪の少なさと春先の少雨で土は乾燥ぎみ。次の雨があるまでに、しっかりと根を下ろせるようローラーを一部の畑に掛けてみました。
麦は踏まれて強くなる!昔の人も”麦踏み”といって太くて強い茎をつくるのに行ったそうです。

新品種 はるきらり 誕生!!!

春まき小麦”春よ恋”の後継者ではないのですが、新品種”はるきらり”をこの度播きました。
まず簡単な紹介なのですが、春小麦=春に種をまく小麦=タンパク含量が高い=製パン性が優れる
という感じです。ですが、今までの春小麦は、収穫時の雨天や曇天による、穂発芽(実が熟しているため穂から発芽してしまう。粉にできない、もしくは品質が著しく劣化する。)となります。
北海道の元祖春小麦”はるゆたか”はこの穂発芽が現場問題なんです。農家が作りづらい=病気や発芽しやすい。だから”幻”のように扱われるんです。今は初冬まき(雪の積もる直前にまく)技術が北海道の中央部ですすみ、ある程度はこれらの諸問題をカバーできるようになっています。
 はるゆたか⇒春よ恋⇒はるきらり と穂発芽に強く、日本独特の気候に対応したカビ汚染が少ない品種の改良が試験場で進められ、一般畑の試験栽培となりました。十勝では3戸の農家が栽培に挑戦。うち一戸がわが農場です。
 見た目は、春よ恋と比べると、若干大粒で丸みを帯びている感じ。試験場では少々茎丈が短いので播種量を気持ち多めにというアドバイスをもらったので、”春よ恋”14kg、”はるきらり”16kgで播いてみました。
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 ところが事件発生!去年の豆の収穫後のざんさ(茎と莢)とこれまた試験的に取り入れた機械の一部がミスマッチで、種のでるところが一部つまり、ムラになってしまった・・・。こりゃマズイということで、すぐに従来の機械の方式に部品を取り替えたのです。ふ~っ。
”はるきらり”、キラキラと輝く次世代のエースになることを願いつつ、多くの方に応援していただきたい品種です。誰がつけるんだろう?この名前?いいですよね!

春よ恋、まきました!

春まき小麦”春よ恋”のは種作業がやっと始まった。
”やっと”といっても、平成19年が4月21日、22日にかけてだから例年より若干早い。
”やっと”の意味は例年よりも、雪解けが早かったものの、土壌の凍結により畑に入れない日々が続いたからで、”まだかな~”と指をくわえて畑を眺めていたからである。
秋播き小麦(ホクシン、キタノカオリなど)が昨年の9月下旬に種まきをして、8月上旬には収穫するのを考えれば、春まき小麦は4月上中旬に播種、収穫も8月お盆過ぎあたりなのを考えると、6ヶ月近くの生育日数の違いがある。
ホクシン・キタノカオリなどの秋まき小麦は冬季は、休眠しているのでそのまま6ヶ月の活動とはいえないが、やはり春小麦も生育日数の確保が絶対に必要。早期の種まきが重要なポイントなのです。
ということで、春小麦の播種工程ですが
1.肥料をまく。 畑一枚一枚に合わせて、土壌分析からえた必要な肥料をあげます。
2.土を暖める。大型の引っ掻き爪(深耕爪)で水はけ対策+空気を土中に入れるのを目的に施工します。
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深耕作業
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次の朝には、気温の上昇とともに、水蒸気が発生。土が息をしてます。
3.1 種の量のチェック。今年は自家採取の種と種子消毒(殺菌剤がついてます)された種を用意。
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自家採取の種
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種子消毒された種(一般のものと間違えないように色粉がわざとついています)
3.2整地し、種まきをする。今年は若干去年より少ない、播種量平均14kg/反で播いてみました。それでも全体で2800kgにもなるんですよ。機械は整地する(ハローといって土を攪拌します)+種まきがドッキングされたものを使ってます。
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昔は馬、今はトラクターと作業機械
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トラクターからはこんな感じの風景
4.鎮圧する。鉄車輪のついたもので、種を土に落ち着かせます。乾燥する年には特に重要です。

泥だらけの小麦調査

子供達と小麦を見に行った。
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3月下旬。雪は以前からないのだが、気温はそう簡単に上がらない。
畑も長靴じゃないとこのとうり!
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ぬかって、ぬかって息子のミッキーの長靴が脱げにぬげ、油断すると靴下で泥だらけになって歩いている!じゃないかよ~!”こらっ~”って最初からわかって連れて行っているようなものなんだけど。子供はよごすのが商売だから、いいか!
あっ何しにきたんだっけっと畑で思う。そうだ小麦、コムギ。う~ん、元気そう。

硝酸帯Nってなんだ?

突然ですが、硝酸帯N(窒素)を調べてるんです。
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取った土は、乾かして分析にかけて、数値をだします。
小麦の追肥(ツイヒ)といって肥料を分けてやることで、種まきと同時にあげる肥料のことを
基肥(キヒ・モトゴエ)といい、秋播き小麦(ホクシン・キタノカオリなど)は去年の9月下旬ごろにあげています。
今回は春先の補肥を小麦にあげるのに、果たしてどのくらい土に残存硝酸帯窒素量(小麦の収穫までに吸収できる窒素量)があるのかを調べて、目標収量を確保するのに必要な肥料量をだしてみようということで、JA青年部の仲間と勉強会。
農業改良普及所の方々、”農家の困った~?”という質問や疑問に答え、各種試験栽培を農家さんと共に行い、作況調査などを行っています。簡単な作況調査の仕方の説明を受けてます。
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また窒素ですが、植物の葉・茎の発育を促進する栄養素で、小麦には重要なタンパク源です。硝酸帯とは作物の根から吸収される窒素が変化した形のもの。農家の人は”どの種類の窒素肥料を、いつ、どのくらいやるのか”を畑を見ながら決めています。畑がある程度乾いたら、多くのトラクターがウナリ?をあげて肥料をまき始めます。

Back to snow

あ~あ、降ってしまった、雪、雪。
まだ、3月の下旬ということも考えれば、そんなに深刻な事態ではないのだけれども・・・。
大地はすっかり雪に覆われ、真っ白。十勝の農家はこの頃、”雪じゃなくて雨にして!”と
いつもどうり?! の勝手な神頼みをするのです。雨は畑に浸み込みで、凍結を溶かす理由と
水分があったほうが、地温が暖まってくるんです。
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お昼頃にはすっかり溶けましたよ~。
春小麦の品種 ”春よ恋” は今年いつ種まきできるのかな? 春よ来~い!!!

初雨

今年最初の雨、それは3月14日の夕暮れからやってきた。
しとしとと、やさしく。冷たい雨。
15日の昼には快晴となり、気温も10℃まであがった。
この雨、十勝では非常に重要なんです。土壌の凍結が30cmも40cmも深く刺さりこんでいるため、
晴天の日が続くだけでは、なかなか凍結が抜けない=麦の根も養分を吸いに動き出せない。
ゆっくりと、しとしと、ふる雨は正に天の恵み、春の呼び覚まし声みたいなものなんです。
従来の年よりも、2週間以上は”天気がはやい”感じがしていますが、土の寒さが和らぐ上では結構でしょう!
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山も春の訪れを感じてます!ネコヤナギの写真
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肉を削って骨を絶つ!土を削って水を絶つ!

ここ2,3日、暖かいのです。なんと10℃越え!
キタノカオリの圃場はひくみがあるため、雪解け水がたまります。
水が少しで動いているうちは、小麦は窒息死しないんです。
去年(平成19年)、史上初?となる12月と1月に雨という最悪な状況で畑がアイスリンク状態に。
案の定、多くの畑(うちの町周辺含め)の小麦が酸素不足で枯れてしまいました。
家の社長(父)が、緊急用水路をつくってます。きっと水の流れがあるから大丈夫でしょう!
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水路になった麦たちよ、すまん・・・。
少々の犠牲はやも得ない、自然界の掟はもっともっと過酷で厳しいです。

お~い元気か、小麦たち!?

朝の気温は-9℃、日中は+4℃近くまでなるこの頃。
雪解けは日中一気にすすみ、小麦たちが顔を出し始めました。
まだ、凍っている状態で葉がちじこまっている状態。ちょっと雪解け早すぎ?と
感じているのか?雪の布団にもう少しかぶっていたい・・・そんな感じなのでしょうか。
写真1 家前のキタノカオリ 雪解けの水たまりが気になる~(注:水道は作ってあります)
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写真2 ハルヨコイの畑。どこ、麦は?と思いでしょうが、去年11月22日に土が半凍りの中、播きましたので土の中です。まだ発芽してない模様。”初冬まき技術”といって札幌周辺や道央中心の土の凍結があまりない地帯での技術です。なんと北海道の春まき小麦の約4割がこの初冬まき(H19年度9だそうです。家では初めての試み。うまくいくか検討ついてません。
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あまり雪のコタツでいつまでもいると、雪腐病なんかにかかってしまうので、他の豪雪地帯では
融雪材(黒色つきの炭酸カルシウム)などをまいて雪を溶かしたりしてます。