麦チェン!!??

”麦チェン”という聞きなれない言葉知ってますか?
今日平成20年12月22日の十勝毎日新聞(ローカル紙)に”道が麦チェン”PR という話題がありました。
この麦チェン運動(=チェンジの略)ですが、北海道の知事が議会で推進を進める(特に春よ恋といった強力粉)と発言。十勝の小麦は全道の4割(薄~中力)を生産する主産地で、今年からホクシンかわる新品種キタホナミの栽培もはじまり、平成21年産より順次作付けされていきます。収量性、製めん適正が優れるようです。
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”きたほなみ”の発芽。穂発に強い=吸水しにくいのかな?ちょっと乾燥年には発芽ががどうなの?でも楽しみですね~。打倒ASW!(オーストラリア・スタンダード・ホワイト=日本のうどんはこれが主流)
 一方、主にパン用の強力粉である ”春よ恋”⇒”はるきらり”にとって変わることはちょっとない情勢かもしれませんけど、新品種へと代変わりしてきています。ちなみに平成24年くらいには、また新しい春まき小麦がでてくるそうです。楽しみ楽しみ。
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上写真、パン用強力粉、新品種”はるきらり” キラリって光り輝く品種になれるかな?
ハルキラリの小麦粉ありますよ!(1kg袋のみ)限定商品です。
 国では、10年後(平成30年?)に国内自給率(現在41%)のものを約10%もアップして50%にするようで、工程表では小麦を180万トン(現在90万トン)にすんですって!え~E~E~E~eeってホントにかい?一応本州の米収穫後の田んぼ後を麦にする(通称、裏作)で確保するとか。
 現場の農家からすると不思議な観点がいっぱい。
1.現在でも裏作を行なっている地域や県が少ないのでは?
理由:そもそも田んぼ=粘土地(水をはるため)=排水性良くない=麦・大豆(乾燥好む)=本州では収穫時期(雨季時期にあたる)=収量・品質の低下(穂発芽・カビの問題)
2.そもそも誰がやる?
理由:本州とくに都市近郊では兼業農家が主。田んぼは管理の面から、土日農家でも可能になっている。そこに、手間のかかる小麦(防除面)、大豆(草取り)などを播いてしまうと、兼業をやってられなくなる可能性が大いにある。農業従事者の高齢化は北海道でも同じ問題。本州はより深刻なのでは?
3.麦の品種改良の進捗度は?
理由:小麦は本来外来種で乾燥地帯を好む作物。北海道やここ十勝でも良質麦がとれるようになったのは、試験場等での血なまぐさい品種改良のおかげだと思う。特にこれからの品種”キタホナミ””ハルキラリ””北海261号”なんかは、品質を低下させる収穫期の雨に強い。きっと、世界No.1の雨に強くて、品質の良いハイブリット種が北海道にはあるんだと思う。本州でも強力粉の開発が叫ばれているようだけど、予算を真剣に割り振って自給率1%(強力粉分)を2%くらいにあげられたら・・・
結論:日本は稲穂の国。豊富な水資源あり米文化があるからこそ、国民が飢えてないんだと思う。”餅は餅屋”じゃないけど、稲作農家には美味い米を作ってもらう必要がある。一回、稲作から畑作へ土層改良してしまったら最後。”そうだ、稲作に戻そう!”なんて能天気なこと言ってたら、ホントの土葬になりかねない。牛の飼料麦にあてるとか、バイオエタノールとして裏作を位置づけるとかのほうが現実性があるのではと今日は勝手に推測してみた。
で、なんだったけ?あっ、そう”麦チェン!”ですよ。
俺も畑で、仮面ライダーのように”ムギ~チェン!、トウっ!”ってやって、子供達の失笑をかおう。
現実味の帯びない政治色の強い農業政策のように・・・・
でも、ムギチェンジしていくのはホントです。応援よろしくお願いします!負けないよ~外麦なんかに!

越前水仙 from 野の花工房

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綺麗ですね~、近寄るとすごく落ち着く良い香りがします。
先日、”越前水仙”を福井県の”野の花工房”様よりいただきました。ありがとうございます。
かなりの”ビックサプライズ”でした。
12月10日に、福井県でお会いすることができました。”It’s a small world!”という言葉がありますが、午前中に寄らせていただいたある福井市の農家法人の社長さんとお知り合いだったそうで、”どこでどう人って繋がるのかわかりませんね~”なんて話してました。そこの従業員のかたが、かつて当農場で実習生として働いていた経緯があります。元気で良かったわ~。
 さて、フードソムリエのブログでもおなじみなのですが、鯖江市にある野の花工房さん、オーナーの佐々木さんはマイプチ農場で自ら野菜を作ったりする方。なかなかできないことだと思います。料理だって食べることだって、”どう育ったか?”を自ら知ってる消費者や料理家のかたは少ないのでは。湿度の高い地域での農産物の管理は大変だと思いました。
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ありましたよ~工房+キッチンスタジオ。福井県は共働きが当たり前なくらいで、教室にくる方々の多くも仕事を持ちながら”楽しく、美味しいパンを作ったりしてみたい方が多いそうです。
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野の花工房=石釜パンですが主役の”石釜”みつけました。重厚なつくりで、熱の通り道を知ることで、釜の中にいれるパンや料理をずらしたり、火の入れ方や”釜のクセ”がわかるまで時間がかかったそうです。でも美味そうですよね~パンはもちろんのこと、肉とかも。食べたい食べたい。
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燃料となる薪は、ウイスキー樽を使っていました。これまた風合いがよく、きっと硬い木からできているので燃え出すと力強く、長時間使えるんだろうと想像していました。
最後にビックサプライズがもう一つ。工房にきている野の花工房の生徒さんたちからお手紙をいただきました。”普段のパンとは別ものの美味しさ”との評価。ありがたい、感謝です。同時に次年度にむけた緊張感もいただきました。作り手から作り手へ、自分で作る楽しさを感じてもらえたら日本の農業だってもっとよくなる兆しを感じました。ありがとうございます。

フードソムリエ in 雑穀屋

12月17日、午後からお世話になっている雑穀店”株式会社ヤマチュウ”にて、”豆類の栽培の勉強会” &”顔の見える生産者・消費者”と題して、これまたお世話になっている”フードソムリエ”でおなじみの北村さんの講演会がありました。
 ”ヤマチュウ”と聞けば=”豆”となるのですが、ここの会社の取り組み素晴らしいです。
はっきりいって、”顔の見える生産者”の取り組みの先駆者的な雑穀業者さんです。生産者限定や栽培にこだわった品揃え、それに亜鉛などの含量が基準よりも高い機能性大豆の販売など、毎年、有名な和菓子メーカーの方や新進気鋭の洋菓子メーカーの方などを圃場や、農場に寄っていただいています。
きっと、”生産者限定って誰やねん?””どうやってつくられてる””今年の豆はどんな感じなのか?”気になるところを生産者・流通・製造・販売業者含め、やっていきましょうという姿勢がここの強みなんだと思っています。
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うちの大納言も入ってますよ~。どこ行くんでしょ?
 それで豆の講習会ですが、十勝は豆どころということもあり、新品種、肥培管理、病害虫、さらには食味性のお話を十勝農業試験場の豆類担当の研究員より説明がありました。小豆(エリモ・キタノオトメ・シュマリ・キタロマン)、白小豆キタホタル、インゲン(絹手亡)、金時(福良、大正、福勝)とかの肥培管理、収穫適期の見分け方、品種別の気温による生育の変化を聞いたあと・・・試食会となりました。生産者自ら違いを感じることも重要ですよね。
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上記は特別に業者さんにつくってもらったという、おはぎ三種。左から”きたろまん””きたほたる””エリモショウズ”で、”エリモ”と”きたろまん”との比較では、皮の柔らかさや食感でいうとエリモ優勢。キタロマンの豆の風味もなかなか良いですよ~。”北海道産”とうたっていても品種までは限定されていないことがあるかもしれません。でもやっぱ、美味いは新物十勝産の豆は!
 それから”フードソムリエ”北村さんが、農家のおっちゃんたち前に講演したんですね~パチパチ。消費者は生の現場情報を欲しがっています!しかしながらこれだけ”食”の話題があるのに、自給率を知らなかったり多くの農産物が廃棄されたりと、その一環で”食べ残し0キャンペーン”を行ないました~と農業に可能性は十分あるし、やってもらわないと困ります!元気をもらえる素晴らしい講演でした。
もっと”理想のブラジャーの話?!”が聞いたかった人もいるかも(オラ含め)。
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お疲れ様でした~~!!!

小豆・金時 in 徳島県

♪は~るばるきたぜ と~くしま~!♪と突然徳島県の話題です。
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12月6.7.8日と徳島県は小松島市で、本別町の代表農産物の新豆の販売促進&交流会に行ってきました。理由あって、神戸からバスにのり瀬戸内大橋、淡路島の鳴門大橋を越えれば、そこに徳島県はありました~と感動することでもないのかもしれませんが、徳島初心者の私はかなりの興奮でしたよ~。しかもこの日は”さぶ~イ!”じゃないですか!低気圧の影響で大寒波と言う感じ、昼前に駅につきましたが、雪がチラつく場面もありました。前の週までTシャツでもいいかなというくらい暖かかったらしいのに・・・。
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12月7日は小松島市(徳島市から車で20分くらい)のところで、第4回のうまいもん祭りが開催され、本別町の代表一団として新豆の販売を行いました。上がその写真。
飛ぶように売れるのが、”金時豆・小豆”ですが、徳島では”チラシ寿司”の中に彩としてなのか金時豆をいれる習慣があるそうで、”本別の豆、美味しいのよね~”とおばさん達は声をそろえていました。
しかしなぜ、徳島・小松島市&十勝・本別の組み合わせなのか?両者は姉妹都市の関係で、100年ほどまえに、本別町の勇足地区に移住してきた一団が小松島市(立江町中心)の方達なのです。四国のあの暖かい土地から、冬はマイナス30度にもなる極寒地に当てもなくくる。壮大な物語で、想像を絶する生活だったに違いありません。しかも、原野を切り開き、徐々に徐々に農地を広げ、最近やっと故郷に新豆を送れるようになり凱旋しているのです。確かに農業は時間かかりますよ。
8日に同市にある産直市場、あいさい広場を視察しました。”スッスげぇ、人の数”と平日でも3000人くらいは来るとか。”飛ぶように売れる!”ってこういう状態なのかなと思いました。顔の見える”安全・安心”+”地域住民に対する真心”の農産物がこれだけの評価を得られるのかと思いました。なにせ、農家のお母さん達が元気。ほとんどが兼業農家ということで、主戦力は奥さん達なようでした。
東とくしま農協や市役所の方々には、大変お世話になり、美味しい阿波牛(しゃぶしゃぶ最高!)、名物たらいうどんなど沢山いただきました。米粉事業にものりだすそうで、”攻めの農業”を見た感じがします。御礼申し上げます!
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お祭りで売っていた”鬼ゆず”。ピールとかジャムとかにすると美味しいだそうです。

甘~い運搬作業

12月12日にビート貯蔵分の出荷となり、うち畑から全ての農産物がなくなりました。パチパチ。
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10tダンプが何十台も行き来をするので、畑が硬くなり痛むのでここの業者さんは、鉄板をひいて作業してくれました。珍しい取り計らい、ありがたいですね~。
前回お話したとおり、ビートは製糖工場の収容能力にも関係あり、農家貯蔵というのがあります。
今回、本別町の精糖工場(北海道糖業㈱)に近いビートの山が運びだされることになりました。前日11日結構な雪が降ったため、ビートパイル(ビートの山のこと)のシートの片付けは雪の重さと凍結で難航しました。結構強い、ビニールシートも凍結には勝てません。たまに、引っ張り方とかを間違うと、凍りついた部分が破けてしまうほど。自然の力は凄いです。
ということで、子供達二人を連れて運搬現場にレッツゴーとなりました。
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”おどうさん、デッカイの見つけた~””うぉ~”と持ち上げる娘。
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”これ、たいちゃんのだってば~ダメ~!”となんだかようわからんチビ助。
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最後にこれなんでしょう?これは、”遊離土”といって、製糖会社で運搬車からビートといっしょにでてきた副産物です。といっても、土砂や石、ビートの切れ端や葉っぱなどです。土砂はビートに付着していたものも多く含まれるため、肥料養分の高いものになっています。最後はこの遊離土を畑にちりばめ、畑の一部と還るのです。

根雪

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12月11日の午後、ついに根雪(雪解けの時期までとけずに残る雪)となりました~。
12月3日からこの日まで、関西方面にいっていたのでその間、雨が降ったとかは聞いていましたが名古屋空港にて、”到着地、十勝帯広空港の天気は雪のため、千歳空港か名古屋空港に引き返すことも考えられます!”だって。ついてないな~と思っていましたが、3時の飛行機が到着したほぼその瞬間より雪の強さがましたのです。
ということで、これより冬らしい雪化粧と畑はあいなりました。といってもそんなに降ってないですね。きっと8cmくらい積もったのでしょうか。
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雪の下のホクシン。12月12日
秋播き小麦のホクシン、キタノカオリ、新品種キタホナミはこれより越冬するんです。”ハードニング”といって、気温が5℃以下の日が続くと、葉が厚く短くなり、葉色が濃くなり耐寒性がますそうです。たしかにマイナス20度とかでもいきながらえるんですから、”スゲェ”の一言ですよ。そこで掛け布団代わりになる雪が重要なんです。多からず少なからず、”フワっ”と小麦を覆うようなかんじであればよいのですが・・・。朝晩マイナス10度くらいですが、暖冬な感じはあります。万が一雨でもふったらと心配もあります。
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11月1日の”シバれるね~ブルっ!!”と言っている?キタノカオリ
この冬はどう越します?

育てよう若き地域のサポーター”お乳搾りました~!”

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11月26日、午前中、地元本別中央小学校の校庭で、子供たちに搾乳(さくにゅう)体験をしてもらいました。この日は朝、マイナス10℃にもなり、このシーズン一番の寒さ。でしたが日差しはよく、きっと1度くらいはお昼までにはあったかと思います。
今年はJA本別青年部の本別支部のメンバーが、学び舎の小学校の3年生を対象に農業体験事業を行なってきました。今日はシーズン最終回。牛やさんからトラックで、校庭に親2頭、小2頭をつれてきました。
最初に、牛やさんのメンバーから、牛の体のこと、”牛乳は血にた成分、お母さん牛が身を削って、沢山の血液を生乳にかえてるんですよ””胃は4つあって、”反すうしながら”ほとんど時間食べていること”、”乳頭は4つあって、それぞれ独立しているので1つだけ絞っても駄目なこと””雄牛や牛乳がでなくなった牛は肉になって、食卓にあがっていること”など、”みんなは命を頂いているですよ”というお話をしてくれました。
子供達は”え~牛ってほとんど寝ないの~””かわいそ~肉になっちゃうの~””痛いわ~角切ったあとに焼印を”じゅ~”てされるの”とか、”あ~ウンチ、ウンチ””スゲェ(量)のオシッコ!”とか興奮しましたよ~。大盛況の大成功です。
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子牛と仲よし。2頭のうちの一頭は先週金曜11月21日に産まれたばかり。牛って毎日、500gとか太って、成長期には1kg太るんですって。ヘ~
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乳しぼり、これ大人がやっても楽しい。ペーターの気持ちもわかるな~。”あったか~イ”とおそるそろる、牛に近づく子も、実家が酪農家で、玄人なみに慣れている子も中には・・・。牛の体温は38度くらいで、人間よりも若干高いそうです。それをバルククーラーとよばれる、冷蔵タンクで5度まで冷すそうです。
なんで、殺菌するのか?それは、目に見えない雑菌がありお腹を壊したりすることがあるから。牛やさんも”搾りたてが一番うまいんだぞ!”とどの人も言います。
なお、牛の敷きわらは、小麦農家からきた”麦稈”ですよ~。畑農家もここでお手伝いです。
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”良い牛乳は良い飼料から””良い飼料は良い畑から”ということで、”牛のご飯”を子供達にもってもらいました。ビートパルプ、デントコーン+大豆粕の圧ペン状のもの、コーンサイレージ、ミネラル+カルシウム、牧草だとかです。”サイレージ=漬物”みたいな保存食。子供達は”え~こんな臭いの食べてんの~”とかいってますけど、牛たちから言わせれば”え~そんなへんなもの食べてんの~”と言われかねません。
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最後は牛やさんの機械絞りの様子を見学。皆興味深々です!機械によりバランスよく絞っていくようです。牛の乳はしぼってあげないと、乳房炎だとか他の病気にもなるそうです。
丁度給食の時間となり、朝しぼりたて(低温殺菌ずみ)のと、給食の一般牛乳と飲み比べてもらいました。”甘みとコク”は一味瞭然です。うちでもいただいた、生乳でプリンを作りました。生クリームなしでも、美味しいコクのあるプリンができましたよ。やっぱ搾りたてですね。
”みんな、牛乳すきですか?”との問いに
”大好き~~~!!!!!!”と手をあげた子供たち。
牛乳はお母さんの血液です。大切に飲みましょうよ、ね!お疲れ様でした~~。

ビート(お砂糖)はやっぱり、”ほのぼの印”です。

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しゃぶっ!しゃむいです!11月の上旬ともなると、朝は-4~6度。自然界は霜から凍結状態にはいります。当然、葉っぱも凍りついているわけですから、足で踏むだけで茎が折れたり、葉っぱもチリチリになります。大体、9~10時ころになると、葉っぱに水滴がつき、この時期になると葉っぱもしなびて、ナイフでも切りずらくなるのです。
だから6時から9時までの、土壌表面にうっすらと凍った土があるときが一番スムーズに収穫機が動くんです。”寒い”の言ってられません。時間との勝負。土場に集積するのに、ダンプやらショベルやら総動員しながらやるんです。
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トラクターも”さび~なオイ”という感じ。20~30分ほど、暖気をしてから今日も発進です。写真は11月1日です。
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葉っぱも朝のうちは、凍ってキラキラしてます。朝は爽快なシャキッとした空気。この空気をいっぱいにすったビート、甘くなっているはず。
ちなみに、マイナーなのかもしれませんが、十勝・本別町には北海道精糖株式会社(通称:北糖)の工場があります。グラニュウ糖のブランド名は”ほのぼの君”です。
 ご使用よろしくお願いしま~す!
 

てん菜糖を掘る天才機械

砂糖の原料、ビートを掘る機械=ビート・ハーベスターなんです。
国内では、北海道でしか作付けされていないてん菜糖ですから、機械も特殊なものになってます。
手順は
1.ビートの葉っぱを切る(大根部分しか糖分がないから)
2.掘る(とにかく拾いあつめます)
3.土場にパイル。(掘ったビートを山のように集積します)
4.シートをかけて保存。(朝晩の凍結で、劣化が激しくなるのを防ぐため)
1.の葉っぱを切るですが、うちでは”タッパー”というナイフつきのはっぱを切る機械が収穫機についているものを使っています。トラクターは2本の畝をまたぐので、2列分処理が可能です。
1列は”タッパー”で葉っぱを切る。もう一列は葉っぱの切られたビートを収穫するようになっています。
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写真の手前の鉄の車輪(フィラーホイール)+40cmくらいのナイフが下部にあって、葉っぱを押さえはさむようなかたちで、ナイフで葉っぱを切り落としていきます。それからもう一列を掘っていくことになります。写真は”口開け”という作業で、一番最初に機械が入るさいは、掘り取り口の前に”クリーナー”というゴムべらが高速で回っていて、これで葉っぱを叩き散らしながら収穫します。
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左から掘り取られた列、タッパーで切られた列、無処理の列。
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トラクターに牽引されるビートハーベスター。タンクに掘り取られたビートが入ります。一回におよそ6tほどのビートが詰まります。”ピタROW(うね)くん”とありますけど、掘り取り口にセンサーがついていて、ビートのうねをついづいしながら収穫できるんです。”ピタっとうねに合う”=”ビートがこぼれない”=”運転手は前を見て収穫するだけ”=”人間・疲れなくて、収穫・早い”といったところからついたネーミングだそうです。北海道のビート収穫機ではNo.1の信頼度、毎年機械の試験をさせてもらっていますが、ここの㈱日農機という会社”スゴイっ、気合はいった技術スタッフ!”150mはある畑を何度も何度もビデオを取りながら走り回っているんです。冬だというのに午前中には”汗だく”。この会社がなかったら、北海道のビートは衰退していたかもしれません。日本にはこういう熱い機械メーカーいっぱいありますよね!
あっ、うね(話)ズレマシタ。
それから、3の土場でビートの山(パイル)を集積をします。
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最後に凍らないようにシートをかぶせて、風に飛ばされないよう重り(土のう、廃タイヤ)をのせます。この時期の北風や西風は半端でないときがあります。幅10m分のシートに覆われています。
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近くによると、なんとも土に混じった甘~い匂い(香りという表現は難しい感じ)がしてきます。今年は、カッパン病という恐ろしい(収量・糖分ともに低下)病気はほとんど見られない感じ。どれだけ、甘くなりましたかね~。

ビートくん、甘くなったかな~?

ビートの収穫がありました。今年の収穫物は完了です、パチパチ。
今年は大きく二回に分けて出荷しています。
1回目は10月16日から24日までを1回目の掘り取り。2回目は11月4日から13日までかかりました。
ところで、ビートは何になるかご存知ですよね?Sugar beet(シュガービート)というだけあって、お砂糖(グラニュウ糖)になるんです。収穫どうしたかって、こうしたんです・・・↓
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写真は10月24日の写真。ビートの大根部分が土から盛りあがっています。この品種は直根系の品種。分枝根みたいな品種もあります。まだこの頃、10月終わりくらいまでは、葉っぱも生き生きとしていて、立っています。11月にはいり、霜に何度もあたるようになると、段々葉っぱもしなびてきて、垂れた状態になっていきます。
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27cmの靴と比較。計ったことはないですけど、きっと2~3kgくらいあります。葉っぱは砂糖にはなりません。ですので、畑の有機物として還元されます。
ビート収穫のポイント
掘り取り時期は?:”基準は甘くなってから?!”ということですが、精糖会社が事前にこの地区の畑はいつからいつまでと指定します。それに合わせて農家の人は収穫するんです。
甘さの秘訣は?:基本的には寒暖の差があるほうが甘くなる傾向があります。”寒くなる”といっても霜が降りるくらいですから3℃以下ぐらいになることでしょうか。10月中旬時点では、大体霜も降りてきています。
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ビートの葉っぱをきった状態の写真。りんごのように、糖蜜が中心からにじみでています。この蜜自体が甘いと糖分もあり、重量もあるビートになります。舐めるともちろん、甘にがい感じがします。
甘さの目安は?:糖度~%とでるのですが、農家は出荷するまで自分のビートがどのくらいか、わかりません。ただ、大きいもの(人の顔くらい)でも、水ふくれしているようなビートは糖分があまりないビート。逆に同じ大きさでも糖分の高いものは重く、少々トラクターがふんずけても、割れたりしません。これを目安に”今年は糖分あるみたいだな~、ただの水(ふくれ)ビートだな~”とか思って収穫するんです。
次回、機械収穫の模様をお送りします。