そんなに甘くない?ビート

先日12月14日の根雪の日。
ビートの最終出荷を終えた。
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今年の甜菜は甘くないのが特徴だ。しかも史上最もあまくないらしい。
といっても、もちろん、製品砂糖が甘いですよ。
要は、いつもよりビート中の糖分濃度が薄いということです。
収穫は10月20日から11月8日まで。
糖分があるビートは硬い。サクサクしていない。トラクターや作業機のタイヤに踏まれても割れない奴まである。
そんなタフさは糖分がある証拠だ。また、リンゴの蜜のように、甘いビートは大根の中心に蜜が円を描く。
今年はやはり全体的に真っ白なビートが多かったような気がしていた。
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収穫前なのに葉がまだ生き生きしている。寒暖の差がなく6月中旬から連続して7,8,9月とずっと温かかった。というより暑かった。蒸した日が多く、褐斑病(かっぱん)という病気が蔓延。殺菌剤も6回と通常より1,2回多くうったにもかかわらずだ。この病気何が恐ろしいかというと、葉が枯れることによって光合成が断たれ、本能的に葉を出そうとする。ところがこの作業はエネルギーを作物の体力を消耗してしまい、大事な糖分蓄積する作業をおろそかにするため、糖分が上がらないという現象が起こる。
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インフルエンザじゃないけど、初期予防が非常に重要で、かかった時点で実質の特効薬はほぼなく、蔓延しないよう結局気温が下がってくるのを待つとか天気頼みになりがちだ。調査によると、十勝東北部(ほんべつもこの地域)の91%が感染。昨年比で24倍の発病率だって!しかもやはり昨年の大雨の影響を引きずった形のようだ。”冬も凍結深度が浅く水分の多い土壌が続き、葉が茂る中で畝間の茎間湿度が高くなったこと”といっている。昨年のデータというか総括はこちら⇒
♪なんてったって雨~、なんてったってア~メ~♪
今年の気象台の長期予報は大きく外れました~ザンネ~ン!!きっとそれだけ大きくなにかが影響したのだろう。
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土場に開けたビートも、どうも甘苦しいような香りをしていなく、また結構腐れも多い。
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典型的なのが、古い葉がしおれてヒゲのようにビートにまとわりついていた。健全体なら緑葉のため作業機械で結構綺麗になるがどれもこれも、硬くなった古葉がついていた。つまりは新しい葉にエネルギーを使った証拠だ。
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2tダンプに満載のビート。積みすぎて畑で動けなくなり、また湿気る畑は大変苦戦した。おっ重っ!!
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そこで急きょ、助っ人を作ってみた。本来この作業機は堆肥をまくマニアスプレッダーというものでトラクターがけん引して使う。その回転部分(ビーター)ユニットを上げて荷受ダンプの代わりに使ってみた。これが大好評。約12tくらい入る。タイヤが太いため、畑へのグリップ力向上と定圧での作業が可能だった。効率もまずまず。
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昨年の雨による冷害年のほうが、寒冷作物のビートには好都合。今年は地域内平均でも、4.2t/反くらいの15.2%糖分くらいの大変厳しい年となった(昨年は18%糖分)。猛暑の影響は全道的で、収量は約2割へるなんていってるけど、それ以上だろう。
21年の大雨はちょっと例外として、今年(22年)の猛暑はちょっと続くような気がする。
現場にいても、霜の時期の遅さ、朝晩の冷え込みのなさは感じる。ビート掘る時期はなんせ、鼻水すすりながらの作業が粋な感じ?だからだ。
気候変動にどう対処するのか?そのほかにも農業政策の中での甘味資源のあり方やTPPの問題と食糧生産は一筋縄でいかないのがこの世の常だ。
来年も種を播く。今年は平均6.0t/反の15.3%と例年よりも、多くのお砂糖を生産できていないのはうちも同じだ。
来年は必ず挽回したい。甘味がある人生は豊かだ。チョコもケーキも人をほっとさせてくれる。

初雪が根雪になりました。byあきこ

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みなさま、こんにちは。
久しぶりの更新となってしましました。
こちらで、ときどき書かせて頂くことになりました。
あきこです。
どうぞ宜しくお願いします。
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さて、
3日前の14日の朝・・・起きると雪が降っていました。
十勝地方にしては、遅い初雪が根雪となりました。
〝根雪〟というのは、
雪解けの春まで溶けずに残る雪のことだそう。
きたほなみの畑も一面の銀世界です。
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ちょっと掘ってみると、元気な葉がのぞきます。
「よしよし」と確認して、そっと雪を元に戻しました。
寒さの厳しいこの地方では、
雪の下の方が暖かいのです。
しっかりと積もって、小麦を守ってください・・・。
そして、お知らせがあります♪
ホームページをリニューアルいたしました。
前田農産食品合資会社
良かったらご覧くださいませ。
工事中の場所もありますが、現在作成が進行しておりますので、
ちょっとお待ちくださいね。
夫の幼馴染の
池田篤氏の経営するVEJのスタッフの皆様
と篤さんの奥様の麻衣子さんに
にお願いして、制作していただきました。
visua and echo japan
やっとできて嬉しいですっ
ありがとうございました。

続・劇的ビフォー・アフター?!

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前回の続き。
12月13日~18日までは、倉庫の屋根をはる作業。
友人が木材屋にいたり、知り合いが鉄板屋だったり、部落に板金屋さんがいたりとちょっと聞きたいことがあったり、頼みたいところがわかっているのが仕事が進みやすい環境だったりする。
前半は、コンパネを屋根のタル木にはること。
これは、屋根の強度を図るうえで重要だし、いずれ腐食して雨漏りなどを防ぐことにもなる。
風がまともにうければ、鉄板なんて所詮もろいわけで。
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冬場は何が困るか?寒いだけでなく、滑る。
朝晩なんか、マイナスの世界なので夜露や放射冷却現象で、氷柱がたち作業を危険にさらす。
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それから屋根をはっていく。波板トタンを採用。既存倉庫屋根に合わせて施工した。
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手際と度胸を(高所作業のため)すえてやれば、あっと言う間。
あれれ・・・。釘打ちの位置がまがっとる・・・。たまに、釘がタル木からずれとるかも・・・。
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それから、エンジンコンプレッサで大掃除もした。埃というのは積もるものだ。しかも厄介だったのがスズメの巣だ。
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倉庫としては、機械と肥料しかおいていないため食料はないが彼らの巣が天井付近にあった。
ここでも彼らの生命力と知恵の深さをしった。屋根と鉄骨との間に隙間があり、そこから冷気が入る。
そこをしっかり、麦わらやどっかかからもってきたビニールテープで、しっかりと詰め冷気をふさいでいたのだ。
考えてみたら、彼らはまず巣作りから始める。新しい住みかの場所を選定し、自らつくり上げるのだ。
人間は?今だったらネットか、雑誌でアパマン探しになるだろう。
そういえば、うちの初代も岡山県から流れ流れ来た時は、大変な困難があったと思う。
冬場はマイナス20,30度当たりまえ。防寒着だってまともなものなかったろうし・・・。
もし、自分だったらどうしただろうか?ゼロからの出発はできていただろうか?
と鳥の巣撤去に約1時間悪戦苦闘しながら掃除をした。
というわけで、ほぼ完成がトップの写真。
これで機械たちも喜んでくれるはず?!

劇的ビフォー・アフター?!

12月に入りすでにシーズンオフのはずですが・・・。
でも、来年の準備の準備・今年の反省・未来に向けた取り組みとまだまだやらないきゃいけないことでいっぱいだ。
今年はスタッフ揃っているので、思いきって倉庫を立ち上げてみた。
といっても、増築というか改築だ。
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写真はビフォー状態。あとちょっとあればなぁ~と思っていて、実際できるべか?と半信半疑
よく普段の生活でも、”あと何cmとか、何mあればな~”って思うことないだろうか?
本農場とは、遠くの倉庫だが”あと2間分(3.6m)あれば、トラクター+機械がついたまま収納できるのに~”と長らく思っていた。いざ、行動の時。
 もちろん私に正確な測量の仕方や、構造物の絶対強度の知識はないけど・・・。
でも、慣れ親しんだ倉庫にさらに愛着をもって、農作業で疲れ果てた機械たちが少しでも雨風しのげたらと考えるのは、車のガレージを備えるのと一緒。あいつは濡れて、こいつは濡らしちゃいけないとか思ってると、必ずその恨みや妬み(機械にそんなんあるのか?)はシーズン中に帰ってくる。コワ~。
まず、必要のなのはどれだけのつなぎの建物にするか?
寸法が決まれば、材料も決まる。今回は各部材を鋼材、木材、天井板に得意先に分けて発注。
ということで、寸法取りと予測される作業面での手順や道具の手配、危険性などを検証。
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寸法がきまったら、軸石をコンクリート屋さんからもってきて、支柱を立てる穴あけ、それを定位置に入れます。
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上記はコンクリート軸石に振動ドリルでアンカーボルト用の穴開け。
それから測量。CIMG0274.JPGこの時が非常に重要。これが違うと大きく建物がぐらういちゃいますから!やっぱり基礎って大事なんだな~と改めて思ったのでした。ユンボで概算の穴を掘り、糸をはり建物の端端と各支柱を立てる位置に固定、砂利80mmを敷き、さらに砂で高さ調整。軸石入れて固定したら土を戻して、ランマ(振動定圧機)で周りを再度踏み固めます。
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ランマ作業。
それから約一週間は、部材の寸法切りや組み立て、色塗りなど。
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測量作業も大事、大事。縦、横、高さグラつきやぐれを抑えるのに、控えのアングルを全支柱に仮固定してから全ては開始。
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H鋼頭はCチャン合わせをのせるように施工。
いよいよ立ち上げ。高さは4mにもなるので、作業は慎重に慎重に。
まず支柱を立てて~
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伸ばし部分の鋼材を付け足します。通常はボルト締めですが、今回は箇所を溶接。既存の建物ががっちりしてるので、繋ぎ工程を簡素化しちゃいました。
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農作業機械ってすごいです。いろんなことに使えます。高いところの作業の安定感も抜群ですし。
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大分できてきましたよ~。DVC00044.JPG
とりあえず、ほぼ骨組は完成~!!パチパチ~。
あとは、屋根ふきで~す。続・劇的ビフォーアフターへ。
今年中には絶対完成させまっせ~。

緑が肥しになる日

緑肥(りょくひ)とよばれる作物があります。
収穫するためのものでなく、田畑に有機物還元や特定の病害を防ぐ能力がある作物です。
その名も緑肥=緑の肥しそのものです。
主な緑肥には、ヘイオーツ、からし菜、ひまわり、ベッチ、クローバー、デントコーン、マリーゴールドなどなどがあります。ライ麦も直根の根張りが良く、硬い土盤を突き破るので畑家がふかふかになるそうです。
うちでは、好んでえん麦(サイヤー)という品種をまいています。
理由は其の一、育つのが早く有機物の還元性が高い。
畑も”ふかふかのベット”じゃないけど、重いトラクターやコンバインで踏まれて硬くなっている土をほぐす機能がかれらにはあります。
其の二は、豆類やジャガイモに寄生しやすいキタネグサレセンチュウ密度を低減させるためです。
センチュウとは、ミミズみたいな形の体長1mm以下のもので、そんな簡単に肉眼で確認はできない。
実際、実物は食害され病気にかかった株の状態でしかみたことない。
よく、野菜の根に根こぶができているものがあるが、あのこぶの中にはセンチュウの卵がうようよしていると聞く。
なんせ、これにかかったら大変。植物がちゃんと栄養を土から吸収できずに枯れたり、肌の悪い作物にしてしまう。
ということで、今年もまた小麦の後に播いてみた。えん麦8kg/反くらいを肥料と一緒に播きます。
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それから、ディスクといって重い円盤の力で、小麦の刈りとり株を根から着るのと同時に、えん麦の種を土に混ぜ込みます。
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そうすると、適当に発芽してきます。
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それから、今年の温かい気候に応援されてすくすくと伸び
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最終的には80~90cmくらいの丈までのびます。
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それを土の中で分解しやすいように、チョッパーで裁断します。そのまますきこむこともありますが、翌年の作物にガ腐る時のガスが影響して発芽問題になるとか、カルチで引っ掛けて作業性が落ちるとかの理由でやります。
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チョッパーされて、丸坊主したえん麦の畑は深耕爪で空気をいれたり、水はけをよくしてから畑をおこします。

でました~クロ4っつ!!

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しかも、今年初めての”気づき”がありました。莢が4つ分、ぼこぼこしてます。
“祝黒”とよばれる黒大豆に4粒を発見!!すげぇ~大豆って四つなるんだ~とうちの畑では過去に見たことがなかったのでうれしくなっちゃいました。枝豆だって、なかなか4粒のはとって食べたことないでしょう?
カールおじさんとかがでてきたくらい嬉しい出来事でした。
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途中、今年もこの一帯で大発生したマイマイガの大群に襲われたり、カナブンに葉っぱをおすそ分けしてあげたりとありました。また晩も温かい日が続いたため、大豆はグイグイ伸びたのです。
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上記は”止めカルチ”といって収穫しやすいように+根域の排水を促すため、培土(土を盛り上げること)しています。
ほんの1日や二日遅れていると、畝全体が大豆で覆われて、トラクターで処理しづらくなります。
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またこの頃には、根には根粒圏という世界が広がって、空気中の窒素を自らの養分にこたえられっル素晴らしい作物だ。
9月30日には、豆がすっかりふくらんで、紫がかったような豆が出来上がっていました。
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収穫は、10月15日からスタート。水分が19~22%まででしたが、2,3日晴れ間が続くと一気に17%くらいまで乾いていきます。そうすると、皮切れや豆の割れなどに影響してきます。ホントにベストタイミングとしたら2日くらいしかないのが大豆の難しいところです。

“ゆめちから”の力

日本のパン用小麦の自給率は1%以下。
パン用や中華めん用となるタンパクの高い強力小麦はそんなにないんです。
そこで登場するのが新品種”ゆめちから”
何度かブログでも登場していますが、”ゆめちから”の持つ潜在能力はかなり高そうです。
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見た目は硬質小麦らしいゴツゴツ系。小麦は見た目じゃありません。挽いて粉にナンボの世界。今回の戸別補償政策にも、パン用小麦の自給率を高めようじゃないか!!!という日本政府の意気込みを感じる政策価格が提示されました。
しかし、これで来年産からザックザック、パン用できるかなというのは早すぎます。
今年はこの品種は試験(北海道では・・・)。しかも他の強力系品種も種の供給が思うように進まず(今年の低収量から)、物凄いはずみにはあと2,3年かかると思われます。しかし、オカミ(御上)の姿勢は本気モードです。やっとパン用小麦生産農家の思いが伝わる気がしています。
さて、その”ゆめちから”を9月24日、7kg/反で播きました。
昨年産の感じからだと、以外に倒れないのですが、分けつした穂が混み過ぎるのを嫌ってと、貴重な種のひきのばし?を狙ってです。
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いつもどうりの”整地+種まき”合体型の機械で播種。
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種の深さもチェックして~っと。2cmくらいかな。
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やばぁ~途中で詰まってるぅ~。指導不足だな、反省です。傾斜や土の起伏は気をつけなきゃなりません。また機械の特性も知ることは重要です。
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でも大丈夫でした~!ふぅ(汗)。小麦が出てくるまでどう仕事をしたかは経験をつまないと分かりません。
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我が家の”ゆめちから”達。補足:実際もう一人います。
この小麦子の特性は?
その名のとおり、超強力粉なんですって。日本人の好きな”超”を入れちゃいました。
めっちゃ窯のびします!
パンも夢も希望も自給率も?超膨らませる!?魅惑の小麦が誕生します。
生産者もユーザーも国も皆がわくわくする小麦ですね~。
超膨らみすぎるのにお困りのあなた。ご安心を。”きたほなみ”で程よいバランスが保てるんです。

“きたのおとめ”って誰?

“きたのおとめ”と聞いて私?!と思ってはいけません。
それは小豆の品種のこと。北海道産小豆使用とか、十勝産小豆使用という言葉にはその裏もあります。
北海道を代表する”エリモショウズ”は、文字通り襟裳岬のような寒冷地でも立派に育つたくましさがある品種ですが、病気に若干弱いところがあり、まづ連作を続けるようなことはしません。きたのおとめも病気につよいといっても油断は禁物。
 ”きたのおとめ”はエリモショウズを母親に、父方に落葉病に強い製餡適正の高い品種。
今年はこの2品種を育ててみてました。きたのおとめは7年ぶりの畑。エリモは9年越しの畑をチョイスしてみました。
発芽して子葉の間から本葉がでてきてます。茎葉についている斑点は、雨ふったあとにはねた泥です。
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途中3度のカルチといって除草作業を機械で行い・・・。雑草を取るのと、水はけを良くするよう心がけますが、機械処理ですので、運転の仕方や機械の調整によっては大失敗することもあります。土の水分、雑草の草丈や種類、その後の天気と作物の成長などいろんな要素の組み合わせがあって最終的な評価になる作業です。
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援農さんのベテランパートさんに2回圃場の草取りをしてもらいました。
この作業は今年大変きつく、まず急激に6月から暑い日が続き、さらに雑草の成長スピードもかなりの速さ。
広い畑を一歩一歩確認、雑草を確認しながらの作業です。収穫を楽しみにしなければなかなか続かない仕事です。
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黄色い花が咲いたら、莢がつきだすサイン。小豆は大豆や金時と違い、長時間にかけて花が下にも上にもつきます。
今年は暑いせいなのか、莢つきは多く、しかしながら莢の長さが短い感じ。
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平年よりも10~15日くらい早い成長をみせて、あっという間に畝がふさがってしまった感じ。
晴れた日が大好きな豆類なので受粉時期に晴れているのは最高。でも暑すぎて熟期まで早まってしまうのでした />
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莢の中の種もすっかり赤味を帯びて、美味しさを感じます。今年は実は熟して、茎葉が青々とした収穫となりました。
それは次のレポートで。これがきたのおとめちゃん。食べたくなるくらい可愛いでしょ?
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輝いて!新麦”はるきらり”

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先日、春春ブラザーズ(勝手につけてます)の春よ恋を無事収穫したとのレポートをさせていただきました。さて、新品種の”はるきらり”はどうだったのか?
8月10日正午から3時半くらいまで収穫を終え、春まき小麦も無事に収穫完了~~パチパチ~。
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 水分はまだ25%近くあり、やはり春よ恋と比べても若干晩生の品種の感じしました。出穂、受粉はほぼ春よ恋と変わらなかった感じがしますが、登熟期までの日数が春よ恋よりも長いのかもしれません。というか、3kmくらいしかはなれてないんだけどもしかすると温度差もあったのか・・・。受粉時期って良かったんだけどな~・・・。下は6月30日ころの花時期。
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茎があまり乾ききっていないので、籾飛ばし(シャフスプレッダ)からや雑穀からでる埃を感じない。
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 春よ恋同様、いやそれ以上にまだ茎に生が残っている感じでしたが、11日ににわか雨それから12日に台風4号来るぞとの予報で再び急ぎの作業となりました。こういうときはめちゃ準備が重要です。春よ恋からのコンバインやら乾燥機やラインの掃除やら、そのぞれの持ち場で男たちが茎やら埃や残った種やの処理や掃除に全速力で向かいます。
それはそれはむさ苦しく、暑いのなんのって。
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7月23日の写真。もうちょっと穂が青い時はホントにキラキラしてますよ~いい眺めです。
ですが、収穫の時ほど緊張感というか、時間が一瞬にしてなくなってしまうくらいの気がします。10日は思いがけず午前中から晴れ、”まだ夜にならないでくれ、雨降っちゃダメ!!”とか無理なことばかり思いながら、ゆっくりと確実にそれでいて迅速に作業は進めなくてはなりません。実際この日は降りませんでした。
 さてその”はるきらり”ちゃんですが、倒伏率2%くらいの軽微な被害で済みました。今年は昨年、うどんこ病(春よ恋よりは弱いです)やら雨にたたられ、早期に倒してしまった反省点を徹底的にケアしてきました。ほぼ病気なくすすんでましたので昨年よりは収量の確保はできそうです。
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8月3日の種の中。ゲゲっ一部赤味がかってきている。なに~早すぎないか~?
 今年は小麦は全般的に干上がる感じでの収穫になりました。タンパクやFN値はどういった傾向になるのか。また問題やら課題やらでいっぱいになりそうです。またそれらについて作り手側(ユーザー)はどう思うのか?ドシドシ粉ラボしていって美味しいパンやお菓子やパスタになればと思います。
 先日の”十勝ベーカリーキャンプ2010“でもシニフィアン・シニフィエの志賀さん、ラ・テールの栄徳さん、はるこまベーカーりーの栗原さん、こなひき小屋の木村さん、それから札幌でパン講師をされているカフェ・ダブリエの森本さんなど多くの方に普及も兼ねて”はるきらり”を使っていただきました。
 粉ラボといえば、昨年産(H21産)の”はるきらり”を多くの方にモニターにてご利用いただきました。
お菓子やパンの材料の“クオカ”さんとモニター販売とアンケート調査を行っていただき、”はるきらり”単独の味と使い勝手をパン焼き・食べ好きの方に聞きました。
北は地元北海道から南は沖縄まで、約400名の方に”はるきらり”についてどう思うか?が聞き取れました。
ご協力いただいたお客様はもちろん、クオカさんにも大変感謝申し上げます。
その時の”はるきらりモニター“(平成21年度産の販売は終了)のサイトはこちらです⇒ポチ
アンケートデータは非常に貴重なご意見だと思い、現在北海道で行われている”麦チェン”事業の中での十勝での取り組み”十勝春まき小麦プロジェクト”(こちらでも十勝住民のはるきらりに対しての意見を集約しています)やこの品種を生みだした試験場の担当官の方にも次の品種改良の一つの材料として活かしていただければとお渡ししてあります。また地元パン屋さんはもちろんのこと、パン教室をやっている”夢工房y.b.h“の早川さんや東京でも粉商材の“mix&mix“さんでも”手作り教室“の生徒さん達に春よ恋とはるきらりの違いを感じていただきました。その時の様子はこちらです⇒ポチ
皆さまどうもありがとうございました。また後日このアンケートやについてもレポートさせていただきたいと思います。
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 8月10日の収穫の様子や春小プロの取り組みが、8月16日の十勝毎日新聞(此間スンゴイ花火大会を主催したローカル紙)に記事になりました。
 ”はるゆたか””春よ恋””はるきらり”と新たな仲間が増えます!
皆さんの手でこの品種をキラリって輝かしちゃってください!!
 

ソムリエ達必見!第二回・世界料理学会とは?

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第二回世界料理学会が北海道の函館市で9月13日、14日開催されます。
13日夜には、開催記念パーティーもあるようです。
というか、その世界料理学会って何?という方はこちらをみてください。⇒”世界料理学会inHAKODATE”
なかなかこういったイベントを地域でやるというのはそう簡単なことではないはず。
まず必要条件は”食を愛する人がいて””地元の食を大切に思う人がいて””それを自らも楽しみ他に伝える人”がいること。それに気候や風土、郷土の食材とその土地ならではの良さを知る人や知ってみたい人たちが集う会だからです。
私も函館=イカ踊り=五稜郭=100万ドルの夜景と連想されるものが凄く乏しい(スミマセン・・・)のですが、”美食のまち・函館”をコンセプトに現地の”熱いロマンをもた料理人たちが熱き料理仲間たちを呼び、語らい、食し、楽しむというイベントのようです。
 日本には様々な国の料理があり、日本人くらいなんでも食に順応できる民族って他にないんじゃないかなと思います。今回日本のシェフはもちろん、アメリカ、フランス、イタリア、スペインや病院の先生からジャーナリストまで、幅広く”食”についての語らいがあるようです。
イベントのきっかけを知ったのは、函館と七飯町にあるパン屋”こなひき小屋”の木村さんにイベントを先日紹介していただきました。また、前年にはあるカレンダーをいただき”何だこれは?”と思ったのを覚えています。だって、なんかいろんな料理人らしき人がカレンダーにのっているすごくローカルチックなものでした。お話を聞くまでしらなかったのですが、この世界料理学会の必殺仕掛け人達、ご本人たちなんです。
 通常ならこういうのって、行政とかが入って半ば予算ついたから無理やり決行!の雰囲気が漂ううのですが、これは完全に民間。美食のまち・函館を北海道に日本に、世界に発信したいという熱い気持ちをもった料理人たちがそれぞれのジャンルでの新進気鋭の料理仲間を函館に呼んじゃって、語って、食して楽しもうというもの。来る面々も業界の方なら皆有名な方です。先日、当農場にも寄っていただいた、シニフィアン・シニフィエの志賀さんもその中の一人。
 郷土愛から生まれる食の祭典、勉強にもお腹にも、なによりも素敵な出会いに会えそうです。
 函館ってスゲェ!!