豆のそれから・・・

それからの小豆(小学生の収穫分含め)はどうなったのでしょうか?
以前のとりくみはこちらから。
収穫したては夾雑物(きょうざつぶつ)といって、茎やサヤ、未熟な豆や時には虫、石なんかも収穫の機械の中には入ってきます。全く自然状態ですからある程度は何でもはいってくるわけです。
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これを選別ラインに乗せていきます。
ステップ1:粗選機(そせんき)といって、丸い穴が何個もついた篩いで大きい茎や、生サヤ、小さい雑草の種子などを取り除きます。
ステップ2:石抜き機を使って小豆よりも重い石を取り除きます。重量の重い石がたまるようになっています。
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ステップ3:比重選別機といって、文字とおり重いもの(正粒)と軽いもの(未熟な豆)なんかを選別します。”デック”と呼ばれる傾斜した網をゆすって、軽いものは下に、重いものは正粒(候補)としてタンクにはいります。
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ここまでが当農場でできること。見た目はぱっと見、綺麗ですが実際ここからが大変な作業でもあります。スーパーとかでよく見かけるピカピカの煌びやかな豆たちは、その後、大中小に分けられてクリーナーでピカピカに磨かれ(磨きのないのもある)、それから色の度合い(色彩選別機)で選別され、最終的には人間の目視によるチェックがなされ、金属探知機なんかにかけれれて製品となるのです。
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ここでできたものを、小学生に少量づつわたして、割れた豆や出来のわるい豆をより分けてもらい、タオルかなんかで拭いてもらったりして綺麗な豆にしてもらい、最後は”あんこ餅”にして食べる予定です。楽しみですの~~~。
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今年は特に大納言は水分(13.5%くらい)が少なかったせいか、大粒の特性なのか割れ豆が多い年となりました。もったいな~い。しかしながら、割れ豆だって立派なあんこに変身できるんです。

育てよう若き地域のサポーター ”ザ・収穫祭”

”うぉ~””キャー可哀そう~””すげぇ~キレイになってるぅ~”
10月7日、10時40分から正午まで、子供達の怒号、歓声、興奮が青空に響き渡りました。
そうです、本別中央小学校3年生の児童52名が小豆の収穫作業をしたのでした。
何度かお伝えしているJA本別青年部の農業体験の一環で”地域の農業を知ってもらうきかっけづくりとやっぱり気づけば地元の農産物がおいしかったなって、貴重な農業体験だったな!”っていう循環をこれからの子供達とおおくの町民のかたに感じてもらいたいとのことで5年前からの継続事業です。
初めに、5月29日に子供達に播いてもらった小豆(エリモショウズと大納言)、成長の違いや農家の人がどう管理して収穫までにいたったのかを、写真を通じて説明しました。
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この日は、北海道のラジオ番組、STVラジオの収録があり公共の電波にのること、また、北海道新聞社の取材も受けました。実際、10月8日の夕刊一面に記事が掲載されましたよ。
それはさておき、説明後、今度は9班に分かれてJA本別青年部・本別支部のメンバー9人がそれぞれ鎌の使いかたを指導しながら、小豆の株下を刈ってもらいました。
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今度は一人で・・・指を切らないように・・・。ちなみに鎌には2種類あって、包丁のような刃がツルっとしたものと、ノコ鎌といって刃にギザギザがついてるものがあり、雑穀の株なんかを切るのは絶対にノコ鎌なんです。小麦の茎なんかもノコ鎌でないと刈れません。
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それから、刈ってもっらった株をビニールシートに広げ、今度は昔ながらの脱穀の方法でサヤから小豆をだします。
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”殻(から)さお”といって、木の先端に鉄の棒をまとめたものを莢に打ち付けて脱穀していきます。”叩いて脱穀する”みたいな感じ。中には玄人なみに上手に殻さおを使う子も。
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この作業、青年部員も正直、初めての人もいます。現在、殻さおで脱穀している農業者はほぼいないです。だって手ですよ!何百kg、何tと収穫するものを手で脱穀とはかなり前の話です。とお話を子供達にしました。
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脱穀してシートにはじきでた小豆を、今度は”とうみ”という機械でゴミを飛ばします。風車のに風を送って、豆よりも比重の軽い莢や、割れた豆などをより分けます。これも”手回しのとうみ”(今では貴重なもの)を所有している部員から借りてきたもの。
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脱穀したての小豆と、ある程度綺麗に選別された小豆の違いを、子供達に知ってもらいました。
子供達は、鎌で刈りとること、殻さおで脱穀すること、とうみで豆をより分けること、それから現在の機械作業による工程(前回のブログを参照してください)を生で見ることに興味心身、大変興奮していました。
今回収穫した小豆は、石抜きと比重選別機にかけたあと、子供達にさらに割れた豆なんかをよってもらい、11月16日に予定されている小学校の地域参観日(町民参加の参観日)で、あんこ餅にして食べる予定です。
生産者(JA青年部)+子供達の体験からできた農産物+加工者(あんこを作ってくれるお母さん達、もちつきを指導してくれるおじさんたち)+地域住民と消費する。この循環。ここでしかできないことだと思っています。確かに部員の作業負担も大きくなってますけど、生産者事態も”食べる人の顔をみる””食べてくれる人たちが農家を支えてくれている””だからより美味しい農産物をつくる必要がある”という意識をもつことが重要だと思いながらやってますよ。皆、気合はいってます!!!
あんこ餅、おいしくなるでしょうか?乞うご期待!!!
それと、事務連絡。
ラジオ放送は、10月26日(日) 北海道STVラジオ”河村道夫の桃くりサンデー”の中で午前10:00~10:30くらいの間に流れるそうです。
Don’t miss it!!!

赤豆のお祭り 大納言 収穫

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アカネ大納言、赤くなりましたので収穫開始です!
10月3.4日にかけて収穫しました。
豆の収穫も農家さんでいろんな方法がありますが、要は”脱穀をして実だけをとる”というのが収穫です。
小豆に関していえば、そのサヤなりの特徴上、一番下のサヤが地面間じかについていることが多いため、収穫の時に機械による損失、”豆が乾燥したサヤからはじける”現象が起こってしまいます。そこで一度、下サヤをはじくようなことを避けるために、土の表面よりもほんの数センチの茎を狩り倒していきます。金時もこの方法が多く用いられます。
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写真の3輪バギーみたいのにまたがって、豆を刈るチップソーが2列づつ小豆の茎を切っていきます。
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それから、切られた小豆は2列の中央に折り重なりあいながら、一列として並べられます。
並べた写真がこちら
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それからコンバインというか、脱穀機能のついた機械(スレッシャー)の出番です。
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ピックアップ方式(拾い上げ方式)タイプのコンバインを使用していますが、ようは同時に上記の刈り倒した4列分の豆を収穫することが可能です。茎やサヤごと拾い上げられると、脱穀して茎やサヤなどを排出して、実だけをタンクに運びます。
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タンク内に小豆が入っていく様子。
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必要のない茎やサヤは、コンバインの後ろからチョッパーにより裁断されて、機械幅まで散らされます。これは裁断することで、土に有機物として取り入れられる分解速度が速くなることと、収穫後の整地作業の簡便化を図るのが目的としてあります。
豆がタンクにいっぱになると、排出作業になります。豆の出荷は水分16%以下ということもあり、必要性があれば風を通しています。また、若干の青い莢もありますので、収穫した後に送風機で水分を飛ばしておきます。

豆豆しい生活

さぁ、秋も深まってきましたよ~。朝晩は5度とか7度とか”やっぱり今年もちゃんと寒くなってきたな~”と感じる今日この頃です。
豆たちも収穫の時期を迎えてきました。
小豆と大納言ですが、食農教育のいっかんで地元の小学生に植えてもらった2品種はこんな感じです。
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上記は9月29日の写真。左の葉っぱの落ちているのがエリモショウズ。右の葉っぱが若干残っているのが大納言です。やはり大粒なので栄養を余計に必要とするのか、熟期は若干ですがエリモよりは遅い感じ。この小豆たちに関しては、10月7日に子供達と収穫予定です。
それから、黒大豆の”祝いクロ”同日の写真がこれ。
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はっぱも若干枯れかけています。実のつき方は良好な様子。受粉時の気候が良かったと考えられます。少しずつ、黒味をおびてきましたよ。
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それからこれなんでしょうか?
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答は”トラ豆”。つる性のものと、金時のような枝せいのものがあるようです。どういう歴史があるのかわからないですけど、福岡県が消費量NO1と聞いたことがあります。”大阪じゃないのか~”と最初思ったものです。
それからそれから、これは珍しいですよ。
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これは”栗豆”といって、文字どうり栗のような味のするまめ。これの甘納豆なんか最高です!本別町の極一部の農家さんで作っていますけどかなり限定的。金時とはまた違う独特な味がでてます。煮豆で食べても、もちろん栗のようなホクホク感が感じられます。
トラと栗は、自家消費用なのです。そういえば、嫁さん、ガルバンゾーもまいてた。けどたいした発芽もしないし生育もさっぱりだったもよう。やっぱり、十勝の気候とメキシコの気候はちがうよね~とか話したりしました。

aki maki co-mugi

9月21日から秋播き小麦たちをまきはじめました~パチパチ。
今年は3品種まきましたよ~。前回畑を起こし、整地しました。
そこに、肥料を散布します。小麦は越冬しますので、冬を乗り越えられるだけの肥料をあげます。窒素肥料を4kg土に散布しました。
ブロードキャスタと呼ばれる機械です
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散布している感じは・・・文字どうり”撒き散らし”てます。24m分飛びますが、散布ムラを考慮して12mづつにしています。白いが肥料。
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まづ先頭打者は”キタノカオリ”です。青いのは種子消毒済みだという塗料がついています。
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キタノカオリはその品種特性から、ホクシンと比べて熟期が遅いので、同日近くであれば大抵の場合、収穫時期も遅れます。一番最初にまきましたが、秋播き小麦のなかでは一番遅くに収穫することになる予定です。
二番バッターは”ホクシン”です。
北海道小麦の定番、9割はこの品種です。9月22日から30日にかけて反あたり6~9kgの間で播種していきました。
作業機械ですが、麦類は”ドリルシーダー”という機械を使います。うちのは肥料のタンクがない分、”パワーハロー”という整地する機械+種を播く機械がドッキングしたかたちのものになっています。
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種がでてくるところは、
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円盤の中に筒があって横の大きな鉄車輪が土にふれて駆動輪となり、種のタンクのなかに撹拌する棒をまわすことにより種がポロポロとでている仕組みになっています。一番後ろの鉄の棒は土をならして、種に土をかぶせる”覆土”の役目をしています。種の深さはだいたい、2~3cmとなっています。
3番手は新品種”キタホナミ”デビューです。
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ホクシンに代わる次世代エース。農業試験場では、開発用途はうどんにしたときの製麺性のよさ、くすみがないころ、農家にとっても1~2割増収可能という”ホントかよ~?!”と言われてしまいそうな楽しみな品種。今年から解禁となり、今後3年間で徐々にホクシンにかわっていく予定だときいています。
”ASWに匹敵する”いってるけど、もともと”うどん”だって日本の食文化なんだから、”匹敵”とかじゃなくて”日本独自のうどんの味のする小麦”と紹介してほしい。国産小麦自給率14%ですけど、”うどんの食文化度ってせっかく100%なんだから。それに、”うどん”だけじゃないですよ、ホクシンだって、このキタホナミだって。
美味しいシフォンケーキやクッキーだって活けてますから。道産小麦にも十分活躍して、パンにだって変化してますよ。
種を播いたら、仕上げにローラーで鎮圧をしてあげます。鉄車輪がいっぱいついたローラーで播種床を落ち着かせ、土をおさえることによって発芽に必要な水分の吸着率をあげようとする作業です。
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現場では”品種を変えること”=”掃除をすること”です。
が、多くの方にいろんな小麦を提案し知っていただきたい。それぞれの品種のその年の素晴らしさを感じて欲しい。そういう気持ちで作付けしてます。
平成21年8月の収穫までのお楽しみ、始まりです。