緑肥のえん麦&ひまわり収穫しません。

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10月上旬。10月に入り、急に朝晩が冷えてきた今日この頃。
8月16日とかなり今年は遅れて蒔いてしまった緑肥(そのまま畑の有機物になる)を粉々にする時期がきた。
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いつもなら、8月上旬に蒔いていたのに、今年は小麦の収穫が秋も春も全体に遅れた。というより通常年に戻ったということかもしれない。過去2年の旱魃を考えると、収穫水分が多かったのと熟期が遅れていたので・・・・
と書いたが、結局準備不足。言い訳しちゃいけない。
今年のまずは失敗から。
1.緑肥の量(9kg⇒12kg)に増やしたこと。増やさなくても今年の9月の温度の高さからいったら10kg/反の量で充分だった気がする。収穫時にはかなりのえん麦が倒伏していた。
2.その倒伏していた原因:ブロキャス散布後、パワーハローで撹拌したまでは良かった。
  その後の対応として、ケンブリッジローラー等で土表面を占めるべき。結果、根がフワフワした状態だった。
3.そのフワフワ感はどこから?とういうと、スタブルカルチ(レムケン製)をデモで借りた。
  素晴らしい混和能力と小麦の刈り株除去ではあった。20cmくらいの深さの調整だったが、これがフワフワ感の原因。
  決して悪い評価ではないが、その後のローラー等の鎮圧がないのがわるかった。
では、成功部分は
1.成功ではないが、天気に助けられ、遅まきでもそこそこの丈約40cmのえん麦、また10月8日にはひまわりはちょうど満開有機物確保にはなった。
2.失敗2のスタブルの効率の良さと表面の綺麗さには感動した。来年入れちゃうかも!?
3.初めてひまわりをえん麦と混幡してみたが、綺麗だ!こりゃ喜ぶ通行人も増えそう!
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すき込み作業はうちは2段階。メリットは
1.チョッパー:1工程増えるが、裁断することで腐れや土との分解は明らかに早い。プラオ作業も引っかかりが少ない。また次年度のビート間のカルチ作業でも深耕爪等で、未分解の葉や茎を引っ張ってこない。
2.プラオかスタブルカルチ:プラオをかけるまで、空気と触れさせ表面を混和しておく。
                  今年はスタブルがあるので、プラオとの違いをみる。
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ひまわりの効果:高い有機物の量を確保できるが、うちは景観を良くしたいということが主な理由。
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えん麦の効果:えん麦といっても、野生種とかサイヤーとかいう品種がある。うちのはサイヤー(オーストラリア産)
クリーニングクロップとも呼ばれていて、土壌の根ぐされセンチュウや寄生すると恐ろしいシストセンチュウの密度を下げる効果がある。それは毎年の土壌分析からもよく分かる。センチュウの密度(頭数)が明らかに減るのだ。もともといないところは関係ないが、豆やイモにつくと、収量は激減、品質も低下する。
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今年の小豆の畑は、借りた8年間には144頭/100g土中いて、豆が全然取れなかったのが去年は12頭まで減っていた。もちろん、輪作で畑を開けていたことも事実だが、その間小麦後にサイヤーを3年作っている。これが効いていたに違いない。どこが大事かというと根からだす根酸が効果を発揮するようなのだ。自然治癒が他の作物でできるなんて、やっぱ植物の世界もバランスが良くないとダメなんだなと思う。
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ということで、ひまわりなんか満開に咲いて間もないのだが、ここでお役御免だ。ありがとう!
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小豆の収穫⇒ビートの収穫⇒黒大豆の収穫と立て続く。
ここがベスト!!というところでやりたいのだが、機械も人も必要最低限でフルに動いている。
天気もこれ20度以上なんかは気温が上がってこない感じだし。ここら辺がいいところ。
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農家は切っても育種は切るな!!

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今月の日本農業新聞の記事だ。
タイトルは”育種・防除に打撃 財源不足 揺らぐ継続性”という記事。
なんのことかというと、国の事業仕分けにより(財源がないからという理由で)、国の指定試験事業が1年前に廃止されたのだ。
これは未来に向けて重大な過ちを犯しているに違いない。
なぜか?何度も紹介しているとおり、小麦の品種選抜の何千から選びぬかれたエリート麦たちだ。
その基礎研究がなくなり、または短くなればその弊害はかならず現場で起きる。
収量性、生産性(耐病、耐寒、耐雪など)、製粉性、加工適正などありとあらゆる側面から、いいとこどりをしながら、選抜された小麦を人工交配で地道に生み出してきたのが今の品種たち。
畑では、高齢化や労働分配からも小麦の占める割合が今後も高くなる。同時に、病気や連作障害も付ものになりえる。
育種はその病気や天候変動、ニーズの多様性に応えるためにあるのだ。
正直、兼業農家にばら撒いている財源があるのなら、種を育てる機関と研究員に拝聞すべきだ。
日本の農業の将来に深くかかわっていくのは、この基礎研究部門だ。
さらに悪いのは、日本の小麦の等級制度だ。この制度は今や検査機器の整った現代では無用の産物でしかない。
一般には知られていないが、国策である小麦、米、大豆には穀物検定検査が行われている。
3つに共通するのは、見た目(外見)検査と成分検査だ。
小麦の場合は、粒度を検査委員の目視による等級検査と、成分はタンパク、灰分、FN(フォーリングナンバー)、容積重、DON検査がある。
重要なのは、もちろん成分。いくら外見がよくても、加工者側が困るような例えばFNの低い、低アミロの小麦では話にならない。
例えば、今北海道の小麦はジレンマに陥っている。自給率14%といわれているが、生産の9割を占めるうどん用中力粉は市場でダブついて価格が落ちている(もちろん外麦が安くなっている要因もある)。反対に、パン用中華麺用はいままでそう安定した品種がなかったのも手伝い生産量は少ない。
がしかし、それ以上に問題になりそうなのがこのパン用中華麺用小麦の外見の悪さだ。タンパク含量の高いパンや中華麺に使う強力小麦は硬質小麦ともよばれている。他方、ウドンのような中力粉は軟質小麦という。外見上は、軟質小麦のほうがよく、今後でてくる「ゆめちから」なんかは実は正直ブサイクなほうだ。
なぜ、粉々にする製粉してなんぼの小麦に外見検査が必要なのか?昔は検査機器もなかったので人間の目視は重要だったかもしれない。しかし、ほぼインスタントででてくる成分検査に対して、検査員の外見検査はなんの意味があるのか疑問だ。
そもそも誰もこの麦の等級制度は得をしない。生産者はもちろん製品率の低下⇒収量減=製粉会社への流通量限⇒価格高騰⇒消費者も買いずらい⇒市場がないとみなされ作付減。本当に自給率や農業を育てたいと思っているのであれば、この制度は撤廃すべきである。しかも全国少なくとも稲、大豆の作付があり、検査員が仕事を辞めることもない。痛みを伴わない構造改革なら早急にやるべきだ。外麦よりも検査基準は厳しいのだ。有事になったらきっと規格外の小麦も食用にまわるかもしれない。
とにかく、この制度も撤廃して育種に財源をあてるべきだ。問題は将来、必ず起きる。
育種に何十年もかかるのもわかる。でも等級検査を撤廃することにより、成分で勝負しようとする生産者も増え、地域での競争もはじまり、且つ消滅した小麦や品種改良中の小麦まで幅広い品種をつくれたら、今度は加工業者のなかでもオリジナル商品ができてくるはずだ。
”小は親を選べない”ように親の掛け合わせによっては、ブサイク麦になりかねない。
でも見た目なんか関係ない。問題は中身であり加工適正のマッチングなのに。人間だって同じ。
中身で勝負するのが本来である。
とにかく、育種をさらに発展させ、実用化をより充実させるには、柔軟性と多様性を認める麦政策にするべきだと切に思う。
気候変動やマーケットやニーズの変化は生き物だ。規制緩和とかそういう次元の話ではない。もともとの小麦の在り方を考えれば今の制度が間違っているのがよ~く理解できる。
俺の息子の代までには絶対に変えなきゃならない。
農家はきっても日本の種を創る切り札たちは絶対に残し発展させるべきである。

雨、雨、雨の5月上旬

ツツジも桜も、杏の花も咲く今日この頃。
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雨です。雨です。雨ばかり。
ここ3年はこのようにゴールデンウィークに限って雨という感じが続いてます。
うちもビートの移植作業は中断。
5月3日から進まず、まだ全体の4割ほどしか終わっていないスローペース。
でも、去年はこの時点で無理して植えたビートが途中でイカレテしまう失敗を起してしまった大反省点を振りかえると、
土が乾き適期に畑に入れるまで待つのも勝負のうちです。
まだ、予報では3日ほど曇り雨の天気。
週明け5月14日からフル稼働できていれば最高でしょう。
それまでに、出来る限りのことをと・・・。
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今年の雨も、平成21年の大雨も、平成23年の9月頭の極雨も降るのは天気の勝手。
我々ができるのはどう、それを畑からリリースできるかです。
2度あることは3度あって、その教訓を社長(父)はじめ、先人たちはやってきました。
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平らな畑に側溝を掘り、暗渠パイプを施工して水抜きをするのです。
今年はこの調子だと、そんな簡単に乾くわけもない感じの天気ですので、その昔の側溝の掃除。
ここ32番の畑は、下層土は湿性火山灰土、粘土けが強く暗渠なかせの土です。
道路横断している土管も、水位がギリギリの勾配。
下手すると逆流しそうです。
ユンボを使って、V字型に側溝を掘り下げ、水位を下げます。
途中で埋もれていた暗渠を見つけ、水はけの確認。
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今年の秋に良くなるのも、もしかしたら来年、再来年に結果がでるかもしれません。
でも、やらないよりはやったほうが絶対良いのです。科学性だけでなく、物理性も良くしないと総合的に根が張っていかないから。
こういう作業のできない沈滞ムードはその後一気に快晴に恵まれ、作業がぼわれます。
備えあればなんとかで、こういう努力が畑の基盤強化にはかかせないんです。

新規就農者イチオシ候補誕生です!

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3月10日にスタッフの一人、広瀬君が退社しました。
2年間泣き言、たわごと言わず、不慣れな作業を一生懸命やってくれました。お疲れさまでした。
向かって、左端のイケメン(皆イケメンぞろいですが・・・)が広瀬くん。
3月10日というのは、ビートの苗つくり作業が終わった日になりました。今年もポット苗の最初のキーである土入れをやってもらいました。休憩中は皆に、”どうすんだ、どうすんだ?”と根掘り葉掘り聞かれてましたね。
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 何よりうれしいことは、実家の酪農畑作業を継ぐと決意したことです。
今の世の中、食料を根っこから作ろうという若者は少なく、また現実問題としても農業に新規参入するというのは、経済的にも精神的にも決して楽ではないからです。同じ農業者としてこれから楽しみ、イチオシ候補です。羊蹄山のふもと、真狩村のマッカリーナの入り口で、どんな農業を夢見るんでしょうか。
 2年間私もサラの状態で一緒に仕事をしてきました。
不器用でも真面目じゃなきゃ務まりません。しかも臨機応変に状況に応じて動くということは、常に何かを感じたり見たり、嗅いだり、聞いたりして初めて分かることが多く、毎年同じ作業でも状況によっては違うわけでした。
 途中、怒られたりもしましたが、畑に山に時には弁当持参で来てくれたんです。
なかなか頑丈な心と体が備わっている若い子はそうそういません。両親のお陰だと思います。
一緒に仕事をしてきた他スタッフとも協力しあい、作業を進めてきてくれました。
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一番一緒に仕事した龍二が選んだ、広瀬農場のネーム入りツナギをプレゼント!
 この日はスタッフ皆での送別&就農壮行会です。
子供たちからはシール交換?ポッキーをもらい?
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 最後にみなでパシャとしめたわけでした。
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 たった2年間でしたが、多くのことを学び巣立って行ってくれたらと思います!
がんばれ!広瀬!
 向こうでも愛されキャラでやるんだぞ~~~!!
PS:現在(平成24年3月~4月)に正社員/研修生を募集中です。
 やる気のある方、食糧の根っこでやってみたい若者是非、応募してください。
詳しくはこちらをご覧ください⇒前田農産 求人情報
  

甘甘ビートを蒔いてみよう!!

準備からやや1週間後、3月7日~10までの四日間、種まきの始まり。
毎年の同じようなことをやり、同じ機械を使っている。
特に大きな変化はないのだが、変わってきているは人間の高齢化だと思う。
ビートはここ数年生産面積が減っている。
減少要因で考えられる理由は
1.高齢化に伴う重量作物としての位置づけになったこと。
2.ここ2、3年の猛暑や水害で思ったほどの収量、糖分にいたっていないこと。
3.戸別補償前の政策化では、明らかに生産抑制を強いられたため、生産意欲がわいていない。
ここ最近の良いことといえば
1.内需が増えているより、海外関係で、砂糖の原料価格は上がり基調。
2.産地資金の創設で若干の補助があり。
過去から含めて良いことといえば
1.輪作体系の確立(土にも他の作物にも良い)
2.ビート工場をはじめ、地域の運送業、燃料業、機械工業などの発展維持があったこと⇒地域で経済活動のサイクルとなっている。
くらいだろう。確かにたった何日かのために、前年から土準備やハウス準備してまでやることなのか?
と思えばそれまでだけど、国内に甘味料は沖縄のサトウキビしかないわけで、やっぱり考えると重要な農産物のひとつだ。
上記、内容からすると、食糧自給の面、消費者的、お菓子やジュースの甘みからくる幸福感、農家の経営上もビートの収量をとって、なおかつ甘甘のビートにせにゃいかん結論にたっする。
3月上旬からのビートポットの作業の理由は、生育期間の確保だ。
直幡栽培(土に種そのままをまくこと)も移植作業(ポットを植え直す)も結局時期は4月下旬(十勝の場合)になる。
50~60日くらいのハウス栽培があったほうが、安定的なのは間違いない。
4月下旬の強風、乾燥、水害も考えられ、まだハウス内の生育であればなんとかなる。
重労働とリスク分散を今は考えての移植だ。
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作業はいたって簡単だ。
①土入れ(肥料混ぜ)
②ポットに土を詰める
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③ポットに種を落とす
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④覆土(ふくど)、およそ1cmの土をかぶせる。
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⑤ハウスに並べる。
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それぞにポイントやコツがあるので、それを覚えればなんてことない。
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今年は2日前に、500kgパックに入った土を外にだしておいて、整地をいつえもし易いにしてみた。
やっぱり焦って整地をするとその後、ポットの割れから発生するロスも大きくなる。
備えあれば、なんとかだ。実際、ゴミ、石拾いから整地まで、2日目の午前中には2棟目ができていた。今年の成長点だ。
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途中の休憩も、いいコミュニケーションの場だ。
今年は4人の就労センター(65歳以上)に来てもらい、手伝ってもらった。
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でもまだまだ働けるひとたちばかり。若い人もまけられない。
さぁ、今年の始まりですよ!甘甘狙いましょうね!!
 

農業経営見える化ソフトってなんだ?!

実際の農業現場にいるとどれにどれだけの、コストがかかっていているというのは分かりずらいものだ。
反対に、売上は分かりやすいようでわかりにくい場合もよくある。
なぜかというと、交付金があり、その要件も多義に渡る場合がある。
そこで、ざっくりとでもその傾向をつかんで、対策を打てないだろうか?ということで”農業経営見える化ソフト”は開発された。12月8日。農閑期になるとやたらめったら講習会は多くなる。充電期間というより反省と予習するための期間がこの時間なのだ。
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 今回の講師は、十勝農業試験場の生産システム科の白井研究員。
同課の取り組みはこちらから⇒ポチっ
うちも数年前からお世話になってきた白井さんのソフトのお披露目会というより、進化系の経営ソフトの普及と実演だった。本別情報ネットクラブ(HINET)とJA本別青年部の初の共同開催となった。
 このソフトの特徴は
1.クミカンデータをCSV形式で簡単にエクセルに移行。自動計算してくれる。
2.グラフ化から現状を把握し、地域モデルとの比較ができ、自分の強み、弱みをしることができる。
3.年次比較もできるので、年次の動きを把握できる。
4.ソフトは無料でダウンロードでき、改造もできる。
5.営農日誌と連動させることで、人的な動きと作業性もよくわかる。
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もちろん、ちゃんとした企業であれば、
複式簿記は当たり前、部門(作物)別の売り上げや経費の算出、労働分配率など様々なデータを統合できているが、農魚はまだまだ山カン。もちろん自然相手だし、機械はぶっ壊れるしと分からないことも予測できないことも多々あるが、このソフトはその部分を見えるようにできている。
白井さん曰く、カーナビの役目だそうだ。
目的地(ゴール)を設定する前に、どのスタートライン(位置)にいるのか把握しないと、どのルートをたどるのかも違ったり、たどっていいかも分からなかったりするからだ。
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確かに、”費用対効果”はグラフ化されていて、各作物や部門の数字のボリュームがはっきりしていたほうが分かりやすい。やみくもに経費を削ってもダメだし、機械投資しないと大規模化もはかれない。でも自分がどの力量で実際どう動ける化をはかるのであれば素晴らしいソフトだと思う。しかも、ほぼ入力いらず。
きっと日本の農業はちょっと言い過ぎだが、地域の傾向はすぐに浮き彫りになって、政策数字や新規農業者の農業ってどんなん?という答えにも加味されることになるんだと思う。
 でも欲をいえば、例えば
1.スマホや携帯で、労働時間を入力管理、それをこのソフトに連動させる。
2.トレサビ情報の生産履歴から、肥料、農薬、種子などの大きな経費をこのソフトに連動させる。
みたいなことができたらより素晴らしい。
なかなかこういった類のちゃんとしたソフトはないからだ。
それに、農家によって項目も変わってくるので、それぞれで項目のルール付けも重要な要素だと思う。
でも家計簿みたいなもんだから、分かりやすさが一番。
あんまり細かすぎても、投資に踏み切れなかったりするから。
エイヤ~!!というわけのわからない”決断”よりは、数字に基づく”判断”がこれからも重要なんだと思った。
白井研究員の仕事は、十勝の農業経営のデータベースの本来の活用にスポットライトをピンポイントであてられそうだ。
どうもありがとうございました

2011 WORK FORCE MAINTENANCE

冬です!寒いです!雪も降りました。
今年の根雪は12月3日の夕方から4日の朝にかけて、大粒で水分のたっぷり含んだ雪がふりました。
除雪も”重いぃ!!”というのが大方の方の意見でしょう。
11月下旬から12月中旬まで準備したことは、
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1.ビートハウスの裾シートのとりつけ
2.ビートの育苗土の準備と凍らないようにシートがけ。
3.各種メンテナンス(機械、施設)
4.それにともなう清掃。
5.改善のための改造(施設、機械、人)
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機械点検は
1.エンジンオイル、油圧オイル交換(エレメント含め)
2.グリスアップ
3.時間毎の保守点検(クーラント交換だとか)
4.改造(使いづらいところは使いやすく、ぶっ壊けていてそのままのところを修繕)
写真はスプレヤーの荷台作成(松本作) ビフォア
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アフター
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どれも重要な作業でこれをやると良いことが大きくは三つ。
①.経費削減
②.機械に触れることで愛着と、どこがどういう仕組みになっているかよく理解できるようになるし、部品や道具の使い方も覚えられる。
③.人に教えられるというより、伝達能力が高まる。
でも素人がやるので、失敗もある。
例えば、分解しすぎて基に戻らなくなるとか、時間が異様にかかるとかだ。
でも鼻水垂らしながら、オイルにまみれてやる。
明日の出動のために、来年のより安全で、快適な作業のために。

正夢の “ゆめちからフォーラム2011in東京”

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11月28日、ホテル日航東京にて、フォーラムが行われた。記事はその時のもの。
「ゆめちから」を核とした国産小麦、米粉の展開
‐革新的パン用小麦、米粉用水稲用品種開発、米粉調整技術による新規需要創出に向けて‐
主催は、農業食品産業総合研究機構(農研機構)
後援は、農林水産省、全国農業協同組合連合会、製粉協会、日本ンパン工業会他諸々関係機関。
参加者:370名/400人募集くらい
講演は多義に渡った。
1.十勝地域の食産業の取り組みを”フードバレー十勝”として紹介:帯広市 米沢市長
感想:十勝のトップセールスマンに感じた。良いことばかり言う市長ではなく、税金がその町や市におち、雇用が生まれ継続することがこのフードバレーの最大の目標でもあるのかもしれない。でも感覚的には十勝住民は十勝が大好き。誇りに思っていることが多いのでうまくいくと思う。私もそういう感覚がDNA的にある。
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2.政府や北海道の特に麦チェンの施策についてを:農林水産省生産局と北海道農政部農産振興科
感想:国は現在の90万tの小麦を2030年に180万tに倍増するという。ここで問題が二つある。一つはそれは年一作の北海道の役目にはならず、全て本州の米の裏作(この言葉自体好きじゃないんだけど)に小麦を作った場合の数字。またこれが全て、うどん用中力だと市場は飽和し価格破壊が起こること。だから今回の”ブレンド用ゆめちから”に期待しているのです。でも自給率も14%⇒30%にするという政府の言葉でいうと”意欲的な政策数値”意欲的?ってだれの?もっと意欲的ということばじゃなくて、本来の食糧確保としてやれる対策は今他にあると思います。それが”見た目の等級検査”の撤廃とか。これだけで地域は意欲的になれますよ。もっと現場、現場、現場の声聞いてください!!
3.小麦の全国での品種開発と研究状況:農研機構の麦研究領域長
  ゆめちからの品種開発背景:北海道農業研究センター西尾氏
感想:スンゴイ小麦を見つけてたのはこのパン用研究チームの皆さま。縞委縮、赤カビ、倒伏と農家を助け、超高タンパクとその内側はリレーでいうとジャマイカのボルトみたいにぶっちぎりの強さで、他品種(きたほなみ、全国の中力粉、米粉)をパンにしちゃう凄さがありますよね。でもこれからの品種改良も楽しみですよ!日本の小麦はこういう熱き育種研究者にかかってます!
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4.現地圃場における「ゆめちから」「きたほなみ」の特性と今後への期待:前田農産(私)
今回主催者側を一番心配させたプレゼン。67枚もスライドあったから、1時間くらいかかるんじゃないかとご心配をかけました。でも時間通りに終了~。ふ~汗。とにかく日本の小麦はこれからがますます面白くなって、それに伴って慣例の検査基準の見直しがあったらもっと、国産を望む人達のためになるんじゃないかなぁ~という提案。”ゆめちからは素晴らしい!”というのが最終見解。今回は北海道や十勝の多くの関係者や集っていて、北海道の産地としての役目ってこんなに大きいのかと肌で感じ、また会でも応援していただいた。感謝申し上げたい。
5.「ゆめちから」の各種ブレンド粉の製パン適正:日本パン技術研究所 原田氏
今回、最も会いたかったプレゼンターの1人。国産小麦を大量生産ラインでテストしながら美味しいをつくるのを研究してる中では最前線にたつ人だと感じた。でも安心。こういうパン研究者がいるから、農家が毎年は種前契約をさせてもらって、ちゃんとその量がはけてるのかもしれない。
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6.米粉品種開:稲研究領域上席研究員
  米粉の製造法:北海道農業研究センタ- 船附氏
船附さんも”どうにか米粉のより普及を”と熱くなってるひと。ちょうどこの日の日本農業新聞にも研究成果が記事になっていてメチャメチャタイムリーな感じでした。製粉法による米粉パン利用の発表。グルテンなしても米粉をふっくらパンにできるという発見者。
7.「ゆめちから」と中力粉のブレンドや米粉を用いた食品開発事例
   ㈱満寿屋 杉山氏:日本で敷地面積の一番大きく、十勝産小麦100%の店舗”麦音”をもっているのはここだけだと思う。私も杉山さんに会わなかったら、今の活動してなかったかもしれない。パン屋というよりは十勝パン伝道師だ。
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   全日本パン共同組合 福井氏:給食に国産パンがでたらそれは素晴らしいこと。全国では無理でもまず小さな自治体から取り組むことが重要だと思った。いろいろ制約あるが食と農を近づける意味では最重要なところ。
   ヒガシマル醤油㈱:実は”ゆめちから”兵庫ではお醤油に変身してます。この高タンパクが生みだす美味みが絶品なんだそうです。7月には生産者さんたち15名くらいで前田農産の”ゆめちから”を視察してもらった。もちろんパン用にも十分に使える品種。栽培のネックではなく、パン用小麦としての等級検査の問題が現地でもあがっているようだった。なんで色や見た目できめる審査になっているのか。この国の食糧事情と役人感覚はこれから頻発する国際情勢を切り抜けられないことは間違いない。誰か助けて!!
   シロクマ製パン:札幌でリテール”レモンベーカリー”と冷生地パン製造をてがけている。もちろん製造業からの要望は、”量、品質、価格”だ。これも大規模化で対応すべきことだが、日本の小麦価格は外国産小麦の情勢次第なのだ。まずは、円高でも海外産小麦価格が下がってこないと日本産も安くするのは困難だろう。でもこちらの和菓子パンは美味しそうだった。この和菓子パン”ばくべい(麦米)”という産官学連携の開発米粉×小麦になっている。
  ドルチェ・ビータ 安孫子氏:こちらの米粉、デンプン、砂糖、卵、牛乳、どの食材をとっても道産にこだわりつくしたバームクーヘンは正直、”こんな美味しいのか!!”と悔しさ?と嬉しさがにじみ出るものになっている。是非一度皆さんにたべてほしい味だ。
 全体の雰囲気は、”ゆめちからの期待度120%!!!”。
でも冷静に考えると、”品質の安定した美味しいふくらし粉”の役目なんだと思う。
もちろん小麦粉としての特性、栽培上の特性も群を抜いてすばらしい、あとは普及を考えると原麦の検査だ。
 本当に普及するかどうか、とにかく来年収穫の”ゆめちから”を良いものを作って多くのユーザーを獲得することが一つ。
 もうひとつは、それを国の等級検査が適正な基準値を認めるかどうかだ。
 ホント俺の代のうちにこの制度は変えないといけない。
 ”人間だって見た目じゃない!中身だ”と「ゆめちから」は叫んでいるに違いない。
最後に、十勝では300haくらい播かれてるんですって。楽しみですね!!
でもJAの方まで、ちょっとブサイクな外観を心配してますね。市町村全体で取り組むなら、足踏みしちゃいますよ。
でも家は違います。見切り発車?!という先行投資?なんです。パン用小麦の供給力が少しでも増えるならやるしかないんです。
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soil sample taking for the next season

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土壌サンプルの採取はいつもこの時期、11月中旬。
じゃなきゃ、凍ってシャベルもささらなくなる。
年に一回毎年取り続けて10年以上になった。パチパチパチ~。
“継続は力なり”とはこのことで、客観的に土の状態を毎年チェックするのは非常に重要だ。
土サンプル採取の目的は
1.畑の状態を化学の数字で認識する。
2.そのデータを基に肥料の設計を組む。
3.データは蓄積して、毎年の変化を数字で見て、作物見て、土の状態からさらに反省をしていくツールにする。
4.次世代に向けた情報として保管し、それぞれの畑に解釈をつける。
取る土は各圃場ごと。前回ライムケーキを土壌改良剤としてまいたのも各圃場ごとのサンプル数時から判断する。
うちではサンプルを4つ取る。
1つ目:SRU(全道組織の土の勉強会)農学博士のDrカワベ氏の指導のもと、土壌のデータと土質その年の天気や作物の状態を勉強するかい。土のバランスを考慮しカルシウムやミネラルなどを過不足なく土壌改良していく。農家は経験や勘に頼ることがおおく、理論的にデータが何を示すのか非常に勉強になる会だ。
2つ:農協連 十勝にはJAが出資した土壌分析の機関がある。ここのデータはJAほんべつのマッピングシステムに登録されるので、将来的なデータの蓄積に役立つ。
3つ:北糖 とりあえずのpHとECを簡易測定してもらう。
4つ:JA本別 土中にいるシストセンチュウの頭数をカウントしてもらう。豆とジャガイモを数えるのだが、うちはジャガイモはないのでダイズシストセンチュウの数を数える。頭数の数によっては、生育途中で作物が障害を受けやすい環境下におかれるため、特に豆類を作付するときはこの数字も重要だ。
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でどう取るか?
 きれいな肥料袋やガラ袋をもって、シャベル持って畑を横断していくのだ。
畑の表面と地中30cmくらいでは全く違う様相をみせることもある。
やっていることは簡単だが、データと反省を得いる意味では毎年の楽しみな儀式だ。
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取ってみるとよりよくわかるが、土質が違うと見事に土の色も変わってくる。
来年はどんな年の土になるんだろう?
作物や土って作ってみないと分からないが、作る前にわかることも多いのだ。
土のバランスだけ良くなっても、作業が作物の適期に行われなくては意味がない。
農業は複合作用の連続なのだ。

讃岐うどん職人がやってきた~!パート2

11月15日夜、その日は前日の讃岐のうどん職人”おか泉“の岡田社長の講和を聞いた。
創業者の話はいつも波乱万丈で激しく強く、壮大な夢とロマンスがある。
讃岐うどん職人、岡田さんも苦しく売れない時を経て今の大繁盛店があるようだった。
 困った時は常に原点に回帰する。
“すべてはおいしいことからはじまる”というおか泉の理念”美味しいうどんを出すとはどういう意味なのか?!”自問自答し実践することが人を次々と笑顔にすることなんだなと思った。
 基本に忠実なだけでなく常に行動することが、新たなチャンスをもらえるというより、天に与えられるのだな~と分かってもいないが想像してしまった。
 懇親会にも突然だったが参加させてもらい本別町の食で町おこしのメンバーたちと岡田さんを囲みながら盛り上がった。職人として経営者として悩み走り続けていることも、こんな若造にいろいろ小麦や”きたほなみ”の特性なども話してくれたり、聞いてくれたりして大変貴重な時間を過ごせた。
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 16日の朝。飛行機が早いこともあったが、どうしても実際土に根をはっている”きたほなみ”の畑を紹介したく、5分だけ時間をもらった。現在6~7枚くらいの葉をだし、寒い越冬ごえをしようと養分を蓄えてる生命の強さを感じてもらえればと思った。
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 讃岐のうどんを作っている人でも、”きたほなみ”という品種を知っていたりつかったことのある方は実際には少ないとのことだった。北海道産小麦=きたほなみがブレンドされてることも知らない職人もいるとか。確かにある粉つかって、そのブレンドネームさえしって、ちゃんとしたうどんができればそれで職人は良いのかもしれない。
 がしかし、生産者としては”きたほなみ”ちゃんを知ってもらいたいしアピールしたい。
 今回のような繋がりがより讃岐うどんの強いコシを生む、秘密の一つになればと思う。
“おか泉”絶対行こう!!
 またこの農産物ブランド推進協議会は、帯広市にあるNPOシンクタンク”あうるず”の協力の下進められている。代表の菊池さんや担当の井上さんにも多大な協力をいただいた。というよりこれからもいただくのかもしれない。
結局ブランドつくりは、人つくりがないと始まらない。感謝、感謝です。