美味しいパン研究工房”つむぎ”からの贈り物

千葉の佐倉に、美味しいパン研究工房の「つむぎ」とパン屋さんがあります。
研究工房と名のとおり、パン屋さんでありながら、しっかりじっくりと小麦と向き合うオーナーがやっています。
 竹谷さんがそのオーナー。
パン業界では知らない方がいないくらい製粉や小麦研究に明け暮れてきた方です。
今回、ちょっとしたきっかけをいただき、平成23年度の当農場の小麦粉でパンを焼いていただきました。
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いづれも角食パン(一旦冷凍後送られてきました)
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①平成23年産 前田農産 春よ恋100%
②平成23年産 前田農産 ゆめちから50%+きたほなみ50%
③(コントロール) 1CW 100% フルフレーバー法
④平成23年産 前田農産 ゆめちから50%+きたほなみ50% フルフレーバー法
 注:フルフレーバー法とは、100%中種で中種にバターと練乳が入る製法のようです。
写真の③が大きいのは、パン型サイズの違いによるもの。
パンの品種による食べ比べは、小麦粉を販売するようになりよくやるようになった。
それぞれの小麦やその年の特徴がでる可能性もわかり、かつパン屋さんの技術がいかに素晴らしいかも素人ながら想像できる。
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結論から言うと、①の春よ恋が私たち家族では一番美味しく、香りも高く感じられた。
1時間発酵 吸水74% で見た目はパサつきを感じたが、独特のモッチリ感と香りの高さはやっぱり違いを感じさせる。
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②のゆめちから50%+きたほなみ50%が反対に味的には、素朴すぎるというより味気がなかった気がした。
1時間発酵、吸水68%。ゆめちからも、きたほなみも期待の新生小麦たちだ。美味しさを引き出すためというよりも、製法によっても潜在能力はアップするはずだ。フルフレーバー法の④と比べると味を本当に感じなかった。
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③1CW(カナダ・ファースト・ウィート)これが、いわゆる日本の食パンの原点麦であり、一番なじみのあるパンである。
吸水67%フルフレーバー法
つむぎさんに焼いてもらったパンは非常に食べやすく、美味しかった。きっとスッと考えることなく食べられる食パン。
焼き色も濃すぎず、薄すぎない美味しそうなパンの出来上がりだった。またハリというかボリュームがでたいよ~と主張している感じ。
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④ゆめちから50%+きたほなみ50%
吸水66% フルフレーバー法
②の配合と同じながら、美味しさは断然こちら側だ。
”中種にバターと練乳”という乳質が入ることによる味や生地の変化は大きいようだ。
③の1CWとも違う、味の美味しさがあり、ちょっと”あれっ今日のパンなんか違うな~”という印象が残る感じでした。
シンプルにわかったことは、
1.パンの美味しさはデンプンの質の美味しさ。
フランスパンのバケットが美味しいのはデンプン質に関係がある(竹谷さん)⇒品種特性ならびに土質や風土もまた起因するかもしれない。
2.製粉もまたパンの美味しさの重要なエレメント。
 タンパクが高いのはアミノ酸の量に関係するが、美味しさがそれとイコールではない。
灰分の数字によっても美味しさは変わる。きっと人間は食糧摂取のみならず、食事を美味しくいただくためにふすまのような雑味も香ばしさや美味しさの中にとりくめてるんだろう。
3.製パン技術も重要。
 それぞれの業態で美味しさを引き出すことは重要なことである。
 これは正直、難しい。職人でもないし・・・ただ農業の現場にもにているかもしれないな・・・。
 いつも思うがこういう活動はいろんな方にお願いをしたり、実際やってみたりすることだと思う。
正直言うと、毎年同じ作物を取ろうとも思ってないし、同じなわけないと思う。
自然の中での不自然はいつもあり、そのための安定性を出すために、育種の人がいて、我々生産者が土作りをして、製粉メーカーがより良いスペックにあわそうと努力し、パン屋さんが製造法を粉に合せてやっているんだと思う。
 つむぎの竹谷さん、大変ありがとうございました!!
今年のベーカリーキャンプお待ちしておりま~す!

マスヤパンの石窯ピザ職人に習え!!

12月7日の寒い夜。本別町公民館はホットな夜を迎えていました。
本別町役場、企画課主催による”ものづくりフォーラム”の第二回目が行われました。今回のテーマは第一弾の”讃岐の名人うどん“と同じ小麦粉を利用した”ピザ作り”体験。
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 職人は十勝のパン屋の異名をとる満寿屋パンの杉山社長はじめ、Mr地産地消係の杉山さん、天方シェフ。今回も大変楽しくできました。
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コンセプトはその町にしかできないピザ。
“ほんべつピザって何だろう?”とあらゆる食材をかき集めたのです。
下が今回使った材料
小麦粉 ゆめちから&きたほなみ (前田農産):マスヤパンの”十勝野クグロフ“にも使われています!!
黒豆きなこ (石臼匹十勝産)
豚ばら肉 (本寺畜産)小麦主原料の甘味ある脂が特徴
牛ばら肉&ソーセージ (福田農場)極力配合資料を使わないF1種使用
季節の野菜&黒豆(水煮)三井農場 やっぱり黒豆は鮮やかな色どりになる。
モッツァレラチーズ (幕別町ニーズ)
トマトソース (マスヤパンオリジナル)
バルサミコチーズ&バジル(市販)
といいうことで、コネコネの見本と練習開始。
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ゆめちから(強力粉)+きたほなみ(中力)+黒豆きなこということで、見た目もゴマもちのようで美味しそう。
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前回の”うどん打ち”のコネとどう違うのかを男たちは話・・・
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杉山シェフから一次発酵、二次発酵の説明。軽いもたれないピザの作り方のこつなどをおしえてもらい、実際に二次発酵させてた記事で、ピザ生地を早速丸くつくった。
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私の同期の彼女も、頑張ってトライ!ハート?ノンタン?デカパン?
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それから好き具材をトッピング。以外に美味しかったのが、ワサビチーズや味噌チーズ(本別渋谷醸造)のもの。ピリッと辛くて味がしまっていた。
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皆思い思いのほんべつの具材をのせていく。のせた後に玄関さきに駐車してあった石窯カーで焼いて食べてみる。黒豆(水煮)のトッピングの色が冴えてよかったところ。
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400度近くで、約3分ほど。上手に薄いピザだと1分半くらいできるそうだ。
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皆に”草履ピザ””ぞうきんピザ?”とさんざんダメだしされたけど、福田ソーセージと本寺畜産豚バラ肉、味噌チーズもまた良くあっていた。”ピザは熱いうちに喰え!!”との言葉どうり皆で試食。正直、どれも美味かった。やはり大衆の味で、皆で楽しさを共有できるのもピザの良いところだと思った。これはイベント性が大変あることが分かった。
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マスヤパンの杉山さん方、大変お世話になりました!!
役場の方達、アウルズの井上さんもお疲れでした!!
来年1月は”チーズ作り”だそうです。楽しみです。

森本まどかさんツアー2011

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10月17日曇り曜日、札幌のパン講師”森本まどか”さんの十勝ツアーが開催された。
前日から十勝入りし、満寿屋パン麦音店にて十勝の小麦を使った講習会をし、本日午前中に当農場にやってきてくれた。森本さんのアトリエはこちら→ポチ
総勢18名ほどで、皆さん無類のパン好き+森本さんの魅力的なパワーに引き寄せられ、遠く本別町まできていただいたこと、本当に感謝しているところです。また、家族にまでお土産をいただきまして、どうもありがとうございました。また”はるきらり”限定”ゆめちから”の小麦粉も手にとっていただきありがとうございます。
是非感想をきかせてください。
“はるきらり”なんかは、あのゴンドラ?にのって機械をメンテしたものです。
そういえば小麦を詰まらせて、派手にこぼした記憶がよみがえってきました・・・。
早速、黒大豆(祝黒)の収穫をしてもらった。
鎌をもってもらって、株を切り取り莢をとって、大豆を取り出してもらった。
その手の作業はプロっぽい方?もいたりして、食に熱心な方達と感じた。
北海道といえども、農業というよりまだまだ農家との距離はあるんだなとも同時に感じた。
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 それから、ビートを収穫してもらい、砂糖はやっぱり”ほのぼの印”の北海道製糖のグラニュー糖を指名買い?!してもらうお願いをした。念入りに。
 次にパン用品種「ゆめちから」の畑を案内。
冗談混じりすぎの?、小麦の裏側を聞いていただいた。
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生産者は往々にして、”消費者は分かってくれない!”と思いがちだが、それは大きな間違い。
我々自体が消費者に近づこうとしてない実態もあるのかもしれない。
 それから本日のランチを、満寿屋パンの杉山さん、天方シェフにお願いして、石窯でピザをやいてもらった。
「きたほなみ」&「ゆめちから」のゴールデンバランスでブレンドされたピザ。美味しい!絶賛ピザ!
それから、お腹の大きいうちの妻の自家製白金時の野菜スープ。冷えた体に温まるスープだった。
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 皆さん十勝の新発見が多くみられたようで楽しそうだった。
また森本さんの今回のツアーは”フードバレー十勝”(帯広市の事業)の一環のツアーで、今回が4回目。
うち今年は3回当農場にツアーの方々がきてくれたことになる。
全然気にしなかったが、いろいろやってる感じがわいてきた。
十勝や農業の魅力発信になっていれば当農場としても嬉しい限りだ。
早速、地元の新聞にものっていましたよ~。
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 是非またお越しを!もっと楽しい企みをしていますから!!!
 

キタノカオリの底力

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今年の小麦の不思議はキタノカオリから始まりました。
7月下旬にスタートした”ゆめちから””きたほなみ”が細麦傾向だったので、”キタノカオリお前もか~”と思っていましたが、非常に良い小麦に仕上がってくれていたのです。
 8月2日にロクロクエンジン始動。
本当なら1日で作業は終わりますが、できるだけ日光の当たりづらい林側のほうの生麦を完熟化させたいということで3日は自然乾燥において、8月4日に収穫を完了。結局今年の秋まき小麦は雨に一回もぬれず収穫。記憶にないくらい順調に秋まき小麦兄弟の収穫作業は終えました。あれ、トラブッてない?!どっかなかったかなと探すくらいの。
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 収穫はいろんな方達に応援してもらいましたよ~。
江別製粉の方、十勝でもインデペンデントなお菓子作りの匠、モントレゾールの小川さん、帯広はるこ“>まベーカリーの若手ブーランジェの青木さんと、妻と長女も。この二人はいつも応援してくれているはずですけど。
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 とにかく北海道の小麦粉ですからまずは地元から知ってもらうことが重要だと思います。美味しいパンやケーキを作る人は大勢います。その人たちに北海道の小麦って、うちの小麦って今年はこんな感じなんですと伝えられることが大きなモチベーションとなって明日の生産に励めるようになるんじゃないかと思ってます。
今年は運よく晴れ日もおおかったのもありましたが、楽しでもらって何よりでした。
 
 さて、お題にあるように”キタノカオリの底力”ですが、なぜ良くなったのか実際にはまだつかめてません。
晩生の品種にとっては最適な気候に推移したのかもしれません。一昨年平成21年は大雨、去年22年は猛暑、今年23年はプチ猛暑?だったのかもしれませんが、過去2年は収量もとれず、21年は品質の面でも弱含みなところもありました。今年は収量と品質共に期待できそうです。
 
 唯一気になる点は、フォーリングナンバー(FN値)という小麦のデンプン質検査。粘性をみるのですが、穂発芽すると粘弾力がなくなりFN値がなくなります。こうなると、生地ダレや麺のブツきれの発生となり後の製品に悪影響をだします。キタノカオリの場合、収穫時の雨にあたらなくとも、登熟期間のなかでの低気温の発生状況によっては、このFN値が上がらない現象がおきるという、非常に繊細なというか感じやすい品種になってるんです。
受粉時期からいままでそんなに高温推移でなかったのでもしかすると、FN値が基準を満たさない可能性があります。しかし、低温登熟による低アミロかもしれません。容積重(胚乳のつまりくあいを意味する)が高く、外観もよいとすればFN値がどうなるのか検査結果がたのしみなところなんです。
 カオリちゃんの話はたびたびしますが、ヒヤヒヤさせられる”ジャジャ麦娘”のようにかんじるところがあります。
とにかく機嫌をいっきに損ねる。そうでなくても気温によっては品質に影響がでます。今年は昨年と比べると品質+量があるということで安堵しています。
 でもこのドキドキ感と緊張感を持たせてくれるのが、カオリちゃんのいいところなのかもしれません。
これからきっと希少性のある小麦になるかもしれませんが、それでもこのカオリちゃんのファンは熱いです。
なにか職人魂というか、パンを作る人のハートをつかむ美味しさと面白さを兼ね備えているようです。
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調整後のキタノカオリの写真。今年はゴツゴツとしながらも綺麗に膨らみました~。
今年も秋まくからね~。来年も元気にとれてね~と願いをこめつつ。
今年のカオリちゃんの底地力に感謝するのでした。<  

ベーカリーキャンプ2011開幕中です!

7月19日から十勝にてベーカリーキャンプ2011が開催されています。
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2日目の20日は小麦ツアー、チーズツアーが開催されました。
小麦ツアーでは、山本忠信商店さんの製粉施設、本別町農協の施設、当農場の圃場を参加者に見て頂きました。
12時の昼食時には両ツアーを合わせた総勢60人ほどのお客様たちが、農場の倉庫前に大集合。
朝からますやパンのスタッフの方々、トムエンタープライズのスタッフの方、農場の従業員が
準備をしてお待ちしていました。
農場のスタッフ松本さん手作りのドラム缶窯とますやパンさんの石窯号で
焼きたてのピザを味わって頂きました。
ピザ生地は前田農産のゆめちから3割、きたほなみ7割の配合で
さくらんぼ酵母で長時間発酵させたもの。
ますやパン天方シェフのトッピングは
トマトソースのマルゲリータ
ホワイトソースのベーコンとじゃがいものラクレット
ズッキーニと鳥肉のジェノベーゼ
の3種類。。。。
モチモチの香ばしい生地に十勝の幸をたっぷり載せてあります。
豪快に焼くそばから切り分けて、アツアツを皆さんに食べて頂きました。
他にも本別産の各務さんちのトマトや、
私が思い立って作った、本別産小豆のおしるこ、紫花豆の煮豆などを
楽しんで頂きました。
私もひたすら、トマトとピザをサーブしていて、
ほとんど写真がありません。。。。ごめんなさい!
気づいたら、お客様たちは食べ終わっていました。
今年何度も試作したので、窯焼もプロの域の農場スタッフの松本さんと竜二くん。
ますやパン杉山社長自らも焼いてくださいました。
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満腹の後・・・は収穫に向けて熟成中のキタノカオリの畑へ
小麦ツアーに出発しました。
その様子は追ってお知らせ致しますね!
※今年のベーカリーキャンプへの参加募集は終了しております※

キタノカオリ開花!

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秋まき小麦の中でも明らかに、ゆっくりペースのキタノカオリ。
6月22日から24日にかけて、開花期を迎えています。
23日夜~24日にかけて曇り/雨予報。
どうにかうまく受粉してほしいなと祈りつつ、防除を行いました。
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また、キタノカオリはここからが正念場。
受粉から成熟期までの気温が低かったり、収穫期の雨は大嫌い!
ヘソを曲げるくらいなら許せますが、グルテンといってパンや麺の粘り(伸縮性)の成分が変異して生地ダレや麺の繋がりを悪くすることになり、後でパン屋さんに迷惑かけることになりかねません。
かといっても、天気は神のみぞ知る。
ということなので、天気予報と収穫時期をにらめっこしながら、8月上旬の収穫に備えます。
去年は収量こそ激減してしまいましたが、天気は成分の安定を測ってくれて、なお且つ収穫日も最高の日取り。
ここ近年では一番の出来に自己満足です。去年は良かったよ~こちら→ポチ
頑張れ~キタノカオリ~!粘れ~キタノカオリ~!!
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春よこ~~~い(恋)!!

今年もパン用人気小麦No1(当農場で)の「春よ恋」の種まきが始まった。
そうです、パンは小麦からできるんです。畑からできるんですね~これが。
2、3,4月初旬まで、かなりの水準で温かい冬の日が続いてきた。
しかも、昨年12月23日にしっかりとした雪が降ってからというもの降雪量も少なく(平均50cm少ない)。
かなりのペースで土は乾いてきました。
 春小麦は短期決戦型の作物。
生育日数をやっぱり稼ぎたい。
平成22年(2010年)のように、猛暑から実が早くできてしまう細麦になるような状態も今後の気候変動にはオンしておかないといけないのかもしれない。
対策はというと、やっぱりそれまでにしっかりとした体つくりをして、いくらかでもその影響を受けづらくするほうほうくらいしか見当たらない。ということで、いつもより早い種まきに取り掛かった。
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4月5日
 肥料を播いてから、トラクターに爪(深耕爪)をつけて畑に空気を入れることから始めた。その深さ約40cm。
約40cmくらいの深さで爪が入り込み、このクラストから空気や水が入りより地温を上げる効果がある。
この作業は絶対必要だと思っていて、まづ劇的に土の細土(さいど)が良くなる。
施工した瞬間は分からないが、その後の整地作業では効果は劇的にある。
ポロポロと土が軟化するというか、全体的にこなれやすくなる。
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4月7日
 最初の畑に整地と種まき。種がやや青っおくみえるのは種子消毒(殺菌剤)がまぶしてあるから。
ここの畑は昨年、ビートをまいたところ。
畑の約30%をプラオで土を天地返してあり、約60%をWソイラで深耕作業。残りの30%は秋ぬかるんで作業できず収穫後そのままの状態だった。
ということで、ちょっと考察。
1. 深耕(Wソイラ)+耕起区(プラオ)いづれも秋施工
 土がほぐれているせいなのか、水持ちがよくなり春先の深耕作業は逆に遅くなった。
 雪解け水が蒸発率(もしくは表面を流れない)が低いせいか、より水分を持った感じ。
しかも凍結がきついところも。秋口の水はけを考慮したつもりだったけど逆効果なのかな?
理由は寒くて蒸発する水分がすくなく、土中に貯まりやすいから。見た目はきれいなんだけど・・・・。
2.深耕区のみ
 意外と乾きが早く、すんなり作業ができた。ちょっと砂利がかんでいるところもあったので水はけも良かったのかもしれないが・・・。
3.そのままほったらかし区
 前年11月8日の雨前にどうにかビート収穫を終了したのち、かなりぬかるむようになりそのままの状態。
4月5日でははいれず、翌日4月6日に深耕作業を行う。枕地(トラクターが旋回する区間のことの農家語)周辺はかなり硬くなっていたが、二度施工し土をほぐした。
ということで、あとは生育の違いを見るべし。
それと全体の畑が乾いているわけではない。
防風林や山の影、ビートの集積場としてつかった部分は全く近寄れないくらい、ズブズブの状態だ。
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 今年は面白い光景をこの畑では見れた。
普段は全く水はけに問題がないこの畑の中央を、一本の水道のような模様が何日も浮かび上がっていた。
「あれ~なんでだべ?なんにもしてないけど・・・」と悩み、畑のオーナーに聞くと
「あ~俺が歩くスキーで散歩したあとだなぁ~」と。そんくらいじゃならないんだけどと思ってきくと、
「雪がふかふかして歩きにくいもんだから、一回トラクターで除雪したんだわ。」
これが今回の謎のキーでした。
 なんと布団代わりの雪を真冬にはぐって、道をつけたもんだからそこの通りだけ冷気と水分が入り込み凍結を起こしたということ。結果、深い凍結がその部分だけ入り不思議なXファイル農家版みたいなことになったわけです。
雪ってありがたいですね。どうりで、早くに雪が吹き飛んでしまった小麦が枯れてしまっているのが良く分かりました。物凄い寒風が吹きすさんでいるんです。
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 と前段ながくなりましたが、種まき開始。
今年は実験に9kg~13kg/反の種まき量でやってみた。
肥料はN基肥(種まきと同時にやる最初の肥料のこと)を8~9kgで設定。
あとは成長に合わせてやろうと決めた。
 その後ローラーをかけて表土を抑えた。特にプラオ区はフカフカ過ぎて根つきが悪い印象があったし、今年の種まき時期はなんせ乾燥していた。土中の水分を呼び込みたいのも狙いだったが、まさか4月23日にドシャブリの雨になるとは・・・隣の足寄町でも70mmだから、ほんべつでも60mmはふったと思う。夜なんか暴風雨だった。夕方からの雨はシットリと美しいほどの雨だったのに、夜に豹変していた。
 ちょっと脱線したが、種まき作業はビートを堆積してあった場所以外はスムーズに進む。
特に山影や防風林の影は雪解けも遅く、ビートパイルの場所はカチンカッチンで大きなトラクターでもびくともしないくらいかたい。そこは作業は後回しということで、できる範囲で作業を進めた。
 は種日があまりにも違うと問題が起こる。
管理する面では、受粉時期の防除や収穫期にも影響を及ぼす。
しかし、1部の小麦のために、全体の作業をやらないというのも経営にとってはリスクだ。
天気や土壌条件が許す上での、仕事の優先順位が農業だから。
ということで、4月8日にまいた圃場は、一部は4月16日になってしまった。
この違いはどうでるんだろう?
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 4月26日やっと見えるくらい”春よ恋”は発芽してきた。
“ホォ~~~~(汗)”っとするんです。この時ばかりは。
今年は4月中旬の温度が寒く、乾燥していたせいもあってなかなか発芽がみられない。
毎日土ホジッてみて、発芽はしてる。でも出てこないという日々が4月20日くらいから続いていた。
えらい、地上にでるまで時間かかったね~。
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暖かくなるまでジッとしている春よ恋。
 これからの天気に期待してますよ。
ツツジも蕾を得て、水芭蕉もきれいに咲いてます。
 春の準備全開です。春よこ~~~い(恋)!!
 

Dream can Pizza true(ドラムカン ピザトゥルー)?!

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4月1日
ドラム缶をピザ窯に変身させたのでした~パチパチパチ~。
季節も新年度の始まり。
改めて皆で仕事とその成果を実感してみよう!とちょっとづつ準備しました。
 さてドラム缶でピザ窯なんてことができるのか?
できるんですね~これが。
是非ご自宅でDIYしてみてください。
1.まず使い古しのドラム缶(200L)を準備します。
注意:オイルは必ず空っぽにしてください。
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2.ピザ窯口と火口を作ります。
要注意!!:ドラム缶の給油口はもちろん、予め水を入れたりしてなかのガスやオイルを抜き取ってください。
    どうしてかというと、サンダー(切断機)や酸素切断機を使うさいに火花が飛びちります。
    外はいいのですが、ドラム缶内部に入った火が中にたまったガスに引火し、爆発する恐れがあるからです。
    知り合いの友人がこれで、鼓膜を破ってしまったと聞きました。非常に危ないです。
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火花は熱く、”アチっアチっ!”となります。特に目の玉は保護しとかないと危険です。
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3.ピザ窯内部に置く、耐熱煉瓦の置き台と置き火台を作成します。
  今回はドラム缶といえども本格的なものを作りたかったので、耐熱煉瓦を備前焼の岡山県から取り寄せました~。
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4.”ドコデモカマ~”とドラえもんのように言いたくなる補助輪つきの荷車を作ります。
  廃材を利用。使えそうで使えない?いろんなものがある農家。使い方は自分次第。
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5.出来上がったら色を塗ります。今回は子供たちの芸術的?作品に仕上げてもらいました。
  下絵を描いて、”ピザ窯は爆発だ~!!”と言える?
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6.ピールって知ってます?あのピザ窯にピザを入れる時の棒に平板がついてるやつ。ピールって言うんですって。
  これは使い古しのスコップを利用。
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  セコイっ!というより、長年土を掘って掘って掘りまっくった、先がすっかり  丸くなってしまった剣さきスコップ。これにまた命を吹き込みます!
  スコップ部分を切断、鉄板を約30cm角で溶接しました。
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  命名:スコッピール!
7.それから本格ピザ生地をコネコネして、寝かしておいて伸ばして、トッピング。
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皆で育て作った当農場の、”春よ恋”と”キタノカオリ”で試作。
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 スコッピールに生地をのせますが、やっぱり鉄板(アルミでもなく、木でもない)なので、生地がつきやすい。
なので、打粉は必要。
  味は?メチャ、メチャ、メチャンコ、美~~~~~味い!!
  正直こんなに美味くできると思ってなかったです
おいしぃ~~~~!!!と子供たちも最高喜んでました。いくらでもイケる!そんな感じ。  
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スタッフも家族も皆笑顔で、皆手作り。小麦粉も一年かけて作った貴重なもの。
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 全て自作自消になってますが、これでもっと楽しいことができればなと早速2号機に取り掛かるのでした~。
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 ドラム缶で本物ピザをもじって、”Dream can Pizza true!!”。
夢もピザも膨らみます!膨らみすぎて爆発するのもあったり?
ドラムカン・ピザトゥル号と命名しました~!!大成功!!   

ルヴァン種はキタノカオリ by akiko

先週、土曜日からビートの苗作りが始まっています。
順調に進めば、明日までの予定です。
アルバイト、社員、家族総勢12名がハウスで働いています。
あぁ、いよいよ春が来たと思います。
まだまだ風は凍るように冷たいのですが。
昨日、社団法人日本パン技術研究所のN様より本を送って頂きました。
「ジェフリー ハメルマン氏による アルチザンブレッド
      ‐手作りパン製法の真髄‐」
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が同研究所、株式会社J.I,Bより出版されたそうです。
おめでとうございます。パチパチパチパチ~!
こちらの本は同研究所が開催した
「ジェフリーハメルマン氏によるアルチザンブレッドサミナー」にて
デモンストレーションされた実技や講義内容がまとめられた本です。
この記念すべき本の
P96ページの原材料のページに
「キタノカオリ全粒粉 前田農産食品合資会社」とあります!
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P31~のルヴァン種がキタノカオリ全粒粉で作ってくださっています。
そもそも、同研究所のご出身である、
「カフェ ダブリエ」主宰の森本まどか先生のご紹介で、
〝地元産の小麦粉〟として、推薦して頂き、講義に使って頂いたのです。
本書の中でもハメルマン氏が述べていますが、
一部ご紹介すると・・・。
プラス面では、新鮮(挽きたて)で、風味豊かで栄養価が高いこと
そして、消費者の興味をひき、他のベーカリーとの差別化になること。
マイナス面では、その年により品質や量がバラつきがある
など、言葉も添えられています。
奥様が日本の方で、通訳や翻訳をされており、
北海道へも訪問されたことがあります。
ハメルマンご夫妻と茂雄専務、一昨年の秋、
ご一緒する機会がありました。
パンを愛する匠たちとともに
ジェフリーハメルマン夫妻との宴
ご縁の繋がりに感謝感謝です・・・。

天方シェフの出張パン教室 IN 本別 by akiko

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朝晩は冷え込みますが、だんだんと日差しが暖かくなり、
畑の雪も少しづつ厚みが薄くなっているようです。
ユメチカラの葉も少し見えています。
今日、〝ますやパン 天方シェフの出張パン教室 IN 本別〟
我家でこじんまりと開催しました。
ますやパンさんと言えば、十勝のソウルフード。
お母さんが子供のために買って・・・自然と子供の好物になって、
その子供が大人になって、また自分の子供に買ってやり・・・
そんなお母さんの味のするパンです。
    ***munu***
前田農産のきたほなみのブリオッシュ
       
春よ恋×きたほなみ×キタノカオリのフランスパン
十勝黒豆きな粉スコーン
       ***
の3種類を教えて頂きました。
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昨年の秋にきたほなみのブリオッシュを教えて頂く約束をして、
実現したのでした。
天方さんの休日を割いてくださって・・・ご家族の方々、本当にすみません。
せっかくの機会なので、友人に声をかけて、
パン教室をしているYさん、音更町で畑作農家のSさん、無農薬の畑作農家のNさんが来てくれました。
「これは前田農産さんのきたほなみを使いたくて、研究したレシピなんです。」
「今度は前田さんが他の方に教えてくださいね~」
と熱いメッセージをどーんと頂きました。
人数分のボール、計量した材料などをすべて、準備してきてくださっています。
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参加してくれたお友達も
「職人さんから学べるなんて貴重!」
「職人技を家庭でも応用できるポイントが分かりやすかった。」
「こういう時、どうする?という今までの疑問が教えて頂けた。」
「小麦粉の個性がよく分かった。」
「とにかく美味しくて幸せ」
などなど大好評でした。
天方シェフはますやパン麦音店でも講習会を開いていらっしゃいます。
ご興味のあるかたはぜひ・・・。
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焼成を待つブリオッシュ
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焼きあがったブリオッシュ。
ふわんふわんです。
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しっとりとした和菓子のようなスコーン。
本日の私が用意したランチ・・・
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タンドリーチキン パプリカ添え
金時豆とポルチーニ茸のコンソメ煮
野菜サラダ
美味しいパンと一緒に美味しく頂きました。
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現在、きたほなみ、完売中です。。。申し訳ありません。
H22年産の製粉を待っております。
 
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Sさーん♪ タンドリーチキンの簡単ですがレシピです。
***タンドリーチキン***
鶏モモ肉 6枚
ヨーグルト 半カップ
塩  適量
カレー粉 適量
ショウガ 大さじ1くらい
ニンニク 一片
パプリカ 2個
①鶏もも肉を適当な大きさに切る。
②塩をもみこむ。
③すりおろしたショウガ、ニンニク、カレー粉、ヨーグルトでさらに
もみこむ。
④冷蔵庫で一晩漬け込む
⑤油を引いたフライパンで皮目からこんがりと焼き、両面焼けたら、
一口大に切ったパプリカも入れ、アルミホイルで軽くふたをして、中まで火を通す。
塩加減を見て、味を調える。
塩は気持ち多めにすりこみます。
カレー粉は子供も食べる場合は、少なめに、
辛口が好みなら多めに、小1~2くらい。
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