秋小麦”ホクシン”のWhat a green day!

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9月下旬に播かれ、越冬したホクシン。現在(4月29日)、”起生期”という冬眠というか、休眠からさめて根ったちが土のなかで栄養を吸い出しています。太陽さんの光を一杯浴びようと、葉っぱを立てて広げてるんです。
もっとまえですが、今年は3月から4月の下旬まで畑は乾いていました。農家の人は、”麦踏み”といってとても拾い畑を足ではやれないので、鉄車輪で凍立ちした根をおさえます。今年は比較的、この地域では雪が多かったせいと、春先の気温がたかかったせいか、根の浮きはいつもよりないような感じでした。
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”根が浮く”って何?ということですが、越冬する際には十勝では、気温がマイナス10~20度は軽くいきます。つまり凍るんです。土には水分ありますから、凍る際に表面の土を持ち上げてしまいます。別にここまではいいのですが、暖かくなって土のシバレが溶けてくると、土が下がりその際、根っこがオイテケボリになってしまうことがあるんです。3月や4月はまだまだ寒い朝晩や風が冷たいので、根が痛みやすくなる。そのため、一度麦踏をすることで根を抑えてやろうとするんです。ひと手間ですが、後の成長を考えると必要かなと思います。今年は畑によって、凍立ちの多い畑のみローラーがけしました。
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これから、どんどん新緑の美しい季節。農家にとっては忙しくなる季節です。
今年の桜はいつだべか?5月7日くらいかな?

春小麦”はるきらり”の産声

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4月13日にまいた春小麦の”はるきらり”が発芽してきました!パチパチ。
”あ~良かった~でたよ~”と思う反面、ここから更に気合を入れていこうと思うしだい。
まずは子葉が”ピンっ”と青空に向かってでてきました。小麦は最初みなこんな感じです。
この時点では、どの品種かってわかる人は早々いないんじゃないかな。
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土をほじくってみると、3cmくらいしたに種があって、種からアンカーを打つように何本かの根が張っています。すごいですね~、この自然の力。勝手にそうするんですね。これには外皮を柔らかくするための、水分が必要で、近年”オーストラリアや中国の干ばつで、小麦が減産になってる”っていうニュースがありますけど、もともと種が発芽できる部分の水分さえ有さない乾ききった土になっているということなんです。生育途中で何ヶ月もふらないこともあるそうですけど、基本的には水分不足で発芽しなかったなんてことは今までないです。もし、温暖化でそんな状態になったら・・・ん~そのときはどうしましょ?定期的に雨がふる水資源の豊富な日本。この国の良さは一にも二にも水に恵まれていることだと思う。だから米もおいしいんじゃないかな。
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話はずれちゃいましたけど、なにやら同じ畑に怪しげな立て札の集落が!これは十勝農業試験場というとで、現地試験として同じ”はるきらり”の試験圃場としてつかってもらっています。肥料のやり方や種の量を変えたりして、どのやり方が平均してよいやり方なのか。収量性はもちろん、パン用強力粉として重要なタンパクの変化などを調べるそうです。しかも種は”シーダーテープ”に入っていました。これは、土の中で分解する特殊な網のなかに種を均等にいれてあるもの。なかなか人力のみで、種の播き方を均等にするのは困難なのです。試験ですから正確差は重要です。
管理は私。”きらり”どころか、”ずしり”とプレッシャーもかかります。

”はるよこい”と”こいのぼり”の濃い関係?

♪ラリラ~リラ~リラ、こいのぼ~り~♪
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”鯉のぼり”を揚げる心地のよい春めいた4月。”春よ恋”の播種シーズンとなりました~パチパチ。
孫のためにジイジ&バアバが揚げたなぁ~と感じているのもつかの間。春まき小麦(春よ恋・はるきらり)の準備です。
4月9日から13日にかけて種まき開始です。実質、乾いた畑に入って作業をする時期となったのです。
今年は天気が、例年よりも一週間~10日くらい早い感じ。雪解けが早いというか凍結もほとんどないというか。
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まだ山際の畑の淵には、”名残雪”が・・・さびしい・・・なんて思わないのです。早く溶けてくれ~と一枚の畑の枕(農家用語で機械の回る外周のこと)だけを残し、次の畑に行かねばならない。強引に播いても大抵湿害にあって、発芽不良とか起きるんです。確かに3~4日置いたところで凄い差はこの時期の温度では感じませんが、少しでも良い状態で種まきすることが重要なんです。
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湿害対策というか、水はけを良くしようとダブルソイラという機械をひっぱったりして。
それから、肥料をまいて
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トラクターが唸りを上げるのです。この時期、部落では”馬頭祭”という儀式?お祭りがあります。これはその昔は農耕馬が主な原動トラクターの役割を果たしたので、今までの歴史というか畑を守ってきたそのお馬さま達に感謝申し上げ、今年一年の安全祈願を願う行事もあります。
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今年は種をまく時期が例年よりも1週間ほどはやかったので、10.5kgくらいでまいてみました。見えますかね、3粒くらい”春よ恋”がまかれているのが。
♪は~るよ恋、は~やく来い♪とデレデレ(既婚者・三つこぶラクダです)と同時に、土ぼこりで鼻をデレデレしながらの作業なのでした。

Go はるきらり Go!

4月13日に新品種(試験2年目)”はるきらり”播きました~。
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今年も十勝支庁で主催している”春まき小麦プロジェクト”に参加してみてます。
このプロジェクト何?ということですが、
1.パン用小麦(春まき小麦)の十勝での普及
2.それによる栽培の確立と商工業との連携を図る(先日給食にしてもらったようなかたちで)。
それで地元新聞社2社も来ました。上は愛称”かちまい”こと十勝毎日新聞。
それから、北海道新聞(掲載は十勝版です)に取り上げられました。
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十勝では帯広と音更の農家さんと本別と3箇所で実証実験をしている段階。でも、この品種が”春よ恋”の有事の時にはキラメキを放つはずです!”有事”とはあってはいけませんけど、収穫期の長雨や曇天によるアミロ値(パンの生地がべちゃつく原因)による被害の軽減ができると思います。
タンパクは若干、春よ恋よりひくいみたいですけど、ストレートに食べやすい品種じゃないでしょうか。
昨年は17日に播種、13kg近くで最終的にたおれてしまったので、今年は2kgダイエットの11kgぐらいでまいてみました。どうでるでしょうね。理由は実の大きさにもあります。実がぷっくり(ぽっちゃり?)タイプなので、子実一個を大きくするためにも、種の量は減らしました。
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”土煙をもうもうと上げながら~”という勝毎の記事どうり、今年の3,4月は乾きました。雪も平年よりもありましたけど、4月中旬は暖かかい日が続きました。困ったのは”自分のトラクターからでる土煙で、前が、前が見えましぇん・・・”
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江別製粉視察しました~。

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4月3日に農協青年部15名にて、江別市の江別製粉株式会社を訪問しました。
当農場の小麦もここで挽かれております。”はるゆたか”産地のお膝元であり、北海道産小麦の火付け役というか、今の道産小麦のブームとも言われる状態をつくりだしたのも、この会社なきには語れません。企業としても生き残りをかけて、北海道の小麦の普及に努めていく姿勢。幻の小麦(農家が作りづらい小麦はるゆたか)を地道に地道に守りつづけ、応援してきたのもここの製粉会社あってのことだと思います。
さて、毎年行なわれるJA青年部の事業の一つに管外研修(十勝から外)があります。いつも終着(執着?)地は”ススキノ!?”という恒例の1泊2日事業ですが、今回は部員から小麦事情についてということで、小麦の製粉工程はもちろん、”どうなる?これからの北海道小麦”ということで、激変する外国小麦の価格や安定的な生産にむけた産地の課題は?と題して江別製粉の佐久間様に講演をいただきました。
要は十勝の99%がうどん用やお菓子ようにむけたホクシン・きたほなみという品種。なら残り1%もない、パン用の強力小麦栽培はどうですか?とのお話。絶対必要だ。産地上げてと思う。だって1%ですよ。これだけ、毎日パン食べる人がいるなか、そりゃないでしょってくらいの寂しい数字。いろいろ問題点(政策的・作業体系的・品種的に)ありますけど、はじめないといつまでたっても一般に認知されないで終わってしまいそう。
だから、当農場も香味麦選シリーズなんですよ。いろんな小麦の顔(強力粉は3種)に、いろんな用途が考えられますから!
日本の小麦の自給率14%のうち、1%も満たない強力小麦。”ハンマーチャンス!”ってこのことでないかい?国の自給率50%を目指し、小麦生産量倍増計画が農林水産省で準備されてますけど、まづ何でもかんでも増やせばよいという考え方は危ない。
消費者の方からももっと、国産小麦でパンとかパスタとか食べた~イといってもらえるともっと良いですよ。
 それから、工場内の視察に。装置産業の製粉会社は大体同じ仕組みらしく、原料小麦を16%近くまで調湿したあと、ビルの最上階にあげてから落下式に、挽き割りながら製粉して、シフターやピュリファイアと呼ばれる機械で分類・統合されその製粉会社独自のブレンドやお客さん必要とする配合をしているのだそうです。機械たち。ブルブルとそりゃ凄い勢いで仕事をしてました。
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一粒から約60種類ぐらいに粉は分類されたあと、また2,3ラインにて集められて、ふすま(外皮)部分は牛さんの重要な栄養源となります。少量製粉ミルfshipも見学できました。こういう粉もんとかの工場みるといつも思う。”機械に粉とかつまったら最悪だな”って。乾燥機や調整ラインも作物の形状、水分などで角度がいろいろあります。最後は手作業になりますから。いかに機械を止めないで作業できるかがポイントなんでしょうね。
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 それから次の日は、札幌近辺ではよく目にする”北欧”というリテールベーカリーを視察。パン屋になりたい青年部員はいないんだけど、これまた小麦関連でとのことで視察。150種類もあるパンを4交代しながら管理。パン屋さんってすごいハードな仕事だと思います。ミキシング・醗酵・整型・焼成と工程も少なくとも3時間半くらいはかかるし。天然酵母のツナギともなるとなかなか眠れない日だってあるんじゃないかなと思う。こちらのパン屋さんは不況知らずで、売り上げも伸びているとのこと。確かに10時には人がごった返して、レジ前には長蛇のれつが・・・、いろんなパンがお手ごろな価格で提供されてます。
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道産小麦もキタノカオリをベースとしたパンがあり、もっと使いたいとのことですが粉の安定性、価格等がやっぱり導入の大きなネックとのこと。でも、10年前とは格段に大きなロットで扱えるパン適正は十分との感想をいただきましました。
ちなみにこちらには、パンの歴史館(入場料必要)があります。パンの歴史をしるのであれば勉強になりますよ。こうやってヨーロッパの昔の人たちはやってたんですね。日本は米ですけど。
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今回の研修の反省点はビール各社と食べ放題とジンギスカンを2日間、はしごしたこと?ですかね。死ぬほどジンギスカンとビールをいただいたのでした。

祝・日経MJ掲載 ”こむぎ”ビール

な・な・なんと、愛読紙?ほどではないですが、趣味でとってる日経MJに”春よ恋”ビールの”ヴァイテェン”が掲載されました~パチパチ。というより、商品案内欄ですので、きっと十勝ビールのほうで掲載をお願いしたに違いないなと思いますが、それでも全国紙に載せてもらえるとはなんともうれしいじゃないですか。直接ではないですが、”春よ恋”の供給もととしても名誉なことであります。
記事はこちら。
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”シュワ~っ”と桜の木の下で、十勝の風土を感じながら飲んでいただきたいと思います。
小麦”春よ恋”使用なんて、なんだかドキドキしちゃいますね。私だけ?

新品種”はるきらり”学校給食デビュ~!!

春小麦の新品種”はるきらり”学校給食としてデビュ~しました~!パチパチ。
十勝支庁が旗振り役となり、十勝産のパン用小麦の普及をもっとという取り組みとまずは、できたものを地元で食べてみようという運動から、”春まき小麦プロジェクト”通称?”春小プロ”が去年より発足しました。参加しているのは、音更町の農家と本別町からは私が参加しています。
今回は両町の間で、小中学生の学校給食として子供たちに提供されました。”はるきらり100%”で作ったコッペパン。子供たちにも喜んでくれたようです。
新聞でもとりあげていただきました。
北海道新聞  ”新種小麦のパン好評”
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十勝毎日新聞 ”児童ら笑顔でパクリ”
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新品種”はるきらり”の特徴なんですけど以下の点です。
1.パンが美味しい
2.小麦の品質低下につながる収穫時期の雨による、穂発芽が少ない。
3.タンパクは”春よ恋”とくらべると若干少なめの傾向がある。
私が”はるきらり”をつくりたい理由と感想。
1.新しいもの好き。なんでもやってみないとわからんですよ、良さも悪さも!
2.穂発芽しづらいとなると、品質や収量の安定化がはかれる。今年は春よ恋もよかったので差異なし。
3.パンの膨らみに影響はありませんでしたが、同じ肥培管理でもタンパクは若干下がる。”春よ恋”よりもしっとり、なめらか、ちょっと素直すぎる感じもする。美味しいですよ!
ここでちょっと、はるきらり物語について
”はるきらり”は”春よ恋”にとって変わるわけではないのですが、パン用小麦の美味しさはそのままに、収穫時期の雨による品質劣化を防ぐために投入されてきたのです。幻の小麦”ハルユタカ”はブランドとして有名ですが、考えてみてください。なぜ幻なのか?それは農家がつくりづらい=収量・品質が安定しないのです。うちの父も10数年前、ハルユタカを3年作って、2年は穂発芽させてしまい結果は1勝2敗。農業は天気商売といえ、消費者に農産物を届けられなければ、農家としての使命を果たせてないのです。
”ハルユタカ”を現在もつくっている方たちには相当な苦労や情熱があるんだと思っています。
ハルユタカ⇒春よ恋⇒はるきらり⇒新品種と味、香り、収量、品質と風土に合わせながら安定性をだしていく、そういった物語があるようで、はるきらりの家系図は
はるのあけぼの:市場にデビューしたが短命で終わった品種。実質農家の作付けほぼなし?

カナダの品種:名前はわかんないけど、やっぱり北米・カナダ産の小麦はパン用に向くのかしら

C****:北海道中央農業試験場の品種で病気耐性が強い
この三種を10年かけて、交配させて厳しい選抜試験と適正試験を重ねて出てきたのです。親の基をたどれば更に10年と、試験場の研究員のひとたちも人生かけて、北海道の小麦を北海道の気候や風土に合わせて良くしていこう!と意気ごんで地道な作業を繰り返してるんだと思うと、どの種も大切な種です。
長くなりましたけど、”つくるとこから、たべるとこまで”今まで分業で生産性ばかりおっていた(自給率を考えると追わないとダメなのも事実です!)、農業をどっかで見直すよい機会だったと思います。
まだまだ、点の動きですが、これが線の動きになれば、消費者も加工業者も農家もハッピーなはず、と夢みる今日この頃。
”はるきらり”の研究者の皆様、どうもありがとうございます!そして、春小プロのみなさま、どこまでやれるかわかりませんが、良い方向だけはむいている感触。今年も”キラリッ!”って光らせましょう!
あなたのキッチンからも”はるきらり”を光らせてください!
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溶かせ~ゆき~!

3月11日晴れ曜日。雪を溶かそうとしています。
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使うのは、肥料なんですけど”炭酸カルシウム(通称:タンカル)”チョークだとか、運動会のライン引きにつかわれる石灰石を砕いたもので、そのままだと真っ白なので、炭(墨)で黒く色づけしてあるのです。広く畑一面にまくとこで、日照量がより多くなり、雪解けが早くなるため今年のように雪が多いとしや春先の作業を早めたいときなどに有効です。豪雪地帯では、2~3回も分けて作業することもあるとのこと。あまりに雪解けが遅いと秋播き小麦なんかは、雪腐れ病や追肥作業の遅れにもなるし、逆に早すぎて雪がないと、凍害にあたる可能性もあるし・・・。丁度よいってどのくらいの雪なんでしょうね。
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トラクターにさらにタイヤをダブルに履かせての作業。接地面積を広げて、自重を分散するのが目的。通常、もっと雪の多い地域ではクローラタイヤといって、ブルトーザーとかショベルがはいているような、面長なゴムタイヤでやるのが一般的です。10m四方に約20~30kg(場所によって違う)ほど散布しました。大体黒くなっていれば良しとするくらいです。ただし、タイヤなので日中になると雪がザクザクして走りつらく、土をかいてしまうことがあるので、朝早くできるだけ雪が凍ってしまっているうちにやりたい作業です。
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散布して15分もしてくると、炭が雪で溶け出して黒い半濁模様が浮き上がってきます。これでOK。あとは御天と様に”晴れてね!”とお願いして作業は終わり。
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うちでは今年、春まき小麦(春よ恋・ハルキラリ)の作付けに対して主に融雪作業を進めました。春小麦は特に生育日数の確保が収量にも繋がると思っていますので、早く畑に入れることが条件になります。
今年はあまり、土壌の凍結も少ないような気がしますが・・・
とかいって、次の日に雪降ってきちゃったりして。”ありゃ、せっかくの作業が・・・”といっても、この時期は雪も早く溶けてきます。今年は”春よ恋・はるきらり”4月上旬には、播けるといいな~と思いながらの作業です。

“ヴァイツェン” 小麦ビールできました!

早いもので3月に入ってしまいましたね。
今年も畑仕事開始となりました。ビートの播種作業は後日として、コラボ企画始まりです。
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十勝ビールのその名も”こむぎ”ビアー。デビューです。今年、十勝は大雪。ですが、雪の中から♪シュワシュワっ♪と小麦ビールがひんやり、冷えてます。
”小麦でビールを作ろう!”ということで、十勝で唯一の地ビールメーカー”十勝ビール”社とともに、小麦のビールを作りました~パチパチ。小麦の付加価値創造を目指して、また新たな一歩です!
3月3日の北海道新聞にも掲載されました!記事はこちら↓
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ビールといえば、大麦なんですけど、小麦でもビールはできちゃうんですね~これが。
ドイツ南部でよく飲まれているそうなんですけど、その名は”ヴァイツェン”というそうです。
キャップに”Weizenヴァイツェン”の文字が目印。
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弊社の”春よ恋”を使ってもらい、1月後半から加工開始。まず、麦芽をつくることから。これが結構な手間と気遣いのいる作業なんですって。9日間、手作業で麦芽をつくり、半分くらい大麦と混ぜ合わせてできたのが今回のもの。ちなみに、小麦だけでは、加工作業上ビールはできないんだとか。麦の蛋白の含量とたんぱく質が糖分に変わる性質上、醸造加工がうまくいかないんだとか。へ~っと思ってしまった。
まづ、色ですけど、若干濃いめのオレンジともゴールドともいえる濃厚さを感じさせる。”白ビール”
なんても言われているみたい。
味は・・・”んっ、なんだこのバナナみたいなフルーティな味わいは?!”というのが第一印象。飲んだ後に、ビールの香りがフワっとくるが、飲み始めは”フルーティバナナテイスト”でカクテル系なのかなと錯覚してしまう。
十勝ビールの工場長、塚本さんも”従来のヴァイツェンと比べても、より香りとマイルドさがでましたよ”と話してくれた。従来のビールの”コクとキレ”とは一線をきしているビールのジャンル。
ほろ酔いどころか、”春よ恋”のビールに恋してしまい、酔ってしまった。
お求めは”十勝ビール”へ連絡を。
もうすぐ、春本番。春よ恋でつくった”こむぎ”ビールで良いスタートを”かんぱ~~い!”

日本穀物科学研究会でのお披露目

前回お話したおり、2月7日大阪、エコール辻にて第137回日本穀物科学研修会の例会・総会がありました。
 その中で製パンにおける国内産小麦の機能性の追求と題して、エコール辻の教授である吉野精一先生にデモンストレーションを取り入れた講義を行いました。136回の研究会では、今度デビューする超強力小麦”北海261号”の講習を引き継ぎ”じゃ、現状の小麦じゃどうなる、どうする?”といったところみたいでした。
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 パンの理屈とかにはまったく無知の私。ただただドキドキしながら”どうなるんだべか?”と思いながら様子を伺っていました。今回、作っていただいたのは一般的な中種法の角食パンと菓子パン(アンパン・金時パン)でした。
 菓子パンは中種(春よ恋)80%+本生地(ホクシン)20%のもの。フロアタイムというのを若干長め(40分)でとっていました。ミキシングは業界でも新しいやりかたのスタンピングミキサーというものを使用。この機械の特徴は日本古来の餅つき機を改良したものだそうです。国産小麦の場合、グルテンが壊れやすく水も入りにくいという性質があるみたいですが、この機械は従来のミキサーよりも空気、水がよく入る、グルテンを壊しづらい、短時間で生地ができる。ということでなんでも新しいやり方で会場でも興味深々とミキサーの周りに人だかりができていました。
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 角食パンは中種に春よ恋50%+キタノカオリ20%+本生地にキタノカオリを30%を加えて作ってもらいました。キタノカオリはその名のとおり独特の香りの強さがあり、粉もクリーム色のようなところがあるのが特徴。下は生地を整形する吉野先生。
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”アカデミックやりなさい!”とのアドバイスからも、粉の数値をしらなければ感覚だけで、経験がないとどうなるかわかりません。製粉会社からいただいた数値をもとに、現状をつかんでおくことも重要なこと。
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講習最後に、私も教壇に立たせていただき、品種、年次、風土、肥培管理、収穫時期によっても小麦は変わりますと説明。国産小麦の更なる使用が、農家自体の増産意欲をそそり、ゆくゆくは自給率の向上にも繋がるのではとお話させていただきました。農家がこの会に出席するというのは極めてまれなようで、実際、会場の多くの方が粉を扱う業体でしたが、小麦のまんまというお話はなかなか知らないことが多いと興味深かっかったようでした。
 前田農産の粉を使っていただき美味しいパンを試作していただいたことはもとより、多くの日本の小麦粉業態を引っ張っているリーディングカンパニーの皆様に出会えたのはなにより貴重なことだと思いました。大阪や関西にも、ごっつぅ力入れて北海道小麦を愛用してもらっているパン屋さんも沢山いることがわかり、まだまだ小麦ワールドの可能性をかんじましたね~。
吉野先生、エコール辻の皆様、感謝申し上げます!これからが日本小麦の見せ所です!
 実際、最後にわかったのは究極のところ、小麦も粉挽きもパンも最後はやっぱり人の手で違うということ。作り方やこだわりで相当違うと思いました。美味しいさ際立ちますね、プロの腕にかかると!