♪はじめてっの溶接っ♪

11月中旬にビートを掘り終え、来年への準備にとりかかってきた。
生産物のない時期にいかに準備できるかが、重要なこの時期の仕事はメンテナンス。
いっしょに仕事をし、酷使してきた機械たちをビッとするのがこの時期にあたる。
”気になるところ”というのは常にある。忙しいシーズン中はできないが、ゆっくり時間をかけてメンテしてあげると喜ぶに違いない。
不慮の事故も未然に防ぐには、点検ふくめたメンテナンスの重要性が問われる。
12月初旬。2年越しの案件。ホイルローダーバケットの修繕にとりかかった。
10000hrを越えたがまだ立派に仕事してくれるローダー。
堆肥だの土砂だのと重くて、時に匂う仕事?をするバケットは錆も入り、溶接もところどころはがれて来ていた。
故障の原因になり、それが事故にも繋がる可能性もなきにしもあらず。
また故障により、作業が止まればシーズン中のロスにつながる。たかが半日おくれただけでも、雨つづきなんていったら致命的になりかねない。
そこで、錆ハガシ⇒溶接(肉もり)⇒塗装をうちの若手スタッフのリュウジが担当。
1.錆☑
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2.錆取り☑ グラインダーで錆で浮き上がった鉄板粕をとり、金ブラシで1日かかってブラシング+エアコンプレッサーで鉄粉を除去
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3.肉もり溶接☑ 彼にとっては初めての溶接作業♪ 半自動溶接機は癖があるがしっかり溶接がつきやすく、溶接カスもでにくい。光で目玉焼き(あまりに光が強いため、遮光面をかぶってないと夜ねれないくらいの激痛がはしること)を作らないように、極力明るくして溶接するのもポイント。
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4.その溶接姿がカッコいいのでもう一枚つけちゃう。
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5.溶接痕の修正をグラインダーで再度やる。☑
これだけやればあと5年はよっぽどのことをしない限り、もつし安全。
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6.塗装☑
 解決ビフォーアフターばり、”するとどうでしょう~あの錆だらけだったローダーバケットが命を注がれたように活き活きとしてるではありませんか!!”というナレーターが入るくらい綺麗にできました。リュウジが几帳面なところがある一面も見れ、感心した一瞬でした。こりゃ、本体のローダーも早くくっつきたいと思ってるに違いない。よし、今度はオイル交換してあげるからね~。
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甘甘ビートを育ててみよう!いよいよ収穫編

ビート(甜菜)の収穫時期がやってきた。
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今年は10月17日に”ほのぼの印”のグラニュー糖で有名な北海道糖業の工場が稼働した。
いつもこの時期になると、工場からのビートを精製した際にでる、苦いような甘いような香という表現じゃない匂いが町を覆う。
これも冬の訪れの合図のひとつ。”臭い、臭い”言っても、いつも営みができてるだけこの時代、良しとしなければならないのかもしれない。
 うちの受入は10月18日、24日、11月上旬だ。
これは地区によって甜菜の受入日が決定している。
よっぽど天気が悪かったり、なにかないと出荷日に必ずビートは掘り終えて堆積しておかねばならない。
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ということで、13日から雨続くという予報の中開始していった。
今年のビートの傾向は?
1.褐班病被害が圃場によって違う。発生小31、32、21圃場。激発が60。発生中程度が61であった。
発生小は、気温差も関係している模様。それと発病していた圃場は9月中旬(20日)前後の最後の防除の詰めが甘かった。
2.収量は良さそう。ここ3年では1番じゃなかろうか。
まず、腐れ株が少ない。それからニンジンビート(小ニンジンのように細く作業機からこぼれおちるもの)が極めて少ないのが今年の特徴。
3.肝心の糖分はまだわからないけど、ちょっと水ビートっぽいかんじがあるのであまり期待できないかも。
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収穫作業も中盤(10月23日時点)では順調そのものといっていいだろう。
雨が少ない分、作業は泥沼状態にならずにすんでいる。
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ただ、ここ数年うちの町でもビートの面積は減っているようで、トラックが廻ってくるのが早くなってきている気がする。
甘味料としても重要だが、なにせ畑の輪作体系には重要なビート。
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ん~うちも高齢化と作業の効率化から何らかの手を打たなきゃ!
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The ファームステイ

十勝では、多くの修学旅行生を受け入れている。
いままで何度となく過去もこうした修学旅行生の受入の検討会はあった。
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しかし、実際にこれを本気でレールに乗せたのは、浦幌町にあるノースプロダクションの代表、近江さんの声かけだ。
いつも思うが、凄い取組にしたものだな~と思う。なぜかというと、受入側も楽しいからだ。
正直なところ、農作業の忙しい時期に来られても・・・というのはあるが、農業ありのままを伝えたい農業者と教わりたい、
感じたいという生徒側の希望が合致する時、またそうでなくとも、見ず知らずの農家に泊まるドキドキ感としたら
生徒には新鮮な想いがあるだろう。有名な名所やアトラクションもいいが、学生の頃にやるべきなのは、”違う世界にとびこむこと”だと思う。
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そんなこんなでこの秋にもなると修学旅行生が多くなる。
うちは両親が受入をしているので、毎度一緒にご飯を食べ、談笑だ。
9月は京都の高校から2人来た。
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通常は夕食は、その家庭の奥さんと高校生がカレーライスを作る。不思議と毎回美味い!!
野菜を自分で取ってきたりしての楽しむ農家ならでは生活体験もできるのがこの受入の良さ。
うちの子供たちにとっても、中学生や高校生のお兄ちゃん、お姉ちゃんたちと遊ぶのは凄い刺激になると思う。
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畑体験もほとんどの子達ができている。人生で初めて運転した車は”前田さんちのトラクター!!”なんて粋なセリフが将来聞こえるかも?
それから10月に入って、大阪の天王子高校から。残念ながら宿泊なしの短期滞在だったが、皆夢をそれぞれ持った学生達だった。両親のはからいで、お昼は炭火で、サケのチャンチャン焼き(鉄板の上で半身のサケと野菜やキノコなどをバターしょうゆで焼いてたべる郷土料理)となった。
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トマトやパプリカを家庭菜園からとってきて、
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獲れたてスイカを小麦畑でほおばり、畑起しの作業をトラクターで運転してみたり、
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実際に小豆の畑の収穫を手伝ってみたり。
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どの子もほぼ、人生初の”農業者”に会うのだ。不思議に感じてしまうがこれが現実。我々(まだ)若い世代も農業を伝える、もしくはファンになってもらうきっかけ作りは絶対にしていかないといけない。夢をもった高校生たちよ!また大人になったら来てね!
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春よ恋で、17m長いピザを3年生と創ろう!!

8月28日、それは暑い熱い日になりました。
本別中央小学校3年生2クラスの生徒を対象に、JA本別青年部本別支部の面々が今年行ってきた食育活動。
最後は皆で料理して食べちゃおう!!といいう計画のもと、ついにその実行日が来ました。
前日から、青年部で会場をセット。
会場と言っても、体育館前のバス乗り場の駐車場を利用するだけ。
特性の石窯にテーブル、テントなどを準備し、皆やったことのないピザつくりの流れを説明。
”どうにかなるさぁ~”という楽観的な気持ちのもと、28日はあわただしく始まったのです。
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1時間目は生地の仕込み。
なんとスペシャル講師は、うちの嫁さん!?
きたほなみと子供たちが成長を見守ってきた「春よ恋」の小麦粉ブレンドを使って自分達でコネコネします。
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この日はお母さん達も呼んだため、15名ものお母さんたちが集まってくれました!これも成功の要となります。
皆熱心にききながら、実際に生地をこねたり、具材をきったりするのでした。
2時間目は野菜やソーセージのカット。
それと一次発酵の時間をまちます。
そうしてる間に、青年部の男衆は窯管理です。
ボウボウに燃やしていきます。今回初のPGS(ピザガイダンスシステム?)もぶっつけ本番を迎えていました。どうなることやら?
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食材もほんべつ、薪も本別支部長の伊藤君がもってきてくれて、オール地元食材でやってみましたよ~。
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お母さん達も農作業で日焼けした素肌の農業青年達も汗だくで焼きあげました。
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なんと予想をはるかにこえて、17mも出来てしまい、食べきれないということで、全校生徒達に給食のお伴としておすそわけしたのです。同じ釜のピザを食う!!っていいですよね!
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最後は生徒達のクラスに戻って、一緒に給食。雑談に笑いが合って最高の日になりました!
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今回実はある実験を兼ねての長いピザ!今度は日本一長い111mのピザを完成させます!
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ミステリーサークルと保育園児たち

7月のある日。
南保育所の園児たちが、ゆめちからのミステリーサークルに遊びに来てくれた。
曇りのち晴れ曜日だったが、思いのほか晴れ間が早い。
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先生たちは園児達をつれ30度になる前に早速連れてきた。
愛の架け橋(南大橋)を渡ってすぐそこ。
といっても園児達の早さだ。
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ただこういう子供たちが畑に群がっている光景は、我ながら”間違ったことしてない!”という感覚になる。
私も行きたかったが、仕事でいけず社長に代役をお願いした。
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園児達には、その辺の池や水たまりとそんな違いはないのかもしれないけど、
この自分の背丈ほどの小麦。向こう側の見えない世界というのはとても面白いことなのかなと思う。
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まっとにかく、彼らや彼女らもまた、未来ほんべつの”ゆめちから”達だ。
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大きく育ってね!!
連れて来てくれた先生達も暑い中ありがとうございました!

2012年 伊勢丹お中元にも登場しています。 by akiko

北海道もようやく初夏の陽気になってきました。
小麦たちもむくむくと穂が出て、小麦畑も白波が立っているように見えます。
さて、今年も伊勢丹様のお中元に登場させて頂いております!
共栄岡野様
本別町前田農産100%使用 小豆島手延べ麺「古今」
5,250円
こちらの手延べ麺にすっかり虜になっている私たち家族は、
入学、出産、などの返礼の際に、お世話になっている方々に送る
定番となりました。
小麦のみずみずしさが伝わってくる美味しさです。
そして、
我らが十勝勢の十勝菓子工房 菓音 甲賀静香さんの

スマイルクッキー・十勝すふれカステラセット

冷やすとしっとり、レンジで少し温めるとトロリと濃厚な味わいなのです。
スマイルクッキーは食べてしまうのが、もったいないほどのかわいさ。
そしてそして、
春のフェアで桜のミルフィユが好評だったそうなのですが、
横浜フランセ様のミルフィユ
とーっても美味しかったので、こちらもおすすめです。
フレーバーが本物の香り味がしました。
サクサクのパイ生地も手折りなんだそうです。手間がかかっていますね。
定番となっている
ゼフィール様アソートボックス
徳島県の金時芋とのコラボレーションです。
クローバー様のプチフィナンシェ
しっとりとした口当たりがとても美味しいです。
こちらの二点は定番となり、とてもうれしいです。
宜しければ、夏の贈り物にどうぞ宜しくお願い致します♪

甘甘ビートを育ててみよう!移植編

今年のビートポットの移植作業は遅れた。
寒い+雨もあって結局4月29日スタート。
しかし、5月3日より天候不順で5月10日まで移植は先延ばし。
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5月3日時点でまだ全体の40%、9haくらいしか進んでいない。
作業の進め方は人それぞれだが、うちでは
Wソイラ(深耕爪)⇒ロータリー⇒全層肥料(約5割)⇒プランター(残りの肥料5割)⇒移植機の順で作業する。
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どの作業もMAXスピードでやりたいが、結局焦っても精度が上がってないとスピードや効率は意味がない。
苗供給や労働力の確保を考えると今後もこの作業体系でいいのか?
もしくはビート生産自体を見定める必要もあるのではないかいう錯覚?さえ芽生える。
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ということで、中休み中の5月9日にブログに書いている。
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いつもどうり、
①苗をコンテナに積み(水分調整は非常に重要)

②パレット(25冊)をトラックに載せる

③移植機に苗コンテナごと移す(ユニック使用)

④23~27cmくらいの株間で移植。(狭い方が株たて本数が確保され、収量の安定性はもとより、糖分アップへの
期待が多い。鎮圧輪も重要な役目を果たします。

⑤補植:欠株や苗の悪いものと、1本つづ交換していく。結構重労働。
雨がないのもこまるが、ふりすぎもまた困る。
こりゃ、5月20日ころまでかかるな~。
でも焦ってもいいことないですか。
ユックリ早く移植していきたいです。

集英社LEE11月号に掲載されました♪ by akiko

現在発売中の「LEE11月号」宜しかったら見てくださいませ。P214、P215のカラー2ページです。
LEE web サイトでも動画を見ることができます。
私のインタビュー映像は見て頂くには、恥ずかしいのですが・・・
さすが、集英社のプロの方々が作ってくださった映像!
小麦の収穫シーン、本別町のマスコット元気くんや、本別町を一望する夕暮れの風景など、盛りだくさんの映像になっています。
私が参加させてもらっている、十勝キャリアデザインネットワークの素敵な先輩方にも集まってもらっています。
フードソムリエの北村貴さん
森田農場の森田里絵さん
十勝菓子工房 菓音 甲賀静香さん です。
私の先を走って行って、彼女たちの背中を追いつつ、影響を受けています!
撮影はますやパン麦音店で美味しいパンを食べながら。
十勝の親善大使になった気分で、あれもこれもと紹介したい人や物がいっぱい。
編集の畑江さん、ライターの水島さん、カメラマンのお2人にも、わがままをいっぱいきいてもらい、2ページに詰め込んでくださいました。
ネットの普及、そしてスマホなど新しい便利なツールがどんどん生み出される今。
田舎にいても、最新の情報が入ってくるようになりました。
私の夢の実現率は30%!何もやってないじゃんって数字ですか(苦笑
田舎にいても、子供がいても、仕事が忙しくても、夢を育てていけたらいいですよね。
具体的な夢がない・・・と思っている方も、実はすぐ身近にあるもの。少しづつ育てていくと、見えてくるのかもしれません・・・。
農場では小豆・大納言の収穫が終わりました。
ぐっと寒くなり、これから黒大豆とビートの収穫が始まります。

Breeding Spirits

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7月上旬に、北海道農業研究センターのワークショップに間違えて?参加してしまった。なぜ間違いか?というと、1.育種にかかわる技術者達の集いであること。2.ワークショップは全ての工程を英語で行うため、より理解が困難なことである。
一般的なことならまだしも、生物学や植物遺伝子やでんぷん質の種類のことをたとえ日本語で言われても、”なんのこっちゃら、ちんぷんかんぷん”になるのは想像しやすいと思う。留学初期の授業で、映画のスクリーンのように英語の授業が目の前で展開され焦りまっくた時期を思い出した。
 
 一番恥ずかしかった思い出は、”earth worm(ミミズ)”という発音を”ass-hole(ケツの穴;くそったれ”と授業で連呼してしまい注意されたことだ。私は本気だったのに・・・。発音には注意しましょう。また税関で、風薬をもっていたのに、”ドラッグ!”と言って連行されていった友人もいた。日本ではドラッグストアが当たり前だが、海外では通用しない。
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話はこのワークショップのことだが、二日間にわたり育種から、加工食品への機能性やでんぷん利用加工についてと話は多義に渡った。例えば、製粉会社にとっても日本の自給率にとってもよいとされる、胚乳部分(製粉効率の良い)の多い”きたほなみ”の顕微鏡写真。左の農林61号(本州ではメジャー品種)と比べても、外皮が薄い。
ホクシンと比べても、製粉部止まりは高いようで日本の大方のうどん原料に使われているオーストラリア・スタンダード・ホワイト(ASW)に匹敵、それ以上といわれているようだ。
 育種の世界は奥が深いというか、地道な作業の積み重ねだと感じた。膨大な品種の掛け合わせの中から、消費者+加工業者+製粉会社+農家と時代の背景もふまえ、あらゆる側面から次世代の小麦やジャガイモの育種をしていくわけだ。研究者の方も生涯に1品種デビューさせられたら良しとしなければならない世界だと思った。
 例えばアメリカの”HRW”の銘柄には、何十種類の小麦の品種から地域や農場の土壌条件にあった小麦を播くようで、中には二品種以上を同時に混藩する例もあるとか。要はHRWの品質基準にあったタンパク値やFN値があれば良いのだという。
ということは、小麦の肌や顔(形)は当然違ってくるはず。日本では、拝見検査といって”見た目”で1等と2等とがある。硬質小麦はたいていの場合、形がいびつ(モアイ像みたいな感じ)で最初から2等とレッテルをはられる可能性もある。問題は、顔じゃなく中身の性格のはずなのに・・・・。この問題は解決することはないと思うが言ってみた。
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 それから、アメリカの巨大メジャー種苗会社が今後考えていることをアメリカ研究者の方に聞いてみたら、”耐干ばつ性の高い遺伝子組み換え小麦”という言葉が返ってきた矢先の農業新聞の記事。その通り、10年後にはGM小麦できてます。入ってきます日本にも。自給率14%くらいしかない我が国に選択の余地はないと思う。世界人口増、水資源枯渇による干ばつ対策は待ったなし。というのが輸出国のアンサーなんでしょうね。
 その時にもまだ、国産麦を愛してやまない消費者と加工者、生産者と育種者がいればいいな~~。