12月7日の寒い夜。本別町公民館はホットな夜を迎えていました。
本別町役場、企画課主催による”ものづくりフォーラム”の第二回目が行われました。今回のテーマは第一弾の”讃岐の名人うどん“と同じ小麦粉を利用した”ピザ作り”体験。
職人は十勝のパン屋の異名をとる満寿屋パンの杉山社長はじめ、Mr地産地消係の杉山さん、天方シェフ。今回も大変楽しくできました。
コンセプトはその町にしかできないピザ。
“ほんべつピザって何だろう?”とあらゆる食材をかき集めたのです。
下が今回使った材料
小麦粉 ゆめちから&きたほなみ (前田農産):マスヤパンの”十勝野クグロフ“にも使われています!!
黒豆きなこ (石臼匹十勝産)
豚ばら肉 (本寺畜産)小麦主原料の甘味ある脂が特徴
牛ばら肉&ソーセージ (福田農場)極力配合資料を使わないF1種使用
季節の野菜&黒豆(水煮)三井農場 やっぱり黒豆は鮮やかな色どりになる。
モッツァレラチーズ (幕別町ニーズ)
トマトソース (マスヤパンオリジナル)
バルサミコチーズ&バジル(市販)
といいうことで、コネコネの見本と練習開始。
ゆめちから(強力粉)+きたほなみ(中力)+黒豆きなこということで、見た目もゴマもちのようで美味しそう。
前回の”うどん打ち”のコネとどう違うのかを男たちは話・・・
杉山シェフから一次発酵、二次発酵の説明。軽いもたれないピザの作り方のこつなどをおしえてもらい、実際に二次発酵させてた記事で、ピザ生地を早速丸くつくった。
私の同期の彼女も、頑張ってトライ!ハート?ノンタン?デカパン?
それから好き具材をトッピング。以外に美味しかったのが、ワサビチーズや味噌チーズ(本別渋谷醸造)のもの。ピリッと辛くて味がしまっていた。
皆思い思いのほんべつの具材をのせていく。のせた後に玄関さきに駐車してあった石窯カーで焼いて食べてみる。黒豆(水煮)のトッピングの色が冴えてよかったところ。
400度近くで、約3分ほど。上手に薄いピザだと1分半くらいできるそうだ。
皆に”草履ピザ””ぞうきんピザ?”とさんざんダメだしされたけど、福田ソーセージと本寺畜産豚バラ肉、味噌チーズもまた良くあっていた。”ピザは熱いうちに喰え!!”との言葉どうり皆で試食。正直、どれも美味かった。やはり大衆の味で、皆で楽しさを共有できるのもピザの良いところだと思った。これはイベント性が大変あることが分かった。
マスヤパンの杉山さん方、大変お世話になりました!!
役場の方達、アウルズの井上さんもお疲れでした!!
来年1月は”チーズ作り”だそうです。楽しみです。
カテゴリー: ゆめちから
正夢の “ゆめちからフォーラム2011in東京”
11月28日、ホテル日航東京にて、フォーラムが行われた。記事はその時のもの。
「ゆめちから」を核とした国産小麦、米粉の展開
‐革新的パン用小麦、米粉用水稲用品種開発、米粉調整技術による新規需要創出に向けて‐
主催は、農業食品産業総合研究機構(農研機構)
後援は、農林水産省、全国農業協同組合連合会、製粉協会、日本ンパン工業会他諸々関係機関。
参加者:370名/400人募集くらい
講演は多義に渡った。
1.十勝地域の食産業の取り組みを”フードバレー十勝”として紹介:帯広市 米沢市長
感想:十勝のトップセールスマンに感じた。良いことばかり言う市長ではなく、税金がその町や市におち、雇用が生まれ継続することがこのフードバレーの最大の目標でもあるのかもしれない。でも感覚的には十勝住民は十勝が大好き。誇りに思っていることが多いのでうまくいくと思う。私もそういう感覚がDNA的にある。
2.政府や北海道の特に麦チェンの施策についてを:農林水産省生産局と北海道農政部農産振興科
感想:国は現在の90万tの小麦を2030年に180万tに倍増するという。ここで問題が二つある。一つはそれは年一作の北海道の役目にはならず、全て本州の米の裏作(この言葉自体好きじゃないんだけど)に小麦を作った場合の数字。またこれが全て、うどん用中力だと市場は飽和し価格破壊が起こること。だから今回の”ブレンド用ゆめちから”に期待しているのです。でも自給率も14%⇒30%にするという政府の言葉でいうと”意欲的な政策数値”意欲的?ってだれの?もっと意欲的ということばじゃなくて、本来の食糧確保としてやれる対策は今他にあると思います。それが”見た目の等級検査”の撤廃とか。これだけで地域は意欲的になれますよ。もっと現場、現場、現場の声聞いてください!!
3.小麦の全国での品種開発と研究状況:農研機構の麦研究領域長
ゆめちからの品種開発背景:北海道農業研究センター西尾氏
感想:スンゴイ小麦を見つけてたのはこのパン用研究チームの皆さま。縞委縮、赤カビ、倒伏と農家を助け、超高タンパクとその内側はリレーでいうとジャマイカのボルトみたいにぶっちぎりの強さで、他品種(きたほなみ、全国の中力粉、米粉)をパンにしちゃう凄さがありますよね。でもこれからの品種改良も楽しみですよ!日本の小麦はこういう熱き育種研究者にかかってます!
4.現地圃場における「ゆめちから」「きたほなみ」の特性と今後への期待:前田農産(私)
今回主催者側を一番心配させたプレゼン。67枚もスライドあったから、1時間くらいかかるんじゃないかとご心配をかけました。でも時間通りに終了~。ふ~汗。とにかく日本の小麦はこれからがますます面白くなって、それに伴って慣例の検査基準の見直しがあったらもっと、国産を望む人達のためになるんじゃないかなぁ~という提案。”ゆめちからは素晴らしい!”というのが最終見解。今回は北海道や十勝の多くの関係者や集っていて、北海道の産地としての役目ってこんなに大きいのかと肌で感じ、また会でも応援していただいた。感謝申し上げたい。
5.「ゆめちから」の各種ブレンド粉の製パン適正:日本パン技術研究所 原田氏
今回、最も会いたかったプレゼンターの1人。国産小麦を大量生産ラインでテストしながら美味しいをつくるのを研究してる中では最前線にたつ人だと感じた。でも安心。こういうパン研究者がいるから、農家が毎年は種前契約をさせてもらって、ちゃんとその量がはけてるのかもしれない。
6.米粉品種開:稲研究領域上席研究員
米粉の製造法:北海道農業研究センタ- 船附氏
船附さんも”どうにか米粉のより普及を”と熱くなってるひと。ちょうどこの日の日本農業新聞にも研究成果が記事になっていてメチャメチャタイムリーな感じでした。製粉法による米粉パン利用の発表。グルテンなしても米粉をふっくらパンにできるという発見者。
7.「ゆめちから」と中力粉のブレンドや米粉を用いた食品開発事例
㈱満寿屋 杉山氏:日本で敷地面積の一番大きく、十勝産小麦100%の店舗”麦音”をもっているのはここだけだと思う。私も杉山さんに会わなかったら、今の活動してなかったかもしれない。パン屋というよりは十勝パン伝道師だ。
全日本パン共同組合 福井氏:給食に国産パンがでたらそれは素晴らしいこと。全国では無理でもまず小さな自治体から取り組むことが重要だと思った。いろいろ制約あるが食と農を近づける意味では最重要なところ。
ヒガシマル醤油㈱:実は”ゆめちから”兵庫ではお醤油に変身してます。この高タンパクが生みだす美味みが絶品なんだそうです。7月には生産者さんたち15名くらいで前田農産の”ゆめちから”を視察してもらった。もちろんパン用にも十分に使える品種。栽培のネックではなく、パン用小麦としての等級検査の問題が現地でもあがっているようだった。なんで色や見た目できめる審査になっているのか。この国の食糧事情と役人感覚はこれから頻発する国際情勢を切り抜けられないことは間違いない。誰か助けて!!
シロクマ製パン:札幌でリテール”レモンベーカリー”と冷生地パン製造をてがけている。もちろん製造業からの要望は、”量、品質、価格”だ。これも大規模化で対応すべきことだが、日本の小麦価格は外国産小麦の情勢次第なのだ。まずは、円高でも海外産小麦価格が下がってこないと日本産も安くするのは困難だろう。でもこちらの和菓子パンは美味しそうだった。この和菓子パン”ばくべい(麦米)”という産官学連携の開発米粉×小麦になっている。
ドルチェ・ビータ 安孫子氏:こちらの米粉、デンプン、砂糖、卵、牛乳、どの食材をとっても道産にこだわりつくしたバームクーヘンは正直、”こんな美味しいのか!!”と悔しさ?と嬉しさがにじみ出るものになっている。是非一度皆さんにたべてほしい味だ。
全体の雰囲気は、”ゆめちからの期待度120%!!!”。
でも冷静に考えると、”品質の安定した美味しいふくらし粉”の役目なんだと思う。
もちろん小麦粉としての特性、栽培上の特性も群を抜いてすばらしい、あとは普及を考えると原麦の検査だ。
本当に普及するかどうか、とにかく来年収穫の”ゆめちから”を良いものを作って多くのユーザーを獲得することが一つ。
もうひとつは、それを国の等級検査が適正な基準値を認めるかどうかだ。
ホント俺の代のうちにこの制度は変えないといけない。
”人間だって見た目じゃない!中身だ”と「ゆめちから」は叫んでいるに違いない。
最後に、十勝では300haくらい播かれてるんですって。楽しみですね!!
でもJAの方まで、ちょっとブサイクな外観を心配してますね。市町村全体で取り組むなら、足踏みしちゃいますよ。
でも家は違います。見切り発車?!という先行投資?なんです。パン用小麦の供給力が少しでも増えるならやるしかないんです。
森本まどかさんツアー2011
10月17日曇り曜日、札幌のパン講師”森本まどか”さんの十勝ツアーが開催された。
前日から十勝入りし、満寿屋パン麦音店にて十勝の小麦を使った講習会をし、本日午前中に当農場にやってきてくれた。森本さんのアトリエはこちら→ポチ
総勢18名ほどで、皆さん無類のパン好き+森本さんの魅力的なパワーに引き寄せられ、遠く本別町まできていただいたこと、本当に感謝しているところです。また、家族にまでお土産をいただきまして、どうもありがとうございました。また”はるきらり”限定”ゆめちから”の小麦粉も手にとっていただきありがとうございます。
是非感想をきかせてください。
“はるきらり”なんかは、あのゴンドラ?にのって機械をメンテしたものです。
そういえば小麦を詰まらせて、派手にこぼした記憶がよみがえってきました・・・。
早速、黒大豆(祝黒)の収穫をしてもらった。
鎌をもってもらって、株を切り取り莢をとって、大豆を取り出してもらった。
その手の作業はプロっぽい方?もいたりして、食に熱心な方達と感じた。
北海道といえども、農業というよりまだまだ農家との距離はあるんだなとも同時に感じた。
それから、ビートを収穫してもらい、砂糖はやっぱり”ほのぼの印”の北海道製糖のグラニュー糖を指名買い?!してもらうお願いをした。念入りに。
次にパン用品種「ゆめちから」の畑を案内。
冗談混じりすぎの?、小麦の裏側を聞いていただいた。
生産者は往々にして、”消費者は分かってくれない!”と思いがちだが、それは大きな間違い。
我々自体が消費者に近づこうとしてない実態もあるのかもしれない。
それから本日のランチを、満寿屋パンの杉山さん、天方シェフにお願いして、石窯でピザをやいてもらった。
「きたほなみ」&「ゆめちから」のゴールデンバランスでブレンドされたピザ。美味しい!絶賛ピザ!
それから、お腹の大きいうちの妻の自家製白金時の野菜スープ。冷えた体に温まるスープだった。
皆さん十勝の新発見が多くみられたようで楽しそうだった。
また森本さんの今回のツアーは”フードバレー十勝”(帯広市の事業)の一環のツアーで、今回が4回目。
うち今年は3回当農場にツアーの方々がきてくれたことになる。
全然気にしなかったが、いろいろやってる感じがわいてきた。
十勝や農業の魅力発信になっていれば当農場としても嬉しい限りだ。
早速、地元の新聞にものっていましたよ~。
是非またお越しを!もっと楽しい企みをしていますから!!!
9月7日 「ゆめちから」の歌全国放送決定!聞いてね❤
パン用小麦「ゆめちから」がラジオにでることになりました~パチパチ~。
今回は、「北海道産小麦でパン作り」というのがタイトルで、新品種の「ゆめちから」に焦点があてられていると思います。
NHKラジオ第一で、しかも全国版ですよ~!それゆけ~”ゆめちから~”みたいな感じですね。
しかも、新品種小麦「ゆめちから」の歌が流れる予定です。ユーチュウブでも聞けます。検索してね。
トップ写真、左手の「きたほなみ」もその強力な協力者として、一フレーズの歌詞にはいってきます。
十勝の帯広三条高校の合唱団が歌うこの歌、きっと小麦の品種に歌があるのは世界広しといえども日本の「ゆめちから」だけだと思います。以前、アメリカやイギリス人の育種研究家も、この歌に唸っていましたからね~。
以下ラジオ放送の詳細です。
時:9月7日 21:30~22:00 『道産小麦でパン作り』
番組名:『もぎたて北海道』
チャンネル:ラジオ第一
この放送とNHKの十勝のパン用小麦の最近のルポはある志あるアナウンサーKさんが追跡取材してます。
今年の熱い夏、何度も帯広から車を走らせ本別までやってきてました。取材や小麦畑の風景を撮っていました。
流れる汗やその紳士的な態度は、やっぱり現場で頑張ってる人っているよな~とこちらも元気になるほどでした。
是非、汗と麦の結晶 ”追跡 北海道パン用小麦A to Z” 聞いてくださいね。
新食感!満寿屋の”トカチノクグロフ”
十勝いるならだれでも知ってる老舗パン屋”満寿屋商店”。
マスヤのパンで育った!という方も多いのでは。
家では母が小さい頃から、30年も前(覚えているとするとこのころかな)から”ネジリドーナーッツ”を買ってきてくれてよく食べたものです。結局、母ちゃんの味ってよく口にしてきたものなんですね。
当時とはちょっと違ったところがあるとすれば、それは北海道産小麦にこだわりをもってきたところ。
全量の小麦粉を”北海道・十勝の小麦でやってみたい!!”日本でも唯一といってもいいかもしれないほど、地元食材にこだわったパン屋さんです。
そして、当農場でも自分家の小麦を初めて食べたのも、マスヤの現社長、杉山さんとの出会いから。
もう7.8年くらいまえですが、”春よ恋”を作った最初の年に噂を聞きつけて、”原麦をください!”と飛び込んできたのが杉山さん。早速、石臼でひいて全粒粉の春よ恋のパンには驚きでした。”美味い!!”実際にこの時の出来事がなければ今の生産はないといっても過言ではありません。味の素人でも美味しい!と思う。この小麦だったら必要としてくれる人たちがいるはず!と思ったのでした。
”きたのほなみ“の収穫の時には応援しにきてくれましたよ~!ありがとうございます。
そして、その時もう一つ印象に残る出来事が・・・。
それは、杉山さんが描いた一枚の絵。夢に画くパン屋の店舗でした。
風車の力で石臼を回し小麦を挽き、店舗の周りには小麦畑が広がり、日本一の生産量を誇る北海道・十勝の小麦を使って地元に普及させたい!そのドラフトが描かれていました。
そして数年後、それは現実になります。
それが、満寿屋パンの”麦音”店です。
夢を語る、人に見せるというのはそんな簡単じゃないご時世で、ひたすら前向きに地元を発信する。こんなパン屋が作ってみたいと語っていた杉山さん。初対面でかなり懐疑的に思っていた私が恥ずかしく思います。麦音店は想像を飛び越える店舗の素晴らしさ、外観、スタッフやお客さんの笑顔にあふれた店舗になってます。もちろん、全量十勝産の小麦でこの店舗のパンはできています。 ”美味しさ+α”ってこういう感じなのかなって、いつも思ってしまうのです。観光スポットとしても注目され、地元に愛されるパン屋の代表格です。
お役に立てるとはその当時、全く考えられませんでしたが素晴らしい出会いのもとで、新しい商品が生まれました。
“トカチノクグロフ“です。十勝の厳選食材と新しい食感と、食べ方の提案の誕生です。
何が?というと
総監修は、シニフィアン・シニフィエの志賀さん。
小麦粉・・・十勝産小麦きたほなみ・ゆめちから(十勝本別町 前田農産)、パン酵母・・・老麺&ルヴァンリキッド(麦音自家製)、大豆きなこ(十勝産大豆)、たまご(十勝中札内村)、牛乳・生クリーム(十勝清水町あすなろファーミング)、グラニュー糖(ニッテン)、バター・・・手造りバター(十勝野フロマージュ)、ブランデー・・・十勝ブランデー ジェンティール(十勝ワイン研究所)などなど。
十勝丸ごとの贅沢食材の逸品。
ギフトとしても喜ばれそうです。
本当に不思議な縁というか、お役にたっているのかなと思ったりもしていますが、嬉しいしありがたいことだと思います。是非、食べてみてください。なんだこれは?トロけてしまうような新食感。濃厚な香りが、ティータイムを演出することでしょう。
何度も何度も試作を繰り返してきた、マスヤパンの天方さんやスタッフの方たちの努力もクグロフ(僧侶の帽子)に詰まっています。きな粉をかけて食べるところも、面白いですよ。
最後にもうひと話し。
先日ある方から、マスヤの初代ご夫婦と祖父母さん達のお話を聞きました。
昭和の開店当初から長蛇の列が引っ切り無しに続いた人気店で、毎日小麦粉まみれで休みなくお客さんに”安くて美味しいパンを”と朝から夜中までとにかく働いたそうです。
パンをリュックに背負って、釧路まで売りに行った頃もあった様子。
その志と行動力、遺伝子は今の社長や、スタッフの方に引き継がれているのを感じます。
私たちも勉強し、見習うところがたくさんあります。
私も、いまだに大好きなマスヤのネジリドーナッツにより深い思い入れができました。
あっ、9月の地元情報誌”Chai ” にも掲載されてました。
シニフィアン・シニフィエ志賀勝栄シェフ 講習会
7月21日、帯広市ますやパン麦音店にてシニフィアン・シニフィエ志賀シェフの
パン講習会に参加してきました。
こちらの講義はプロ向けということで、リテールベーカリーを営んでいる方々、職人さん
パン教室の講師の方々が集まっていました。
私は・・・というと前田農産のゆめちからを使ってもらえるので、
ぜひにと参加せてもらいました。
麦音店では、はるゆたかの青い穂が揺れるガーデンに面した、明るい日差しのイートインコーナーで講義を受け、
昼休みはガーデンに用意されたテーブルと椅子で涼しい風を受けながら、ランチを取りました。
十勝の良さを満喫できる特典付きです。
志賀シェフの講習では、十勝産小麦を使ったパン オ ルヴァン、グ ドートンヌなど7種類のパンを
作り方を習いました。
ゆめちからが使用されたのは、アンプとパンドブランという山形食パン。
パンドブランはゆめちからが2〜3割とはるきらり、春よ恋が6割ほどのブレンド。
加水はなんと93.5%。
小麦粉とほぼ同量の水が生地に含まれています。
志賀シェフはいとも簡単に生地を扱い、その所作はとても美しいのですが、
実際、私が生地を扱っていると、含まれる水分のためどこを触ってもドロドロと
なかなかまとまってくれませんでした。
シニフィアン・シニフィエではこの生地の「丸め」ができるまで1年ほど修行が必要で、
閉店後スタッフはこの丸めを自主的に練習する「丸練」があるそうです。
焼きあがったパンはしっとりと水分を含み、それでいて、しっかりと膨らみ、
皮は香ばしく、「こんなパンは食べたことがない」美味しさでした。
志賀さんのパンは、骨格をつくる粉、酵素をつくる粉、味をつくる粉など
粉によって役割があり、それを組み立て数品種を配合するそうです。
ゆめちからは、骨格をつくる粉。
強いグルテンを形成できるタンパク質を持つ粉です。
ゆめちからがあるからこそ、すべて国産の小麦達で
このようなボリューム感のある山形食パンが焼けるそう。
そうすると、北海道の9割の生産量のあるきたほなみだって
パン用として使うことができる、需要に量でこたえていくことができます。
志賀さんのような立場の方々からベーカリーを営む職人さんへ
ゆめちからの、国産小麦について、このような評価を発信して
もらうことは、農業にとって、本当に有難い機会でした。
焼きたてのゆめちからのパンドブランに十勝野フロマージュさんのバターをたっぷり塗って。
美味しすぎました。
さて、講習会には、当農場も大変お世話になっている、
千葉のベーカリー、「ピーターパン」の若い職人さん4人が
最前列に陣取っていました。
その為でしょうか、志賀シェフの講習も若者達への希望に満ちたエールのような言葉の数々がありました。
私にもパンづくり、小麦づくりの世界を広げてくれました。
開始前から終了の16時までずーっとニーダーの前で仕込みをしているシニシニのスタッフの高田さんの背中。
講習台と仕込みの場所が離れていたので、「チエちゃーん」「はーい!」と漫才の掛け合いのようでした。
ベーカリーキャンプ2011開幕中です!
7月19日から十勝にてベーカリーキャンプ2011が開催されています。
2日目の20日は小麦ツアー、チーズツアーが開催されました。
小麦ツアーでは、山本忠信商店さんの製粉施設、本別町農協の施設、当農場の圃場を参加者に見て頂きました。
12時の昼食時には両ツアーを合わせた総勢60人ほどのお客様たちが、農場の倉庫前に大集合。
朝からますやパンのスタッフの方々、トムエンタープライズのスタッフの方、農場の従業員が
準備をしてお待ちしていました。
農場のスタッフ松本さん手作りのドラム缶窯とますやパンさんの石窯号で
焼きたてのピザを味わって頂きました。
ピザ生地は前田農産のゆめちから3割、きたほなみ7割の配合で
さくらんぼ酵母で長時間発酵させたもの。
ますやパン天方シェフのトッピングは
トマトソースのマルゲリータ
ホワイトソースのベーコンとじゃがいものラクレット
ズッキーニと鳥肉のジェノベーゼ
の3種類。。。。
モチモチの香ばしい生地に十勝の幸をたっぷり載せてあります。
豪快に焼くそばから切り分けて、アツアツを皆さんに食べて頂きました。
他にも本別産の各務さんちのトマトや、
私が思い立って作った、本別産小豆のおしるこ、紫花豆の煮豆などを
楽しんで頂きました。
私もひたすら、トマトとピザをサーブしていて、
ほとんど写真がありません。。。。ごめんなさい!
気づいたら、お客様たちは食べ終わっていました。
今年何度も試作したので、窯焼もプロの域の農場スタッフの松本さんと竜二くん。
ますやパン杉山社長自らも焼いてくださいました。
満腹の後・・・は収穫に向けて熟成中のキタノカオリの畑へ
小麦ツアーに出発しました。
その様子は追ってお知らせ致しますね!
※今年のベーカリーキャンプへの参加募集は終了しております※
“ゆめちから”の力
日本のパン用小麦の自給率は1%以下。
パン用や中華めん用となるタンパクの高い強力小麦はそんなにないんです。
そこで登場するのが新品種”ゆめちから”
何度かブログでも登場していますが、”ゆめちから”の持つ潜在能力はかなり高そうです。
見た目は硬質小麦らしいゴツゴツ系。小麦は見た目じゃありません。挽いて粉にナンボの世界。今回の戸別補償政策にも、パン用小麦の自給率を高めようじゃないか!!!という日本政府の意気込みを感じる政策価格が提示されました。
しかし、これで来年産からザックザック、パン用できるかなというのは早すぎます。
今年はこの品種は試験(北海道では・・・)。しかも他の強力系品種も種の供給が思うように進まず(今年の低収量から)、物凄いはずみにはあと2,3年かかると思われます。しかし、オカミ(御上)の姿勢は本気モードです。やっとパン用小麦生産農家の思いが伝わる気がしています。
さて、その”ゆめちから”を9月24日、7kg/反で播きました。
昨年産の感じからだと、以外に倒れないのですが、分けつした穂が混み過ぎるのを嫌ってと、貴重な種のひきのばし?を狙ってです。
いつもどうりの”整地+種まき”合体型の機械で播種。
種の深さもチェックして~っと。2cmくらいかな。
やばぁ~途中で詰まってるぅ~。指導不足だな、反省です。傾斜や土の起伏は気をつけなきゃなりません。また機械の特性も知ることは重要です。
でも大丈夫でした~!ふぅ(汗)。小麦が出てくるまでどう仕事をしたかは経験をつまないと分かりません。
我が家の”ゆめちから”達。補足:実際もう一人います。
この小麦子の特性は?
その名のとおり、超強力粉なんですって。日本人の好きな”超”を入れちゃいました。
めっちゃ窯のびします!
パンも夢も希望も自給率も?超膨らませる!?魅惑の小麦が誕生します。
生産者もユーザーも国も皆がわくわくする小麦ですね~。
超膨らみすぎるのにお困りのあなた。ご安心を。”きたほなみ”で程よいバランスが保てるんです。
幸運の”ゆめちから”収穫を麦師たちと共に!!
7月23日。天気予報では曇り雨曜日とのことでしたが、奇跡が起こりました~パチパチ~。24,25が曇り傘模様の予報ともあったり、うちも品種がいろいろあって掃除に何時間もかかるため、満を持さなきゃなりません。この時とばかりに2010麦刈りの始まりです。
しかも応援にシニフィアン・シニフィエの志賀さん、ラ・テールの栄徳さんらも駆けつけてくれました。かなりの晴れ男達とBCキャンプでも噂になってます(謎)。十勝BCキャンプの講師を前日の二日間行い、チャンスがあればと思っていましたが本当にその日が来るとは思いませんでした。奇跡の天気にも最高に恵まれよい思い出になりました。遠いところ足を運んでいただき、誠にありがとうございました。
ということで”ゆめちから収穫いきま~~す!!”
といっても、去年の悪天候の痛手(特にキタノカオリ事件が痛かった~)で、コンバインのロクロク(66)は大変なことになっていました。それはそれは可愛そうな、土の塊やら春小麦のヒゲやらカピカピになった茎やらありとあらゆるものが腹の中にたまっていました。それを根気よく力ずくで除去し、事前に掃除・掃除の後のこと。機械の中は大変狭く、メタボってしまうと非常にやりづらくなります。
目の前の”ゆめちから”畑に出陣です。早速試し刈り。何度か粒が未脱穀がないかを確かめながら進ませます。早速トラブル発生。コンバインには刈り取り部分をヘッダー(頭)といい、こちらにクルクル回転するリールという装置がついています。小麦を掻きこむ役目があるのですが、これは小麦が倒れている時やスムーズな穀物の飲み込みには欠かすことのできない装置です。昨年は小麦の倒れがひどく、リールを前に押し出したまま長時間使用したため、駆動しているベルトが伸びに伸び、リールが回らない状態に。最初我慢しよう!と思っていましたが、結局この後のことも考えると修理せざるおえませんでした。
早速、シニシニの志賀さんにコンバインにのってもらいました。地上からみるのと実際にコンバインにのるのとでは風景が違います。実際に小麦収穫のタイミングに会うなんて、さすが麦師として”もってるな~”と思いました。
こちらラ・テールの栄徳さん。どうやら全国各地の麦畑を行き来したり、フランスの圃場まで行ったりと現地現物にこだわる若手職人さん。コンバインにも何度かのったことあるようで手慣れた感じでした。
喜んで運転しているのは各店舗のスタッフさん。”きゃっきゃっ”言って麦刈を楽しんでもらいました。
ちなみにシニシニの志賀さんには、当農場の”春よ恋”で”花豆のブリオッシュ”を作っていただいております。
こちらの商品は伊勢丹・新宿店の夏のお中元にもなりました。(7月19日販売終了)。
私は素人なんでわかりませんが、お菓子=薄力・中力粉とイメージしがちですが、タンパクの高い春よ恋でもこういったお菓子ができるんですね。
美味しすぎます、こちらの春よ恋のブリオッシュ。
粉に合わせ、その小麦にあったたお菓子やパンができる職人って凄い!!というよりも毎年やその都度変化している粉に合わせたパンやお菓子づくりができる世界が当たり前なんだと言ってくださる麦師たち。感謝・感謝です。
またベーカリーキャンプ2010には妻も参加させていただきました。
どうやらその模様がブログになったようです。こちら→”ぽんぺつTable’s”
”ベーカリーキャンプキャンプ2010in十勝”へようこそ!!
7月20日、それはそれは暑~い日のことでした。
”ベーカリーキャンプ2010in十勝”小麦畑ツアーの始まりです。
このキャンプというか、ツアーも大変時間にタイトでぎっしり畑から次の日以降のプロによるパン作りまで、忙しい内容になっている模様。
うちの担当は午前中。
今回は、新品種”ゆめちから”と”きたほなみ”それからうちのリーサルウエムギ(ポン)の”ライ小麦”の紹介をさせていただきました。
去年にも晴天に恵まれ、暑すぎるツアーに参加された方には大変お疲れさまでした。
少しでも我々の農業が伝わって、”食”の現場が田舎に残っていることを実感していただけたらと思います。
前回の予告では”畑で歌をうたおう!”とありましたが、何のことかといいますと”ゆめちから”には歌があるんです。単一小麦の歌ですよ~おそらく世界初の試みなんじゃないでしょうか。此間のアメリカのブリーダーの方も”That’s fantastic!!””お土産話にするよ!”なんていってたので、これから世界各地で小麦の歌が登場しちゃうかもしれません。
その真面目なそして、内容の深~い歌詞に聞き惚れてください!
その局はなんとユーチューブでも視聴できます!
こちら→”ゆめちから”のテーマソング
中でも”♪る~る~る~る~ほなみとゆれる ゆめちから~♪”のほなみ=きたほなみで要はゆめちからは超強力粉なので、きたほなみとブレンドすることにより、よりお互いの長所を出しあえ、畑で仲良く揺れていきましょう!という粋な計らいがされています。現実そういうブレンドができるはずです。
ということで、前置きながくなりましたが、うちのゆめちから畑も、きたほなみ畑と隣り合わせていたのでこの歌詞に、そして近未来の新小麦ブレンドとして最適地だと思っていました。しかし、企画会社がラジカセを忘れる痛恨のミスを犯し、さすがにアカペラでは関係者しか歌えません。このツアーの唯一の反省点でした。まっ、いいや、コンバインの中で歌います・・・。
トラクター試乗もしてもらいましたよ~。もっと時間があったら良かったのに~。此間JA青年部でも小学生にのってもらい、爆音を聞いて喜んでもらいまたからね。
ちなみにこちらの可愛い女性陣は千葉県船橋の”石窯パン工房ピーターパン”の研究熱心なスタッフさんたち。当農場の”春よ恋”の角食パンも好評いただいています。今回3回目の方もいたりして、すっかり十勝に馴染んですごく身近に感じてもらっていると思います。麦畑とパン職人たちが身近になれば、勝手に自給率も上がり皆が喜んでくれますよね。
ツアー参加者の職業がほぼパン屋さんだと思い込んだ話をしてしまいましたが、一般の方はもりとん、流通、製粉会社、観光ツアー会社、加工研究の方とさまざまな方の参加があり、連携していけばすごく魅力的な産業に農業が思えたのも事実です。
ライ麦×小麦=ライ小麦も紹介させてもらいました。おそらく日本で初めて春まき性のライ小麦を栽培していると思います。過去二年、どうにも苦労した割に実にならないというか、障害が多いので今年どうにかしたいです。これから乳熟、成熟期にかけてもケアをしてどうにか、パン屋さんやお菓子屋さんに新しい食感や商材として提供したいと思います。
それから乾燥や調整工程の説明をし、”GM小麦が世界を席巻する時に国産小麦の行末はどうなるんだろう、ただでさえ農家の高齢化と若手不足なのに~”と消費者参加型農業になれば現場意識も変わって良くなるんじゃないかと思っていることを聞いていただきました。すごく長話でわけわかんないこともあったと思います。”農地は国からの借物、農家がしっかりと管理人として農産物を国民に供給しなきゃならない”とある農家の方も言ってました。その通りだと思います。
最後に、間もなく120%大活躍してくれるはずのコンバイン”ロクロク(66)”の前でパチリ。皆さん、足を運んでいただき誠にありがとうございました。