実際の農業現場にいるとどれにどれだけの、コストがかかっていているというのは分かりずらいものだ。
反対に、売上は分かりやすいようでわかりにくい場合もよくある。
なぜかというと、交付金があり、その要件も多義に渡る場合がある。
そこで、ざっくりとでもその傾向をつかんで、対策を打てないだろうか?ということで”農業経営見える化ソフト”は開発された。12月8日。農閑期になるとやたらめったら講習会は多くなる。充電期間というより反省と予習するための期間がこの時間なのだ。
今回の講師は、十勝農業試験場の生産システム科の白井研究員。
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うちも数年前からお世話になってきた白井さんのソフトのお披露目会というより、進化系の経営ソフトの普及と実演だった。本別情報ネットクラブ(HINET)とJA本別青年部の初の共同開催となった。
このソフトの特徴は
1.クミカンデータをCSV形式で簡単にエクセルに移行。自動計算してくれる。
2.グラフ化から現状を把握し、地域モデルとの比較ができ、自分の強み、弱みをしることができる。
3.年次比較もできるので、年次の動きを把握できる。
4.ソフトは無料でダウンロードでき、改造もできる。
5.営農日誌と連動させることで、人的な動きと作業性もよくわかる。
もちろん、ちゃんとした企業であれば、
複式簿記は当たり前、部門(作物)別の売り上げや経費の算出、労働分配率など様々なデータを統合できているが、農魚はまだまだ山カン。もちろん自然相手だし、機械はぶっ壊れるしと分からないことも予測できないことも多々あるが、このソフトはその部分を見えるようにできている。
白井さん曰く、カーナビの役目だそうだ。
目的地(ゴール)を設定する前に、どのスタートライン(位置)にいるのか把握しないと、どのルートをたどるのかも違ったり、たどっていいかも分からなかったりするからだ。
確かに、”費用対効果”はグラフ化されていて、各作物や部門の数字のボリュームがはっきりしていたほうが分かりやすい。やみくもに経費を削ってもダメだし、機械投資しないと大規模化もはかれない。でも自分がどの力量で実際どう動ける化をはかるのであれば素晴らしいソフトだと思う。しかも、ほぼ入力いらず。
きっと日本の農業はちょっと言い過ぎだが、地域の傾向はすぐに浮き彫りになって、政策数字や新規農業者の農業ってどんなん?という答えにも加味されることになるんだと思う。
でも欲をいえば、例えば
1.スマホや携帯で、労働時間を入力管理、それをこのソフトに連動させる。
2.トレサビ情報の生産履歴から、肥料、農薬、種子などの大きな経費をこのソフトに連動させる。
みたいなことができたらより素晴らしい。
なかなかこういった類のちゃんとしたソフトはないからだ。
それに、農家によって項目も変わってくるので、それぞれで項目のルール付けも重要な要素だと思う。
でも家計簿みたいなもんだから、分かりやすさが一番。
あんまり細かすぎても、投資に踏み切れなかったりするから。
エイヤ~!!というわけのわからない”決断”よりは、数字に基づく”判断”がこれからも重要なんだと思った。
白井研究員の仕事は、十勝の農業経営のデータベースの本来の活用にスポットライトをピンポイントであてられそうだ。
どうもありがとうございました