生パスタの決闘!ゆめちからvs春よ恋vsはるきらり

12月中旬、生パスタ対決をしたのでした~しかも自分らで作って。
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今回はJA本別青年部とフレッシュミズ(農家の若妻たちの会)の合同事業。
せっかくの地粉や小麦の違いを加工体験を通じて勉強したらどうかと、農業普及所の方(普段は農業技術や経営について指導する機関)に声かけをいただき、加工の指導をいただきました~。
生パスタつくりは初めてでしたけど、偉い楽しい!そしてナマラ簡単じゃないですか~新鮮な驚きでした。
今回は、本別でとれる小麦からといっても、”春よ恋”、”はるきらり”は当農場のもの。”ゆめちから”は農業試験場からの試供品です。ちなみに、”ゆめちから”って聞いたことないというあなたに。
”ゆめちから”は世界最強強力粉ともよべるほどの、高タンパク(13%以上、原麦だったら15%あるのもざらみたい)強い粘性をもった小麦。現在のパン用小麦、春よ恋、はるきらりよりも強いグルテンを発生させます。今後、”きたほなみ””ホクシン”などの、比較的タンパクの低いものとブレンドされることにより、その価値を見出される期待の新星です。
そこで、今回の生パスタはこのタンパクの高い小麦粉に注目!パスタの決闘の始まりです、じゃじゃじゃじゃ~ん!
決闘は、1.はるきらり(ストレート200g)
     2.ゆめちから160g+ホクシン全粒粉40g
     3.春よ恋(ストレート200g)
まず、作り方。①塩小さじ1と小麦粉たちを混ぜる。②卵(2個)と水(おおさじ2)と分量2/3位入れていき渡す。
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③粉っぽさが残っていたら、残りの卵水を入れて調整。④手のひらで生地を押さえ、こねる。
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⑤表面がなんとなくなめらかになったらラップに包んで15分ほど冷蔵庫で休ませる。下写真はゆめちから+ホクシン全粒粉、この時点では見た目はちょっと・・・。
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⑥打ち粉をうった台に生地をだして、4等分くらいに麺棒でのばす。
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最初の水加減がすくなかったりすると、生地が上手に伸びずに”海老せんべい”みたいになっちゃたりします。
この作業、グルテンの強い粉ほど大変。ちょっと皆集中、静かになってきたぞ~。
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⑦包丁、パスタマシンーンで好みの太さに切って、うち粉をふっておく。パスタマシーン楽しいです!
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形や径いろいろパスタ。ほんとに楽しいはこれ!
手前から、春よ恋、ゆめちから、はるきらりの順。やっぱり、全粒粉がはいっているだけ、ゆめちからは粒粒が入っている感じ。フィットチーネでは、ゆで上げ後、春よ恋、はるきらりはピカリっ~とツヤツヤ輝いていましたよ。
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パスタソースはペペロンチーノをベースに試食しあい、感応評価やアンケートをとりました。また、時間の関係とお好みのものでということでありとあらゆる市販ソースが登場。世の中便利になってますね。
結果は、はるきらり、春よ恋は一番食べやすいじゃないかという意見。ゆめちから+ホクシン全粒粉(トップの写真)見た目、食欲さそう荒々しさがあって、なおかつうま味があるんじゃないかという評価。私もレストランとかででてきたら、高級感も健康感もでるんじゃないかなと思いました。
今回は特別に、普及所の方々がHBでやいてきた、それぞれの粉による食パンをいただきました。どれもおいいしい。やっぱり、国産美味い!正直にどこからともなく麦の味がしてきます。
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普及所のEさん、Kさん大変お世話になりました。大変楽しかった、おししかった、勉強になりました~。

函館・こなひき小屋のカンパーニュ

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つい先日、パンの贈り物がとどきました。
妻は”なんかの工具が入った段ボール”と思っていたらいく・・・
それを開けてみると、
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びっしりと美味しそうなパンたちが詰まっていまして、その中でもとてつもなく大きい白い物体が!
答えはトップ写真のカンパーニュ。
デカイ!隕石のようなごつごつした荒っぽささえ、感じる風格。
段ボールの隙間からこぼれる、パンのちょっと甘すっぱい香りの正体でした。
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中には、種類別のパンたちもどっさりとはいっていて、どれも美味しそう~!
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うちの次女、Kの体くらいあるパン。ツンツンしてます。
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カンパーニュの送り主は、函館市と七飯町にある”こなひき小屋”の木村オーナーからでした。
オーナー自ら焼いてくれたようで、前田農産の春よ恋(ノーマル)70%+石臼春よ恋(全粒粉)30%のもの。テストで粉を使っていただきました。
中の気泡の美しさ、麦の香ばしい薫り。抜群です!
以前、小樽のエグビブさんでパン屋さんが集まって焼いたパンたちも、とても大きく通常、店頭では切り売りくらいしかしていないようなものでしたが、大きいほど美味しんだな、だから切り売りしたりするんだなと感じたものです。
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11月に木村オーナー夫婦に当農場によっていただき、麦談義に花をさかせました。
驚いたのは開店当時(20数年前)から、ハード系のパンを作って販売していたそうです。
いまでこそ、ブーム?というかやっと小麦についても考えようみたいな感じで、ハード系のフランスパンやドイツパンは注目されていますが、当時では”なんだ?”と思われたのかもしれません。
しかし、お客さんはこうしたパンを受け入れた(待ち望んだ)ようで、小麦だけの本当の美味しさを当時から食べれていたのは北海道でも少数本格派だったに違いありません。
流行りでない、美味しさへのこだわりで、今のこなひき小屋さんがあると思いました。
また、北海道のパン職人たちのベーカリークラブ、”N43”の会の役員さんでもあり、先日にはパン職人の技術をきそうバケットコンクールの主催もやっていたり、地元の異業種のシェフとコラボした活動を精力的におこなっているようでした。人間味あふれるパン職人さんにまた出会うことができました。
さて、隕石のようなパンを前にして
こんなデカイパン、なかなかなくならんだろう!子供も食べないだろう!と思うのは大間違い。
10か月の赤ん坊から、6歳の娘まで、うちの子供たちはパンにカぶりついて食べます。
間違いなく、美味しいんです。小麦の味なのか、技術の味なのか、バリィパリィっという食感とともに、小麦の薫りがなんともやめられなくなるカンパーニュ。
リーンなパンだからこそ感じられる贅沢いただきました。
こなひき小屋さま、どうもありがとうございました。

ユーハイム×前田農産(ホクシン)=伊勢丹お歳暮

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以前に伊勢丹百貨店のお歳暮商品に党の羽状の小麦(ホクシン)が使用されますと宣伝させていただきましたが、その実物が届きました~パチパチ。
お申し込みはこちら→ポチっ
原材料をつくる農家としての喜びはここにあります。どんな形にどんな香りに、どんな味になってかえってくるんだろうと。
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まず、手に取った時に重量を感じます。そして、バームクーヘンって今は棒つきなの?と田舎くさい発想をしてしまいますが、こうして作られたものですと木の棒がバームクーヘンを支えています。
このカードの裏には、国産100%素材の心のこもったメッセージが書かれていました。
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子どもたちも”木みたいだ~””ぼっこぉ(北海道語で棒のこと)ついてるぞぉ、食べれんの~”と箱からでてきた丸いお菓子に大興奮。”ホクシンこれになったの?”と娘。そんなこと関係なく、高価なお菓子を手でつまんで食べる息子。”あぁ、美味しわ、これ!”だって、一丁前に。
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バームクーヘンの年輪は、畑の歴史でもあるのかもしれません。しっとりと、それでいてしまりのある味はこれから先もこうして、子どもたちがたべることによって深みをませればいいなと思いました。
余計な保存料や添加物を一切使わないちょっと贅沢すぎる感のバームクーヘン、是非この味、”今年のホクシン”味わっていただきたいと思います。
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今回の取り組みは、さまざまなところで取り上げられているようです。
知人から聞いたのですが、”食品産業新聞”という業界紙があるようで、そこでも伊勢丹さまの取組が記載されていました。こちら→ポチ日本の食料の価値を改める時期であり、また生産者もさらに努力する必要があると思います。

ホクシン:伊勢丹SP菓子に変身の巻

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この重厚なワインレッドの冊子。伊勢丹の今年のお歳暮ギフトコレクションがいっぱいつまっています。
その中の限定菓子に当農場の小麦”ホクシン”が利用されました~パチパチ。
しかも、その味は2か所で味わえます。
一つは、シフォンケーキの専門店、”フレイバー”さんから
沖縄のさとうきびからできた”本和香糖”使用のプレーン”シフォンケーキです。
詳しくはこちら→ポチっ
そしてもう一つは、”マスターユーハイム”さんから
バームクーヘン。しかもその素材は、すべて国産原料からというこだわり。
自給率100%スペシャルなお菓子ですね。
見るからに美味しそう。
詳しくはこちら→ポチっ
カタログにも当農場の取組み等をのせていただきました。ありがとうございました。
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”ホクシン”大変身を遂げましたね。要は国産小麦でも絶対イケるんです。
職人たちの腕によっても、素晴らしいお菓子に変貌するんですね。
”ホクシン”から”きたほなみ”へ今後、品種転換してしまいますが、よりお菓子に向く可能性を秘めていると思います。
だからこそ、今年の”ホクシン”だって貴重なんです。
”美味しい!!!”っていってもらえると、私はもちろん、職人さん、粉をひく人、届ける人もそしてホクシン自体や育種のひとも皆喜びますよね。
”ホクシン”を食べることは、北海道の小麦の代表を食す意味。
今回はその広がりの大きさを感じました~。

春小麦”はるきらり”がプレミアムラーメンに!

何度かお伝えしている帯広市役所との粉ラボ企画”春小麦プロジェジャクト”。
今回、”はるきらり”(平成20年産もの)が、カップラーメンに変身しました~パチパチ。
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帯広市商工会議所が企画提案してくれたようなのですが、なにせこのカップメンすべてオール十勝。
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パッケージの裏面には、”はるきらり”の生産者の音更町の津島さんと私の二名の名前が刻まれているじゃないですか~!!!
そのこだわりは・・・
一つ 麺は春小麦”はるきらり”使用
一つ 黒豆味噌(しかも本別町産のもの)を使用
一つ チャーシューは中札内産のホエー豚使用
一つ パッケージも、ばんえい競馬(馬の”道産子”が競うソリレース)をモチーフに採用
一つ カップめんの製造も地元十勝の会社
う~ん、なんとも素晴らしい企画です。
あのちょっとしか獲れなかった”はるきらり”がラーメンになって手元に戻ってくるなんて。
どれどれ、お味のほうは・・・
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濃厚な黒豆味噌の味が食欲をそそります。ちなみにここの渋谷醸造さんの味噌南蛮もおいしいですよ。
麺は、食べ応えのあるやや太麺で、モチモチしすぎないコシのある感じ。
4分してから食べてねとありましたが、5分くらいのほうが私はすきかも。
麺も濃厚スープにからんで、美味しぃ!
”へ~ここまでできるんだ~”と”はるきらり”の新たな一面(麺?)を感じることができました。
値段は¥350円とはりますが、なにせ十勝のプレミアムラーメンです。
10月初めに販売開始して、すでに売れ切れちゃったかも。
問い合わせは”帯広市商工会議所”まで。
日経MJにも掲載されてました~。
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粉(コ)ラボ

フードソムリエさんのサイトにてお世話になっている皆様。
ご存じだとは思いますが、9月28日より福井県の野の花工房(佐々木オーナー)さんとの粉ラボ企画をさせていただいております。このような素敵な企画に参画できて大変ありがたく感じています。
詳しくは、フードソムリエ様サイトから→ 産地と食卓の往復書簡
本来、食=農業ってふつうにあってしかりなのですが、なんせ生産現場と消費までは輸送距離よりも気持ちや情報が遠く感じておりました。大きな枠でとらえると、日本の食や農業というのは、輸入品でなりたっていて、経済発展とともに海外からあらゆるものを輸入できる豊かな食生活に、私含め多くの消費者のかたが慣れ親しみ、それを楽しんでいます。
畑では大きな機械が躍動的に動き、日本サイズの大規模化は多少すすんでいるとは思いますが、農家の弱さは消費を知らないことです。近年になっても、自分ちの小麦が誰が、どんなふうに、どこで、誰と(まではいらないか)料理したり、食べたりなんてしらなかいわけで、”知ってどうなる?”という疑問もあるかもしれませんが、私は知りたい。せっかく作ったんだから、”美味しいのか美味しくないのか”やる気となる気持の問題以上に経営感覚としても、これから農家が持つべき情報なんだと思います。
今回このような企画をつくっていただいたフードソムリエさんには大変感謝です。
ローカルでゆっくりなペースなのかもしれませんけど、これが食の本来のベースだと思います。
今回の企画”畑の小麦→ベーグル”はほんの一例ですが、このような機会がたくさんあればあるほど、農家も消費者とも繋がりを感じられるものになるのではと思います。
野の花工房さん含め多くの料理家さんとも、このサイトで知り合えました。
お互いに行き来をし、テルテル坊主までいただき、心配をしていただきました。
当農場の農産物は貴重なものだと思っていますが、この国の農産物そのものが非常に貴重なものです。正直、肥料や農薬、機械やそれにつかう燃料はほぼ外国に依存しています。
国土の大きさの違いは明らかで、原料の量で勝負なんてありえない話です。
それに加え、今年は天候不順に泣かされています。
日本の小麦の自給率14%のうち、パン用小麦(強力粉)は1%に満たない現状です。
農業政策、品種改良、作業体系、消費動向といろんな問題、課題点はありますが、ようは危機的なんです。ただ多くの方が国産の小麦を必要としているのは最近よく感じています。
もっともっと、”粉ラボ!!!”していきましょう!