ライ麦×小麦=ライ小麦 ですが、ついにその全貌を露わにしたのです。じゃじゃ~ん。
お~、なんか良く小麦の写真やお菓子にのりそうな形のやん。みたいな綺麗な巣立ちの良い感じ。
しかしながら、肥料が足りないのか、穂の厚みは感じられません。これから乳熟期、登熟期を迎えるのでそこで、更なる厚みを感じさせるのか?なと思うわけで。
しかし、予定外だったのは、春小麦(春よ恋)より、先に出穂したこと。同日にまいたわりには、早く穂がでたし、このままだったら大抵の場合、”春よ恋”より収穫も早くなりそう。左:ライコムギ 右:春よ恋
隣の”春よ恋”はこんな感じ。出穂初め。
こりゃ、コンバインの準備忙しいなと、今後の作業も不安になったりするのです。
でも楽しみだの~。ビスケット、クッキーなんかにも合うとか。
”春よ恋”の穂ばらみ期
6月21日に春小麦”春よ恋”に追肥をしてました。
この時期は一番最後にでてくる、最上部の”止め葉”が形成され、茎の中には穂が茎からとびでようとスタバっている状態。最後の葉がすっきり伸びきり、茎がまるみをおびる時期を穂ばらみ期といっています。
まさにそのときなんですが、追肥といって、肥料を分けてやる技術のことですがやってみました。春小麦は茎が細く倒れやすいため、注意してやらなければなりませんが、”キタノカオリ”同様にパン用ということで、タンパクの数値は高くなければなりません。
そのタンパクの栄養素が窒素肥料分なのです。それに実の充実を図るためにもやってみました。パンパンに大きく実が肥大し、高タンパクな小麦ができれば、生地も夢も膨らむ粉ができると思います。あとは、成熟期までの天気が勝負です。
スーパー堆肥にな~れ!
前回、土つくりの一環として堆肥を牛やさんから分けてもらい、気温の高い天気の良い日に、大型のユンボで撹拌作業をしました。
なぜ”撹拌作業なか?”っていうことですが、もらってきた堆肥は水分が高すぎるため、醗酵がすすんでいません。そこで、”堆肥を切り返す”とかいう言葉で表現してみますが、”空気と混ぜる=醗酵が高まる=水分が抜け完熟に近づく”という感じ。
堆肥も生に近い状態は、尿・糞からでる窒素分が多く、この養分を手っ取り早く畑に入れたい場合は生でもいいようです。が、牛の体内を通っても、雑草の種は残りますので、できれば60度以上にはして、醗酵を進めて種を死滅させ、畑にはびこらせないようにあしたいことと、微生物の動きをより活発化させたいところがあります。
そこで、堆肥に混ぜる種つくりをしてみました!まづ材料ですが
キノコ菌床のクズ 12t
コフナ(嫌気性醗酵菌) 1.5t
貝化石 2t
腐食酸肥料 2t
炭 1t
酵素液(5000倍液) 200L
を準備してユンボで混ぜ混ぜします。最後に酵素液を全体にかけてシートをしてみました。
いろんな菌が繁殖して、病害虫に強い堆肥にするのが狙いです。今度はこの山を種として、少量づつわけて堆肥の山と混ぜて、少量投下でも、作物にとっても吸収しやすいものにできれば最高です。
NEW COMER”きたほなみ”&”北海261号”
北海道の小麦の最先端。十勝農業試験所を十勝・小麦の生産者団体が圃場視察・新品種の導入を兼ねて視察研修しました。
今年度より薄力粉ならびに、北海道の9割で作られている”ホクシン”は”きたほなみ”という品種に順次
代替されていく予定です。特徴として、ホクシンよりも1割ぐらい増収傾向、灰分が低めで製麺性にすぐ
れる。うどん用の面にはつやがあるとのこと。写真下。食料確保が世界で困難を極める状況がせまるなか、こうした品種は絶対に必要ですよね!
実際、道立農業試験所の試験圃を見てまわりました。おもしろそうな品種がそこらじゅうにうわさってま
す。基本的には従来ある品種との生育の違いや収量性、耐病性、肥培管理方法などを検討しているよ
うです。
それと製パン性の優れる”北海261号”ですよ!まだ奨励品種にもなっていませんので、名前がありませんけど、キタノカオリの後継者に予定され、超強力粉タイプの品種。冷夏・多雨年に特に起こりやすい”低アミロ”になりづらいところが、最大の特徴。ホクシンやきたほなみと混ぜて使用することも、十分可能なようです。
日本は全体的に温暖湿潤気候で、外国のように収穫期に乾燥する日がつづくということはあまり、ここ北海道といえどもありません。本来小麦には適さない地域で栽培しているのかもしれませんが、品種育成は世界一ともいえるのではないでしょうか。安定的な品質で高収量、それぞれの用途にあった品種改良が何十年もの間、継続されやっとここ数年、日の目をみることになってきました。絶対、世界に誇れる品種になってきていると思います!
この超強力系”北海261号”も、楽しみな品種です!デビューはいつかな?
その人たちは”ピーターパン”
千葉にあるパン屋さん、”ピーターパン”より当農場に使者がきました、研修生として。
小麦工房ピーターパンはこちら⇒ http://www.peaterpan.com/
皆で”ハルキラリ”VS”春よ恋”の穂の位置や形を観察しています。
たった半日でしたが、4人の女性は真剣そのもの。パンを作る、販売するという仕事から、小麦粉になるその大元の畑を見に来ることの重要性と興味深さがあるようです。”現地現物”どこで、だれが、どん
なふうに、どんな想いで農産物をつくっているのか?食料に対する不安・解消も確認できますし、農家としても畑をみてもらって現状を知ってもらうこと。小麦-粉-パン・パスタ・ケーキ-食べる人まで繋がるのは結局のところ人なんですね。人的交流もっともっと深めていきたいところです。
しかも、今日の北海道FM局のインタビューを上京する際に、千歳空港で受けたところをみると、あの4
人組み”モってるな~!”と、防除機で作業しながら、昼間のラジオを聴いてました。楽しそうな声が充
実感に感じましたよ!お互いに、食べる人が笑顔になる食材創りに頑張りましょう!
しっかり、畑の草取りもしてもらいました!お疲れ様でした。
キタノカオリの花が咲く
強力粉系”キタノカオリ”の花が咲きはじめました。
前回ホクシンのところで、小麦は自家受粉するとお話しました。あれです。以下を参照してください。
https://co-mugi.jp/blog/wp-content/uploads/2008/06/post_49.html
去年のキタノカオリは少々不本意なところもあります。収穫前の登熟期に曇天がつづいたせいか、アミロ粘度値がひくかったこと。あとで、パン屋さんに聞いたら、”作業性の問題はあるかもしれないけど、天然酵母で長時間醗酵の場合なら別に問題ないよ!”と言われ一安心。
ちょっと偏った概念があったせいか、アミロ値の低いものは製品にならないのかとずっと思っていましたので、実需の人の声を聞くことの大切さを感じた一面です。
実際、多摩市にある有名な天然酵母で試作していただいたパン。パン職人のオーナーいわく、良い粉、良い酵母、良い釜がパンつくりにはかかせない、その中でも、パンはやっぱり粉が主人公なんだよ!と言われ、自分の仕事は主役にもなれるようなスゴイことなんだなと痛感したわけです。
釜伸びやクラストも外麦と十分はれる、申し分なかったようで、”これだ!求めてたコメント、うれしい”と家族で喜んだものです。実際、美味しい。キタノカオリ特有の、やさしい香ばしいかおり。春よ恋はより甘味の強い感じがしました。
ここの天然酵母自体もスゴイんだと思いますけど、多くの方に喜んでもらえる、それには多くのパンを愛する方達と粉ラボ(コラボ)が必要ですね。
そこのあなた様、よろしくお願いしますね。
春小麦のヒゲダンス
6月16日小雨曜日 ハルキラリ+春よ恋+ライコムギ観察
春小麦の形に代表されるヒゲ(ノゲとかとも言う)。やはりこの止め葉時期に、すでに立派に形成されています。裸麦とかにもある、よくある小麦の代表的な絵にもつかわれるようなこのヒゲ?いったい何のためにあるのでしょうか?ライコムギにもあることがわかりました(春まき系だからかな?)!!!
ライコムギ:止め葉 草丈45cm 穂段数10段 茎はハルキラリより太い
春よ恋:止め葉 草丈50cm 穂段数9段 ハルキラリよりも細い 有効分けつ3本、無効2本
ハルキラリ:止め葉 草丈53cm 穂段数9段 茎は春よ恋より太い 有効分けつ3本
地域普及員N氏のお話では、”籾がヒゲ状になっていることで、家畜や鳥、人間に着きやすく、子孫をより遠くに運ぶのに好都合なのではないかとか、のちほど出穂してこえばわかりますが、このヒゲ状の穂も光合成の1%ぐらいはしているのではとの、補完的機能性の役目ではとのことも考えられるそうです。
あと、これは実際の話ですが、鹿の被害にあわないことを考えると、他の動物に食べられないように、トゲをのこしたのではないかと自己防衛しているのではないだろうかとも考えられます。
たしかに、この殻(籾)は粘り気を感じます。納豆のような糸をひくような感じではなく、なんともマジックテープのような、ホクシン(秋小麦)にはないネチっコさがあります.。籾の粘り気を感じることからも、タンパク%が高い強力粉のイメージをもたせます。私的な感想ですけど。
ホントはなんでしょうね?ハルコよおせえて?
収穫のときも、このヒゲが折れて空気中に飛び出し、皮膚にあたったりしてかゆみやくしゃみを感じたりもします。これは効きますよ~。数千、数万の穂の一本一本が積もって、脱穀をしている機械の網の部分にびっちり張るような形ですから。取り除くのは人力しか方法がなく、”どうにか良い対策を”機械に改良したいところです。
ファッロ(スペルト小麦)の怪
庭先のファッロ、異常です。というようり、異常なのか普通なのかもわかりませんけど・・・。
小麦の形というよりは、なにか宿根草系の観葉植物の感じ。6月11日の写真
6月16日の写真。
ン~まだ幼穂形成にも入っていない感じ出し、とてもあのイカツイ穂ができるような茎の形をしていない。
根本的に秋まき(越冬型)の品種なのか、はしゅ日が遅すぎたのか?もともとこういう品種で、あとから大化けするのか?ん~なんとも不思議。
しかも分けつ(茎がわかれること)がスゴイ。肥料もたいしたやってないのに、ニラのようにヒュイヒュイでてきて、どうなってんの?と作ってるひとに聞きたいくらい。
隣のナスの苗木も、”お前ら、もっとシャンとしろよ!”と垂れ垂れの細い葉っぱに激をとばしているのではないだろうか?というより俺が言いたいだけなのか?・・・
”ジャパン”には根づかないのか?頑張れ!ファッロ!
チビチビ・コムギ大レース
”お~い、Mたん、まっでぇ~”
”T~こっちだよ~、メイロだメイロだ~”
と子供達を野放しにすると、コムギ畑をズンズン駈けずりまわる。
ここまでは良い。子と粉(になる麦)の成長がよくわかる。
問題もある。コムギの葉っぱで肌も切れたりする。息子はとくに敏感。
チクチクコムギの中、大レースが始まった。”こっちだよ!””ふ~っはぁっ~まっでぇ~”
”痒いのとんでけ~”とあんじながら、だけど楽しそうなんだな~これが。
キタノカオリは丁度、息子Tが隠れるくらい。85cmぐらいかな~。時期は出穂直前です。写真は6月11日
”春よ恋”はじわじわと、しかし急速に感じるくらいの勢いで伸びてきている。倒れないか心配。下ハルヨコイ、だいたい50cmぐらいにはなったかな?
収穫時には、メイロなんてやってられない。畑で遊ばせてたら機械も入ってくるし、滅多ない危険が一杯です。
でも子供達にしてみたら、目の前が麦ジャングル。川口ひろし探検隊(古い?)、隊長の気分だな。
6月15日頃には、穂が争うように茎からできま~す。大レースは続くよ。
♪穂・穂・穂の穂~♪ホクシン
6月13日ぐらいから、うちの圃場ではホクシンの穂が止葉(トメバ:最上段であり最終葉)の上に穂がでてきました。朝と夕方で穂ができってしまうぐらい、”あれっ、いつの間にこんなにでてきて~?!”と独り言いってしまうほど。写真は秋まきのホクシン(薄力系)の圃場。
出穂(しゅっすい)してくると、小麦は早速子孫つくりにはいります。小麦は自家受粉の習性があり、温度によって受粉時間はことなるようですが、およそ30分~2時間程度。暑いほど短時間です。やっぱり燃えるよう恋?は短時間なのかな~と余計な心配をしてしまいますが、なんせほんのわずかな時間ですよ。
ここで天敵となるのが、カビですよ。籾が開き雄シベが伸びて、受粉後、籾が閉じてオシベの花だけが取り残される。この雄しべが伸びて籾が開くときにとくに、外部の感受性がつよくなり赤カビ病の危険性が高まる。赤カビの危険性を回避するため、殺菌剤を使用するんです。ちなみに赤カビ病が発生すると商品として流通できません!だからこの一瞬のできごとを逃さないようにしたい。
花の咲きは、小さな黄色いつぶ(葯)が頴の外側にでているかどうかでわかります。
無事に受粉がおわれば、あとは乳熟期、登熟期となり収穫です。