ほんべつ町は開町110年を迎えましたそうです。パチパチパチ~。
そこで役場では、その新しき門出に”ほんべつ”のロゴを募集しているようです。
オリジナルならなんでもOK。
誰でも参加可能
景品はほんべつの黒豆をつかった”キライマメセット”
というより最大のプレゼントはこの世に”ほんべつ”をアピールできる総称的なロゴになること。是非貴方の手で!
詳しくは役場HP⇒ポチ
甘くなってるかな貯蔵ビート?
11月頭に収穫したビート。
一部は農家貯蔵といって、製糖工場の出荷調整をうけてパイルして置いておいたのだ。
ついにその出荷は12月1,2日。
12月3日は初雪がふったので、間一髪助かったといっていい。
助かる?ってどういうことかというと、ビートパイルのシートが雪にぬれると大変回収しにくいのだ。
除雪からはじまっちゃったりして。こういうことが過去数年続いていたので、今年はついていたのかもしれない。
さて、外はもうマイナス、マイナスの温度。朝晩は寒く手もいてつく。
10tダンプ数台とショベルカーがセットになって、集落を回っていくのだ。
パイルのシートをはぐると、ビートはまだ息吹いていて(温度を保っていて)、湯気がモウモウと上がる。
あの子供たちにならしてもらったビートの山の出荷となった。
作物の呼吸が聞こえてきそうとかっこいいフレーズではなく、水蒸気でむせるほどだ。
そのビートの山に向かって、ショベルカーがウィンウィンいいながら、ビートをすくう。
それから10tダンプへ、バケットを下げる。
“ドドドドドぉ、ダダダダぁ”とビートがダンプの中の鉄底に当たって地鳴りのような音がする。
今年もこうして無事に作物は出荷し終えた。貯蔵期間に、若干でも糖分が上がっていたらよいだが・・・。
今年は、5月上旬の長雨で、1圃場は近年になく低収。
反面、農場周りのビートは初期生育も良好、9月中旬にカッパン病にかかったが、かつてないほど収量はよさげだった。作業をやらない目を養わなければならない貴重な年になった。
それに、なにせビートちゃん、今後TPPで揺れに揺れてくると思う。
心配していてもしょうがないし、来年の準備は始まっている。
来年もお願いします!甘~く、甘~く。
正夢の “ゆめちからフォーラム2011in東京”
11月28日、ホテル日航東京にて、フォーラムが行われた。記事はその時のもの。
「ゆめちから」を核とした国産小麦、米粉の展開
‐革新的パン用小麦、米粉用水稲用品種開発、米粉調整技術による新規需要創出に向けて‐
主催は、農業食品産業総合研究機構(農研機構)
後援は、農林水産省、全国農業協同組合連合会、製粉協会、日本ンパン工業会他諸々関係機関。
参加者:370名/400人募集くらい
講演は多義に渡った。
1.十勝地域の食産業の取り組みを”フードバレー十勝”として紹介:帯広市 米沢市長
感想:十勝のトップセールスマンに感じた。良いことばかり言う市長ではなく、税金がその町や市におち、雇用が生まれ継続することがこのフードバレーの最大の目標でもあるのかもしれない。でも感覚的には十勝住民は十勝が大好き。誇りに思っていることが多いのでうまくいくと思う。私もそういう感覚がDNA的にある。
2.政府や北海道の特に麦チェンの施策についてを:農林水産省生産局と北海道農政部農産振興科
感想:国は現在の90万tの小麦を2030年に180万tに倍増するという。ここで問題が二つある。一つはそれは年一作の北海道の役目にはならず、全て本州の米の裏作(この言葉自体好きじゃないんだけど)に小麦を作った場合の数字。またこれが全て、うどん用中力だと市場は飽和し価格破壊が起こること。だから今回の”ブレンド用ゆめちから”に期待しているのです。でも自給率も14%⇒30%にするという政府の言葉でいうと”意欲的な政策数値”意欲的?ってだれの?もっと意欲的ということばじゃなくて、本来の食糧確保としてやれる対策は今他にあると思います。それが”見た目の等級検査”の撤廃とか。これだけで地域は意欲的になれますよ。もっと現場、現場、現場の声聞いてください!!
3.小麦の全国での品種開発と研究状況:農研機構の麦研究領域長
ゆめちからの品種開発背景:北海道農業研究センター西尾氏
感想:スンゴイ小麦を見つけてたのはこのパン用研究チームの皆さま。縞委縮、赤カビ、倒伏と農家を助け、超高タンパクとその内側はリレーでいうとジャマイカのボルトみたいにぶっちぎりの強さで、他品種(きたほなみ、全国の中力粉、米粉)をパンにしちゃう凄さがありますよね。でもこれからの品種改良も楽しみですよ!日本の小麦はこういう熱き育種研究者にかかってます!
4.現地圃場における「ゆめちから」「きたほなみ」の特性と今後への期待:前田農産(私)
今回主催者側を一番心配させたプレゼン。67枚もスライドあったから、1時間くらいかかるんじゃないかとご心配をかけました。でも時間通りに終了~。ふ~汗。とにかく日本の小麦はこれからがますます面白くなって、それに伴って慣例の検査基準の見直しがあったらもっと、国産を望む人達のためになるんじゃないかなぁ~という提案。”ゆめちからは素晴らしい!”というのが最終見解。今回は北海道や十勝の多くの関係者や集っていて、北海道の産地としての役目ってこんなに大きいのかと肌で感じ、また会でも応援していただいた。感謝申し上げたい。
5.「ゆめちから」の各種ブレンド粉の製パン適正:日本パン技術研究所 原田氏
今回、最も会いたかったプレゼンターの1人。国産小麦を大量生産ラインでテストしながら美味しいをつくるのを研究してる中では最前線にたつ人だと感じた。でも安心。こういうパン研究者がいるから、農家が毎年は種前契約をさせてもらって、ちゃんとその量がはけてるのかもしれない。
6.米粉品種開:稲研究領域上席研究員
米粉の製造法:北海道農業研究センタ- 船附氏
船附さんも”どうにか米粉のより普及を”と熱くなってるひと。ちょうどこの日の日本農業新聞にも研究成果が記事になっていてメチャメチャタイムリーな感じでした。製粉法による米粉パン利用の発表。グルテンなしても米粉をふっくらパンにできるという発見者。
7.「ゆめちから」と中力粉のブレンドや米粉を用いた食品開発事例
㈱満寿屋 杉山氏:日本で敷地面積の一番大きく、十勝産小麦100%の店舗”麦音”をもっているのはここだけだと思う。私も杉山さんに会わなかったら、今の活動してなかったかもしれない。パン屋というよりは十勝パン伝道師だ。
全日本パン共同組合 福井氏:給食に国産パンがでたらそれは素晴らしいこと。全国では無理でもまず小さな自治体から取り組むことが重要だと思った。いろいろ制約あるが食と農を近づける意味では最重要なところ。
ヒガシマル醤油㈱:実は”ゆめちから”兵庫ではお醤油に変身してます。この高タンパクが生みだす美味みが絶品なんだそうです。7月には生産者さんたち15名くらいで前田農産の”ゆめちから”を視察してもらった。もちろんパン用にも十分に使える品種。栽培のネックではなく、パン用小麦としての等級検査の問題が現地でもあがっているようだった。なんで色や見た目できめる審査になっているのか。この国の食糧事情と役人感覚はこれから頻発する国際情勢を切り抜けられないことは間違いない。誰か助けて!!
シロクマ製パン:札幌でリテール”レモンベーカリー”と冷生地パン製造をてがけている。もちろん製造業からの要望は、”量、品質、価格”だ。これも大規模化で対応すべきことだが、日本の小麦価格は外国産小麦の情勢次第なのだ。まずは、円高でも海外産小麦価格が下がってこないと日本産も安くするのは困難だろう。でもこちらの和菓子パンは美味しそうだった。この和菓子パン”ばくべい(麦米)”という産官学連携の開発米粉×小麦になっている。
ドルチェ・ビータ 安孫子氏:こちらの米粉、デンプン、砂糖、卵、牛乳、どの食材をとっても道産にこだわりつくしたバームクーヘンは正直、”こんな美味しいのか!!”と悔しさ?と嬉しさがにじみ出るものになっている。是非一度皆さんにたべてほしい味だ。
全体の雰囲気は、”ゆめちからの期待度120%!!!”。
でも冷静に考えると、”品質の安定した美味しいふくらし粉”の役目なんだと思う。
もちろん小麦粉としての特性、栽培上の特性も群を抜いてすばらしい、あとは普及を考えると原麦の検査だ。
本当に普及するかどうか、とにかく来年収穫の”ゆめちから”を良いものを作って多くのユーザーを獲得することが一つ。
もうひとつは、それを国の等級検査が適正な基準値を認めるかどうかだ。
ホント俺の代のうちにこの制度は変えないといけない。
”人間だって見た目じゃない!中身だ”と「ゆめちから」は叫んでいるに違いない。
最後に、十勝では300haくらい播かれてるんですって。楽しみですね!!
でもJAの方まで、ちょっとブサイクな外観を心配してますね。市町村全体で取り組むなら、足踏みしちゃいますよ。
でも家は違います。見切り発車?!という先行投資?なんです。パン用小麦の供給力が少しでも増えるならやるしかないんです。
soil sample taking for the next season
土壌サンプルの採取はいつもこの時期、11月中旬。
じゃなきゃ、凍ってシャベルもささらなくなる。
年に一回毎年取り続けて10年以上になった。パチパチパチ~。
“継続は力なり”とはこのことで、客観的に土の状態を毎年チェックするのは非常に重要だ。
土サンプル採取の目的は
1.畑の状態を化学の数字で認識する。
2.そのデータを基に肥料の設計を組む。
3.データは蓄積して、毎年の変化を数字で見て、作物見て、土の状態からさらに反省をしていくツールにする。
4.次世代に向けた情報として保管し、それぞれの畑に解釈をつける。
取る土は各圃場ごと。前回ライムケーキを土壌改良剤としてまいたのも各圃場ごとのサンプル数時から判断する。
うちではサンプルを4つ取る。
1つ目:SRU(全道組織の土の勉強会)農学博士のDrカワベ氏の指導のもと、土壌のデータと土質その年の天気や作物の状態を勉強するかい。土のバランスを考慮しカルシウムやミネラルなどを過不足なく土壌改良していく。農家は経験や勘に頼ることがおおく、理論的にデータが何を示すのか非常に勉強になる会だ。
2つ:農協連 十勝にはJAが出資した土壌分析の機関がある。ここのデータはJAほんべつのマッピングシステムに登録されるので、将来的なデータの蓄積に役立つ。
3つ:北糖 とりあえずのpHとECを簡易測定してもらう。
4つ:JA本別 土中にいるシストセンチュウの頭数をカウントしてもらう。豆とジャガイモを数えるのだが、うちはジャガイモはないのでダイズシストセンチュウの数を数える。頭数の数によっては、生育途中で作物が障害を受けやすい環境下におかれるため、特に豆類を作付するときはこの数字も重要だ。
でどう取るか?
きれいな肥料袋やガラ袋をもって、シャベル持って畑を横断していくのだ。
畑の表面と地中30cmくらいでは全く違う様相をみせることもある。
やっていることは簡単だが、データと反省を得いる意味では毎年の楽しみな儀式だ。
取ってみるとよりよくわかるが、土質が違うと見事に土の色も変わってくる。
来年はどんな年の土になるんだろう?
作物や土って作ってみないと分からないが、作る前にわかることも多いのだ。
土のバランスだけ良くなっても、作業が作物の適期に行われなくては意味がない。
農業は複合作用の連続なのだ。
讃岐うどん職人がやってきた~!パート2
11月15日夜、その日は前日の讃岐のうどん職人”おか泉“の岡田社長の講和を聞いた。
創業者の話はいつも波乱万丈で激しく強く、壮大な夢とロマンスがある。
讃岐うどん職人、岡田さんも苦しく売れない時を経て今の大繁盛店があるようだった。
困った時は常に原点に回帰する。
“すべてはおいしいことからはじまる”というおか泉の理念”美味しいうどんを出すとはどういう意味なのか?!”自問自答し実践することが人を次々と笑顔にすることなんだなと思った。
基本に忠実なだけでなく常に行動することが、新たなチャンスをもらえるというより、天に与えられるのだな~と分かってもいないが想像してしまった。
懇親会にも突然だったが参加させてもらい本別町の食で町おこしのメンバーたちと岡田さんを囲みながら盛り上がった。職人として経営者として悩み走り続けていることも、こんな若造にいろいろ小麦や”きたほなみ”の特性なども話してくれたり、聞いてくれたりして大変貴重な時間を過ごせた。
16日の朝。飛行機が早いこともあったが、どうしても実際土に根をはっている”きたほなみ”の畑を紹介したく、5分だけ時間をもらった。現在6~7枚くらいの葉をだし、寒い越冬ごえをしようと養分を蓄えてる生命の強さを感じてもらえればと思った。
讃岐のうどんを作っている人でも、”きたほなみ”という品種を知っていたりつかったことのある方は実際には少ないとのことだった。北海道産小麦=きたほなみがブレンドされてることも知らない職人もいるとか。確かにある粉つかって、そのブレンドネームさえしって、ちゃんとしたうどんができればそれで職人は良いのかもしれない。
がしかし、生産者としては”きたほなみ”ちゃんを知ってもらいたいしアピールしたい。
今回のような繋がりがより讃岐うどんの強いコシを生む、秘密の一つになればと思う。
“おか泉”絶対行こう!!
またこの農産物ブランド推進協議会は、帯広市にあるNPOシンクタンク”あうるず”の協力の下進められている。代表の菊池さんや担当の井上さんにも多大な協力をいただいた。というよりこれからもいただくのかもしれない。
結局ブランドつくりは、人つくりがないと始まらない。感謝、感謝です。
TPPとライムケーキの関係
野田首相がTPP(環太平洋連携協定)に参加表明した11月11日。
ライムケーキを畑に撒くことに決めた(ライムケーキ散布はうちだけのはなし)。
二つの事柄、関係ないようであると思う。
ライム(LIME)=石灰 ケーキ=その塊状のことをさすんだと思う。
このライムケーキ、砂糖をつくるビート工場からでる副産物だ。
ライムケーキとは?(独立行政法人農畜産業振興機構文章参考)
てん菜から抽出された糖液の中には、砂糖成分以外に有機物や色素等が含まれている。糖液から砂糖の結晶を効率よく取り出すために、あらかじめ糖液内のこれらを除去しておく必要がある。除去する方法としては石灰石を焼成した粉末と炭酸ガスを製造ラインの工程に投入し、吸着させて取り出している。これを脱水したものをライムケーキ(炭酸カルシウムが主成分)という。
要は炭酸カルシウム(カルシウム38%)とほぼ同様の成分ライムケーキ(カルシウム32%)で立派な肥料である。これを土壌のpH改善や作物のカルシウムの補給に 利用する。
予め土壌分析しておき、目標とするpHやカルシウム割合(土壌中の)までのライムケーキ投入量を計算する。かつ来年度に向けての土作りの一環となる。その昔はベトベトのとても利用しづらいものだったらしいが、現代では均一な火山灰のようなサラサラとした状態だ。これを製糖工場から各圃場で10tダンプで運び、専用の機械で散布する。
今年は7圃場が対象畑だった。
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SRU(ソイルリサーチユニオン)では土壌のバランスを重要視しているため、石灰だけの投入だけでなく、マグネシウムや微量要素も考慮しなければならない。また、作る作物や土質によっても投入量を気をつける必要がある。軽い砂っけの多い畑は有機物も少ないため、いきなり畑が変わってしまう可能性もあるからだ。
また機械や粉末状の特性と作業準備期間、畑の状態と次年度までの肥料の浸透を考えたとき秋口に今年はなった。早速タイヤショベルでライムスプレッダー(機械名)にライムケーキを積みこみ、散布。
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この機械は堆肥散布する(マニアスプレッダー)の改良版だ。
均一に約3.5~4m幅くらいで散布できる。
TPPとの関連は?というとビートは従来から政府干渉作物だ。
もともと終戦後、甘味料がないことからビートがヨーローッパから導入され今日に至っている。
関税率も高く、今回のTPP参加によりビートの今後は危うい。
TPPの問題点は正直わからない。関税撤廃によって困るのは農家だけでなく、第一次生産をしている市町村なら少なからず影響はある。特に北海道はその代表格だと思う。でも政策は国の方針だ。どんな政策も一長一短ある。
議論つくされることもないと思っている。
重要なのは、こういう体質から独立していかねばならない重要な過渡期として具体的に何をするかだと思う。
ただ、ビート産業がなくなれば地域の雇用や生活に大きな変化がおきることは間違いない事実だ。このライムケーキも非常に安価で優秀な肥料(土壌改良剤)だから、この先手に入らなくなればかなりの痛手になる。
北海道は日本唯一の甜菜生産地だ。お砂糖の故郷”北海道”が故郷じゃなくなる日がくるかもしれない。しっかり作って、しっかり食べてもらい、しっかり畑に循環させる、そういう取組は今後も必要だと思いながらトラクター作業するのでした。
讃岐うどん職人がやってきた~!パート1
11月14日に本物の讃岐職人が本町に来てくれた。
田舎に住んでいると本物に会えない?なんてことは全くない。
実際はこちらの現場のほうが、本物により近い体験ができることもあるのだ。
ほんべつ町はこういう企画やイベントが大好きだ。
実際に町のお祭りも多く、夏場は月一回の”夜デカケナイト”なんていうシャレた商店街のおまつりもあったりする。
今回は町内の農畜産物をつかっての実践講座。
4~5回にわたって、今シーズンはやるようだ。その一回目は小麦を利用。
しかも本物の讃岐の職人を呼んでの話だ。
今回の講師は香川の宇多津町にある”本格手打ちうどん おか泉“の岡田社長がこの町に来てくれた。正直、うどん用に開発された品種”きたほなみ”を生産している農家なのに、実際にきたほなみで讃岐うどんを打つ職人にあったことがない。まさに光栄中の光栄だった。”おか泉”と聞いてしらない人はいないのかもしれないが、私は恥ずかしながら全く知らなかった。わざわざ職人まで呼んでこなくたって~と甘い考えは最後に食べた”おか泉”のうどんで覆される。
昨年も講義によるマーケティングの勉強会みたいなものはやったが、今回は実技。しかも、うどんとして開発された”きたほなみ”を本別産のもので作るのだ(今回の小麦粉は町内の三井農場と前田農産のもの)。
早速、おか泉の岡田社長に手ほどきをうけた。
この道何十年のプロ。しかも分かったのは情熱とプライドをもったプロの中のプロだということ。昨年も日本の豪華客船”飛鳥Ⅱ”にのって日本の讃岐の味を世界の人々にふるまったほどの方だった。
おか泉のパンフにもあるが、”うどんは作るというより、育てるもの”とある。岡田社長もしきりに言っていた。なんだか有難い。我々も土を作って育てている感覚がある。
水入れから、コネや伸ばしや寝かしのポイントを順序良く教わる。ちなみに今回のきたほなみは”なかなか芯のある手ごわい奴”だそうだ。水が入りにくくちょっと間違えるとジャジャや馬娘のように言うことを聞かなくなる。
捏ねて万重状態で寝かせて、今度は伸ばす。通称”つの出し”と呼ばれる技術も教わったが、一回やそこらでうまくいくわけもなく悪戦苦闘だった。
参加者は皆真剣。最後の試食はできたての本別産”きたほなみ100%”の天うどん、海老&地元まいたけ、めんつゆも地元味噌醤油蔵、”渋谷醸造100%”だ。”美味しぃ~~!!”なんていうのは正直あたりまえ。自分達でつくってるその充実感でいわせちゃうのだ。
それから岡田社長が打ってきた”本別産きたほなみ100%”のうどんも生醤油でいただいた。これも美味い。
でも最後に食べた、おか泉オリジナルブレンドの讃岐うどん。
不敵な笑みさえこみあげてくる。
“なんだこの美味さ、全然違う!!”
“どうしてこのコシとプリっとした食感でるかな~?”
“やっぱ喉こしってこういうことね”
と参加者は皆、感動して唸っていた。
確かに違う。なんかすごく、”きたほなみよ、もっと頑張れ~!!”と言いたくなってしまった。
ただ同時に我々生産者も悪い仕事してるわけじゃないな。皆を楽しませてるなという実感もわいた。
そしてこの日は解散。次の日の岡田社長の話にさらに感動してしまうだった。パート2へ
国産小麦のパン講習会in東京
“国産小麦を考える会”という秘密パン結社?ではなく任意団体が東京にある。
いづれもパンやそれに携わる業界人や大好きな職人たちが集まっている。
“国産小麦”というのだから、テーマは国産小麦。
北海道は代表的な硬質小麦の輩出もここ最近多く、重要な生産地でもある。
それぞれのメンバーが国産小麦の思いと可能性を共有するべく集まった会。
年に何度かあつまり、パンを焼き、気軽にワインや料理を美味しくいただく会でもある。
うちにも2年前にこの会のメンバーが”キタノカオリ”の種をまきに来てくれた。
種をまいて、育て、収穫し、粉にして、発酵させてパンにする。
すごく贅沢に聞こえるが、これが本来あってしかるべきである。
特にパンを焼く職人の方には、実際の小麦の揺れる姿を思いうかべて、生地をこねてほしいなと思う。
さて、この会の講習会があります。以下案内文章です。最後に応募方法がのってます。
是非、是非参加してみてください。うちは今回、キタノカオリとはるきらりを提供させてもらう予定です。
私も参加予定。どんなパンになるか楽しみです。国産小麦を愛してやまないかた、また使ってみたいけどどう使うか戸惑っているというシェフのかたも必見の講習会になると思います。
期間限定で掲載させてもらいます。
国産小麦を使ったパン講習会 2011のご案内
ー 国産小麦を考える会 :国産小麦のパンの追及ー
国産小麦の会は、これまで有志による勉強会や北海道への小麦種蒔きツアー、
国産小麦を使用しているベーカリーツアーなど「国産小麦」にかかわる様々な活動を行なってきました。
実技講習会は、今回は株式会社J-オイルミルズ・テクニカルアドバイザリーセンター
を会場にプロ・セミプロを対象とした3部構成の講習を開催します。
今回の講習で、今後の皆様の国産小麦のパンに対する思いや、パン作りに役立てられたら幸いです。
記
日時 11月22日(火) 10:00~16:00
会場 株式会社 J-オイルミルズ
テクニカルアドバイザリーセンター
〒106-0032
東京都港区六本木1-7-27 全特六本木ビル
会費 4000円 (昼食付き:国産小麦のパンと飲み物をご用意します。)
当日会場にてお支払いいただきます。
参加人数 40名
講師 神田 政和氏 (ベ-カリ-コンサルタント Pain Dojo)
本田 修一氏 (グランハイアット東京 ペーストリーブティックシェフ)
講習内容 1 国産小麦の産地別特性比較 (10:00~12:30)
北海道産、関東産、九州産の小麦の追求
産地別小麦の特性を生かしたパン作りの追求
(昼食・休憩) (12:30~13:30)
2 国産小麦使用のパンの紹介 (13:30~15:00)
オーナーシェフいちおしの商品紹介
栄徳氏 (横浜・山手ブラフ・ベーカリー)
3 生産者として今後の国産小麦への期待 (15:00~16:00)
前田農産食品合資会社 専務取締役
前田茂雄氏
協力企業 J-オイルミルズ、前田農産、江別製粉、日本製粉、熊本製粉、多田製粉、中沢乳業、
ピュラトス・ジャパン、イズム(順不同)
お申し込み先 ご記入のうえ、
(Fax番号) Fax(03-3674-2240)にてお申し込みください。
お問い合わせ先
(PCメ-ル)石田誠次 seiji.ishida@lawson.co.jp
お名前(フリガナ)
貴社名(部署名)
ご連絡先
ビート山のシートかけ
11月5日曇り曜日。
今年のビートの収穫を終え、ビートパイルも完成。
ビートの山にシートをかけた。
10m×10mと5m×5mのシートがうちにはあって、山のサイズに合わせてシートをかける。
これが結構大仕事なのだ。重さがきっと70kg以上はあると思うがそれを山の上にのせて足場の悪い中で広げていく。
うちにはユニックとよばれる、トラックにクレーンのついた車があって、それでシートを吊りまず山の上に置く。
それを広げて、飛ばされないように土のうを積んで固定しておくのだ。
子供たちも手伝いがてら邪魔?をしにきた。
雨や雪が降って凍るとシートはガチガチ。
回収した後でも、春先まで凍ったまんま冬をこすことになる。
最悪なのは出荷直前の雪。運が悪いというか、雪はねからスタートしなければならいないためかなりの重労働になる。
いまでは大抵の農家が、大雪警報なんてでるとシートを剥がしてしまい、雪の布団にかえてします。
こちらのほうがビートにとっても息苦しくなく、雪室貯蔵なのだ。
この日は家族総出で行った。
ビートは12月の出荷に向けてしばし、ここでお休みいただくことになる。
ビートの山のてっぺんで砂糖を感じる
11月4日晴れ曜日。
ビートの収穫も終盤にせまったころ、子供農業体験を行った。
うちの畑は町の小・中・高校に面している。
学校に一番近い畑の都合上もあり、また小学校3年生の総合の時間で、町の基幹産業である”農業”を勉強しようというものだ。そこに地元のほんべつ農協青年部員たちが参加し、先生役や世話人となる。
今年の3年生は農業づくし。夏に酪農家の伊藤牧場で、さく乳とバターつくり体験、春秋には田中農場でじゃがいも植えと収穫体験、新じゃがをアルミホイルでやいてほうばり、今日はビートの収穫体験だ。
幸い本別町には、北海道製糖工場(北糖)があり、冬季になると甘ったる~くなんともいえない香りが風に乗って漂うため、お砂糖を作っているというのは子供たちもよく知っているようだった。
この日は3年生2クラス、40数名が参加。まず種の大きさや、ポット作業、生育く途中のことや、糖分のことを話したあと、早速収穫してもらった。
といっても、ビートの収穫だ。葉っぱつきの大根を抜き取り、タッピングナイフと呼ばれるナタ刃で、葉っぱを切り落としダンプに入れてもらった。
最後に大抵のパターンになるのは機械収穫の見学。
人間の手ではあまりに時間と労力がかかる分、機械に手伝ってもらい多くの農産物を適期に収穫することを感じてもらっている。
顔くらいのビート(4kg以上)をとって、”重っ~~!!”というと必死に他の子も重そうなのを探す。
一粒の種はほんの数グラム。それが一個4kgも超えるものになるなんてなかなか信じられない。
最後に大仕事。
ビートパイル(山)のならす作業。
ビートの出荷には2種類あって。直送(トラックが工場まで運ぶこと)と農家貯蔵といって畑で出荷まで貯蔵する出荷体制があり。今回の畑は貯蔵があった。約700tくらいのビートの山だ。
その上にシートを架ける。なぜかって?一つは乾燥して重量が減るのを防ぐ。それよりも冬場の凍結によって糖分が低下するのを防ぎ、また一度凍って溶けだすと腐れの促進にもなるため、シートをかけるのだ。
またこの時期は北、西から強い風が吹きやすく、パイルの凸凹があると風が入り易く、まくられ飛ばされる。
だから上部をある程度ではあるが、手でビートをほおりなげて平らにする必要があるのだ。
青年部の仲間には”お前、自分でやれよ~~~(怒)”とつっこまれたが、
きっとあんな凸凹の山に登れるのは楽しいだろうなという感覚があってやってもらった。
我々だって、年に一回の作業だ。つらい作業も皆でやればなんだか楽しいはず。
やればわかるが、円錐形といえども不確定な形ばかりのもの。足をくじく可能性もあり、まずは体操。
“オイチニィーサンーシー!×2”
子供たちも、ワイワイ言いながら登って、低みにビートを投げ入れてくれた。
先生も”これって普通の仕事でもあるんですか~?”と不思議そう。
でもあるんです。ちゃんとやらないと、雨や雪で水たまりができたり、その部分が凍ってシートがやぶけたり作業が難航すしたりと大抵後で困ることになります。
最後に標高3mビート山の頂上?で記念撮影。パシャリ。
北海道製糖のグラニュー糖は”ほのぼの印のお砂糖”ということも覚えてもらい授業は無事終了。
注:昔ほのぼの君というキャラがいたことから。
田舎のテーマパークは畑や牧場なのを農家も活かすべきだなと思ったのでした。
3年生の皆、農協青年部よありがとう!!
後日談:早速3年生たちからお便りをいただいた。
全部は紹介できないが、すごく感心した。
畑の中で話したことをちゃんと覚えていて、それをレポートにしたり、皆それぞれ印象に残った絵を描いてくれていた。
よく視察に行ったり、研修の一環として受け入れをするがいつも思うのが、時間の大切さと真剣さだ。今回も子供たちは疑問や質問をノートに書いてきて質問する。相手がだれで、何を聞きたいのかが明確になってないのは逆に大人の世界かもしれない。研修しただけで満足感が得られるようでは意味がない。せめて子供たちのようにメモをとるとか?一番聞きたいことだけはどんなに緊張しててても聞くべきだろう。
子ども達の感想レポートもそれぞれの思いと、アイディアがつまっていた。3年生になるとここまで理解できるんだなと改めて感心したし、また”なかなかできない体験”という題をつけた子もいた。確かに機械作業が中心なうえ、重量作物とあってできない体験には違いないが、もっとこういう機会を増やさないと、地元や田舎の一次産業は理解者や応援団は全くできないと思う。農業はコミュニティの一部だ。長くなったけど、以下子供たちのレポート(抜粋)
3年生の皆さん、本当にありがとう!!