農閑期は私にとっては貴重なインターバル。というよりこの時期の過ごし方のほうがむしろ大切なのかもしれない。畑にでれば、やること、やれることはかぎられているからだ。時間は一日24時間。
来期、3月からのビートの苗つくりをしだすまで、今年の計画を練り練りしています。それには過去のデータが必要なわけで、日誌や畑毎の作業野帳をパソコンで集計したりしていると、”そうだっ!あの時こうしようと思ってたんだわ!””ここで、機械壊れて作業はとまるし、ウン十万も修理代かかったよな~”とかよい事もわるいことも思い出すんです。でも全ては事実。
どうしたらもっと作物にとってよい土になるのか?毎年一年生のような気分になってしまうこともあります。作業にも無理・無駄があったり、土壌診断の表をみたり、PCのデータをみたりして、一人唸ってしまうのです。
私は一次産業の欠点は、”伝承”にあるんだと思います。家族経営がほとんどですので、父から息子の代まで少なくとも20~30歳くらいは離れています。農業は同じ形態なら一年に一回しかできません。特に厳寒期のある北海道では。だから”親父を抜く!”なんていうのはそうそう簡単なわけにいきません。かたや何十年の経験・感覚のあるベテランですから。
だから大方の数値を把握する必要性があると思っています。自然相手の中、科学の力は絶対ではないですけどデータが蓄積されることで、その土地や人独自の”伝承”のスムーズ化が図れるのじゃないかと信じながらやっています。日本の農家の6割が65歳以上ともなると、早くそういったベテランや匠の技を伝えないと、”来るべき時に動けない日本の農業”の可能性だってあると思うのです。
ちっちゃいところというより、まづ自分の畑からどんな畑でできた(土壌分析表)のか、どんな風につくったのか(生産履歴)、どんな味がしたのか(消費者の意見)、特に最後の”どんな味がするのか、どう調理されたのか、誰が食べたのか?”なんてわかったら、やりがいありますよ!!!
”次に農家をやろうと思う世代にできればスムーズに繋いでいく”
決してマニュアルつくりじゃなく、”食料を生産する”って考えると”今日あって、明日ない”では済まされない問題ですから。
皆さん、どう思うのでしょうか?
カテゴリー: 農業経営
一粒万倍!
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
皆様にとって、幸多い年になりますように。
金の米籾。元旦にいった地元の神社のおみくじについていたものです。珍しいのかどうかはわかりませんが、ここの神社のおみくじには恒例で、金(24GPK)でできた縁起物が入っています。打出の小槌、箒とか。今年は”米粒”が入っていました。
注釈を読むとなになに・・・
”一粒万倍(いちりゅうまんばい)”
わずかなことから大きな利益が得られるたとえ。
わずかなものでも粗末にしてはいけないこと。
他に
仏教では、1つの善根から多くの報いを得るとの意もあるそうです。
確かに自然界では、一粒の種から、その万倍の粒が収穫できることになりますね。作物も雑草も。
ん~なんだか良い予感のような、気を引き締めなさいと同時に言われているような。
今年も豊穣の秋の一粒万倍を目指して、一粒入魂します。
よろしくお願いします。
フードソムリエ in 雑穀屋
12月17日、午後からお世話になっている雑穀店”株式会社ヤマチュウ”にて、”豆類の栽培の勉強会” &”顔の見える生産者・消費者”と題して、これまたお世話になっている”フードソムリエ”でおなじみの北村さんの講演会がありました。
”ヤマチュウ”と聞けば=”豆”となるのですが、ここの会社の取り組み素晴らしいです。
はっきりいって、”顔の見える生産者”の取り組みの先駆者的な雑穀業者さんです。生産者限定や栽培にこだわった品揃え、それに亜鉛などの含量が基準よりも高い機能性大豆の販売など、毎年、有名な和菓子メーカーの方や新進気鋭の洋菓子メーカーの方などを圃場や、農場に寄っていただいています。
きっと、”生産者限定って誰やねん?””どうやってつくられてる””今年の豆はどんな感じなのか?”気になるところを生産者・流通・製造・販売業者含め、やっていきましょうという姿勢がここの強みなんだと思っています。
うちの大納言も入ってますよ~。どこ行くんでしょ?
それで豆の講習会ですが、十勝は豆どころということもあり、新品種、肥培管理、病害虫、さらには食味性のお話を十勝農業試験場の豆類担当の研究員より説明がありました。小豆(エリモ・キタノオトメ・シュマリ・キタロマン)、白小豆キタホタル、インゲン(絹手亡)、金時(福良、大正、福勝)とかの肥培管理、収穫適期の見分け方、品種別の気温による生育の変化を聞いたあと・・・試食会となりました。生産者自ら違いを感じることも重要ですよね。
上記は特別に業者さんにつくってもらったという、おはぎ三種。左から”きたろまん””きたほたる””エリモショウズ”で、”エリモ”と”きたろまん”との比較では、皮の柔らかさや食感でいうとエリモ優勢。キタロマンの豆の風味もなかなか良いですよ~。”北海道産”とうたっていても品種までは限定されていないことがあるかもしれません。でもやっぱ、美味いは新物十勝産の豆は!
それから”フードソムリエ”北村さんが、農家のおっちゃんたち前に講演したんですね~パチパチ。消費者は生の現場情報を欲しがっています!しかしながらこれだけ”食”の話題があるのに、自給率を知らなかったり多くの農産物が廃棄されたりと、その一環で”食べ残し0キャンペーン”を行ないました~と農業に可能性は十分あるし、やってもらわないと困ります!元気をもらえる素晴らしい講演でした。
もっと”理想のブラジャーの話?!”が聞いたかった人もいるかも(オラ含め)。
お疲れ様でした~~!!!
ルスツ村のファーマーズマーケット
先日、家族でルスツ村という、洞爺湖サミットの近くのテーマパークに小旅行をしました。たまには、家族サービスもしなければならい理由もいくつかあったりして・・・・。
”ルスツ高原”と聞けば、大抵北海道のかたなら、夏は遊園地、冬はスキーリゾートとピンっとくるのですが、夏と言うかスキー以外で行くのは初めて。車で大体、4時間半はかかったでしょうか。途中寄り道もいくつかしたりして、ブラリ旅でした。
途中の大滝村は、きのこで有名だそうで、確かに名物のキノコ汁は、”これでもか~!!”というくらいキノコ三昧。その後、支笏湖畔をドライブしながら、ルスツ村の道の駅に寄りました。ここのファーマーズマーケット、大盛況です。旬の野菜はもちろん、辛し大根、ヤーコン、百合根だとか珍しいものが、超新鮮で、しかも安い!
札幌から2時間くらいということもあるせいか、お客さんがドカドカっ入る感じでした。同じ北海道人といえども、皆が新鮮な作物を食べているわけでないよなって改めて感じました。農家としても、自分の作物を手にとってもらえるという”やりがい”半端でないでしょう!
その後、真狩村と京極町の湧水を頂戴しにいきました。”蝦夷富士”とも称される羊蹄山。
この山が創り出す水を求めて大勢の人がやってくるようです。皆、ポリタンクや”〇五郎”””ビッ〇マン!とか書かれた焼酎の空き容器を持ってきては、水を汲んでいます。
実際、美味しい、ものすごく透き通った、さわやかなで滑らかな味!!!さらに持ち帰ってインスタントコーヒーで飲んでみましたが、本物の煎りだしのコーヒーのような感じ。水の違いでこんだけ違うのかと、自然の力の強さを感じました。
途中、有名なレストランやパン屋さんにも寄ってみたり、家族より自分が一番リフレッシュしてしまった感が・・・ヤバイ、また嫁さんに説教されそう。なんのために、家族旅行なのか?!
JGAP認証、いただきました!
GAP(Good Agricultural Practice)って聞いたことあります?ないですよね。
直訳では”よい 農業の やり方”で、通称”農業生産工程管理手法”というものです。
だから何?ということですが、
農業者自らが、1)農作業の点検項目を決定
↓
2)点検項目に従い農作業を行い、記録
↓
3)記録を点検・評価し、改善点を見出す
↓
4)次回の作付けに活用する
という一連の「農業生産工程の管理手法」(プロセスチェック手法)のことです。
生産管理農産物の安全確保だけでなく、環境保全、農産物の品質の向上、労働安全の確保等に有効で、農家個々の生産状況に応じて取り組むことで、自らの経営の改善・効率化の現実につながるものです!
企業でもよくISO(国際的な基準規格)だとか、HACCP(ハサップ)、製造工程ごとにチェックすることで、全体の安全性を高め食品の衛生管理のチェックやリスクの検討をしていますよね。GAPはその農業版!日本の政府もGAPの普及に力を入れ始めています。
今回認証を受けたのは、ISO認定などを主に行っている第三者認定機関から”JGAP 穀物 認証”をいただきました!パチパチ。大手スーパーのイオンやIYグループなどでも、独自のGAP基準があり、安全性のチェックをすませた農産物が店頭に並んでいます。
”農産物の安全”は必ず”安心”の前に来なければなりません。だから”安全・安心”で、”安心・安全”の順にはならないと思います。
中国の農薬餃子問題はどこか?10000倍の高濃度検出か?問題が長引いているのは”誰が、いつ、どこで、混入させたのか”の一点です。”原因がわからない、どのロットからどこまでが、疑わしいのかわからない”ことが消費者不安をあおっています。これは悪意のある極端な例ですけど、生産工程の中での危険性を見つけ、なくすのが重要ですよね。
私は別の視点からも、このGAPを活用できないかと思っています。
農作業日誌のほかに、去年から畑ごとの管理日誌をつけてきました。すると面白いことがわかりました。小麦(特にホクシン)のタンパク数値が畑によって上下2~3%のバラツキがあるのです!
畑(土)によって、また、管理や天気によって顔(品質)の違いがある。=自然の中の当然の結果?とも言えますが、小麦の用途は多種多様です。生産管理工程や日々の日誌を振り返ることで、消費者やユーザーの使いたいタンパクなどの成分が、どの畑でどう肥培管理すればいいのか?農産物の安全はもちろんですが、それにも活かすことができればより深く農産物を理解しできるし、オーダーメイドでピンポイントに小麦をお届けできるのでは?!と夢を描きつつ、まづは実際にワンステップふみだしてみました。
認定証は、より良い生産現場、農産物、人の関係を継続していきなさいという証書のように感じています。
というとで、お使いの粉の成分や欲しい成分数値がお分かりの方は是非教えてください!!!また何の料理に使うのかも。よろしくお願いします。
なお、麦の民間流通(政府が買う場合)段階では、一定の検査基準があって、タンパク、灰分、容積重、フォーリングナンバーに分けられ、例えば、ホクシンのタンパク許容値は8.5%~12.5%、主にパン用・中華メン用途の”春よ恋””キタノカオリ”の許容値は10.0%~15.5%となっています。
あと32回!!!
あと32回!!!
農業経営の一線から退く年まで・・・。
65歳で引退となると、残りの回数は32年。
短い・・・あまりにも、十勝で一年一作とすると、これしか農業にトライできないわけか・・・
とシーズンはじめに思った。
”何ができるのか”と”何をしたいのか”の区別をつけ、”何が求められているのか”を
食べていただける人に聞いてみよう!それを見つけ、追い続けるのが今年の目標です。
”顔のみえる生産と消費へ”そういうサークルができれば最高です。
中国製の餃子が問題なのか?それとも・・・
”中国製の冷凍餃子から高濃度の残留農薬が検出!
”全国で下痢や腹痛の症状”
”十勝でも健康被害の届出4件”
今回の中国製冷凍ギョーザの殺虫剤中毒事件、大変な問題ですね。
日本人の中にある安価で手軽な冷食、輸入冷食の約6割をもしめるのが中国産。
原因追求、真相解明はもちろんですが、この圧倒的な輸入量を考えなおす良い機会では
ないかと思います。
”なにが本当にヤバイのか?”
残留農薬はもちろんだが、海外農産物に依存し続け、平穏にくらしている日本の現状が
ヤバイのでは?っと思ってまう。国内自給率39%の先進国でも最低レベルの位置にあり、
かたや3割もの食材を廃棄し、危機感のない贅沢な食卓事情が物語る、
ちょっとした異国の農産加工物で動揺してしまう日本はどうなっているのだろうと思ってしまう。
そこで ”原産地表示の義務つけ”は絶対、絶対、早急、早急に国にやってほしい。
というより、メーカーが胸を張ってラベルに入れてほしいと思う。
日本のすさみつつある農業現場を維持回復するためにも、消費者の認識が必要だから。
”選択できる時代へ””選ばれる農業へ”することが国の食のレベルアップじゃないかな。
日付2008-02-03 16:12:11の形式が正しくありません。日付は YYYY-MM-DD HH: MM: SS の形式で設定してください。