The Road To 日本一長い111mピザ(練習編)

そうだ!皆で長いピザ創ろう!どうせだったら、本別町開町111年にかけて111mのやつを!
という思いつきは、ミステリーサークルを創った際に生まれた強い意志。
こんな感じの予告記事を十勝毎日新聞社がだしてくれた。
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役場のM君に電話したら、「そうですね~本別町111年ですね~」なんて聞いて完全に火がついた。
開拓から111年。このゾロ目、ミステリーサークルアート実施、「ゆめちから」の力、なにか変なパワーがまたまた起こったでした。
ただ今回は、うちの敷地内じゃなく、町の施設や本当に多くの協力者や協賛者に恵まれないとできないなとも思った。
まずは、練習。そして知ってる人に聞いてみようと、
私はこの長いピザの世界的?先駆者の十勝ピザ立国チームの代表の岩田さんと京谷さんに7月に上旬だったかお会いした。
聞くとこのチーム凄い!なんせボランティアで十勝の食材でピザをつくりまちおこしにしよう!という実際ピザを焼き、地域の活性化まで潜在的にお手伝いしよう!というめちゃめちゃ熱い人達だった。
ほぼ全ての十勝管内の長いピザはこのチームが後ろ盾どころか、実際にやってきたようだ。十勝・大樹町役場主催の70.5mというのもこのチームが先導し達成。今回は111mと100m超えというのも「何かが見えるかもしれない!」とただならぬ気合いを感じた。
ただ、「そんな簡単でないよ!」ということで、練習しましょう!となり、日程を急遽組むことに。
8月29日(雨)の中、うちの倉庫で焼きの練習と流れをチェック。
最初に断わっておきたいのは、我々はこれが誰も本職でないこと。我々チームほんべつ111は農業者中心、十勝ピザ立国チームはサラリーマン中心。だれもピザに精通している人はいない。逆にこれが本職だとやれないイベントなのだ。
大人の楽しくとも真剣な学校祭そんな感じて受け取ってほしい。
この日も、十勝ピザ立国チームのオレンジつなぎをきた岩田リーダーと村椿さんが合流。
指導するかたちで、長ピザの流れを伝授してもらった。先日の小学生とのピザである程度は理解できたいたので”な~るほど~”ということがいっぱいあった。
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この日は、門前農場の門前さん、小笠原牧場の徹ちゃん、本寺畜産のマサ、伊藤農場の伊藤君、農大の荒井さんと私が本別からは参加。
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皆、野菜(農大)をきって、チーズ(明治)、を準備。お客さんの流れ、生地作りの流れ、焼成後の流れをチェック。
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窯の温度も☑だし、おき火式に変更し、PGA(ピザガイダンスシステム?)を設置。
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流れとともに、それぞれのウィークポイントや注意点をあらいだす。
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この日、空手少年団の子供達が夜食によってくれて、皆たいらげてくれた!押忍、美味しいっ忍!!
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この日のピザは正直、上手くいかなかった。生地(冷凍)と野菜ののせすぎ、火の管理調整等反省点も多かった。でも練習だからいつも以上に失敗やイレギュラーがおこったほうがいい。よ~し次はキラメキタウンフェスタで11,1m焼きだ!

春よ恋で、17m長いピザを3年生と創ろう!!

8月28日、それは暑い熱い日になりました。
本別中央小学校3年生2クラスの生徒を対象に、JA本別青年部本別支部の面々が今年行ってきた食育活動。
最後は皆で料理して食べちゃおう!!といいう計画のもと、ついにその実行日が来ました。
前日から、青年部で会場をセット。
会場と言っても、体育館前のバス乗り場の駐車場を利用するだけ。
特性の石窯にテーブル、テントなどを準備し、皆やったことのないピザつくりの流れを説明。
”どうにかなるさぁ~”という楽観的な気持ちのもと、28日はあわただしく始まったのです。
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1時間目は生地の仕込み。
なんとスペシャル講師は、うちの嫁さん!?
きたほなみと子供たちが成長を見守ってきた「春よ恋」の小麦粉ブレンドを使って自分達でコネコネします。
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この日はお母さん達も呼んだため、15名ものお母さんたちが集まってくれました!これも成功の要となります。
皆熱心にききながら、実際に生地をこねたり、具材をきったりするのでした。
2時間目は野菜やソーセージのカット。
それと一次発酵の時間をまちます。
そうしてる間に、青年部の男衆は窯管理です。
ボウボウに燃やしていきます。今回初のPGS(ピザガイダンスシステム?)もぶっつけ本番を迎えていました。どうなることやら?
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食材もほんべつ、薪も本別支部長の伊藤君がもってきてくれて、オール地元食材でやってみましたよ~。
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お母さん達も農作業で日焼けした素肌の農業青年達も汗だくで焼きあげました。
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なんと予想をはるかにこえて、17mも出来てしまい、食べきれないということで、全校生徒達に給食のお伴としておすそわけしたのです。同じ釜のピザを食う!!っていいですよね!
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最後は生徒達のクラスに戻って、一緒に給食。雑談に笑いが合って最高の日になりました!
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今回実はある実験を兼ねての長いピザ!今度は日本一長い111mのピザを完成させます!
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ミステリーが”スロウ十勝”の表紙飾る?

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8月出版の北海道や十勝を代表するローカル超専門雑誌のスロウ十勝版の表紙に当農場の「ゆめちから」の畑がすっぱ抜かれました~
パチパチ~!!
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しかも、ただの「ゆめちから」畑じゃありません。
ご存じ!(じゃない方もいると思いますが)、とかち夢宙人たちが創りだしたミステリーサークルアート2012のあの畑です。
出版社のソーゴー印刷さんから電話あり、なんでも”三社怪談?”的なものをやりたいとか。
今回は小麦の関係から、①生産者はうち前田農産⇒流通・製粉は株式会社山本忠信商店⇒パン屋は帯広市のはるこまベーカリーと私と、山本社長と栗原さん3人のそれぞれの想いや十勝の小麦の将来像なんかをミステリーサークルの中心円で語ろうという形になりました。その時の写真が表紙になったわけです。
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とにかく、読んでみてください。
ローカルちっくでありながら、やっぱり地域をつくるのは地域の現代人であり、それを伝えていくのも我々の仕事なんだとそれぞれが認識したうえで十勝人としての誇りみたいなことを語っています。
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ちなみに
他の記事でも、
1.帯広市畜産大学あぐりとかち脇本さんの夢
2.十勝輸出プロジェクトシンガポールツアー
なんかにもでてきます。
夢ばかりじゃだめなんだけど、夢をみなきゃもっとだめなのかもしれません。

キタノカオリちゃんで事件発生!

キタノカオリは、8月7日、8日と10haにそんなにかかる訳がないのだがかかった。
コンバインロクロクに非常事態発生”びーん、びーん、びーん!”なんて今でこそ、ふざけていられるが汗が噴き出るほどあせった。
ロータリーセパレーターと呼ばれる部分が破損。
茎を送りだせないため、完全に止まってしまった。それが8月7日正午あたり。
”これは参ったゾ~”と思い修理にだす。1日仕事になったがディーラーで懸命の処置。
しかし、8日にまたすぐ破損してしまった。打つ手なしと思っていたが、別ディーラーが春小麦収穫のためにデモをしていると聞き、
早速もってきてもらった。最新型のコンバインだ。お値段も聞くと最新式らしくお高い!!!
キタノカオリはめっぽう登熟期の雨に弱い。
一回雨に当たるだけでも、デンプン組織がぶっ壊れる低アミロ小麦となり、生地ダレや麺がきれることになる。
だからものすごいタイムリーでスピーディな収穫が問われるのだ。雨に当ってから明日晴れるからいいや!では×。
さっきまで傘にいれててあげたのに、ちょっと雨にぬれただけで豹変してしまう恐ろしきカオリちゃんと私は内心思っている。
しかし、この小麦美味しいのである。
キタノカオリだけあって、その独特の風味とモッチリした味。また色もカロテノイド色素を多く含んだクリーミーな色合い。
非常にパン作りの中でも面白い品種らしい。
今年(平成24年)の十勝では8月1日、6日、9日夜に雨が降った。
うちの町はそんな滅茶苦茶な雨ではなかったが、この雨でキタノカオリがいかれたしまった生産者もあると聞く。
ギリギリセイフだったし、昨年10月6日と結構遅くまいたこともうちにとっては今回幸いしたかもしれない。
熟期がどう見ても、遅い感じだった。下手すると春よ恋のほうが早い?なんてことないよなと8月入って思っていたくらいだ。
今年も去年同様、キタノカオリは粒が大きかった。
来年への課題は、もうちょっと欲張ろう!!だ。穂の形が急激に良くなった気がして追肥を抑えたが、倒伏するのを恐れずに、品種を信じて止め葉期以降の追肥をしてみたらよかったと思う。ただその場合、春よ恋よりも遅くなる可能性も含むので今回はこれで良かったのかもしれない。

小豆の花咲く!

小麦の収穫シーズン真っただ中の7月下旬~8月上旬。
忘れてならないのは、小豆の花が咲いていること。
花の後に、莢が伸びてきてます。
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7月20日ころから、今年は茎の下の方に黄色い花が見え始めました。
うちは去年と比べると、茎や葉ができて倒伏の心配もあるくらい。
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8月いっぱいの大雨や強風に耐えれば、問題ない感じですが、どうでしょう。
神はそれを許さないかもしれません。昨年(平成23年)の9月初めは、史上最高の降雨が・・・・
小豆も発芽してしまうほど、秋の収穫は大変な事態になったのです。
ただ、うちは生育が遅れていたお陰で、本当に運よく問題なかったのでした。
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ここの花の防除も重要ですが、それよりも莢につく害虫は後で大問題になる可能性があります。
病気は、灰いろカビ病、害虫は①マメホソクチゾウムシや②コガネムシなどがありますが、①は要注意。
大発生するというより、ケアをしていないと、収穫した小豆に穴というか吸われた痕がつき、品質低下になるのです。
ということで、防除もこの時期になります。
後は、蒸さずにそれなりの暖かさがあれば豆はOK!
今年は、3品種植えました。
きたろまん、エリモショウズ、きたのおとめ。
どれがどうかは、のちほど。

「ゆめちから」収穫!ガンガン行きますよ~!

ゆめちからの
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今年(H24)は7月29日~8月4日まで。
昨年(H23)は7月26日スタート。
一昨年(H22)は7月22日スタート。
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H22は受粉から登熟期までが暑く旱ばつ、H23もその傾向が強い。
今年はというと順調に生育が推移した感じがある。
根も痛んでいないようで、茎の水分が残った状態(青い)の茎での収穫が多かった。
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H24産ゆめちからは、約
背丈:穂首まで約76cm
穂長:9~11cm
段数:9段
平均収穫水分:20~25%
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ということで、去年にくらべるとそんなに条件的には変わらないのだが、粒の大きさは間違いなく今年のほうが大きかった。
背丈が去年よりも数センチ高い感じがみられるが、適度な雨がそうさせたのか、それとも6月下旬から、7月前半まで涼しげだったけ。とにかく早上がりにならないよう、追肥もNセンサーを利用して施した。
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とにかく無事に、しかもノゲをほぼ心配することなく「ゆめちから」は収穫された。
こりゃ成分結果も楽しみだ。超というほどタンパクが高まっていれば、努力が実った形だ。
それは10月にはわかるだろう!パン屋さんたちまっててね~!!
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もちろん深夜まで作業は続きます。去年と比べると、スタッフ1人へっただけ大変です。何とかはなりますが、体力が衰えてくるとと思うと心配だな~。これも人確保も課題のひとつ。
それでも途中に何人もの”ゆめちから刈り隊”がやってきた。
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源すしの若大将!後に日本一長い111mピザをやる羽目になるとは、この時知る由もなかったのである・・・続
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帯広市のはるこまベーカリーの栗原オーナー。ここのバケットは絶品。それにうちのキタノカオリのチャパタや春よ恋の角食パンなどもかなりの人気で美味しい。各小麦の特性に合わせて美味しいパンを創ろうとしている熱血パン屋さん。
「十勝パンを創る会」の会長でもある。念願のコンバインどうでした?
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それから、アレ?マジ?なんでスーツにネクタイ?
サラリーマンNEOみたくなってますけど、東京から本別にとついできた会計士の内田君。彼も町おこしや地域の行事に積極的にかかわり、良い提案をするアウトサイダー。うっちーのようなよそ者目線からの、この地のメリットを見る目が地域を変えてことになるかもしれない。どんな形でコラボできるか、私も楽しみだ。
ミステリーな仲間たちも大勢きてくれた。これも地域の産業や小麦を知ってもらうため。
出来る範囲でいいから農業の魅力を発信していくのも我々の役目かもしれない。
とにかく、収穫は順調、順調!

マスヤパン、クグロフの原料獲りに来ました!

十勝のローカルパン屋さんといえば、帯広市の”満寿屋(マスヤ)パンさん。
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うちの母も学生の頃から、ここの”ねじりドーナーツ”が好きで、私も大好物に。
原料が何処であれ、好きなものは好きというのが人間の癖なんでしょうけど、それが十勝の小麦にいつしか変身し、
しかも、数あるパンの中でもまた、うちの小麦からできてるとなると感激するわけです。
今の当農場の取組も、マスヤパンの杉山社長の熱き魂に触れなければなかったのかもしれません。
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そして、その遺伝子はこちらのスタッフさんに受け継がれています。
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しかも、きっと全国初じゃないのかな?地産地消部という超ローカルチックな部署があり、そこを仕切っているのが、天方シェフ。
東京や札幌で修行を積み、流れ流れて帯広へ。これも間違いなく縁でしょう!
うちには、4年前から毎年のように、コンバインに乗りに来て、毎年のように一緒にピザやいたり、ミステリーサークルベーグル作ってくれたり、トカチノクグロフを作ってみたり。職人や農家さんたちの橋渡し役として、また美味しいパンを創る一職人として、すっかり十勝人になっている天方シェフが、スタッフさんをつれて収穫体験に来ました。IMGP6723.JPG
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収穫・乾燥+調整ラインからの流れから、職人さんに毎年の成分変化の違いや傾向を説明して、
いざ、クグロフの原料の一部「きたほなみ」の収穫に。
初めて乗るコンバインは蛇行運転から始まっても当たり前。
皆上手くいったんじゃ我々の立場もない。
でもこの体験も重要。いつも触れている小麦粉の基になっていて、畑で植えられているものと感じられるから。
十勝全体でこういったことは可能だと思う。確かに、倒伏していたり、雨が降るとか言ってたらそんな時間はなくなるが、職人に美味しく作ってもらうには、粉だけだしてもダメだと思っている。お互いに人間だから。
ということで、トカチノクグロフは十勝素材100%の発酵菓子です。
お菓子ともパンともいえないこの触感。是非食べてみてください!!
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きたほなみ太ってました!

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お菓子でも大人気の「きたほなみ」は8月2,3日に収穫になりました。
水分は22%前後(2日⑦圃場)、3日目(⑤圃場)は18%。
去年が7月26日に収穫できてますから、約1週間ほど違う。
これは良い兆候のひとつ。登熟期が長~くとれてる。
登熟日数もそうだし、天気も25~26℃くらいで推移してきたと思うとホント小麦には最適。
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今年(H24産)の「きたほなみ」は、太ってました~!!
やせてる、太ってるは農家にとっては、”容積重”という品質区分に相当していて要は小麦粉になる部分の
胚乳部分の重さを見ることになります。もちろん高いほうが良い。
製粉歩留りもよく、またより菓子向きのタンパクの低いところをとるのも、より容易になるからです(製粉会社の仕事ですが・・・)。
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今年の収穫が過去2年(H22,23)との違いというか、私なりに気づいたこと何点かあげてみます。
1.”穂ちぎれ”がほぼ皆無→過去2年は猛暑と言われ、急激に穂が干上がり、病気発生も多かったため、根からの養分吸収が寸断されていたため、枯死しているような状態だった。
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2.①から判断すると、収穫した株がまだ青さを残している。最後まで養分吸収をしている感じ。
3.コンバインのタンク内に入る”穂ちぎれ”もしたがって少ない。しかし、意外に「ゆめちから」よりも、「きたほなみ」のほうが、穂の途中から切れ穂が目立つように感じた。したがって、タンク内に未脱穀の穂も多少はあった(回転数850rpm)。
4.倒れにくいとは言われているが、密度の濃さは致命的感じ。H24は倒伏ないが、秋の播種量と時期は重要。
5.その一粒の重さからなのか、株たて本数(少なさ)の割りに収量はある。
6.圃場⑤と⑦を比べると、理想的だったのは⑤の南側2ha。何年か寂しい感じの小麦だったので、今年ことリベンジしたいと春先から注視していたところ。密度的にはわからないけど、少なくともNセンサーで、幼穂形成期、止め葉期の数字を頭にいれておいて来年へとつなげたい。
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7.穂首までの丈は、76~80cm(結局意外と伸びた)。穂長9.5cm、段数は9~10段。でも最上段は規格にあたらない穂も結構ある。これなら8~9段でびっちり詰まった小麦のほうがよいだろう!でもどうやって?・・・
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といったところだどうか。
”粘りのある土つくり”として、堆肥量を増やしてきているのも、もしかしたら寄与してくれたのかもしれない。
収量があり、やっぱり小麦収穫はこうじゃなきゃ、楽しくない!
この後、掃除して、最後の圃場となる「ゆめちから」→掃除して、「キタノカオリ」が続く。