”北海道小麦を考える会”の種まきon畑

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7月29日、十勝晴れ曜日。
なんだか、いい大人たちがなにやらやってます。
そうです、当農場の畑にて小麦の種をまいているんです。
来日していただいたのは、東京からわざわざ種を撒きにきていただいた”北海道小麦を考える会”のメンバー10名。
代表の石田さんとは、数年前からのお付き合い。
以前電話で
”小麦の種まきたいんですけど・・・”
と切り出され、
”いいですよ、是非~!”
と言ってしまいました。
いろんな業態(基本的にはパンに携わる)の方たちが、東京で、”北海道の小麦”のこととかを中心に、情報交換しているようです。気軽に参加できるのがいいところのようです。
畑にて私のなが~い前説(もちろん小麦や畑のことが中心)を清聴していただいたあと、畑に入って小麦をつかんでパラリパラリと撒いてもらったのです。その後、無事整地されました。あとは、発芽をまつのみ。
品種は今年の収穫苦労度”No1”の”きたのかおり”。
播いた種は、来年苦戦しないように祈るほかありません。
この日は同じ畑で、機械による種まき作業もあじまりました。ので、機械でのデモも見ていただき、一連の作業を実物をみながら”一つの現実の北海道小麦”を実感していただきました。
ランチはいつもお世話になっている”帯広市の”はるこまベーカリー”の栗原さんに、特製サンドイッチを作ってもらいました。ランチ風景一枚もとりませんでしたが、楽しいひと時となりました。ショップでも、9月毎週土曜日は、限定で”春よ恋”はるきらり”のパンの試食会も開催されていましたよ。結果はどうだったんでしょうね?
もちろん、オーナーの栗原さんにも種まきに参加してもらいました。
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一部に”はるきらり”を使ってもらったり、そば粉が混じったオリジナルテイストのパンも。
秋晴れの中、外で食べるのもなかなかでしたね。
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東京に行くのが、さらに楽しみになった出会いでした!
”キタノカオリ”がここ十勝本別の畑からプ~ン、プ~ンと東京に香りますように。
ご来畑ありがとうございました。

マダガスカル漂着!危険地帯を超えろ!!

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”情熱海原”レポート、楽しんでいただけてますか~?
私の叔父と従兄が、ヨットで世界一周中なんですよ。
気になる行方はこちら → ポチっ
どうやら現在、マダガスカル島(南アフリカ近くの)を激躁中のようです。
彼らのヨット”ヤイマ号”、日本を離れ早6か月。
数々の出会いと発見を繰り返しての航海です。
ということは、ソマリア沖は回避できてるのかな?
うちの農場の小麦粉で、焼きまんじゅうみたいなもの作って仲良くなってね。
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キタノカオリのパンにがっつくyuki。
いいな~自分もうちの小麦粉のパン、海外で食べてみた~い!!

ジェフリーハメルマン夫妻との宴

前回の”パンを愛する匠達とともに”の後編。
今回のこの時間は夢のような時間でした。
小麦粉の違いを感じたり、写真はバーモントと当農場のキタノカオリ(全粒粉)を東京で試作してもらったもの。
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粉の粒度の違いもパン作りには重要な要素と教えていただきました。
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上記写真の上のパンは粒度が荒く、パンの目が詰まっている。グルテンが切られているもよう。
同じ小麦でも、挽き方もまた重要。
パンつくりは全くわからないことだらけでしたが、ジェフリーさん夫妻が住むアメリカ・バーモント州の農業にはアメリカらしからぬ食文化が根づき始めているようでした。
というのも、州のほとんどの町が何千人という小規模な集落をなし、アメリカ農業=遺伝子組み換え作物的な栽培もなく、農家の規模の30~40haと十勝畑作農業の規模とそれほど変わりがありませんでした。
農業経営体も、有機農業や緑肥や家畜のたい肥や糞尿をつかったりした循環型農業をおこなっていること。
規模では他の大きな州に勝てるわけもなく、それよりも”地産地消”の地域づくりがすすんでいると感じました。
新鮮な農産物を求め、地域の人たちが農家を支え、農家もジャムやチーズなどの加工品を販売したり、立地的にもニューヨークやワシントンDCに3時間程度とそれほど遠くないということもあり、消費者目線の農業経営で、いわゆるアメリカ的大規模な農業のそれとは違うようでした。
”Green Manure”(緑肥)について聞かれた時は、本当に驚きました。パン職人が、農家の畑の作り方にも精通しているとは。”知ろうとする”という言葉よりは、より身近に農業を感じる風土が現地にあるんだなと推測しています。いつか、日本のパン職人の方たちも、小麦畑にたって、今年はこんな感じかな?なんて思ってくれると、農家にとってもうれしいはずです。
こうなると”地産地消”という言葉も、生産者も加工者もともに”地を産みつづける存在”になるかもしれません。
さぁ、今晩は宴です。
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準備は、エグビブの奥様、子どもたちを中心に、真狩のJINさんの手料理がならび
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日本のパンの巨匠たち、明石さん、二瓶さんが神聖な儀式のようにパンをきりわけ
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パンプレートの上に、今日焼いたたくさんのパンたちが用意されます。あんな大きなカンパーニュやリュスティックがドンドン皆さんの体に吸収されていきました。
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最後にジェフリーさんからも”ここに集まった人たちは明日、それぞれのところに離れてしまうけれども、この日であったことや素晴らしい経験を他の人たちとも共有し、またつくっていってほしい”と一言。
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とっても気さくでジョーク好きのジェフリーさんとともに。本にはサインもいただき、励ましのお言葉もいただきました。
Daer Mr.Jeffrey
It was nice to talk to you here in Hokkaido, Japan.
I had great oppotunity to spend precious time with you and decent bread artisans of Japan.
I think everybody got there won’t forget moment we shared.
Thank you very much for words of cheer.
Please taka it easy and can’t wait to see you again!
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翌日早朝のエグビブさんから眺める、眺望は素晴らしく、まさに”Rising Sun!”です。
またまた気合い入りました。
お世話になりました、エグビブの家族の皆様、明石さん、二瓶さん、森本さん、N43の会の皆様、大変貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。

パンを愛する匠たちとともに

9月2日、素晴らしい奇跡に参加しました。
それは、パンをこよなく愛する匠たちとの出会い。
小麦ってすごい!畑って素晴らしい!人との出会いの膨らみかた。パン以上のものを感じています。
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皆さんこの本ご存じでしょうか?”BREAD”その名のとうり、製パン技術の本。パンを作るうえでの技術本です。その著者である、ジェフリーハメルマン氏に会えるチャンスをいただいたのです。
話はちょっとさかのぼります。8月下旬、東京の”パン技術研究所”で行われたジュフリーハメルマン氏の来日講演に当農場の小麦粉を使っていただきました。ご紹介いただいたのは、札幌のパン講師の森本さん
ジェフリー氏が地元のバーモントの粉と北海道の粉とを比較したいということで、三種の粉”ホクシン””キタノカオリ””春よ恋”のいづれも全粒粉を送らせてもらいました。
実際、挽き方に関して素人であるから、現地では一度ふすまを取り除いていただいたようだ。その時の様子は、森本さんのブログから・・・こちらポチっ
森本さんの関連ブログは、ドキドキするようなドキュメンタリーです。是非チェックしてください。
 このような光栄に恵まれるとは思っていなかったが、まさか北海道で会えるとは!
朝、車を飛ばして小樽に向かった。久々の北海道晴れで、空は青く、海もすきとおってきれいだ。
場所は小樽は忍路 にあるパン屋さん”AiguesVives・エグビブ”。
ここに、パンをやく匠たちが集結していたのです。
ジェフリーさんの本”BREAD”を勧めてくれたのは、日本の匠であるベッカライ・ブロートハイムの明石さんとドンクの二瓶さん。それに北海道のパン職人たちが集うN43のメンバーの方々。今日のこの姿をみて、北海道にも情熱あふれ、勉強熱心なパン職人たちがいっぱいいるんだなと思った。
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仕込みの量を確認するハメルマンさんとドンクの二瓶さん。そして”BREAD”翻訳者、パンの作り方のデッサンをした金子さん。素人でも凄くわかりやすく書いてあります。
到着すると、すでに職人たちがパンの仕込みにはいっていた。パンを作ることに関してはまったくの素人。でもこの雰囲気。いい、いい、いい!皆真剣にパンに向き合っていて、楽しんでつくっている。
明石さんや二瓶さん、そしてもちろんハメルマンさんの手つきに注目し、それぞれの仕事をこなしていく。
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窯入れの前のクープ入れも、なにか神聖な儀式のようだ。窯の中にはいったら後は人の手は加えられない。”どんなパンができるのかいつもワクワクするんだよ”と明石さん。職人という言葉の定義ってしらべたことないけれど、”とことんやることに楽しみをもち、とことんそれを追求すること”になるんだろうか。
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エグビブさんの石窯でやかれるパンたち。”美味しそう”なんてつきなみな言葉でしかないけど、焼かれているパンをみると本当に美しいものに見えました。
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今回も石臼で挽きたての小麦粉を持参。それぞれのパンに混ぜていただいたりしました。今回は前回の反省を踏まえて、ふすまの配分を少なくしてみました。
窯からでてきたパンの音って凄いんですね!生き物のようにパリっパリっ、ピシっピシって豊潤な香りと音に感動しました。
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ランチはこれまた素敵な石つくりのテラスにていただきました。
最高のパン職人たちの出会いがあるとこ、畑の小麦たちに感謝・感謝です!

ISOマネジメント

9月になりましたね~。早い、早すぎです一年。
もうあと20日もしたら秋小麦の種まきシーズンですよ。
雨も降りすぎ、台風の影響は風でなく雨です。
十勝はすでに秋風のような感じ。朝晩冷えますし、日中も暑いとは言えない天気がつづいています。
”今後の天候回復を祈って・・・”と今年何度そう思い、何度新聞等の記事であがったことでしょう。
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さて、ISOマネジメントというマニアックな雑誌があるのご存じでしょうか?
”知らない””知らない””知らない”という返事ありがとうございます。
私もしりませんでしたが、かなり真面目な雑誌で、キャッチには”企業経営を強化する実務マガジン”ということだそうです。
その9月号はアグリビジネスについての特集が組まれ、当農場の取り組みを掲載していただきました。
取組といっても大それたことはしていないのですが、今年の”ベーカリーキャンプ”や”はるきらり”による行政との連携事業、”春よ恋”を地ビールにしてもらうなどの事業連携等が書いてあります。
ISOというとかなりきっちりしていて、なんだかがんじがらめのような気もしますが、潜在的なさまざまなリスクを考えた行為を書面にて残しておくというのが基本的な姿勢なんだろうと感じました。
以前、ある講習会で”農業は食品産業だ!”と当たり前のことを言われましたが、その時”ハッ”としたのも事実です。現場は時に泥まみれ、時に糞まみれ、草まみれ。農薬や肥料の管理などあたり前の管理はしなければ食品産業の一部とはいえないですよね。
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とにかく、3ページにわたりいろいろ書いていただきました。
興味のあるかたは、読んでみてください。
さて、どこで売ってるんだろう?こういう本は?