こりゃオモロイ、ライ小麦(トリケテール)

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8月1日の写真。
”ゲ・ゲ・ゲ・ゲっ”あっという間にでかくなったライ小麦。初めてつくってみたけど、”これは凄い!、素晴らしく逞しいDNAをお持ちじゃありませんか!穂だってゴツイ!
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”ライ麦の生産の安定性がないところの一つには、長身であり倒れやすいということですが、”短菅”といううたい文句にひかれて栽培してみたライ小麦。結局、胸元150cm以上にはなってしまいました。
しかし、ここからがこのライ小麦の真骨頂なのか、茎が全般的にしっかりしている。葉っぱも下葉までしっかりと緑色をつけ、葉緑体が残っている感じ。”ホホ~オモロイじゃないですか!”これは収穫までいかなきゃいけないでしょ!と思ったわけです。
ライ麦とは一味違うことはわかってきました。多くの方に愛される味であってほしいなと思うばかり。やっぱりこういうのは、全粒粉にしてパンに混ぜたり、ビスケット系もいいんじゃないかと期待してます。ご要望ある方、連絡お待ちしてますよ!
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妻もこれはドライフラワーにいいんじゃない?!とちょっと手狩りしました。実も入りだしているしその水分も高いことから重量感ありましたね~。

甘くなれ~ビート君

ビートのお話をしないと、甘くならないような気がしてしまう今日この頃、お元気ですかビート君たち?ご無沙汰しております、ごめんね。
デッカイほうれん草?と間違われることもありますが、実はビートは、ほうれん草と同じアカザ科に属する植物なんですって。6月29日の様子。葉っぱが展開期ともあり、次々に葉っぱがでてきてます。この頃畝が塞がる間じかで、塞がると雑草の抑制にもなります。
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下は7月29日、根の部分徐々に大きくなっており、根重肥大期にはいっています。糖分を貯めるよりは、体つくりの時期でしょうか。
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この頃になると、病気(根腐れ病、かっぱん病など)の防除を10日とか2週間おきに4回ぐらい続けるのです。なんでかって?かっぱん病に著しくなってしまうと、収量が伸びないのと、甘くならないビートになってしまうからなんです。生産者はビートの重量とその糖分によって、売り上げが決まるため、できるだけ大きくて甘~いのがつくりたいんです。それに虫食いも発生します。カメノコハムシ、カナブン、ヨトウ虫(蛾の幼虫)。ヨトウ虫は漢字では夜盗虫といって、日中は土の中や、中心部の葉っぱに隠れ、夕暮れ日も落ちる頃にでてきて食害をするんですよ~。”♪む~しゃ、む~しゃ、しあわせぇ~♪とかいってんだろうな奴ら。
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小麦の乾燥と選別作業

日本はアジアモンスーン気候というか、温暖湿潤気候なのは皆さん感じるところだと思います。
アメリカ、オーストラリア、カナダ、ヨーロッパ、世界各地で主食とされ栽培されている小麦。
世界で共通する小麦とはいっても、栽培される産地はほとんどが乾燥地帯に近いところだと思います。
なぜか?収穫の時に雨が多いところでは、品質が劣化しやすいからです。穂発芽とか、カビの問題だとかに繋がるんです。
いくら梅雨のない北海道といえども、条件は日本の中。ここに小麦の高コスト生産の一因があります。防除の回数の多さに加えて、収穫時に乾燥状態の良い環境で適期に収穫できないジレンマ。ヨーロッパでさえ、貯蔵するタンクはあっても、乾燥施設を多大にもつということはないんです。アメリカなんか産地によっては野積み状態。”え~大丈夫なのか?”と思いますが、天気がよいんでしょうね。
前置きが長くなりましたけど、収穫した小麦ですよ。製品水分は12.5%以下と決められているため、乾燥機で脱水作業をするんです。なぜこの水分なのか?ようは貯蔵期間がながくなるため、このぐらいの水分状態でないと保存状態に影響があるからなようです。
作業工程ですが、
1.ダンプで運ばれてきた小麦をホッパー(投入受け)に流します。
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2.粗選機で、軽いごみや雑草の種、細麦などその名の通り、粗いものを篩い分けします。ゴミ部分が多いと乾燥効率も悪い。
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3.乾燥機にて、乾燥を開始します。うちのは循環式乾燥機といって、外気を吸い込み、バーナーで燃やした暖気が乾燥層になった部分を通りぬけ、後ろに排出するやりかたで乾燥します。大抵はこのやり方だと思います。畑からの小麦が水分が一定の時は良いのですが、水分にムラが生じる場合は、”調湿”といって、蒸れない水分の16%ぐらいで一度保温を続けます。大体5時間ぐらいおいておくと、内部で水分のない雑穀が、水分のより多く持つ雑穀の水分を吸収することで同じ水分にするということです。
時間はかかりますが、一定の水分で製品ができるメリットと、品質向上につながるということで行なっています。
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4、12.5%以下になった小麦は、貯蔵用のコンテナ2tとかパック500kg~1000kgパックに詰め替えられ出荷となります。
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ほとんど全てが機械による選別作業ですが、次々と小麦を乾燥しなければならないため、最盛期になると小麦の投入もしなきゃなんないし、排出作業も同時にやらなきゃならないなど、現場はとてもあわただしさを増すのです。
でもコストかかりすぎですよ!選別作業はありでも、良質麦をとるために、乾燥作業は一大作業で経費も莫大。外国のように圃場乾燥ができるならそれが一番いいにきまってる。日本の気候にマッチした雨や病気につお~く、さらに需要者のニーズにマッチした品種のデビューが待ち遠しい。行政改革でも農業改革でも何でもいい。とにかく、優秀な品種”ハルキラリ”とか”きたほなみ”とか”北海261号”とかを早く市場に投入してほしい。燃料高、CO2の排出、環境保全からも、”いまそこにある危機”を”いまそこにある新麦”で乗り越えたい、そう思うのであります。

ホクシン 収穫開始!

7月29日、曇りのち晴れ曜日、午後からホクシンの収穫開始しました。
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子実水分は19%前後。穂もカールを描けば描くほど、水分は少ない傾向にあります。うちの町、本別のJAも28日の午後から収穫を開始しました。十勝管内の何箇所かで、27日に収穫を開始した模様です。
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コンバイン(収穫機械)の前についたヘッド(刈り取り部分)にギザギザの三角形のナイフが列に並んでおり、それがもの凄い勢いで横振動することで、茎の株元を刈り取ります。脱穀部分は大きなドラムとそれに沿うようにしたコーンケーブと呼ばれる格子状の鉄柵があり、そこで9割がたの小麦粒は脱穀されます。また内部では再脱穀するための装置と必要のない茎や殻を後部へ排出する装置や扇風機の装置がついているんです。
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コンバインの後部からは、風で送られた籾がらや茎、細麦とよばれるクズ麦や雑草の種など軽いものが排出されます。
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脱穀された小麦は、運転席の後ろのタンクに蓄積され、一杯になるとダンプに排出する。これが収穫の一連の作業です。
本州はうだるような暑さが連日だそうですが、十勝は避暑中どころかサブい!”キタ~~~!”というぐらいの夏はいつくるんでしょうか?なんだ秋風かと感じることも、どうした温暖化?まだ二三日にぐづついたのちに、本格的なホットな短い夏を感じたいと思うのです。まだ半分。頑張らねば。

Are you ready to cook flour of co-mugi?

小麦粉の限定販売をすることになりました!!!パチパチ。
なぜこの時期なのか?今年の収穫も始まってしまうこの時期に・・・。今回、フードソムリエ様で販売していただく限定各200袋は平成19年度(去年)、収穫したホクシン、キタノカオリ、春よ恋の3種です。
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今年(平成20年度)も今までの取り組みの中で、上記3種+ハルキラリ、ライ小麦、スペルト(観賞用)を作っていますが、多くの方に味や風味の違いや、パン、パスタ、お菓子、ケーキなど多くの料理に年度によってどんな違いがあるのかを聞いてみたいと思い、収穫時期となりました。
農家のプロだったら、毎年同じ品質のものを作らなければならない。それは生産者として基本なんだと思っていますが、土も違う、つくり方も違う、気候や風土も違う。もしかしたら、一粒一粒の麦に個性があっても不思議じゃないのではと思っています。”美味しくできれば最高!ですが、料理する人、食べる人が楽しみなら、ワクワクどきどきしながら、小麦粉で繋がっていけたらよりいいなと思っています。
まだまだ、至らない点、改善の余地もいっぱいあるはず。皆様のご感想お待ちしてます。

Are we ready to harvest wheat?

いよいよ、小麦を収穫する日がまじかです。どんなものが取れるかは、収穫してみなきゃわかりません。
といっても、機械は大型化され収穫能力はスコブルあるんですが、問題なのは作業が途中で止まること。機械は必ず、動いている時にしか壊れないという父の口癖。”そりゃそうだ”ってことですが、準備をおこたらないことが、作業をよりスムーズに、より安全にできることにつながるのも確か。
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収穫する機械や、畑の周辺の路面状況、運搬に使うダンプ、収穫した小麦を乾燥させる乾燥施設、一次貯蔵するためのコンテナ。”カイゼン”なんていう日本のビジネス英語があるほど、”こうしたら楽だな、もっと安全だな、もっと早くできるな”とか毎年あるわけで、壊してはつくるみたいなことをここ一週間、倉庫の中でやっています。今年は原油高騰対策、地球温暖化ならぬ乾燥工場温暖化リサイクル試験を行なう準備をしました。どれだけ効果がでるか、ワクワクしてます。
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”あせらず、騒がず、安全に”収穫できる準備、OK農場!

止めカルチ

”止め(トメ)カルチ”という耳なれない言葉、きいたことあります?
黒大豆(祝い黒)の畑
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カルチ(機械による除草や中耕(かるく耕すこと))の説明は以前もしたと思います。”止めカルチ”とは、”収穫前までの、最後の機械管理作業”のことです。
私もいれましたよ。豆類に。作物の植えてあるラインのことを畝といいますが、前段階のカルチと違うのは、培土をすることでしょうか。(農家さんで培土のやりかたは違う)。目的としては、1.土をカマボコ状にすることで、作物の根圏を広げる2.除草作業、少々大きな草でも土をかぶせてせて生き埋めにしてしまう。しかも、その後の草の発生にも、作物の茎や葉っぱで覆われるため、光合成を十分にできず成長が遅い3.収穫機械の作業がしやすいように(収穫時に再度説明します)。4.排水性の向上、畝間を低くすることで水がたまり、作物の病気や湿害を回避するため。
畝がある程度、見えるくらいのときに・・・
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あとは、豆はあつ~い(夜も)夏が好き。多くの花が咲くといいな~。

蝦夷梅雨?

23日の早朝から強くなった雨。この時期、十勝では熟期にはいったホクシンやキタノカオリはだんだんと色づきはじめ、穂から水分が抜け、青い穂先や茎が白くなり、水分が20%も近くなると、穂が稲穂のようにカールし始めるのです。それが収穫のサインでもあります。
今年の十勝の収穫前の天気は、雨が続いています。しかも蒸し暑い。いつもの抜けるようなピーカンの天気が続かない。確かに毎年、晴れたかなと思うと、どここらともなく突然入道雲が発生して、”大雨、雷、洪水警報”なんてことは、何回かはあるけれ曇天模様が多いのは事実です。
しかも、バケツをひっくり返したような雨のあとが晴れないのも、気になるところ。いつもなら、虹がでるくらいすがすがしい暑さとギラギラ太陽がでてくるのに~と思うが出てこない。
日本一の晴れ地帯、十勝にも暗雲?がたちこみ、梅雨を感じさせるムシムシする天気が続いてます。家の横の”春よ恋”もここ何日かの雷雨で一気に倒伏してしまいました。
7月17日の風景。まだ、倒れといっても許せる範囲。見た目は”波乗りムギ~”
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それから、7月24日。強い雨で、将棋倒しのようになり、通称”青畳”の状態に・・・。
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全ての畑ではありませんけど、小麦の倒伏は肥料、ムギの密度、雨、風の量、林や建物の近くなどの要因があります。倒れると、収穫の作業性は通常の3倍以上かかることになりますし、品質にも倒伏時期により影響がでたりします。
あと”春よ恋”は収穫まで2週間以上あり、”これ以上、雨はいらないですよ!”と神頼み。できれば、暖かな風がビュ~ビュ~吹いちゃったりして、畑での乾燥がいっそうすすめば最高なんです!とさらにお願いを申し上げました。明日、26日から1週間ほどは天気が持ちそうです。でも、暑くならんな~今年。

小麦の実のある生活

小麦たちはついに、実をつけました。
家のラインナップはご存知でしょうけど、こんなん作ってみましたよ。7月9日時点のホクシン、キタノカオリ、春よ恋、ハルキラリ、ライ小麦、どれがどれだかわかります?
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ホクシンですが、この時点での実はこんな感じ。ひと穂かでてきたもです。7月17日の写真で、まだ水分は40%ぐらいはあると思われます。ぷっくり実はできてますが、まだ青く、指でつぶすと容易につぶれます。
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下は”春よ恋”。まだ乳熟期で穂の下は形成されてますけど、上のほうは小さくこれから膨らむ感じ。
”小麦色の肌”っていいますけど、飴色のような感じになるのは、しいて言えば”春よ恋”かな~。
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それから、ライ小麦。春よ恋と比べると、特徴は出穂は5~7日ほど早い。しかし、受粉期は5日ほど遅いので、実の入りも遅い。なんだかんだ、ライ麦のように長身である。出穂以降の伸びがすっすっすごい。すでに150~160cmぐらいある。伸びすぎでしょ、アンタラ!!
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実はまだまだって感じ。受粉はしたから、ちゃんとなると思うんだけど・・・
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ふぅ~収穫まで、あともうちょっと。22日23日の雨でどのくらい、小麦が倒れるか心配です。雨にも負けず、風にも負けず、冬の寒さを耐えしのぎ、けっぱれ(がんばれ)麦たち!!!

畑の肉

ごぶさたしちゃってましたが、豆の草取りに追われておりました。
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黒大豆、小豆類の草取り。段違いに草と作物とは大きさが違いますが、まだ7月中旬にさしかかるところ。これからの草が生えてきても、豆類の収穫の9月下旬から10月中旬には、立派な草丈になり、作業者を悩ませる存在になるのです。
作物の大きさと雑草の大きさにあわせて、カルチ(除草作業機)の部品や取り付けを調整します。すごく奥が深い作業で、絶対これがいいってやり方、農家さんによって変わります。
皆考えることは、1.草をとりたい!2.作物を傷つけたくない!共通認識はこのあたりで、あと雑草がはえないような天気の推移であってほしい。とか願ってるのです。
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上記二枚は大豆の根についた根粒菌とよばれるもの。葉っぱでつくられた炭水化物と空気中の窒素を合成してタンパク質をつくって、また実のほうに戻す役目があるようです。
これからは、動物タンパクが飼料や肉類の高騰からも採りにくい将来があるかもしれません。そんなときには、”畑の肉”とよばれるお豆くんたち、植物タンパクが人類を救う日が近いかも。