Reday for the next year No.2

秋小麦、春小麦を収穫後の畑。一部は緑肥畑として利用しているのはお話しました。
緑肥に関してはhttps://co-mugi.jp/blog/wp-content/uploads/2008/08/post_73.htmlを参照してください。
その他の畑ですが、どうなるんでしょうか。堆肥を撒きます。堆肥散布については、”Ready for the next year No.1″を参照してください。
https://co-mugi.jp/blog/wp-content/uploads/2008/09/ready_for_the_next_yearno1.html
堆肥をまいてから、うちは小麦を一部”連作”といって一度小麦を作付けした畑に再度小麦を播くことをしています。そうなると、種まき準備の畑つくりとなるのです。
第一段階。土壌の物理性の改善のために、深耕作業というものをします。大きなつめがグサっと地中に刺さりこんで、コンバインやトラクターなど大きな作業機械で踏まれ硬くなった土に空気の層をいれてあげます。
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第二段階。畑を起こします。”なに?””畑を起こす?寝てるのか?”と耳慣れない言い方ですが、要は土を天地返しにすること。プラウという機械で、約30cmくらいの深さまで反転耕起し、土層を入れ替えます。土が全面的に上下入れ替わるため、物理性の向上、茎葉などの処理、雑草処理対策、長年やれば作土といわれる作物の根がよくできる層を形成を目的としています。
”スリック”と呼ばれる反りのはいった板を地中にもぐらせることで、土はめくられるように反転します。
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靴は脱げたんじゃなくて目安ですよ~。27cmの靴ですのでだいたい30cmくらいは起きてますね。
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第三段階。整地。畑起こしは土質にもよりますが、土の塊が多く、でこぼこもあります。ですので、小麦は種の前処理としてハローと呼ばれる機械を使って整地していきます。
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作業機械の先頭には土を抱いてならしていく均平板(ハイド板)がついていて、カゴになったローラーで土を砕き、タインと呼ばれる弾力性のあるつめが地中に入ります。運転席から後ろをみるとこんな感じ。
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この作業機械は、土を粗すぎず、細かすぎずできる機械で本番整地の前処理には、今回は最適でした。粗すぎると種が土からでてしまったり、種の発芽時の水分補給が難しくなったりします。一方、細かすぎると種まき前に雨などふられると、土の粒子が細かいために土が硬くなりやすいのです。”雨降って地固まる”ということわざ通りです。
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右が整地前、左が整地後。土塊の量が左は減っています。土への密着度が高ければ、作物も養分を吸いやすい環境になりますよね。
ここまでが、種まきまえの準備です。結構、ちょこまかやってるでしょ?

謝謝 来たれソムリエ!

先週のことですが、フードソムリエでおなじみの料理家の方々が当農場を視察しにきました。
確かになかなか、生産者まで会いにきてもらえるチャンスって意外にないですよね。私の場合は、同業者訪問であって、”料理の創り手”が”作物の創り手”まで行って”現地現物”してくるって素晴らしい試みだと思います。企画・同行のフードソムリエ代表、北村さんや大久保さんにも感謝ですよ。
今回は、地元十勝から雑穀アドバイザーの栂安さん、東京から料理家・菓子作家の小田川さん、神奈川の洋菓子研究家、宮代さん、一番遠くからは福井県の料理家、ささきさん。それぞれの料理かの方達はような素晴らしい料理家さんです!
ブログやHPはこちら
栂安さんのブログ”ノブ・キッチンへようこそ” http://nobu-kitchen.de-blog.jp/nobukitchen/
小田川さんHP”ラ・ペッシュ” http://www.lapechejapon.com/
宮代さんのHP”M’s Sweet Kitchen” http://www.geocities.jp/sweets1224m/home.html
佐々木さんのHP”野の花工房” http://www.ishigama.com/
まずは倉庫内に保管されている、先月収穫されたばかりの小麦たちを見ていただいたり、コンバインや機械・施設の流れを紹介させていただきました。
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早速、”生麦”の食べ比べ?が始まったりして・・・。それぞれに味・硬さの違いを感じていただけたようです。実際、収穫時期に小麦刈りまでやれたら楽しいでしょうね~。
夜には、帯広市のレストラン”オランジェ”http://www.l-orange.jp/にてディナーを皆様でいただきました。ここにビックサプライズが・・・。フレンチレストランなのですが、コースメニューのパンが前田農産の粉からできてるじゃないですか!!!なんとも粋な計らい!
”りゅすてぃっく”という私ははじめて聞くパンだったのですが、料理家のかた曰く、通常よりも加水の多い長時間発酵のパンだということ。”キタノカオリ7割+春よ恋3割”でつくったものです。面白いですね~。作っていただいた帯広市の”はるこまベーカリー”http://www.octv.ne.jp/~harukoma/さんですが、きっと、オーナーはこのMIXなら自分の思うパンに近づくのではないかとか、この粉はこういうパンにあうんじゃないかとか、思いながらパンを焼いているのかなと。うちの小麦たち⇒粉たち⇒パンたちに変身して戻ってきて食べれるなんて、今までにない不思議感を体験できました。
 また、上記の料理家さんにも、それぞれの特徴をいかした美味しいお菓子やパンをいただきました。畑にいると、作物の出来栄えやおかれている現状に戸惑うこともありますけど、自分の生産物が人を通じて変化し、商品にあんるなんてこれ以上の喜びはありませんよ!
また、フードソムリエでもおなじみの生産者、十勝・幕別町の苧坂農場http://www.food-sommelier.jp/prog/02/osaka/2008/09/post_8.htmlの玉ねぎのスープも素材の味、たっぷり美味でしたよ~。
なんかまた気合入りました!皆様に謝謝!

ルスツ村のファーマーズマーケット

先日、家族でルスツ村という、洞爺湖サミットの近くのテーマパークに小旅行をしました。たまには、家族サービスもしなければならい理由もいくつかあったりして・・・・。
”ルスツ高原”と聞けば、大抵北海道のかたなら、夏は遊園地、冬はスキーリゾートとピンっとくるのですが、夏と言うかスキー以外で行くのは初めて。車で大体、4時間半はかかったでしょうか。途中寄り道もいくつかしたりして、ブラリ旅でした。
途中の大滝村は、きのこで有名だそうで、確かに名物のキノコ汁は、”これでもか~!!”というくらいキノコ三昧。その後、支笏湖畔をドライブしながら、ルスツ村の道の駅に寄りました。ここのファーマーズマーケット、大盛況です。旬の野菜はもちろん、辛し大根、ヤーコン、百合根だとか珍しいものが、超新鮮で、しかも安い!
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札幌から2時間くらいということもあるせいか、お客さんがドカドカっ入る感じでした。同じ北海道人といえども、皆が新鮮な作物を食べているわけでないよなって改めて感じました。農家としても、自分の作物を手にとってもらえるという”やりがい”半端でないでしょう!
その後、真狩村と京極町の湧水を頂戴しにいきました。”蝦夷富士”とも称される羊蹄山。
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この山が創り出す水を求めて大勢の人がやってくるようです。皆、ポリタンクや”〇五郎”””ビッ〇マン!とか書かれた焼酎の空き容器を持ってきては、水を汲んでいます。
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実際、美味しい、ものすごく透き通った、さわやかなで滑らかな味!!!さらに持ち帰ってインスタントコーヒーで飲んでみましたが、本物の煎りだしのコーヒーのような感じ。水の違いでこんだけ違うのかと、自然の力の強さを感じました。
途中、有名なレストランやパン屋さんにも寄ってみたり、家族より自分が一番リフレッシュしてしまった感が・・・ヤバイ、また嫁さんに説教されそう。なんのために、家族旅行なのか?!

Ready for the next year No.1

小麦収穫後、緑肥(えん麦)をまいた話は以前にしました。基本的に緑肥は秋まき小麦の後にまくと決めています。なぜか?同じように緑肥も生育日数が必要ですので、8月上旬には種するのと、春まき小麦収穫後の8月中旬にまくのでは、生育日数が10~14日ほど違います。たかが2週間と思いますが、これが差がつくんです。特に、北海道はこれから秋、冬支度。日が沈むのも早まり、日照時間の差はもろに生育関係します。
 そこで、春まき小麦とか、緑肥を播かなかった小麦の圃場あとには、あの堆肥を散布するんです。
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麦稈ロールが堆肥として畑に戻ってくるわけです。堆肥をまく機械も大げさにでかいですよ~。大体10t以上入るマニアスプレッダーという機械で30~40t/haあたり散布していきます。要は、大きな箱に堆肥を詰め込んで、後ろの出口にビーターと呼ばれる羽が回転していて、堆肥を撹拌しながら撒き散らかしていく機械なのです。
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話はそれますけど日本ではマニア(堆肥散布機)と言いますけど、ホントは英語でmanure(マニュ~ア)と発音するものが変形してすので、いくら”マニア・マニア!”と外人の農夫にいっても”堆肥”という意味あいで通じません。私、その昔に経験づみです。
正直、この作業はつらないです。ですが、次の年の土つくりのためでなく、5年後の土作りのためにやろうと思い描いています。麦稈が牛の糞と混ざり合い、沢山の微生物が入り混じって、土に還ってきて、作物の生長の手助けをしてくれる。時おり香ばしいニオイもしますが、大切な作業の一つです。

黄色の花は何の豆?

黄色の花が咲き始めています。
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ポツラ、ポツラと茎に張り付くように咲いています。これは小豆の花。早いもでは7月下旬から咲き始め、8月中旬までよく言えばロングランの花、わるくいえば”ダラダラ咲く”というイメージ。茎の中心部に近いところから咲き始め、下部から上部へと花がつきます。
それから花が終わると、そこから莢が伸びはじめ、中に実がなります。
その反対で大豆は、何日かで受粉してしまいます。今年は7月の25日ごろ。丁度この頃は天候にもめぐまれていたので、莢の数もいつもの年より多い。実際、十勝管内の生育状況(8月15日時点)では、着莢数が147%と例年になく多いようだ。ということは、枝豆にしても一杯食べれるということだな・・・フッフッフ。下は8月10日の写真。祝い黒豆の莢がポツリ見えます。これが9月上旬には枝豆になって、時期すぎると黒く色づんで、10月中旬ころには収穫となるのです。
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ちなみに、大納言とエリモ小豆の比較をすると、
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上記、エリモはとても莢数があり、細長美人、品良く育っている感じ。
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一方、大納言は莢数が若干少ない+莢の中の粒も少なめな感じがする。それと、急激な低温や曇天続きのせいか、莢の先端や中間で豆の列がとんでいたいり、粒のはいりが悪そうなものもある。今後の天気が気になるとこだが、湿度が高く、雨も近い。菌核病や灰カビ病などが発生しやすくなるかもしれない。
先週も5日間も曇り/雨が続き、今週9月1日からも曇り/雨の予報。どうした?天気、ずっと腹痛おこしてるんじゃないか?しかし、本州のゲリラ豪雨や収穫目前で、田畑が冠水するような甚大な被害も起きている。いくらなんでも、ひどすぎる。ここは絶対にのりきらなければ。