”止め(トメ)カルチ”という耳なれない言葉、きいたことあります?
黒大豆(祝い黒)の畑
カルチ(機械による除草や中耕(かるく耕すこと))の説明は以前もしたと思います。”止めカルチ”とは、”収穫前までの、最後の機械管理作業”のことです。
私もいれましたよ。豆類に。作物の植えてあるラインのことを畝といいますが、前段階のカルチと違うのは、培土をすることでしょうか。(農家さんで培土のやりかたは違う)。目的としては、1.土をカマボコ状にすることで、作物の根圏を広げる2.除草作業、少々大きな草でも土をかぶせてせて生き埋めにしてしまう。しかも、その後の草の発生にも、作物の茎や葉っぱで覆われるため、光合成を十分にできず成長が遅い3.収穫機械の作業がしやすいように(収穫時に再度説明します)。4.排水性の向上、畝間を低くすることで水がたまり、作物の病気や湿害を回避するため。
畝がある程度、見えるくらいのときに・・・
あとは、豆はあつ~い(夜も)夏が好き。多くの花が咲くといいな~。
蝦夷梅雨?
23日の早朝から強くなった雨。この時期、十勝では熟期にはいったホクシンやキタノカオリはだんだんと色づきはじめ、穂から水分が抜け、青い穂先や茎が白くなり、水分が20%も近くなると、穂が稲穂のようにカールし始めるのです。それが収穫のサインでもあります。
今年の十勝の収穫前の天気は、雨が続いています。しかも蒸し暑い。いつもの抜けるようなピーカンの天気が続かない。確かに毎年、晴れたかなと思うと、どここらともなく突然入道雲が発生して、”大雨、雷、洪水警報”なんてことは、何回かはあるけれ曇天模様が多いのは事実です。
しかも、バケツをひっくり返したような雨のあとが晴れないのも、気になるところ。いつもなら、虹がでるくらいすがすがしい暑さとギラギラ太陽がでてくるのに~と思うが出てこない。
日本一の晴れ地帯、十勝にも暗雲?がたちこみ、梅雨を感じさせるムシムシする天気が続いてます。家の横の”春よ恋”もここ何日かの雷雨で一気に倒伏してしまいました。
7月17日の風景。まだ、倒れといっても許せる範囲。見た目は”波乗りムギ~”
それから、7月24日。強い雨で、将棋倒しのようになり、通称”青畳”の状態に・・・。
全ての畑ではありませんけど、小麦の倒伏は肥料、ムギの密度、雨、風の量、林や建物の近くなどの要因があります。倒れると、収穫の作業性は通常の3倍以上かかることになりますし、品質にも倒伏時期により影響がでたりします。
あと”春よ恋”は収穫まで2週間以上あり、”これ以上、雨はいらないですよ!”と神頼み。できれば、暖かな風がビュ~ビュ~吹いちゃったりして、畑での乾燥がいっそうすすめば最高なんです!とさらにお願いを申し上げました。明日、26日から1週間ほどは天気が持ちそうです。でも、暑くならんな~今年。
小麦の実のある生活
小麦たちはついに、実をつけました。
家のラインナップはご存知でしょうけど、こんなん作ってみましたよ。7月9日時点のホクシン、キタノカオリ、春よ恋、ハルキラリ、ライ小麦、どれがどれだかわかります?
ホクシンですが、この時点での実はこんな感じ。ひと穂かでてきたもです。7月17日の写真で、まだ水分は40%ぐらいはあると思われます。ぷっくり実はできてますが、まだ青く、指でつぶすと容易につぶれます。
下は”春よ恋”。まだ乳熟期で穂の下は形成されてますけど、上のほうは小さくこれから膨らむ感じ。
”小麦色の肌”っていいますけど、飴色のような感じになるのは、しいて言えば”春よ恋”かな~。
それから、ライ小麦。春よ恋と比べると、特徴は出穂は5~7日ほど早い。しかし、受粉期は5日ほど遅いので、実の入りも遅い。なんだかんだ、ライ麦のように長身である。出穂以降の伸びがすっすっすごい。すでに150~160cmぐらいある。伸びすぎでしょ、アンタラ!!
実はまだまだって感じ。受粉はしたから、ちゃんとなると思うんだけど・・・
ふぅ~収穫まで、あともうちょっと。22日23日の雨でどのくらい、小麦が倒れるか心配です。雨にも負けず、風にも負けず、冬の寒さを耐えしのぎ、けっぱれ(がんばれ)麦たち!!!
畑の肉
ごぶさたしちゃってましたが、豆の草取りに追われておりました。
黒大豆、小豆類の草取り。段違いに草と作物とは大きさが違いますが、まだ7月中旬にさしかかるところ。これからの草が生えてきても、豆類の収穫の9月下旬から10月中旬には、立派な草丈になり、作業者を悩ませる存在になるのです。
作物の大きさと雑草の大きさにあわせて、カルチ(除草作業機)の部品や取り付けを調整します。すごく奥が深い作業で、絶対これがいいってやり方、農家さんによって変わります。
皆考えることは、1.草をとりたい!2.作物を傷つけたくない!共通認識はこのあたりで、あと雑草がはえないような天気の推移であってほしい。とか願ってるのです。
上記二枚は大豆の根についた根粒菌とよばれるもの。葉っぱでつくられた炭水化物と空気中の窒素を合成してタンパク質をつくって、また実のほうに戻す役目があるようです。
これからは、動物タンパクが飼料や肉類の高騰からも採りにくい将来があるかもしれません。そんなときには、”畑の肉”とよばれるお豆くんたち、植物タンパクが人類を救う日が近いかも。
今年の成果は?
なにやら、農家の若い部類?の方達が畑に入って小麦、ビート、他の作物をみています。
その中心に、土のコンサルタント、Dr.川辺氏が土の分析表と実際の作物や生育状況を聞いたうえで、農家の”どうして?””どうしたらより健康な作物にあんるのか?”に応えています。
6月下旬にはメンバーである美唄の農家さんに視察。恥ずかしながら、水田をまじかでみるのは初めて。水田には、元気なおたまじゃくしたちが、気持ちよく泳いでました!
十勝は国の減反政策により、水田はほぼ0haに近い状態です。しかし、道内でも函館、札幌、旭川周辺、ようは北海道の真ん中の日高山脈から左側では、米の生産地帯なんです。北見でも一部のこってますけど。
近年、”北海道米が美味い!!!”とされてきましたが、地道な品種改良と温暖化も少々手伝っているのか、本当においしいのです。”おぼろづき””ふっくりんこ””ななつぼし”と各地域で生産されています。
話がとびましたが、”バランスの良い食事”が人に必要なように、土にも動物にも”バランスのよい土”が重要と考え、カルシウム、マグネシウム、銅、ホウ素、亜鉛、マンガンなどの微量要素を不足しているぶんだけ土に施します。畑ごとの土の分析値から、把握したデータから、過剰な施肥をへらす取り組みをしています。うちもまだまだ、改善点や改良の余地ありです。
農産物や畜産、乳製品とつくっているものは違っても、すべては土から始まっています。皆で土の改良をはかり、継続的にデータを蓄積することは、次の世代にも繋がる重要な財産になるりますよ。特に一次産業のような、天気・土質で変化するデータのとりづらく、かつ家族経営な農家であれば、技術を2,30十年かかるわけで・・・。食料不足が巻き起こるなか、増産と持続的な農業との両立がもとめられているんだと思います。
最後には皆で、情報交換を含めて懇親会。今年はメンバーの肉牛屋さんの、肉や美唄さんの米が振舞われ、”土つくりから消費まで”、味のチェック。新鮮、安全、美味しいっすよ!
Wedding in New York!
Though a personal thing, my sister Y got married on the begging of July 2008.
Congratulations on your wedding!!! You guys got the great start on your marriage life.
Who could expect that the woman(my sister) who grown up at a farm in Japan would got the man whom family name is Mr. Farmer in NY?! How can I say “is this American joke or Japanese joke?”? Anyway, my sister must have fate which connects farm stuffs deeply forever.
I have to apologize not going to cerebrate the world happiest couple in spite of her oldest brother. I stayed here to keep eye on crops, especially flouring time of spring wheat, “Haruyo-koi(Spring love)”. Hope you guys will have a lot of seeds of happiness like my wheat?!. Wish you will collect the bunch of smiles in future.
It seemed like everybody got there felt the atmosphere of the world happiness moment and trusted that Stv&Yo would be all right from now on! Stv, I can trust you as a man! Share and take your hand each other for the rest of your life. Y, study cooking! Good meal is the source of family happiness. Don’t go Mac, Pizza h$t, and taco #ell, though I like.
Let me appreciate for sharing happy time with you guys far from wheat field, Tokachi, Hokkaido,Japan and it’s our big pleasure to have new family in US! We’re looking forward to seeing you someday very soon!!!
♪♪♪Suenagaku Osiawase ni♪♪♪
ライ小麦の花
ライコムギにも、受粉の季節がやってまいりました~。といっても、春よ恋、はるきらりとほぼ同日スタートといっていいでしょう。写真は穂の真ん中のほうから、今にも葯がでてきそうなふくらみを感じさせます。
初年度なのではっきりはわかりませんが、特徴らしきものといえば、出穂は春まき小麦よりも、3日ほどはやくそろう。遅れ穂もほとんどなかった。それから、穂が伸びた状態で開花が始まるようだ。出穂完了がほぼ9割以上終わってからでないと、受粉スタートしないのかな。
ちょっと皆よりも、フライイング気味にスタートした花。写真は中央のぼやけた点みたいなのが葯。
出穂が始まって、晴れの日で5日ぐらいたったに、花がついていなかったので、まさか受粉しないわけじゃいだろうな?と初めてつくる小麦とライ麦の相(愛)の子に疑問符をもった。大丈夫だべか?7月4日から曇り小雨模様だぞ、早く受粉しちゃえよ、HOTな気候のうちにと、勝手にせかしたりして思った。
どんな実をつけるのでしょう、楽しみですの~。
春よ恋vsはるきらり
在来種でありパン人気種”春よ恋” VS 新品種、次世代期待のエース”はるきらり”
隣あわせで、バチバチとライバル意識と仲間意識を持ち合いながら、同じ畑にうわさってます。
7月初めに受粉時期を迎えました。播種日も同日の4月17日。肥料も農薬管理も全く一緒にやっています。この時期、春よ恋には必ずといっていいほど、ある異変が起きるんです。それは、トップリーフ(止め葉)が、黄色くなる現象。
はっきり言って見た目は悪いです。農業試験場によると葉が黄色くなるのは、春よ恋の生理現象の一つで未だに謎の部分でもあるとのこと。しかし、黄色になるんだから、葉緑素が抜けてしまうことになり、光合成の働きが悪くなるように思われる・・・。
初めて作った、6年前は何の薬害なのか、肥料の欠乏なのかと冷や汗をかきまくったことでした。見解は生理現象。ですが何か”春よ恋”のなかで急激に変化が起きているのは確か。受粉(恋愛)が成就して全ての力を子孫を残すほうに使おうとしているのか、それともただの登熟までの老化現象の一つなのか。
一方、40cmとなりの春まき小麦の新ホープ、”はるきらり”は平然と緑をキープしてるじゃないです!”すげぇ、このDNAはエエぞ~、タフだぞ~”と防除しながら思っていたわけです。全く、黄化現象がみられません。
しかも、穂の段数も春よ恋が7~8段に対して、はるきらりは8~9段ある。登熟がどうすうむかわからいけど、単純に収量性は一歩リードしてるし、耐病・耐穂発芽性があるDNAだとすれば、すばらしいじゃないですか。あとは味てき、加工適正がどうかと思うけど、その辺は農家の腕もあるでしょう、きっと。
基本的には、どちらも素晴らしい品種ですよ、もちろん。良い品種=安定生産=安定供給=安定価格=安定需要となるはずなんです。
PS:そういえば、此間のN43°の勉強会で、”はるきらり”の名付け親にお会いできました。これもちょっとした運命の一つなのでしょう。
N43°
北緯43度に位置する北海道、札幌市。この地で、パン職人やフリーキーなパン愛好家たちの集まりがあり、勉強会に参加させていただいた。その名も”ベーカリークラブN43°”。その中のメンバー、パン講師の森本先生にご紹介いただきました。森本先生の教室についてはこちら。http://www.cafetablier.com/
今回は”ライ麦パンの世界”と題して、パンと人、文化のフィールドワークをしながら文献研究をされている舟田詠子氏を講師に、あるアルプスの小さな村でのライ麦と人々の密接な世界をお話いただいた。
舟田先生についてはこちら http://homepage.mac.com/diedonau/
山岳地帯の日照条件、酸性土、寒さも厳しいところは、やはりライ麦が適しているというより、保存性のよいライ麦や放牧での生活しかないのだろう。種まき、草取り、収穫、脱穀、保存、製粉、釜作り、パン作りまで、すべて人力作業。半年が深く寒い雪の季節なら、残り半年で一年を家族で生活するための食料を自ら確保する。
自給自足とはいっても、”パン(食料)だけは本当に大切”皆でわけ合うこと。皆で助け合って生活すること、作物に感謝し祈りをささげること。収量の良し悪しは、1年生命を維持できるかどうかにも繋がることに直結している事実。写真でみるかぎりは、美瑛の丘よりも傾斜がきつく、はっきりいって、トラクターも転げ落ちるくらいのところ。実際はマンパワーのみのようだけど、日本の棚田や区画の悪い、中産間地域と言われることろだってたいした変わらない。
問題なのは、文明の進化とともに文化が失われていくことなのかなと思った。地元にも”馬頭祭”という農事祭りがあるけど、昔は全て牛や馬がトラクター代わり。大木を引っ張り、畑を耕し、干草や農産物を運んだり。作物にも、動物にももっと感謝しなきゃならんと舟田先生のお話を聞いて思った。
ちなみに、ライ麦パンの試食も行なった。ライ麦の独特の酸味、食事パンとして定着は私的にはむづかしいかもしれない。食物繊維やカロリーは低い様子。写真はN43のメンバーや舟田先生の知り合いのパン屋さんがつくられたもの。
技術的なことや、パンの種類は全くわからないけど、なかにアーモンドみたいなものが入ったもの。
しかし、私の大好きなライ麦パンは後にも先にも、アメリカのアイオワ州でお世話になった農家の親父さんの特性ライ麦パンだ。人口70人程度の片田舎の農家兼民宿みたいなところに約一ヶ月バイトさせてもらった農家。ご馳走はといえば、唯一、親父さんデービーットのライ麦パンだった。なんとも、甘くてほんのり酸っぱい、出来立てのライ麦パン。ライ麦の比率は今思えば、少なかったのかもしれないけど、一生忘れられないライ麦パンだ。きっと、ドイツ系移民の家系だから、お母さんにライ麦パンを習ったにちがいないと、今日の講話を聞いて思いだした。
うちのライコムギはどうなのかな?いづれにせよ、パン自体も文化として根付くこと。それは農耕民族の歴史に違いない。
草を見ずして、草をとる!
”農家は雑草との闘い”と大げさにいってしまいますが、”雑草魂””雑草のように生きろ!”なんてピンとくるのは、農家だけではないだろうかと思う・・・・。”ど根性#%$”とかもあるけど、ようは、シブトく、図太く、逞しくということでしょうか。
草も、体長が4cmぐらいの丈になってくると渋とさ倍増計画ですよ。4葉~6葉期になると、除草剤でも簡単に死んだりしません。除草剤もできるだけ、草の小さいときのほうが、効き目があるし、薬剤も少量ですみます。
ですが、草も考えてます。時期の早くにでるもの。先鋒がアカザ・ハコベ・タニソバであれば、中堅はタデ・イヌホウズキ、大将はツユクサと様々な雑草が生えそろうわけです。強靭なのは、通称”大王”とよばれるエゾノギシギシ、外来種のコーンフリー、ヨモギなんかも強いですよ~。
雑草の悪さは、作物の生育・機械作業の支障になるのはもちろん、コガネムシ、アブラムシなど寄生し他作物に影響を及ぼす危険性をはらんでいること。
一方、良さもあって、畑や土手の載り面、カバープラントとしてイネ科雑草なんて、土壌浸食の影響を食い止めるための試験を行なっています。竹林みたいな役目。雑草は絶やすことなんか、絶対無理。あくまで”その年にでる分を減らす”ことをやっています。
さて、前置き長くなりましたが、”草を見ずして草をとる”という意味不明な名言ですが、草が発芽する直前に土の表面を動かすことにより、雑草の根をきり、太陽により乾燥を施すことになります。それが、カルチベータ(カルチ)がけと言われるものです。
カルチにはいろんなタイプのものがあり、畑の形状、土質、作物・雑草の大きさに合わせてセットを変えたりします。機械除草のみなので、むしりとってくるか、土をかぶせて窒息させるかのどちらかの作用で草取りをします。奥が深~い作業の一つです。
例:ほうきのようなもので、土の表面をならしていきます。中央の鉄板が地中にはいり、空気をいれることと水はけを良くしようとする働きをしています。
例2:傾斜地のある農家さんの、自作機。後ろに鎖をつけて、土表面の草をとります。