甘~い運搬作業

12月12日にビート貯蔵分の出荷となり、うち畑から全ての農産物がなくなりました。パチパチ。
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10tダンプが何十台も行き来をするので、畑が硬くなり痛むのでここの業者さんは、鉄板をひいて作業してくれました。珍しい取り計らい、ありがたいですね~。
前回お話したとおり、ビートは製糖工場の収容能力にも関係あり、農家貯蔵というのがあります。
今回、本別町の精糖工場(北海道糖業㈱)に近いビートの山が運びだされることになりました。前日11日結構な雪が降ったため、ビートパイル(ビートの山のこと)のシートの片付けは雪の重さと凍結で難航しました。結構強い、ビニールシートも凍結には勝てません。たまに、引っ張り方とかを間違うと、凍りついた部分が破けてしまうほど。自然の力は凄いです。
ということで、子供達二人を連れて運搬現場にレッツゴーとなりました。
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”おどうさん、デッカイの見つけた~””うぉ~”と持ち上げる娘。
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”これ、たいちゃんのだってば~ダメ~!”となんだかようわからんチビ助。
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最後にこれなんでしょう?これは、”遊離土”といって、製糖会社で運搬車からビートといっしょにでてきた副産物です。といっても、土砂や石、ビートの切れ端や葉っぱなどです。土砂はビートに付着していたものも多く含まれるため、肥料養分の高いものになっています。最後はこの遊離土を畑にちりばめ、畑の一部と還るのです。

ビート(お砂糖)はやっぱり、”ほのぼの印”です。

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しゃぶっ!しゃむいです!11月の上旬ともなると、朝は-4~6度。自然界は霜から凍結状態にはいります。当然、葉っぱも凍りついているわけですから、足で踏むだけで茎が折れたり、葉っぱもチリチリになります。大体、9~10時ころになると、葉っぱに水滴がつき、この時期になると葉っぱもしなびて、ナイフでも切りずらくなるのです。
だから6時から9時までの、土壌表面にうっすらと凍った土があるときが一番スムーズに収穫機が動くんです。”寒い”の言ってられません。時間との勝負。土場に集積するのに、ダンプやらショベルやら総動員しながらやるんです。
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トラクターも”さび~なオイ”という感じ。20~30分ほど、暖気をしてから今日も発進です。写真は11月1日です。
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葉っぱも朝のうちは、凍ってキラキラしてます。朝は爽快なシャキッとした空気。この空気をいっぱいにすったビート、甘くなっているはず。
ちなみに、マイナーなのかもしれませんが、十勝・本別町には北海道精糖株式会社(通称:北糖)の工場があります。グラニュウ糖のブランド名は”ほのぼの君”です。
 ご使用よろしくお願いしま~す!
 

てん菜糖を掘る天才機械

砂糖の原料、ビートを掘る機械=ビート・ハーベスターなんです。
国内では、北海道でしか作付けされていないてん菜糖ですから、機械も特殊なものになってます。
手順は
1.ビートの葉っぱを切る(大根部分しか糖分がないから)
2.掘る(とにかく拾いあつめます)
3.土場にパイル。(掘ったビートを山のように集積します)
4.シートをかけて保存。(朝晩の凍結で、劣化が激しくなるのを防ぐため)
1.の葉っぱを切るですが、うちでは”タッパー”というナイフつきのはっぱを切る機械が収穫機についているものを使っています。トラクターは2本の畝をまたぐので、2列分処理が可能です。
1列は”タッパー”で葉っぱを切る。もう一列は葉っぱの切られたビートを収穫するようになっています。
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写真の手前の鉄の車輪(フィラーホイール)+40cmくらいのナイフが下部にあって、葉っぱを押さえはさむようなかたちで、ナイフで葉っぱを切り落としていきます。それからもう一列を掘っていくことになります。写真は”口開け”という作業で、一番最初に機械が入るさいは、掘り取り口の前に”クリーナー”というゴムべらが高速で回っていて、これで葉っぱを叩き散らしながら収穫します。
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左から掘り取られた列、タッパーで切られた列、無処理の列。
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トラクターに牽引されるビートハーベスター。タンクに掘り取られたビートが入ります。一回におよそ6tほどのビートが詰まります。”ピタROW(うね)くん”とありますけど、掘り取り口にセンサーがついていて、ビートのうねをついづいしながら収穫できるんです。”ピタっとうねに合う”=”ビートがこぼれない”=”運転手は前を見て収穫するだけ”=”人間・疲れなくて、収穫・早い”といったところからついたネーミングだそうです。北海道のビート収穫機ではNo.1の信頼度、毎年機械の試験をさせてもらっていますが、ここの㈱日農機という会社”スゴイっ、気合はいった技術スタッフ!”150mはある畑を何度も何度もビデオを取りながら走り回っているんです。冬だというのに午前中には”汗だく”。この会社がなかったら、北海道のビートは衰退していたかもしれません。日本にはこういう熱い機械メーカーいっぱいありますよね!
あっ、うね(話)ズレマシタ。
それから、3の土場でビートの山(パイル)を集積をします。
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最後に凍らないようにシートをかぶせて、風に飛ばされないよう重り(土のう、廃タイヤ)をのせます。この時期の北風や西風は半端でないときがあります。幅10m分のシートに覆われています。
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近くによると、なんとも土に混じった甘~い匂い(香りという表現は難しい感じ)がしてきます。今年は、カッパン病という恐ろしい(収量・糖分ともに低下)病気はほとんど見られない感じ。どれだけ、甘くなりましたかね~。

ビートくん、甘くなったかな~?

ビートの収穫がありました。今年の収穫物は完了です、パチパチ。
今年は大きく二回に分けて出荷しています。
1回目は10月16日から24日までを1回目の掘り取り。2回目は11月4日から13日までかかりました。
ところで、ビートは何になるかご存知ですよね?Sugar beet(シュガービート)というだけあって、お砂糖(グラニュウ糖)になるんです。収穫どうしたかって、こうしたんです・・・↓
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写真は10月24日の写真。ビートの大根部分が土から盛りあがっています。この品種は直根系の品種。分枝根みたいな品種もあります。まだこの頃、10月終わりくらいまでは、葉っぱも生き生きとしていて、立っています。11月にはいり、霜に何度もあたるようになると、段々葉っぱもしなびてきて、垂れた状態になっていきます。
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27cmの靴と比較。計ったことはないですけど、きっと2~3kgくらいあります。葉っぱは砂糖にはなりません。ですので、畑の有機物として還元されます。
ビート収穫のポイント
掘り取り時期は?:”基準は甘くなってから?!”ということですが、精糖会社が事前にこの地区の畑はいつからいつまでと指定します。それに合わせて農家の人は収穫するんです。
甘さの秘訣は?:基本的には寒暖の差があるほうが甘くなる傾向があります。”寒くなる”といっても霜が降りるくらいですから3℃以下ぐらいになることでしょうか。10月中旬時点では、大体霜も降りてきています。
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ビートの葉っぱをきった状態の写真。りんごのように、糖蜜が中心からにじみでています。この蜜自体が甘いと糖分もあり、重量もあるビートになります。舐めるともちろん、甘にがい感じがします。
甘さの目安は?:糖度~%とでるのですが、農家は出荷するまで自分のビートがどのくらいか、わかりません。ただ、大きいもの(人の顔くらい)でも、水ふくれしているようなビートは糖分があまりないビート。逆に同じ大きさでも糖分の高いものは重く、少々トラクターがふんずけても、割れたりしません。これを目安に”今年は糖分あるみたいだな~、ただの水(ふくれ)ビートだな~”とか思って収穫するんです。
次回、機械収穫の模様をお送りします。

甘くなれ~ビート君

ビートのお話をしないと、甘くならないような気がしてしまう今日この頃、お元気ですかビート君たち?ご無沙汰しております、ごめんね。
デッカイほうれん草?と間違われることもありますが、実はビートは、ほうれん草と同じアカザ科に属する植物なんですって。6月29日の様子。葉っぱが展開期ともあり、次々に葉っぱがでてきてます。この頃畝が塞がる間じかで、塞がると雑草の抑制にもなります。
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下は7月29日、根の部分徐々に大きくなっており、根重肥大期にはいっています。糖分を貯めるよりは、体つくりの時期でしょうか。
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この頃になると、病気(根腐れ病、かっぱん病など)の防除を10日とか2週間おきに4回ぐらい続けるのです。なんでかって?かっぱん病に著しくなってしまうと、収量が伸びないのと、甘くならないビートになってしまうからなんです。生産者はビートの重量とその糖分によって、売り上げが決まるため、できるだけ大きくて甘~いのがつくりたいんです。それに虫食いも発生します。カメノコハムシ、カナブン、ヨトウ虫(蛾の幼虫)。ヨトウ虫は漢字では夜盗虫といって、日中は土の中や、中心部の葉っぱに隠れ、夕暮れ日も落ちる頃にでてきて食害をするんですよ~。”♪む~しゃ、む~しゃ、しあわせぇ~♪とかいってんだろうな奴ら。
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ビートは順調ですよ

え~ビートですが、元気にしてます。
移植してから彼此、一ヶ月経ちますね~どうなったでしょうか?
5月28日の写真 お~
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同じく6月8日の写真 お~お~(なにが?)
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5月31日に除草剤をかけました。ここで面白いのが、この効果。実はビートはアカザ科なのですが、雑草にも代表的なのが、シロザ・アカザで同科にもかかわらず、ビートには薬剤効果はでないんです。不思議でしょ?
雑草退治で一番需要なのはタイミング。初めは可愛く見える雑草の子葉も、ホオッておくとそれはそれは強大な手ごわいヤツになります。農家にとっては恐怖であり、共存しなくてならない植物なんです。今度、畑の雑草を紹介します。
それより、雑草の定義ってしってます?
雑草とは:人間の生活範囲に、人間の意図に反して繁殖する植物のことである。
合ってます、この説明!育つじゃなくて、繁殖というニュアンスがグーですね。でも雑草から言わせれば、”雑草の生活範囲に、雑草の意図に反して種を絶やそうとするわる~い動物のことである。”なんて辞書にかかれてるかも?

カラスの口

これなんですか?通称”カラスの口”です。本名はわかりません。
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何に使うのか?ビートの苗の補植に使うのです。
補植って何?移植した苗が植わさってないところや、苗が弱って枯れているところに、人間が一本一本植えなおすこと。それが補植なんです。作業はこんな感じ。
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時間も労力もかかりますが、最後は目視による、”人の目”。どの仕事でも結局のところ”人”ありきです。
ちなみに、同時進行でカルチ(機械名)というのをビートの畝(作物のライン)の間に施工します。
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機械中央部の深耕爪で、畑の排水性の向上と地温上昇の効果を狙っています。これを掛けた後に雨があって、地温が上がるとビートはグンっと大きくなるんです。機械後部にはゴロクラッシャーというカゴがついていて、これがクルクル回転することにより、固まった土を砕いていきます。
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Transplant of Sugar Beets!

今年も春作業全快の季節がやってきました~!
やっぱゴールデンウィーク=お・し・ご・とウィークなのです。
というわけで、25日からビートの移植作業が開始。
まずは簡単な作業工程から
1.畑の深耕: 排水性+地温を上げるため。
2.畑の整地: 土の塊を砕いたり、ほぐしたりして、ある程度細かくします。
3.畝を作る: 肥料をまく機械(プランター)で、作物をつくるスジ道をつけます。
4.移植する: 育苗ハウスで作った苗(約50日育成)を一本づつ機械で植えつけます。
5.補植する: 欠株がないかを人が歩いてチェック。一本づつ植えていきます。
と簡単な工程なのですが、苗は水を含むと一冊60kg近くなるため重い!
10日もやると指が千切れると大げさに思ってしまう。
この時期に、いもの種まきも始まるんですよ。
作業写真で振りかってみましょう!
1.畑の深耕 深さ50cmぐらいまで爪がグサっと入ります。
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2.整地 パワーハローと呼ばれる機械で土をほぐしていきます。深耕がはいると不思議!細かく土がほぐれやすく整地は一回で済ませてます。大きなトラクターがうなり声?を上げて作業。
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ね、左側が整地をしたところ。機械は横に爪がグリングリンっと回転し撹拌するように細土にしていきます。一般的には、家庭菜園なんかでつかわれるのは縦式回転のものです。
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3.畝(うね)をつくる。プランターと呼ばれるもので、先に肥料をまいて移植機の道筋をつけます。右にでているのがマーカーで線を畑に線をつけるもの。これ重要なんですよ!簡単に言えば、定規なしに白紙に上手に線がひけませんよね。
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4.移植。あの種から育っていった苗達が一人立ちしていく瞬間。一まとまりのポットを機械が上手に植えていきます。
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時速はなんと2.8km/hr! ha・は・早い!・・・。
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機械の上では、作業するおばさん達が汗だくになりながポットをバラしてテーブルにならべていくんです。ベテランじゃなきゃ、このスピードについていけない!
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途中休憩。機械も人も一休み。ふ~っと農大のバイト生も和気藹々、大家族スペシャル?のようにおしゃべり&tea time。
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プリッとした、独り立ちしたビートの苗が凛としだしました。!
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作業は甘くないけど、秋にはあま~いビートになれよ~!!!

ビートくん、どうなった?

あれから(3月1日)から播いた、育苗中のビートくん元気です。
3月12日 子葉がムクムクっと出てきました。
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3月24日 子葉の間から、本葉がでてきてます。
(この頃になると、土に混ざった雑草も子葉状態で、広葉除草剤をかけて雑草を抑えます)
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3月30日 本葉が元気に大きくなり、間にはまた新たな葉がポツリと見える状態。
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4月3日 一ヶ月でこんなんなりました! 緑のじゅうたんです。
このぐらいになると、寒さに慣らすのに朝晩を除き、日中は外気温のみ。まだ移植まで20日以上あるのでちょっとビートの草丈が伸びすぎないか心配です・・・。
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お日様に向かって、”太陽をくれ~”とばかりに子葉がたっています。

ビートの芽吹き

あまーくなる予定のビートくん。
種をまいてから、土にならして4日後に第一回目の水散布。たっぷりやりまして、夜間は
10℃以下にならないように、シートをかけ尚且つ苗の周りに暖房で暖めてやります。
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”贅沢なヤツ”とは思いますが、生産者というのはほとんどの人が、製品になる割合を多く
作ろうと努力するものです。ハウスでも日のあたり方が微妙に違うとこや、手作業だけでは
どうしてもムラができてしまう。ですから、機械や化学をりようします。
もうちょっと、がんばれや~
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表面の土が濡れたりすると、活き良いついてでてきます。芽吹いた~!
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これはあくまでハウスの中の人工的なもの、畑は水分、種の深さ、気温、表面の鎮圧加減といろいろ考えなきゃならんのです。