十勝いるならだれでも知ってる老舗パン屋”満寿屋商店”。
マスヤのパンで育った!という方も多いのでは。
家では母が小さい頃から、30年も前(覚えているとするとこのころかな)から”ネジリドーナーッツ”を買ってきてくれてよく食べたものです。結局、母ちゃんの味ってよく口にしてきたものなんですね。
当時とはちょっと違ったところがあるとすれば、それは北海道産小麦にこだわりをもってきたところ。
全量の小麦粉を”北海道・十勝の小麦でやってみたい!!”日本でも唯一といってもいいかもしれないほど、地元食材にこだわったパン屋さんです。
そして、当農場でも自分家の小麦を初めて食べたのも、マスヤの現社長、杉山さんとの出会いから。
もう7.8年くらいまえですが、”春よ恋”を作った最初の年に噂を聞きつけて、”原麦をください!”と飛び込んできたのが杉山さん。早速、石臼でひいて全粒粉の春よ恋のパンには驚きでした。”美味い!!”実際にこの時の出来事がなければ今の生産はないといっても過言ではありません。味の素人でも美味しい!と思う。この小麦だったら必要としてくれる人たちがいるはず!と思ったのでした。
”きたのほなみ“の収穫の時には応援しにきてくれましたよ~!ありがとうございます。
そして、その時もう一つ印象に残る出来事が・・・。
それは、杉山さんが描いた一枚の絵。夢に画くパン屋の店舗でした。
風車の力で石臼を回し小麦を挽き、店舗の周りには小麦畑が広がり、日本一の生産量を誇る北海道・十勝の小麦を使って地元に普及させたい!そのドラフトが描かれていました。
そして数年後、それは現実になります。
それが、満寿屋パンの”麦音”店です。
夢を語る、人に見せるというのはそんな簡単じゃないご時世で、ひたすら前向きに地元を発信する。こんなパン屋が作ってみたいと語っていた杉山さん。初対面でかなり懐疑的に思っていた私が恥ずかしく思います。麦音店は想像を飛び越える店舗の素晴らしさ、外観、スタッフやお客さんの笑顔にあふれた店舗になってます。もちろん、全量十勝産の小麦でこの店舗のパンはできています。 ”美味しさ+α”ってこういう感じなのかなって、いつも思ってしまうのです。観光スポットとしても注目され、地元に愛されるパン屋の代表格です。
お役に立てるとはその当時、全く考えられませんでしたが素晴らしい出会いのもとで、新しい商品が生まれました。
“トカチノクグロフ“です。十勝の厳選食材と新しい食感と、食べ方の提案の誕生です。
何が?というと
総監修は、シニフィアン・シニフィエの志賀さん。
小麦粉・・・十勝産小麦きたほなみ・ゆめちから(十勝本別町 前田農産)、パン酵母・・・老麺&ルヴァンリキッド(麦音自家製)、大豆きなこ(十勝産大豆)、たまご(十勝中札内村)、牛乳・生クリーム(十勝清水町あすなろファーミング)、グラニュー糖(ニッテン)、バター・・・手造りバター(十勝野フロマージュ)、ブランデー・・・十勝ブランデー ジェンティール(十勝ワイン研究所)などなど。
十勝丸ごとの贅沢食材の逸品。
ギフトとしても喜ばれそうです。
本当に不思議な縁というか、お役にたっているのかなと思ったりもしていますが、嬉しいしありがたいことだと思います。是非、食べてみてください。なんだこれは?トロけてしまうような新食感。濃厚な香りが、ティータイムを演出することでしょう。
何度も何度も試作を繰り返してきた、マスヤパンの天方さんやスタッフの方たちの努力もクグロフ(僧侶の帽子)に詰まっています。きな粉をかけて食べるところも、面白いですよ。
最後にもうひと話し。
先日ある方から、マスヤの初代ご夫婦と祖父母さん達のお話を聞きました。
昭和の開店当初から長蛇の列が引っ切り無しに続いた人気店で、毎日小麦粉まみれで休みなくお客さんに”安くて美味しいパンを”と朝から夜中までとにかく働いたそうです。
パンをリュックに背負って、釧路まで売りに行った頃もあった様子。
その志と行動力、遺伝子は今の社長や、スタッフの方に引き継がれているのを感じます。
私たちも勉強し、見習うところがたくさんあります。
私も、いまだに大好きなマスヤのネジリドーナッツにより深い思い入れができました。
あっ、9月の地元情報誌”Chai ” にも掲載されてました。
カテゴリー: 小麦
麦チェンワークショップin十勝
北海道には、シーニックバイウエィというドライブがてら、美しい景観をたのしめる観光ルート案内の総称がある。
6月の中旬、ちょうど秋まき小麦の受粉のころに麦チェンツアーは行われた。
うちでは、「きたほなみ」の畑を案内、参加者に小麦畑を散歩してもらった。その時の様子がこの写真。
うれしかったのは、参加者が北海道在住者だったこと。
もちろん、道外の方でも日本以外の方でも大歓迎なのだが、地元の素材を地元の人たちに知ってもらうことは特に重要で、小麦畑なんてそこらじゅうにもあるにも関わらず、わざわざ本別町まで来ていただいた。
もともとパン大好き関係者しかいなかったのかもしれないが、皆さん目を輝かせてワクワクした感じだった。
ということで、このツアーの意見交換会(反省会?)が行われる。以下
日時 平成23年9月2日
午後13時30分~15時30分
場所 帯広市 とかちプラザ
パネリストはモデルツアーの協力者である、
十勝菓子工房 菓音 甲賀さん (スゲー可愛いお菓子つくるんですよ!)
地粉麺皮工房 小麦の木 今野さん (手打ちうどん最高です!)
それから
この会の会長の、マスヤパンの杉山社長に、私も参加します。
申し込みは、シーニックバイウェイ支援センター 8月29日まで
電話:011-204-710
農家さんが参加してくれて、この輪がひろがればと個人的には思ってます。
是非是非、地元食材の探究者のかたにも参加してほしいです。
キタノカオリの底力
今年の小麦の不思議はキタノカオリから始まりました。
7月下旬にスタートした”ゆめちから””きたほなみ”が細麦傾向だったので、”キタノカオリお前もか~”と思っていましたが、非常に良い小麦に仕上がってくれていたのです。
8月2日にロクロクエンジン始動。
本当なら1日で作業は終わりますが、できるだけ日光の当たりづらい林側のほうの生麦を完熟化させたいということで3日は自然乾燥において、8月4日に収穫を完了。結局今年の秋まき小麦は雨に一回もぬれず収穫。記憶にないくらい順調に秋まき小麦兄弟の収穫作業は終えました。あれ、トラブッてない?!どっかなかったかなと探すくらいの。
収穫はいろんな方達に応援してもらいましたよ~。
江別製粉の方、十勝でもインデペンデントなお菓子作りの匠、モントレゾールの小川さん、帯広はるこ“>まベーカリーの若手ブーランジェの青木さんと、妻と長女も。この二人はいつも応援してくれているはずですけど。
とにかく北海道の小麦粉ですからまずは地元から知ってもらうことが重要だと思います。美味しいパンやケーキを作る人は大勢います。その人たちに北海道の小麦って、うちの小麦って今年はこんな感じなんですと伝えられることが大きなモチベーションとなって明日の生産に励めるようになるんじゃないかと思ってます。
今年は運よく晴れ日もおおかったのもありましたが、楽しでもらって何よりでした。
さて、お題にあるように”キタノカオリの底力”ですが、なぜ良くなったのか実際にはまだつかめてません。
晩生の品種にとっては最適な気候に推移したのかもしれません。一昨年平成21年は大雨、去年22年は猛暑、今年23年はプチ猛暑?だったのかもしれませんが、過去2年は収量もとれず、21年は品質の面でも弱含みなところもありました。今年は収量と品質共に期待できそうです。
唯一気になる点は、フォーリングナンバー(FN値)という小麦のデンプン質検査。粘性をみるのですが、穂発芽すると粘弾力がなくなりFN値がなくなります。こうなると、生地ダレや麺のブツきれの発生となり後の製品に悪影響をだします。キタノカオリの場合、収穫時の雨にあたらなくとも、登熟期間のなかでの低気温の発生状況によっては、このFN値が上がらない現象がおきるという、非常に繊細なというか感じやすい品種になってるんです。
受粉時期からいままでそんなに高温推移でなかったのでもしかすると、FN値が基準を満たさない可能性があります。しかし、低温登熟による低アミロかもしれません。容積重(胚乳のつまりくあいを意味する)が高く、外観もよいとすればFN値がどうなるのか検査結果がたのしみなところなんです。
カオリちゃんの話はたびたびしますが、ヒヤヒヤさせられる”ジャジャ麦娘”のようにかんじるところがあります。
とにかく機嫌をいっきに損ねる。そうでなくても気温によっては品質に影響がでます。今年は昨年と比べると品質+量があるということで安堵しています。
でもこのドキドキ感と緊張感を持たせてくれるのが、カオリちゃんのいいところなのかもしれません。
これからきっと希少性のある小麦になるかもしれませんが、それでもこのカオリちゃんのファンは熱いです。
なにか職人魂というか、パンを作る人のハートをつかむ美味しさと面白さを兼ね備えているようです。
調整後のキタノカオリの写真。今年はゴツゴツとしながらも綺麗に膨らみました~。
今年も秋まくからね~。来年も元気にとれてね~と願いをこめつつ。
今年のカオリちゃんの底地力に感謝するのでした。<
シニフィアン・シニフィエのNEWチャパタ誕生!!
ブログでもおなじみのシニフィアン・シニフィエ(東京・三宿のパン屋さん)とついに粉ラボ商品ができました~!!
今回は当農場のキタノカオリでチャパタが完成です。
私も知らなかったのですが、チャパタってイタリア語で「スリッパ」という意味あるそうでそれは素朴なパンなのです。
先日、販売前のチャパタがシニシニ様から届きました。大変身を実感しましたよ~!!
正直パンの素人な我々ですが、想像を裏切る中のフカフカ感とねっちりとそれでいて、しっとりした内層。
それから、キタノカオリらしい甘さとクリーミーな色合い。
是非是非食べてみてください。
きっとキタノカオリの味を知っている人も驚くパンになります。
プレーンなままでも十分素材の豊かさを感じます。
シニフィアンのパンは本当に不思議です。嚙締めるほどに味わい深いのです。
オーナーの志賀さんとは、十勝ベーカリーキャンプでご一緒し、農場にも幾度となく足を運んでいただいています。
「農産物もパンも生き物。その年できた小麦で最高に美味しいパンを作るのが本来職人の仕事です。」と志賀さん。
嬉しいかぎりです。人によって素材の活かし方はそれぞれ。でもやっぱり技術もハートもあつい方は頼もしく、
去年(2010年)は、コンバインで小麦収穫も手伝ってもらいましたよ~こちら。
本当にありがたいことで、こうして国産小麦の普及や進行にお互いに役目を少しでも果たそうとすることに明るい将来を感じてます。
今年も、”2011ベーカリーキャンプin十勝”での志賀さんの講習会も大盛況でした。毎年ですが、講習会の予約チケットが一瞬で売れてしまう状況です。
国産小麦を愛する真のブーランジェ、志賀さんのチャパタ是非どうぞ!!
THE KING OF WHEAT きたほなみ
北海道を代表する小麦”きたほなみ”も7月26日に開始しました。
7月にはいってから、徐々に気温も上昇しはじめ、後半は中旬、下旬と一気に晴れ日は連続。
6月下旬なんかは、”8月入るな”なんていったりもしていましたが、昨年の猛暑に近い感じの熱波がやってきたということもあり、不安なスタート。しかも、開始2日目で水分が15%の畑も。
あれれ・・・と思っていたが、早く登熟期を迎えたものは細麦傾向が目立った。
昨年(平成22年)の猛暑と比べれば生産量が上がっているのは間違いないのですが・・・。
穂をもんでみると、小粒の麦が目立ちます。
検査を受けるため、製品になる段階で小粒ははじかれてしまいますがまだまだ全体的に細い。
穂の先端部分の実がふくらんでいない現れです。もちろん選別は厳選することになります。
ここからの作業もまた時間を要するところです。
毎年反省点は多々ありますが、やっぱり強い土にしないと、根もうまく働きません。天気はどうなるかわからない。地上でやれることは地上でやる必要があります。肥料のやり方、タイミングもまだまだ改良の余地ありそうです。
潜在能力の高い北海道小麦のKING(生産量)です。こんな程度でないはず!とどの生産者も思ってると思う。
今年本格デビューとなりましたが、苦いデビューになったのかもしれません。
でも段々生産技術も上がれば、もっともっと良くなるはずです。
収穫時期としては、今年はこんなに恵まれていいのかと思うくらいの収穫日和の連続。
「きたほなみ」収穫は7月26日午後から29日までびっちりでしたが、コンバインのロクロクも雨や小麦の倒伏で苦労することもなく終わった感があります。
夜も遅くまでやります。夜は当たり前ですが真っ暗けっけ。コンバインを側溝や、土手にぶつけたり、落としたりしないように作業を進めていきます。”ゆっくり早く、ゆっくり早く”って意味のわからないかもしれませんが、日暮れまでやるべきことをやっておいて、夜作業するのも重要なことです。機械選別能力以上の速さではロスだし、事故やけががあってはなんにもなりません。
乾燥が進むと、麦はカールをしてきます。コンバインからもオーラ?じゃなくて、麦から出る麦吹雪がでるんですよ。籾からや茎や葉の乾燥したものが目の前を立ち上っていくんです。その風景、最高なんです!!
あれ、良く見ると運転手は白い服きたパン屋さんの職人さんだ!帯広市にある老舗パン屋満寿屋(マスヤ)パンの社長と天方シェフが応援しにきてくれました!!”小麦粉は畑の小麦からできてるんです!”と工業製品じゃない、年一回しかとれないものだと感じてもらうことも、私の仕事の一部だと思ってます。
一緒に種を播けて、収穫し、食すって素晴らしいことですよね。
そしてまた、ここから素晴らしい食のプロデュースをしてもらってます!!
その名も”トカチノクグロフ”詳しくはこちらを⇒ポチ
パンともパウンドケーキともいえない、口どけなめらかなオール十勝の食材が詰まってます。
「きたほなみ」と「ゆめちから」の共演もシニフィアンの志賀シェフ監修のもと、実現しました!
是非、とかちのお土産にどうぞ。
「きたほなみ」お菓子やパウンドケーキに使ってもらいました?上がりが軽くて、いままでの「ホクシン」のようなもたつき感がなくなったと思います。逆にホクシンももっちりしていて、麦の濃い味がするという評判もあったのですが、お菓子作りにはより最適になったのかなと思っています。是非、試してみてください。
ベーカリーキャンプ2011開幕中です!
7月19日から十勝にてベーカリーキャンプ2011が開催されています。
2日目の20日は小麦ツアー、チーズツアーが開催されました。
小麦ツアーでは、山本忠信商店さんの製粉施設、本別町農協の施設、当農場の圃場を参加者に見て頂きました。
12時の昼食時には両ツアーを合わせた総勢60人ほどのお客様たちが、農場の倉庫前に大集合。
朝からますやパンのスタッフの方々、トムエンタープライズのスタッフの方、農場の従業員が
準備をしてお待ちしていました。
農場のスタッフ松本さん手作りのドラム缶窯とますやパンさんの石窯号で
焼きたてのピザを味わって頂きました。
ピザ生地は前田農産のゆめちから3割、きたほなみ7割の配合で
さくらんぼ酵母で長時間発酵させたもの。
ますやパン天方シェフのトッピングは
トマトソースのマルゲリータ
ホワイトソースのベーコンとじゃがいものラクレット
ズッキーニと鳥肉のジェノベーゼ
の3種類。。。。
モチモチの香ばしい生地に十勝の幸をたっぷり載せてあります。
豪快に焼くそばから切り分けて、アツアツを皆さんに食べて頂きました。
他にも本別産の各務さんちのトマトや、
私が思い立って作った、本別産小豆のおしるこ、紫花豆の煮豆などを
楽しんで頂きました。
私もひたすら、トマトとピザをサーブしていて、
ほとんど写真がありません。。。。ごめんなさい!
気づいたら、お客様たちは食べ終わっていました。
今年何度も試作したので、窯焼もプロの域の農場スタッフの松本さんと竜二くん。
ますやパン杉山社長自らも焼いてくださいました。
満腹の後・・・は収穫に向けて熟成中のキタノカオリの畑へ
小麦ツアーに出発しました。
その様子は追ってお知らせ致しますね!
※今年のベーカリーキャンプへの参加募集は終了しております※
きたほなみと季節ベリーのカップケーキ
7月のある日。
仕事から帰ると、いいにおいがしてきた。
パンかなとおもったら、子供たちがケンカしながら何かしている。
ベリーの数でもめてるしい。
どうやら、「きたほなみ」でカップケーキを作っているようだった。
「ホクシン」かバトンタッチされた「きたほなみ」の可能性はこうした家族感でも十分感じてもらえると思う。
肌触りも、口どけもよくて軽い。それでいてほんのり自分を主張するような存在感をもっている。
「ホクシン」はどちらかというと、主張がかなり強く「もったり」することもあった。
焼きあがりもしっかりしている。シフォンなんか最高うまそうだ。
ベリーもこだわりの庭先?ものだ。
ハスカップやジュンーベリー、レッドカランツを豪快(そのまんま?)そえた。
“とどけ(か)ないよぅ~~”と二女。
畑では”ほなみちゃん”たちが乳熟期を迎えてます。
今年はどんなかんじでしょう。ちょっと最近雨降りすぎてる。
おいしい麦チェンツアーin十勝
“おいしい麦チェンツアーin十勝”が6月25日に開催されました。
“麦チェン”=麦をチェンジする⇒麦のチェーン(連鎖)をつくる⇒麦のリング(輪)をもつと勝手に解釈してるのは私だではないはず。
その名のとおり、小麦の品種の転換期でもあります。
中力粉 ホクシン⇒きたほなみ
強力粉(秋まき小麦) キタノカオリ⇒ゆめちから
強力粉(春まき小麦) 春よ恋⇒はるきらり
とか、全部の品種が切り替わるわけではないのですが、市場には明るい品種の話題がいっぱいです。
その麦の一部でも知ってもらえたらと、参加させてもらいました~。
この事業は北海道農政部が旗振り、
畑作地をみる観光も兼ねたシーニックバイウェイも協賛してのツアー。
道央の札幌を中心にパン好き、無類の小麦好き?の約30名ほどがバスに乗ってきてくれました。ありがとうございます!
まずは、ツアーのお客さんがエコノミー症候群?になってないか、それとも前座で十勝のパン屋さんでパンを食べすぎてないかと思い?小麦畑を散歩してもらいました。ちょうど、北海道の代表小麦(一番作付面積が多い90%以上)「きたほなみ」の畑は受粉が終わり葯がついているころ。
なんの行列だろうか?とおもうくらい不思議な光景ですが、見て、触れて、土にまみれて?のほうが楽しいと歩いてもらいました。
約220mほど歩いてもらうと、そこには一面、パン用小麦「キタノカオリ」の畑が・・・
とここでも、苦労話や「ゆめちから」がとってかわる品種になるかもと話しをし、収穫、乾燥、調整、小麦の検査や流通についても話をさせてもらいました。実際の乾燥機や機械類、コンバインにのってもらったり見てもらうことで、臨場感が伝わればと思います。現場いつもきれいじゃありません。泥や埃、干からびたカエルや雨にぬれ、タイミング悪く発芽するものもあります。今年もツイテいるキタノカオリちゃんであることを記念して、パチリ。
それからなんと、あの?ドラムカンピザ~窯(初出動の2号機)が登場!!
今回は帯広市の満寿屋パンの天方シェフと山崎さんに強力粉以上の助っ人となってもらい、うちの妻も主力参戦させてもらったのです。ピザ焼きは、スタッフの松本さんも天方さんに教えてもらいながら挑戦!これが、うまく出来ちゃったんだな~。ツアーのお客さんも喜んでくれていたおうだし、我々も楽しいイベントになってホントよかったな~と思ったのでした。
で、今回のピザは、小麦畑ツアーで案内した「きたほなみ」&「キタノカオリ」のミックスピザです。
あの穂とあの穂が混ざりあって、上にジャガイモとかがのってたんですよ~。不思議ですよね。
小麦粉もたくさんお買い上げいただきまして誠にありがとうございました。
その後、ツアーは帯広市のはるこまベーカリーさんのパンや、菓音さんのお菓子を食べたりと、
“十勝小麦食いだおれツアー”に相応しい、お腹一杯のツアーを満喫されたようです。めでたしめでたし。
より十勝や北海道産小麦の魅力発信になればと思います。
皆さま、お越しいただきありがとうございました~~!!
ウェンディ!ジャパンアジアビアカップ金賞受賞!!
ジャパンアジアビアカップ金賞受賞しちゃいました!!
って”十勝ビール”さんがです。
その名もホワイトビール”ウェンディ”とっても可愛らしい名前。
ピーターパンのヒロインにちなみ公募で名付けられたんですって。
十勝のビールに恋をしちゃったとでもいいたげなラベル。
素晴らしい快挙です。
製品の特徴は?
1.パン作りにも最適なサクランボ酵母(とかち野酵母)使用。
2.小麦を原料の一部に使ってます。これが前田農産がお手伝いしているところ。
小麦のたんぱく質により白く濁って見えることから、ビールの本場ベルギーでは「ホワイトビール」と呼ばれているようです。
3.すっきりした酸味とフルーティーな香りが特長。
女性も飲みやすく、本格小麦ビール”ヴァイツェン”の時よりも本当にすっきりした感じがしました。
きっとサクランボ酵母のおかげなんでしょうね。
4.淡いゴールドの色合も綺麗。
製造は手作業になる工程が多く、賞をいただいたせいもあって製造が追いついていないそうです。
いろんな人や会社や大学、研究者と組むといろんな効果でてきますね。
十勝では今”フードバレー十勝”という言葉が盛んに言われています。
“農業から食業へ!”いろんな取組がでてきそうです。
でも良かったね!ウェンディ!おめでとう!!
十勝ビールのHPはこちら→ポチ
ちなみに小麦ビール”ヴァイツェン”もよろしくです!!
春よこ~~~い(恋)!!
今年もパン用人気小麦No1(当農場で)の「春よ恋」の種まきが始まった。
そうです、パンは小麦からできるんです。畑からできるんですね~これが。
2、3,4月初旬まで、かなりの水準で温かい冬の日が続いてきた。
しかも、昨年12月23日にしっかりとした雪が降ってからというもの降雪量も少なく(平均50cm少ない)。
かなりのペースで土は乾いてきました。
春小麦は短期決戦型の作物。
生育日数をやっぱり稼ぎたい。
平成22年(2010年)のように、猛暑から実が早くできてしまう細麦になるような状態も今後の気候変動にはオンしておかないといけないのかもしれない。
対策はというと、やっぱりそれまでにしっかりとした体つくりをして、いくらかでもその影響を受けづらくするほうほうくらいしか見当たらない。ということで、いつもより早い種まきに取り掛かった。
4月5日
肥料を播いてから、トラクターに爪(深耕爪)をつけて畑に空気を入れることから始めた。その深さ約40cm。
約40cmくらいの深さで爪が入り込み、このクラストから空気や水が入りより地温を上げる効果がある。
この作業は絶対必要だと思っていて、まづ劇的に土の細土(さいど)が良くなる。
施工した瞬間は分からないが、その後の整地作業では効果は劇的にある。
ポロポロと土が軟化するというか、全体的にこなれやすくなる。
4月7日
最初の畑に整地と種まき。種がやや青っおくみえるのは種子消毒(殺菌剤)がまぶしてあるから。
ここの畑は昨年、ビートをまいたところ。
畑の約30%をプラオで土を天地返してあり、約60%をWソイラで深耕作業。残りの30%は秋ぬかるんで作業できず収穫後そのままの状態だった。
ということで、ちょっと考察。
1. 深耕(Wソイラ)+耕起区(プラオ)いづれも秋施工
土がほぐれているせいなのか、水持ちがよくなり春先の深耕作業は逆に遅くなった。
雪解け水が蒸発率(もしくは表面を流れない)が低いせいか、より水分を持った感じ。
しかも凍結がきついところも。秋口の水はけを考慮したつもりだったけど逆効果なのかな?
理由は寒くて蒸発する水分がすくなく、土中に貯まりやすいから。見た目はきれいなんだけど・・・・。
2.深耕区のみ
意外と乾きが早く、すんなり作業ができた。ちょっと砂利がかんでいるところもあったので水はけも良かったのかもしれないが・・・。
3.そのままほったらかし区
前年11月8日の雨前にどうにかビート収穫を終了したのち、かなりぬかるむようになりそのままの状態。
4月5日でははいれず、翌日4月6日に深耕作業を行う。枕地(トラクターが旋回する区間のことの農家語)周辺はかなり硬くなっていたが、二度施工し土をほぐした。
ということで、あとは生育の違いを見るべし。
それと全体の畑が乾いているわけではない。
防風林や山の影、ビートの集積場としてつかった部分は全く近寄れないくらい、ズブズブの状態だ。
今年は面白い光景をこの畑では見れた。
普段は全く水はけに問題がないこの畑の中央を、一本の水道のような模様が何日も浮かび上がっていた。
「あれ~なんでだべ?なんにもしてないけど・・・」と悩み、畑のオーナーに聞くと
「あ~俺が歩くスキーで散歩したあとだなぁ~」と。そんくらいじゃならないんだけどと思ってきくと、
「雪がふかふかして歩きにくいもんだから、一回トラクターで除雪したんだわ。」
これが今回の謎のキーでした。
なんと布団代わりの雪を真冬にはぐって、道をつけたもんだからそこの通りだけ冷気と水分が入り込み凍結を起こしたということ。結果、深い凍結がその部分だけ入り不思議なXファイル農家版みたいなことになったわけです。
雪ってありがたいですね。どうりで、早くに雪が吹き飛んでしまった小麦が枯れてしまっているのが良く分かりました。物凄い寒風が吹きすさんでいるんです。
と前段ながくなりましたが、種まき開始。
今年は実験に9kg~13kg/反の種まき量でやってみた。
肥料はN基肥(種まきと同時にやる最初の肥料のこと)を8~9kgで設定。
あとは成長に合わせてやろうと決めた。
その後ローラーをかけて表土を抑えた。特にプラオ区はフカフカ過ぎて根つきが悪い印象があったし、今年の種まき時期はなんせ乾燥していた。土中の水分を呼び込みたいのも狙いだったが、まさか4月23日にドシャブリの雨になるとは・・・隣の足寄町でも70mmだから、ほんべつでも60mmはふったと思う。夜なんか暴風雨だった。夕方からの雨はシットリと美しいほどの雨だったのに、夜に豹変していた。
ちょっと脱線したが、種まき作業はビートを堆積してあった場所以外はスムーズに進む。
特に山影や防風林の影は雪解けも遅く、ビートパイルの場所はカチンカッチンで大きなトラクターでもびくともしないくらいかたい。そこは作業は後回しということで、できる範囲で作業を進めた。
は種日があまりにも違うと問題が起こる。
管理する面では、受粉時期の防除や収穫期にも影響を及ぼす。
しかし、1部の小麦のために、全体の作業をやらないというのも経営にとってはリスクだ。
天気や土壌条件が許す上での、仕事の優先順位が農業だから。
ということで、4月8日にまいた圃場は、一部は4月16日になってしまった。
この違いはどうでるんだろう?
4月26日やっと見えるくらい”春よ恋”は発芽してきた。
“ホォ~~~~(汗)”っとするんです。この時ばかりは。
今年は4月中旬の温度が寒く、乾燥していたせいもあってなかなか発芽がみられない。
毎日土ホジッてみて、発芽はしてる。でも出てこないという日々が4月20日くらいから続いていた。
えらい、地上にでるまで時間かかったね~。
暖かくなるまでジッとしている春よ恋。
これからの天気に期待してますよ。
ツツジも蕾を得て、水芭蕉もきれいに咲いてます。
春の準備全開です。春よこ~~~い(恋)!!