キタノカオリ 最高で~~す!!

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7月31日MAX晴れ曜日。
パン用小麦のキタノカオリ様の収穫となった。
ここ4年、キタノカオリ様はご機嫌が悪かった。
しかも、ご機嫌斜めは常時やってくるし、突然豹変することさえある。
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今年は春先の低温でかなり根がやられてしまい、最初はどうなるかと心配する日々が・・。写真のとおり、土が凍結して浮き上がり、クッキーみたいなクラストが表面に出来上がっている。
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こうやって、浮かされた根は冷気や風にやられ麦は淘汰されました・・・
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スゲェ!温かくなると同時に、根が動いてアンカー打つように土の中に栄養求めていきました。でもホントはここで余計なエネルギー使わせちゃったかも。
その豹変さとは何かというと品質に関して。アミロ粘土値といって小麦でん粉の粘性を表すアミログラム最高粘度が標端に低下してしまう。そうすると、パンや麺の生地なんかは、べとつきが生じて作業性が劣るり、作業性の低下はもちろん”膨らまない””生地がきれる、だれる”みたいな現象になるようだ。
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6月12日の写真。茎にまだもぐった状態。今か今かと下からズンズン上がってきます。
 クリミーナ色素をもった独特の小麦、キタノカオリ。昨年平成21年産は全道的に雨のせいでこの傾向は強かったと思う。ご機嫌ななめは常時やってくるとは、受粉から成熟期までの曇天や低い温度でこの傾向(低アミロ)になるし、豹変するとは収穫時の雨によりこの傾向は一気に強まるということなんですぅ。ハマってしまうとクセになる不思議な魅力のあるキタノカオリ様に昨年のものに異変を感じた方もいるんじゃないかと思います。”あれ~HBでも膨らまないな~”と思ったあなた!それが2010年産の味なんです。
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7月2日、受粉の写真。ここの畑が当農場では一番遠い(13km先)ということで、他品種よりも遅め(気温差と品種差)。ちなみに関東の”北海道小麦を考える会”の皆さんが作縁の秋に種を播いていった付近。手播きでめちゃ厚播きされてた(秋は)と思っていましたが春先の低温で淘汰されて丁度良く?なった気がする・・・。上記、種まきの様子はこちら→ポチ
今年はどうだったのか?まだ検査にもだしていないから正確なことは言えませんが、受粉から成熟期までの高温を考えると、また最高の十勝晴れの下、収穫をできたとすると今年はイケてるでしょう!いや、イケてなきゃ困る。かれこれ過去4年ずっと不機嫌だったんだから。オリンピックもワールドカップの周期ぐらいで機嫌よくなってほしいものです。
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段々熟してきましたが今年は暑い。暑すぎました。どの品種も先端の穂に実が充実していない!収量がないのはがっかりですが、例年を上回る質がほしい!ホントに天気による違い、膨らみの違いを私自身感じてみたいのです。
目標はタンパク11.5%、FN値(アミロ粘土値を測る別基準)330超え。他品種だったら決して高い数値じゃないけどどうにかこうにかいって、初心者の人でも、キタノカオリがパッとふくらんで、独自のクリミーカラー生地に、もっちりとした食感を楽しんでもらいたいと思う。ちなみに低アミロでも味は変わらなく美味しいですよ。また、あるパン屋さんは天然酵母との相性もよくて、逆にFN値がそんなに高くなくても、ゆっくり熟成にむかうからいいんだよ。なんて言ってくれた人もいるな。
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あとこのキタノカオリという品種。硬質小麦で硝子質が高く、軟質小麦のホクシン、きたほなみに比べると肌がわるい。というかゴツゴツしてる感じ。これもまた等級を落とす原因にもなります。”問題は性格よね、性格!”とカオリちゃん達は言っているのに・・・日本のこの制度もオカシイ。
 北海道全体でも作付がだんだん減る可能性のある品種。
じゃじゃ馬。気まぐれ娘みたいなところが、可愛く憎たらしい?ところがあるんです。
時に親泣かせ、親不孝、親のスネかじり(言い過ぎた)となりますが食べた時の愛嬌は最高で~~す。苦労をふっとばす美味しさ。今年のお楽しみに~~。