春まき小麦”春よ恋”のは種作業がやっと始まった。
”やっと”といっても、平成19年が4月21日、22日にかけてだから例年より若干早い。
”やっと”の意味は例年よりも、雪解けが早かったものの、土壌の凍結により畑に入れない日々が続いたからで、”まだかな~”と指をくわえて畑を眺めていたからである。
秋播き小麦(ホクシン、キタノカオリなど)が昨年の9月下旬に種まきをして、8月上旬には収穫するのを考えれば、春まき小麦は4月上中旬に播種、収穫も8月お盆過ぎあたりなのを考えると、6ヶ月近くの生育日数の違いがある。
ホクシン・キタノカオリなどの秋まき小麦は冬季は、休眠しているのでそのまま6ヶ月の活動とはいえないが、やはり春小麦も生育日数の確保が絶対に必要。早期の種まきが重要なポイントなのです。
ということで、春小麦の播種工程ですが
1.肥料をまく。 畑一枚一枚に合わせて、土壌分析からえた必要な肥料をあげます。
2.土を暖める。大型の引っ掻き爪(深耕爪)で水はけ対策+空気を土中に入れるのを目的に施工します。
深耕作業
次の朝には、気温の上昇とともに、水蒸気が発生。土が息をしてます。
3.1 種の量のチェック。今年は自家採取の種と種子消毒(殺菌剤がついてます)された種を用意。
自家採取の種
種子消毒された種(一般のものと間違えないように色粉がわざとついています)
3.2整地し、種まきをする。今年は若干去年より少ない、播種量平均14kg/反で播いてみました。それでも全体で2800kgにもなるんですよ。機械は整地する(ハローといって土を攪拌します)+種まきがドッキングされたものを使ってます。
昔は馬、今はトラクターと作業機械
トラクターからはこんな感じの風景
4.鎮圧する。鉄車輪のついたもので、種を土に落ち着かせます。乾燥する年には特に重要です。
JGAP認証、いただきました!
GAP(Good Agricultural Practice)って聞いたことあります?ないですよね。
直訳では”よい 農業の やり方”で、通称”農業生産工程管理手法”というものです。
だから何?ということですが、
農業者自らが、1)農作業の点検項目を決定
↓
2)点検項目に従い農作業を行い、記録
↓
3)記録を点検・評価し、改善点を見出す
↓
4)次回の作付けに活用する
という一連の「農業生産工程の管理手法」(プロセスチェック手法)のことです。
生産管理農産物の安全確保だけでなく、環境保全、農産物の品質の向上、労働安全の確保等に有効で、農家個々の生産状況に応じて取り組むことで、自らの経営の改善・効率化の現実につながるものです!
企業でもよくISO(国際的な基準規格)だとか、HACCP(ハサップ)、製造工程ごとにチェックすることで、全体の安全性を高め食品の衛生管理のチェックやリスクの検討をしていますよね。GAPはその農業版!日本の政府もGAPの普及に力を入れ始めています。
今回認証を受けたのは、ISO認定などを主に行っている第三者認定機関から”JGAP 穀物 認証”をいただきました!パチパチ。大手スーパーのイオンやIYグループなどでも、独自のGAP基準があり、安全性のチェックをすませた農産物が店頭に並んでいます。
”農産物の安全”は必ず”安心”の前に来なければなりません。だから”安全・安心”で、”安心・安全”の順にはならないと思います。
中国の農薬餃子問題はどこか?10000倍の高濃度検出か?問題が長引いているのは”誰が、いつ、どこで、混入させたのか”の一点です。”原因がわからない、どのロットからどこまでが、疑わしいのかわからない”ことが消費者不安をあおっています。これは悪意のある極端な例ですけど、生産工程の中での危険性を見つけ、なくすのが重要ですよね。
私は別の視点からも、このGAPを活用できないかと思っています。
農作業日誌のほかに、去年から畑ごとの管理日誌をつけてきました。すると面白いことがわかりました。小麦(特にホクシン)のタンパク数値が畑によって上下2~3%のバラツキがあるのです!
畑(土)によって、また、管理や天気によって顔(品質)の違いがある。=自然の中の当然の結果?とも言えますが、小麦の用途は多種多様です。生産管理工程や日々の日誌を振り返ることで、消費者やユーザーの使いたいタンパクなどの成分が、どの畑でどう肥培管理すればいいのか?農産物の安全はもちろんですが、それにも活かすことができればより深く農産物を理解しできるし、オーダーメイドでピンポイントに小麦をお届けできるのでは?!と夢を描きつつ、まづは実際にワンステップふみだしてみました。
認定証は、より良い生産現場、農産物、人の関係を継続していきなさいという証書のように感じています。
というとで、お使いの粉の成分や欲しい成分数値がお分かりの方は是非教えてください!!!また何の料理に使うのかも。よろしくお願いします。
なお、麦の民間流通(政府が買う場合)段階では、一定の検査基準があって、タンパク、灰分、容積重、フォーリングナンバーに分けられ、例えば、ホクシンのタンパク許容値は8.5%~12.5%、主にパン用・中華メン用途の”春よ恋””キタノカオリ”の許容値は10.0%~15.5%となっています。
手(T)をつなごう!
わが町に架かろうとしている、橋げた・・・。
北海道の高速道路がまたひとつ完成しようとしてます。
ちまたの道路特定財源の凍結でこの工事もちょいストップかかるかもしれない・・し、
”熊しか通らない道路”と都会の人から言われるかもしれない。費用対効果で考えたら、
とてもでないけどペイする代物ではないのは明らかだ。と前置きはさておき、
度々目にしてきたこの橋げた、道が繋がることもそうだけど、T字型に手を伸ばしているように見えてならいときがある。きっと全国にいつか繋がるように、手をのばしているかのようだ。
北海道、十勝のこの本別という地でできること。それを皆さんにお届けしたい。”人が繋がり道が続く”そのような農産物が届けられたらと思います。
今日は朝、やさしい雨がふり、ちかじか畑にトラクターで入れそうです。今年の目標は”顔のみえる生産と消費の繋がりをつくること”・・・楽しみに農家ができて幸せに思う今日このごろです。
ビートくん、どうなった?
あれから(3月1日)から播いた、育苗中のビートくん元気です。
3月12日 子葉がムクムクっと出てきました。
3月24日 子葉の間から、本葉がでてきてます。
(この頃になると、土に混ざった雑草も子葉状態で、広葉除草剤をかけて雑草を抑えます)
3月30日 本葉が元気に大きくなり、間にはまた新たな葉がポツリと見える状態。
4月3日 一ヶ月でこんなんなりました! 緑のじゅうたんです。
このぐらいになると、寒さに慣らすのに朝晩を除き、日中は外気温のみ。まだ移植まで20日以上あるのでちょっとビートの草丈が伸びすぎないか心配です・・・。
お日様に向かって、”太陽をくれ~”とばかりに子葉がたっています。
泥だらけの小麦調査
子供達と小麦を見に行った。
3月下旬。雪は以前からないのだが、気温はそう簡単に上がらない。
畑も長靴じゃないとこのとうり!
ぬかって、ぬかって息子のミッキーの長靴が脱げにぬげ、油断すると靴下で泥だらけになって歩いている!じゃないかよ~!”こらっ~”って最初からわかって連れて行っているようなものなんだけど。子供はよごすのが商売だから、いいか!
あっ何しにきたんだっけっと畑で思う。そうだ小麦、コムギ。う~ん、元気そう。
硝酸帯Nってなんだ?
突然ですが、硝酸帯N(窒素)を調べてるんです。
取った土は、乾かして分析にかけて、数値をだします。
小麦の追肥(ツイヒ)といって肥料を分けてやることで、種まきと同時にあげる肥料のことを
基肥(キヒ・モトゴエ)といい、秋播き小麦(ホクシン・キタノカオリなど)は去年の9月下旬ごろにあげています。
今回は春先の補肥を小麦にあげるのに、果たしてどのくらい土に残存硝酸帯窒素量(小麦の収穫までに吸収できる窒素量)があるのかを調べて、目標収量を確保するのに必要な肥料量をだしてみようということで、JA青年部の仲間と勉強会。
農業改良普及所の方々、”農家の困った~?”という質問や疑問に答え、各種試験栽培を農家さんと共に行い、作況調査などを行っています。簡単な作況調査の仕方の説明を受けてます。
また窒素ですが、植物の葉・茎の発育を促進する栄養素で、小麦には重要なタンパク源です。硝酸帯とは作物の根から吸収される窒素が変化した形のもの。農家の人は”どの種類の窒素肥料を、いつ、どのくらいやるのか”を畑を見ながら決めています。畑がある程度乾いたら、多くのトラクターがウナリ?をあげて肥料をまき始めます。
ららららら~ら~ら こいの~ぼ~り~
3月の末日ですが、晴れ曜日だったので、
早くもじじ&ばばがコイノボリを孫のために用意。
子供達も大はしゃぎでお手伝い。
私もその昔ですが、お父さんコイノボリの中を探検中、”出口が見つからない!”と
迷子になったトラウマがあります。”そんなバカなことっ”てあるんです。
今年も元気に泳ぎだしました!
春 乱れる!
4月1日、うそのようなブリザード模様。
先月3月26日ごろの低気圧と同じくらいの強風+吹雪!
また、ビートハウスの天井窓がふっとぶ~と慌てて、窓枠を固定。
”ふ~、同じ目に会わんぞ”と吹雪と決闘したのでした。
町内の樹木が、強風により倒れて高圧線を断線。一時停電となりました。
”女ごころと秋の空”というようですが、”おんなもそら”もいつも変わりやすいな~(失礼)。
あ~、また春小麦まくの遅れそうです・・・。
食農 ぷろじぇくとX 壱
なにやら宴会の様子。時は3月下旬のX日、
地元JAの青年部という組織の支部が秘密の会議を盛大?にやっています。
今後ブログの中でも紹介していきたいと考えています。
4年ほど前から、町内の小学生を対象に農業体験と加工体験を実施してるのです。
”育てよう、若き地域のサポーター”というのが、お題目。
町の農産物を子供達に食べてもらおう、一緒に作物を育てたり、牛のオッパイのあったかさ、おいしさを
感じてもらおう、その中でお母さんや、町の人たちに今一度、本別町の農産物を感じてもらおうと
言うのがコンセプト。ご当地メニューは現場発進じゃなきゃいけないですよね。
ということで、4月の新学期が始まる前に、学校へのプレゼンミーティング。”何つくる?何を加工する?、畑も牛もやらなきゃ本別じゃないよなっ!とビール片手に熱くなってるんです。今年は町内の3小学校を対象に、青年部4支部がそれぞれ分かれて食農体験事業を行う予定です。
若い生産者にとっても、生産だけでない消費者の声を聞く。しかも子供たち、おせいじなし!!
地域の循環を日本全体の大きな循環にすることが、食料自給率39%というアブナイ食事情を見直せる
唯一地道な方法だと信じ込んでます。
ということで ”楽しくやろうやっ!”とかんぱ~い。
Back to snow
あ~あ、降ってしまった、雪、雪。
まだ、3月の下旬ということも考えれば、そんなに深刻な事態ではないのだけれども・・・。
大地はすっかり雪に覆われ、真っ白。十勝の農家はこの頃、”雪じゃなくて雨にして!”と
いつもどうり?! の勝手な神頼みをするのです。雨は畑に浸み込みで、凍結を溶かす理由と
水分があったほうが、地温が暖まってくるんです。
お昼頃にはすっかり溶けましたよ~。
春小麦の品種 ”春よ恋” は今年いつ種まきできるのかな? 春よ来~い!!!