ビートの山のてっぺんで砂糖を感じる

11月4日晴れ曜日。
ビートの収穫も終盤にせまったころ、子供農業体験を行った。
うちの畑は町の小・中・高校に面している。
学校に一番近い畑の都合上もあり、また小学校3年生の総合の時間で、町の基幹産業である”農業”を勉強しようというものだ。そこに地元のほんべつ農協青年部員たちが参加し、先生役や世話人となる。
今年の3年生は農業づくし。夏に酪農家の伊藤牧場で、さく乳とバターつくり体験、春秋には田中農場でじゃがいも植えと収穫体験、新じゃがをアルミホイルでやいてほうばり、今日はビートの収穫体験だ。
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 幸い本別町には、北海道製糖工場(北糖)があり、冬季になると甘ったる~くなんともいえない香りが風に乗って漂うため、お砂糖を作っているというのは子供たちもよく知っているようだった。
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 この日は3年生2クラス、40数名が参加。まず種の大きさや、ポット作業、生育く途中のことや、糖分のことを話したあと、早速収穫してもらった。
といっても、ビートの収穫だ。葉っぱつきの大根を抜き取り、タッピングナイフと呼ばれるナタ刃で、葉っぱを切り落としダンプに入れてもらった。
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最後に大抵のパターンになるのは機械収穫の見学。
人間の手ではあまりに時間と労力がかかる分、機械に手伝ってもらい多くの農産物を適期に収穫することを感じてもらっている。
顔くらいのビート(4kg以上)をとって、”重っ~~!!”というと必死に他の子も重そうなのを探す。
一粒の種はほんの数グラム。それが一個4kgも超えるものになるなんてなかなか信じられない。
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最後に大仕事。
ビートパイル(山)のならす作業。
ビートの出荷には2種類あって。直送(トラックが工場まで運ぶこと)と農家貯蔵といって畑で出荷まで貯蔵する出荷体制があり。今回の畑は貯蔵があった。約700tくらいのビートの山だ。
その上にシートを架ける。なぜかって?一つは乾燥して重量が減るのを防ぐ。それよりも冬場の凍結によって糖分が低下するのを防ぎ、また一度凍って溶けだすと腐れの促進にもなるため、シートをかけるのだ。
 またこの時期は北、西から強い風が吹きやすく、パイルの凸凹があると風が入り易く、まくられ飛ばされる。
だから上部をある程度ではあるが、手でビートをほおりなげて平らにする必要があるのだ。
青年部の仲間には”お前、自分でやれよ~~~(怒)”とつっこまれたが、
きっとあんな凸凹の山に登れるのは楽しいだろうなという感覚があってやってもらった。
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我々だって、年に一回の作業だ。つらい作業も皆でやればなんだか楽しいはず。
やればわかるが、円錐形といえども不確定な形ばかりのもの。足をくじく可能性もあり、まずは体操。
“オイチニィーサンーシー!×2”
子供たちも、ワイワイ言いながら登って、低みにビートを投げ入れてくれた。
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先生も”これって普通の仕事でもあるんですか~?”と不思議そう。
でもあるんです。ちゃんとやらないと、雨や雪で水たまりができたり、その部分が凍ってシートがやぶけたり作業が難航すしたりと大抵後で困ることになります。
最後に標高3mビート山の頂上?で記念撮影。パシャリ。
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北海道製糖のグラニュー糖は”ほのぼの印のお砂糖”ということも覚えてもらい授業は無事終了。
注:昔ほのぼの君というキャラがいたことから。
田舎のテーマパークは畑や牧場なのを農家も活かすべきだなと思ったのでした。
3年生の皆、農協青年部よありがとう!!
後日談:早速3年生たちからお便りをいただいた。
全部は紹介できないが、すごく感心した。
畑の中で話したことをちゃんと覚えていて、それをレポートにしたり、皆それぞれ印象に残った絵を描いてくれていた。
よく視察に行ったり、研修の一環として受け入れをするがいつも思うのが、時間の大切さと真剣さだ。今回も子供たちは疑問や質問をノートに書いてきて質問する。相手がだれで、何を聞きたいのかが明確になってないのは逆に大人の世界かもしれない。研修しただけで満足感が得られるようでは意味がない。せめて子供たちのようにメモをとるとか?一番聞きたいことだけはどんなに緊張しててても聞くべきだろう。
 子ども達の感想レポートもそれぞれの思いと、アイディアがつまっていた。3年生になるとここまで理解できるんだなと改めて感心したし、また”なかなかできない体験”という題をつけた子もいた。確かに機械作業が中心なうえ、重量作物とあってできない体験には違いないが、もっとこういう機会を増やさないと、地元や田舎の一次産業は理解者や応援団は全くできないと思う。農業はコミュニティの一部だ。長くなったけど、以下子供たちのレポート(抜粋)
3年生の皆さん、本当にありがとう!!
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