9月24日、東京にてベーカリーフォーラムの講師をお願いされていた。
はて?何が私の役目か?しかも、こんな若輩者が有名なパン屋さんや大手の製粉関係者相手に何を話せば?・・・と思っていたが、考えてもしょうがないので、経験したこと、挑戦しようとしていること、また事実国産小麦の不平等というより、もったいないお化けのでそうな現状を説明させてもらった。
十勝のベーカリーキャンプにも講師として来ていただいた竹谷さんからのお誘い。
きっと、国産小麦の可能性や栽培や問題点など多くのことを、パン屋さん流通業の方に伝えてほしいとのメッセージを勝手に解釈させていただき、政策が変わること、政策誘導がある事実、成分は外国よりもかなりハードルが高い現実も、参加した皆さんにお話しさせていただいた。
”日本のパン”っていったい何なのか?原料の小麦はもちろんほぼ外国産だ。
国産のほぼ全てが、うどんに向く中力粉。それをパンにしようとしても、食感の違いもあり困難。
結果、パン用に必要なタンパクの高い小麦が重要視されてきたが、やっとその栽培方法や種も安定性がみられるようになってきた。だから、これから時代に”メイド イン ジャ・パン”は世界にでていくんだと思う。
アジアモンスーン気候で、湿気の多い小麦栽培にてきさないこの国で優秀な種を育て、農家がそれを蒔き、製粉会社がより工夫をして挽き、製パン技術者たちが美味しい製品にして、国民が食べるそれがホントの、”メイド イン ジャ・パン”だ。米以上に食べられるようになったパンは今後、外麦と共存共栄しながら、それでいて日本人のDNAを強固するモッチリ感のある粘りと、独特の風土から生まれる香や味に特化したものになってほしい。普通のパンじゃ、この国では物足りない。外国の真似をして、それを追い越してきた工業製品のように、パンができるようになった今、海外にない特色ある種が人間同様必要なのだ。
キタノカオリや、春よ恋など味に特徴があればいいし、ゆめちからは世界の品種の中でも超強力のとんがった品種だ。
よく”この品種は、外国のOOOといいう小麦に勝るとも劣らないOOOOが特徴”なんて言っちゃったりするが、それでは消費者やパン屋さんが選んでくれない。同じだったら安い奴でいいのだ。
また、制度にも問題がある。国による基準があるのだが、これが需要者側と最新の品種特性にマッチングしない事実がある。ここでは私の思う疑問や改善点を上げる。ただし、国の制度に立て付く気は全くない。この小国でまたこの小雨の多い麦不適作地で2030年までに、小麦80万t(現在)⇒180万tに倍増計画を掲げる、戦略的作物(なんか小麦もミサイルみたく見える・・・)に国が指定されているからこそ、また今年の世界各地の大干ばつのような天候異変で禁輸措置をすぐするような国々との農産物の交渉をする上でも今あるこの国の農地からでてくる小麦を有効利用できる方法はあるのではないか?と現場で埃まみれで仕事をしていると思うのである。
疑問点1:小麦の等級検査:国の試験をうけた穀物検定検査員が小麦の外見の検査を行う。
1等麦、2等麦、等外(規格外のこと)に分けられる。等級をつけること自体に悪さはないと思うが、実質上製パン、製麺、製菓にする際に重要なんのは、小麦の外見ではなく成分だ。”人間、顔じゃない中身だ!!”なんていうが、確かにある程度の外観は必要かもしれないが、結局、その年の1,2等どちらも成分的な違いは大きくは発生しない。急な天候の変化に寄る表皮のシワや、特に強力小麦(タンパク高い硬質小麦)は外見がもともと軟質小麦(中力小麦)と比べても悪い。一昔前までは、品種によって、1等、2等とほぼ蒔く前に決まっていた過去もあったくらいだ。これによって、成分の良し悪しにかかわらず麦価(原料価格)に差がで、さらに品質支払い(成分に対する助成金)についても1,2等で違いがでる。ちなみに、海外からやってくる外麦は日本の小麦の規格でいえばほぼ等外(規格外)に相当する。
疑問点1に対する問題点:
1.問題点は農家が見た目のよい、作りやすい小麦を選んでしまうこと。需要とは関係なく、助成率から考えて中力小麦をまいてきた過去がある。また最近までは硬質小麦も今のような安定した品種がなかったのも事実だが、パン用に応えようなんて外見が悪くて、品質支払いも劣るんであれば蒔く理由がないというのが農家の本音だ。うちも”キタノカオリ、春よ恋を蒔いてください!!”と業者はいうが、その要望に対して辛酸をなめた過去は何度となくあった。だが、ニーズは小麦の見た目じゃないことも良く理解できる。人気があるから。実際、麦はブサイクでも美味しいし!!
なにより心配なのは、今後の育種だ。新しい種の見た目が問われるなんて、食糧難がどうこう言ってる今、というより世界中で日本だけだと思う。ただでさえ、育種に金を投じない=子供を産まないというご時世の時になんでこんなアホなことがまかり通るのか?その分、農家助成にも成分でランクを決めるべきだ。例えば、FN値が300以上のグルテンの安定性とタンパクもその用途に分けて、最低これ以上は必要という基準値%を決める。また容積重も重さがあれば、その分畑作りを頑張った証拠(堆肥や肥料の投入があり、防除管理もその裏事情にある、もちろん天候にも恵まれたなど)、840g/L以上はよりプレミアをつけるとか、なにせ麦の見た目(外見検査)ではなく、成分に焦点を当てるべきだ。
疑問点1に対する効果:
1.より成分重視となると多様化した麦栽培になる。お米のような各地方や各品種による独自の成分決定がなされ、より生産地発信力の強い小麦が栽培される。全国に特徴だった品種が現れて、地域で加工され、雇用も生まれ、農業者も加工業者も流通も強くなる。原料生産だけでは今までと同じで助成頼みになりかねない。
2.小麦は省力栽培のできる作物である。そのため農業の大規模化には必要不可欠な作物だ。ただし、土壌病害虫の問題や環境変化による作付の難しさも今後考えられる(人間のエイズやインフルエンザ改良型が同じように発生する)。品種による抵抗性(縞委縮病、立ち枯れ病、赤カビ病などなど)を順次投入していかないと、市場のニーズではなく、農地が持たない可能性もでてくる。だから外見検査とかではなく、農業者や地域の選択支の広い麦作りにしてほしい。
疑問点2:外国麦は良くて、国産小麦はダメな容積重
成分値の基準は北海道ではこのようにランク付けされている。品種別の基準値、許容値を参照してもらいたい。
小麦 品質評価基準H19~.pdf
資料:北海道の小麦品種と栽培のポイントP14
小麦の容積重とは、胚乳(白い粉になる部分)の重さをほぼ示す。つまり、太っていればいるほど良く、製粉部留りもよいのだ。
国の国産麦に対する容積重(H19~適用)は
うどん用(中力小麦) :840g/L(基準値)
パン用・中華麺用(強力小麦):833g/L(基準値)
となっている。簡単にいうと、粒が太っていればいるほど、小麦の見た目(外見)も良い。
今年(H24産)のうちの5品種全てが、860g/Lをこしているのでまず問題ないが、例えば840g/Lに届かない細い麦の時(高温障害のあったH22.23年)などは問題になる。830くらいいかないとかなり、粒の見た目は悪くなる。但し、不思議な事実データもある。それが国がだしている外国産麦類検査実績表の成分値だ。
H21輸入小麦品質一覧表.pdf
H22輸入小麦品質一覧表.pdf
上記二つは、輸入小麦成分表だ。
注目の容積重のところは
H21年:800g~817g/L(代表5銘柄のh/Lをg/Lに変換)
H22年:801~816g/L(代表5銘柄のh/Lをg/Lに変換)
ということで、高く見積もっても
どの品種も 810g/Lがその容積重にあたる。
ふ~ん、はは~ん、待てよ~この数字じゃ日本の等外(規格外)にあたるじゃんか!!
確かに、日本の基準でも840g/L以下だから等外に絶対になるというのは外見の問題だ。しかし、事実上、810g/Lとなったら、かなりの細い麦になる。なぜだ?海外からの輸入麦は細くても製粉されるのに、日本の場合は規格外だ。多分網目のサイズも2.0mmくらいに設定されてるはず。日本は2,2~2,3mmが通常である。
例えるなら、ハードル競技で、日本人が走るレーンだけハードルが以上に高いのだ。なんで?ゴール地点の収穫時には雨の心配や途中カビの防除や手をかけてるのになんで、外人よりも日本人が自国でハードル上げられるんだ?とスタートラインで不満そうにしているのだ。
疑問点2に対する効果:もし容積重が外麦並に近づいたら、どうなる?
1.外国の数字が基準になれば、供給率は優に5%以上は増えると予測する。今の生産量80万tとするば、その5%の4万tが国産小麦粉として出荷可能になる。それは確かに現容積重の基準値には満たないから、麦価格をより安価に設定して供給量を増やせば、農家手取り収入増⇒流通、製粉取り扱い増で売上UP⇒パン、麺、菓子屋さんも安価でより安定した国産麦の製品を販売UP⇒消費者購買メリットUP=国の自給率UPという連鎖が起こる。現状では、等級(外見)検査で細麦は排除される傾向になっているが、問題は先に述べたように見た目じゃなく、品質だ。事実、海外の麦もFNが400secを越える安定品質を確保している。収穫時に雨にあたると急激にこのFN値は下がる。許容値が200secに日本は設定されているが、これを切ると澱粉がぶっ壊れて、生地が繋がりにくく、生地ダレや麺の切れに繋がる。雨のリスクをもつ日本ではこれが一番の品質問題につながる。
なので、北海道の中央地帯などでは、春小麦の初冬まき技術が普及していった経緯がある。収穫時期の8月お盆の雨のリスクを避けたいためだ。みんないい小麦作ろう!と頑張ってるのにそうならない時もある。でも余りにハードル上げすぎじゃないないのか?税関で、細めの日本人は規格外?みたいなはなし。細めの外人が大量に入国できるのに、自国で拒否される?そんなことってあっていいのか?これじゃもったいないお化けがでてもおかしくない。なんで?なんで?なんで?
疑問点3:超強力小麦のタンパクに上限値があるのはなぜ?
1.パン・中華麺用の小麦のタンパク基準値は11.5%~14%以下、許容値は10.0%~15.5%になる。
基本的に、パンの膨らみ等を要するタンパクは低いのは問題だが、高いのに越したことはないはず。
しかも、農家はタンパクを上げるために止め葉期や、出穂期に窒素肥料の投入(追肥)を施す。つまりコストをかけて、要望のある高タンパク小麦を生産しよう!!と努めるのだ。それが、15.5%以上になるとランク外となり助成額が下がる・・・・。
待ってよ~高タンパク小麦がほしい!っていうから、コストかけてやってるのに出来た小麦が高タンパクすぎる・・・超強力の超って何?世界に類をみない高タンパク小麦ができました~!!という喜びもつかの間、待ちうけるのは”ヒザかっくん”くらいの基準値。せめて、低タンパクはペナルティ!高タンパクは上限なしにしようよ!!”超”って流行りでいってるわけじゃないんだから。これじゃ、農家も肥料の投入を控えちゃうんじゃない?
疑問点3に対する効果:タンパク上限値がなくなったら?
1.日本は肥料資源がない。唯一あるのは石灰くらいかもしれない。タンパクを上げ、実の充実を図るのに窒素肥料をつかう。日本ではナフサから精製される尿素、それから鉄鋼石の副産物である硫酸アンモニウムが主体で、この他にもチリ硝石や硝酸アンモニウムなどもある。きっと一番多く使われているのが、硫酸アンモニウム(N21%)だろう。これも、日本で生産された鉄鉱石からの鋼材副産物で、なんせ鉄がでないとつくられない。国内循環していたいままでは良かったが、なんだか最近この肥料も供給に怪しさを感じる。なんせ自動車メーカー等の工場が海外移転し、鉄鋼石の利用料が激減してきてるからだ。今では中国からの輸入物も多くなっている。また10年前のほぼ倍の値段になっている。前置きはながくなったが、要は経済と密接に関係している。農家がタンパク上限を越えるからと資材等ニしなければこうした少ない自給(実際はそうは呼べないが)肥料も使えなくなる。
ますます需要を先細りさせるような基準値のままで良いのか?また、率直に超強力という今までの想像を越えたイレギュラー品種がでてくることを歓迎するような農政と基準値であってほしい。
疑問点4:お菓子用の低タンパクの基準値がない!
1.今度は低タンパクの小麦の基準がないのだ。主にお菓子用に使われる低タンパク小麦は品種改良されてきてなかった。しかし、昨年東北農業研究センターにて、国内発のお菓子用に開発された低タンパク小麦「ゆきはるか」がデビューした。しかし、壁にぶち当たったのは、この低タンパクするぎる小麦に対しての国の基準がなかったこと。許容値でも8.5%とあるのだから、これ以下になった場合にランクがより落ちることになる。しかし、その低いタンパク数字がお菓子作りにかかせないのに、%が低いことでランクが下がるのだ。なぜ事例がないからといって、より幅広い用途を想定した基準にしないのか?
疑問点4に対する効果:底タンパクの基準値も設けたら。
1.もちろん小麦の汎用性が広がり、強力粉同様に地域のスイーツとして地元でお菓子等の発信が可能になる。品種改良の幅も広がり、中力小麦ぜんぱんの品種改良にもあらたな兆しがあり、こうした小麦で世界に日本の和菓子も発信できればより強い菓子作りになる。
以上、長々と書いたがきっとしっくりくる方もいれば、そうじゃない方もいると思う。
国産小麦のハードルが高いとは思っていないが、余りにもったいないんじゃないかと思う。
海外の小麦が混麦されて、品質だけでとられているのに、この国でどうしてそんなジタバタしているのか?
「食糧確保が困難な将来が見込まれる」なんていっておきながら、なぜもっと有効利用しないのか?もし今の規格外や基準を見直せば、もっといろんな用途の品種が生まれ、地域でも特色ある小麦からの商品が開発され、雇用がうまれ、観光客がくる町つくりにもなりえるのに。・・・今の外見検査は特に誰も得していない、成分基準も見直さないと新しい種が生まれない。今の農力を落とすだけじゃないのか?
もったいないお化けのつけはいづれ世界情勢から回ってくる。
”その時変えましょう!!”みたいな検討というなの先延ばしではなく、もっと真剣に生産者の自立や技術向上をも含めた麦の基準制度にしてほしい。これは農水にかかっているといいたいが、製粉業界にも重要な問いかけだ。10%ほどしかない自給率の小麦ならいらないとはっきりさせるのか?それともどちらの生き残りをかけても、制度の見直しをかけるのかは、粉ひき屋にもかかっている。
カテゴリー: お菓子・うどん用小麦
マスヤパンの石窯ピザ職人に習え!!
12月7日の寒い夜。本別町公民館はホットな夜を迎えていました。
本別町役場、企画課主催による”ものづくりフォーラム”の第二回目が行われました。今回のテーマは第一弾の”讃岐の名人うどん“と同じ小麦粉を利用した”ピザ作り”体験。
職人は十勝のパン屋の異名をとる満寿屋パンの杉山社長はじめ、Mr地産地消係の杉山さん、天方シェフ。今回も大変楽しくできました。
コンセプトはその町にしかできないピザ。
“ほんべつピザって何だろう?”とあらゆる食材をかき集めたのです。
下が今回使った材料
小麦粉 ゆめちから&きたほなみ (前田農産):マスヤパンの”十勝野クグロフ“にも使われています!!
黒豆きなこ (石臼匹十勝産)
豚ばら肉 (本寺畜産)小麦主原料の甘味ある脂が特徴
牛ばら肉&ソーセージ (福田農場)極力配合資料を使わないF1種使用
季節の野菜&黒豆(水煮)三井農場 やっぱり黒豆は鮮やかな色どりになる。
モッツァレラチーズ (幕別町ニーズ)
トマトソース (マスヤパンオリジナル)
バルサミコチーズ&バジル(市販)
といいうことで、コネコネの見本と練習開始。
ゆめちから(強力粉)+きたほなみ(中力)+黒豆きなこということで、見た目もゴマもちのようで美味しそう。
前回の”うどん打ち”のコネとどう違うのかを男たちは話・・・
杉山シェフから一次発酵、二次発酵の説明。軽いもたれないピザの作り方のこつなどをおしえてもらい、実際に二次発酵させてた記事で、ピザ生地を早速丸くつくった。
私の同期の彼女も、頑張ってトライ!ハート?ノンタン?デカパン?
それから好き具材をトッピング。以外に美味しかったのが、ワサビチーズや味噌チーズ(本別渋谷醸造)のもの。ピリッと辛くて味がしまっていた。
皆思い思いのほんべつの具材をのせていく。のせた後に玄関さきに駐車してあった石窯カーで焼いて食べてみる。黒豆(水煮)のトッピングの色が冴えてよかったところ。
400度近くで、約3分ほど。上手に薄いピザだと1分半くらいできるそうだ。
皆に”草履ピザ””ぞうきんピザ?”とさんざんダメだしされたけど、福田ソーセージと本寺畜産豚バラ肉、味噌チーズもまた良くあっていた。”ピザは熱いうちに喰え!!”との言葉どうり皆で試食。正直、どれも美味かった。やはり大衆の味で、皆で楽しさを共有できるのもピザの良いところだと思った。これはイベント性が大変あることが分かった。
マスヤパンの杉山さん方、大変お世話になりました!!
役場の方達、アウルズの井上さんもお疲れでした!!
来年1月は”チーズ作り”だそうです。楽しみです。
讃岐うどん職人がやってきた~!パート2
11月15日夜、その日は前日の讃岐のうどん職人”おか泉“の岡田社長の講和を聞いた。
創業者の話はいつも波乱万丈で激しく強く、壮大な夢とロマンスがある。
讃岐うどん職人、岡田さんも苦しく売れない時を経て今の大繁盛店があるようだった。
困った時は常に原点に回帰する。
“すべてはおいしいことからはじまる”というおか泉の理念”美味しいうどんを出すとはどういう意味なのか?!”自問自答し実践することが人を次々と笑顔にすることなんだなと思った。
基本に忠実なだけでなく常に行動することが、新たなチャンスをもらえるというより、天に与えられるのだな~と分かってもいないが想像してしまった。
懇親会にも突然だったが参加させてもらい本別町の食で町おこしのメンバーたちと岡田さんを囲みながら盛り上がった。職人として経営者として悩み走り続けていることも、こんな若造にいろいろ小麦や”きたほなみ”の特性なども話してくれたり、聞いてくれたりして大変貴重な時間を過ごせた。
16日の朝。飛行機が早いこともあったが、どうしても実際土に根をはっている”きたほなみ”の畑を紹介したく、5分だけ時間をもらった。現在6~7枚くらいの葉をだし、寒い越冬ごえをしようと養分を蓄えてる生命の強さを感じてもらえればと思った。
讃岐のうどんを作っている人でも、”きたほなみ”という品種を知っていたりつかったことのある方は実際には少ないとのことだった。北海道産小麦=きたほなみがブレンドされてることも知らない職人もいるとか。確かにある粉つかって、そのブレンドネームさえしって、ちゃんとしたうどんができればそれで職人は良いのかもしれない。
がしかし、生産者としては”きたほなみ”ちゃんを知ってもらいたいしアピールしたい。
今回のような繋がりがより讃岐うどんの強いコシを生む、秘密の一つになればと思う。
“おか泉”絶対行こう!!
またこの農産物ブランド推進協議会は、帯広市にあるNPOシンクタンク”あうるず”の協力の下進められている。代表の菊池さんや担当の井上さんにも多大な協力をいただいた。というよりこれからもいただくのかもしれない。
結局ブランドつくりは、人つくりがないと始まらない。感謝、感謝です。
讃岐うどん職人がやってきた~!パート1
11月14日に本物の讃岐職人が本町に来てくれた。
田舎に住んでいると本物に会えない?なんてことは全くない。
実際はこちらの現場のほうが、本物により近い体験ができることもあるのだ。
ほんべつ町はこういう企画やイベントが大好きだ。
実際に町のお祭りも多く、夏場は月一回の”夜デカケナイト”なんていうシャレた商店街のおまつりもあったりする。
今回は町内の農畜産物をつかっての実践講座。
4~5回にわたって、今シーズンはやるようだ。その一回目は小麦を利用。
しかも本物の讃岐の職人を呼んでの話だ。
今回の講師は香川の宇多津町にある”本格手打ちうどん おか泉“の岡田社長がこの町に来てくれた。正直、うどん用に開発された品種”きたほなみ”を生産している農家なのに、実際にきたほなみで讃岐うどんを打つ職人にあったことがない。まさに光栄中の光栄だった。”おか泉”と聞いてしらない人はいないのかもしれないが、私は恥ずかしながら全く知らなかった。わざわざ職人まで呼んでこなくたって~と甘い考えは最後に食べた”おか泉”のうどんで覆される。
昨年も講義によるマーケティングの勉強会みたいなものはやったが、今回は実技。しかも、うどんとして開発された”きたほなみ”を本別産のもので作るのだ(今回の小麦粉は町内の三井農場と前田農産のもの)。
早速、おか泉の岡田社長に手ほどきをうけた。
この道何十年のプロ。しかも分かったのは情熱とプライドをもったプロの中のプロだということ。昨年も日本の豪華客船”飛鳥Ⅱ”にのって日本の讃岐の味を世界の人々にふるまったほどの方だった。
おか泉のパンフにもあるが、”うどんは作るというより、育てるもの”とある。岡田社長もしきりに言っていた。なんだか有難い。我々も土を作って育てている感覚がある。
水入れから、コネや伸ばしや寝かしのポイントを順序良く教わる。ちなみに今回のきたほなみは”なかなか芯のある手ごわい奴”だそうだ。水が入りにくくちょっと間違えるとジャジャや馬娘のように言うことを聞かなくなる。
捏ねて万重状態で寝かせて、今度は伸ばす。通称”つの出し”と呼ばれる技術も教わったが、一回やそこらでうまくいくわけもなく悪戦苦闘だった。
参加者は皆真剣。最後の試食はできたての本別産”きたほなみ100%”の天うどん、海老&地元まいたけ、めんつゆも地元味噌醤油蔵、”渋谷醸造100%”だ。”美味しぃ~~!!”なんていうのは正直あたりまえ。自分達でつくってるその充実感でいわせちゃうのだ。
それから岡田社長が打ってきた”本別産きたほなみ100%”のうどんも生醤油でいただいた。これも美味い。
でも最後に食べた、おか泉オリジナルブレンドの讃岐うどん。
不敵な笑みさえこみあげてくる。
“なんだこの美味さ、全然違う!!”
“どうしてこのコシとプリっとした食感でるかな~?”
“やっぱ喉こしってこういうことね”
と参加者は皆、感動して唸っていた。
確かに違う。なんかすごく、”きたほなみよ、もっと頑張れ~!!”と言いたくなってしまった。
ただ同時に我々生産者も悪い仕事してるわけじゃないな。皆を楽しませてるなという実感もわいた。
そしてこの日は解散。次の日の岡田社長の話にさらに感動してしまうだった。パート2へ
麦チェンワークショップin十勝 結果発表~~~!
9月2日麦チェンワークショップin十勝が行われた。
始まる前は”いったいどうなるのやら?”と懐疑的だったが意外や意外?盛り上がったのでした。
まず事務局から、ツアー各部でのアンケート調査の結果が発表され、パネリスト3人がどう思ったのかを短時間で報告させていただきました。
小麦畑ツアーは、私の永話?以外は非常に好感度が良く安心しました。
また、地元の小麦でうどんをずっと作ってきた”小麦の木”のオーナー紺野さんの十勝を変える、帯広市を変える先見の目やアイディアはかなり斬新。やっぱり、唯のうどん屋さんではないことが発覚。楽しかったです。
その後、主催者のシーニックバイウェイのかとうさんから面白い会議の提案が。
一枚の模造紙を囲み、一班6,7人のグループに分かれて1人2分くらいで麦チェンツアーでやってみたいことや、こんなツアーだったらと意見をランダムに出し合いました。それまでのブレイクアイスとなる内輪の話も興味深く、短時間で一のアイディアをひねり出すやりかたなのかなと思ったほどです。
来年もまたやりたいですね。是非来てくださ~い!!
関係者の方大変お疲れさまでした!
THE KING OF WHEAT きたほなみ
北海道を代表する小麦”きたほなみ”も7月26日に開始しました。
7月にはいってから、徐々に気温も上昇しはじめ、後半は中旬、下旬と一気に晴れ日は連続。
6月下旬なんかは、”8月入るな”なんていったりもしていましたが、昨年の猛暑に近い感じの熱波がやってきたということもあり、不安なスタート。しかも、開始2日目で水分が15%の畑も。
あれれ・・・と思っていたが、早く登熟期を迎えたものは細麦傾向が目立った。
昨年(平成22年)の猛暑と比べれば生産量が上がっているのは間違いないのですが・・・。
穂をもんでみると、小粒の麦が目立ちます。
検査を受けるため、製品になる段階で小粒ははじかれてしまいますがまだまだ全体的に細い。
穂の先端部分の実がふくらんでいない現れです。もちろん選別は厳選することになります。
ここからの作業もまた時間を要するところです。
毎年反省点は多々ありますが、やっぱり強い土にしないと、根もうまく働きません。天気はどうなるかわからない。地上でやれることは地上でやる必要があります。肥料のやり方、タイミングもまだまだ改良の余地ありそうです。
潜在能力の高い北海道小麦のKING(生産量)です。こんな程度でないはず!とどの生産者も思ってると思う。
今年本格デビューとなりましたが、苦いデビューになったのかもしれません。
でも段々生産技術も上がれば、もっともっと良くなるはずです。
収穫時期としては、今年はこんなに恵まれていいのかと思うくらいの収穫日和の連続。
「きたほなみ」収穫は7月26日午後から29日までびっちりでしたが、コンバインのロクロクも雨や小麦の倒伏で苦労することもなく終わった感があります。
夜も遅くまでやります。夜は当たり前ですが真っ暗けっけ。コンバインを側溝や、土手にぶつけたり、落としたりしないように作業を進めていきます。”ゆっくり早く、ゆっくり早く”って意味のわからないかもしれませんが、日暮れまでやるべきことをやっておいて、夜作業するのも重要なことです。機械選別能力以上の速さではロスだし、事故やけががあってはなんにもなりません。
乾燥が進むと、麦はカールをしてきます。コンバインからもオーラ?じゃなくて、麦から出る麦吹雪がでるんですよ。籾からや茎や葉の乾燥したものが目の前を立ち上っていくんです。その風景、最高なんです!!
あれ、良く見ると運転手は白い服きたパン屋さんの職人さんだ!帯広市にある老舗パン屋満寿屋(マスヤ)パンの社長と天方シェフが応援しにきてくれました!!”小麦粉は畑の小麦からできてるんです!”と工業製品じゃない、年一回しかとれないものだと感じてもらうことも、私の仕事の一部だと思ってます。
一緒に種を播けて、収穫し、食すって素晴らしいことですよね。
そしてまた、ここから素晴らしい食のプロデュースをしてもらってます!!
その名も”トカチノクグロフ”詳しくはこちらを⇒ポチ
パンともパウンドケーキともいえない、口どけなめらかなオール十勝の食材が詰まってます。
「きたほなみ」と「ゆめちから」の共演もシニフィアンの志賀シェフ監修のもと、実現しました!
是非、とかちのお土産にどうぞ。
「きたほなみ」お菓子やパウンドケーキに使ってもらいました?上がりが軽くて、いままでの「ホクシン」のようなもたつき感がなくなったと思います。逆にホクシンももっちりしていて、麦の濃い味がするという評判もあったのですが、お菓子作りにはより最適になったのかなと思っています。是非、試してみてください。
きたほなみと季節ベリーのカップケーキ
7月のある日。
仕事から帰ると、いいにおいがしてきた。
パンかなとおもったら、子供たちがケンカしながら何かしている。
ベリーの数でもめてるしい。
どうやら、「きたほなみ」でカップケーキを作っているようだった。
「ホクシン」かバトンタッチされた「きたほなみ」の可能性はこうした家族感でも十分感じてもらえると思う。
肌触りも、口どけもよくて軽い。それでいてほんのり自分を主張するような存在感をもっている。
「ホクシン」はどちらかというと、主張がかなり強く「もったり」することもあった。
焼きあがりもしっかりしている。シフォンなんか最高うまそうだ。
ベリーもこだわりの庭先?ものだ。
ハスカップやジュンーベリー、レッドカランツを豪快(そのまんま?)そえた。
“とどけ(か)ないよぅ~~”と二女。
畑では”ほなみちゃん”たちが乳熟期を迎えてます。
今年はどんなかんじでしょう。ちょっと最近雨降りすぎてる。
天方シェフの出張パン教室 IN 本別 by akiko
朝晩は冷え込みますが、だんだんと日差しが暖かくなり、
畑の雪も少しづつ厚みが薄くなっているようです。
ユメチカラの葉も少し見えています。
今日、〝ますやパン 天方シェフの出張パン教室 IN 本別〟
我家でこじんまりと開催しました。
ますやパンさんと言えば、十勝のソウルフード。
お母さんが子供のために買って・・・自然と子供の好物になって、
その子供が大人になって、また自分の子供に買ってやり・・・
そんなお母さんの味のするパンです。
***munu***
前田農産のきたほなみのブリオッシュ
春よ恋×きたほなみ×キタノカオリのフランスパン
十勝黒豆きな粉スコーン
***
の3種類を教えて頂きました。
昨年の秋にきたほなみのブリオッシュを教えて頂く約束をして、
実現したのでした。
天方さんの休日を割いてくださって・・・ご家族の方々、本当にすみません。
せっかくの機会なので、友人に声をかけて、
パン教室をしているYさん、音更町で畑作農家のSさん、無農薬の畑作農家のNさんが来てくれました。
「これは前田農産さんのきたほなみを使いたくて、研究したレシピなんです。」
「今度は前田さんが他の方に教えてくださいね~」
と熱いメッセージをどーんと頂きました。
人数分のボール、計量した材料などをすべて、準備してきてくださっています。
参加してくれたお友達も
「職人さんから学べるなんて貴重!」
「職人技を家庭でも応用できるポイントが分かりやすかった。」
「こういう時、どうする?という今までの疑問が教えて頂けた。」
「小麦粉の個性がよく分かった。」
「とにかく美味しくて幸せ」
などなど大好評でした。
天方シェフはますやパン麦音店でも講習会を開いていらっしゃいます。
ご興味のあるかたはぜひ・・・。
焼成を待つブリオッシュ
焼きあがったブリオッシュ。
ふわんふわんです。
しっとりとした和菓子のようなスコーン。
本日の私が用意したランチ・・・
タンドリーチキン パプリカ添え
金時豆とポルチーニ茸のコンソメ煮
野菜サラダ
美味しいパンと一緒に美味しく頂きました。
*
*
*
現在、きたほなみ、完売中です。。。申し訳ありません。
H22年産の製粉を待っております。
*
*
*
Sさーん♪ タンドリーチキンの簡単ですがレシピです。
***タンドリーチキン***
鶏モモ肉 6枚
ヨーグルト 半カップ
塩 適量
カレー粉 適量
ショウガ 大さじ1くらい
ニンニク 一片
パプリカ 2個
①鶏もも肉を適当な大きさに切る。
②塩をもみこむ。
③すりおろしたショウガ、ニンニク、カレー粉、ヨーグルトでさらに
もみこむ。
④冷蔵庫で一晩漬け込む
⑤油を引いたフライパンで皮目からこんがりと焼き、両面焼けたら、
一口大に切ったパプリカも入れ、アルミホイルで軽くふたをして、中まで火を通す。
塩加減を見て、味を調える。
塩は気持ち多めにすりこみます。
カレー粉は子供も食べる場合は、少なめに、
辛口が好みなら多めに、小1~2くらい。
cuocaさんにて生産者ブログ好評公開中
あっ~チョコがな~い!
「あっ~チョコがなくなってる~、大変おかあさん!!」と娘が叫んでいた2月13日午前。
「お父さんに聞いてみなさい!」と妻。
「おとうさん、板チョコ食べたでしょ!!」と詰め寄る娘。
「あ~そういや食べてしもうたなぁ」と私。
「もぉぉぉぉ買ってきてよ~できないじゃんか~仕上げが~~~(怒)!」と娘。
ということで、怒られながら小さい二女を連れてチョコ買いにスーパーへ。
そうか、バレンタインデーかとその時言われて初めてきずいた。
無類のチョコ好きな私はあれば食べてしまう板チョコ。
今もまだ一枚なら、連続大人喰いできるほどだ。
どうりで朝からブラウニーやらクッキーのいい匂いがすわけだ。
息子も参戦。マジックで?クッキーにクマちゃんの絵を描いている。水性?油性?なんでもいい。参加することに意義がある。(実は、食用マーカーです)
パパのみならず、お世話になっている先生や農場のスタッフにもプレゼント。
「なんと心の大きな娘よ、ウッウッゥウ~」と親ばかであったのです。
もちろん自産自消。
クッキー生地は当農場の”きたほなみ”を使用。
ホクシンよりも、良い意味でさっぱりした香ばしさがあります。
今後のこの品種の可能性を大いに感じました。愛情もももちろんです。
ありがとう!!
こちらもどうぞ宜しくお願いします。
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